2018年に読んだ本(随時更新:しばらくはミステリ中心)


S→味わい深く、いつまでも心に残りそうな作品

レベッカ/ダフネ・デュ・モーリア……Aに近いS。前半3分の2は、前妻レベッカとの比較に怯える後妻の「わたし」視点での、うまくいかない結婚生活の物語。後半3分の1は、実はレベッカがクズ女で、マキシム(旦那)がレベッカを殺していた事実が発覚。ミステリ的展開になる。
前半が面白かった(前半だけならS)だけに、そのまま「わたし」がおかしくなっていくようなホラーモノにしてくれた方が好みだったかもしれない。情景描写が美しく濃密なため、ページ数の割には読むのに時間がかかるものの、「良質な小説を読んだ~!」という気分に浸れる力作。



八百万の死にざま/ローレンス・ブロック……THE・アル中小説。主人公のアル中探偵が事件を追いかける物語、という感じではない。アルコール中毒との闘いこそが本筋で、事件は『ストレス因子』として機能しているように見える。辛い事ばかりのこんな世の中じゃ、酒に逃げたくもなる。『飲む事への言い訳構築』や、『告白できない恥の意識』を含め、非常に素晴らしい依存症小説。
ラスト、遂にアルコール中毒を告白する主人公の勇気に感動した。

長い感想はこちら



推定無罪/スコット・トゥロー……現役検事補の書いた本格的リーガル・サスペンスとして堅実な構成を持つと共に、『俺TUEEE』的に敵の検事をバッタバッタとやっつける爽快感あり、ほろ苦い愛情の物語アリと、人間ドラマとしても楽しい贅沢な一作。やや病んでいる愛情深い妻、バーバラの存在がとりわけ印象深い作品。
(難しいかもしれないけど)遊びの不倫でしかないんだから、目をつぶって……やれなかったんだろうなぁ。それにしても、キャロリン……40代でもますます盛んに男をとっかえひっかえ、とんだ悪女だぜ……。性欲と愛情は別、というのは女性にはあまり理解されてない気がするけど、本当に別だと思うんで、この手の『性欲しかなさそう』な不倫は眼をつぶってやってください(まぁ俺には関係ない話だが)



沙高楼綺譚/浅田次郎……感想はこちらに書きました。

伯母殺人事件/リチャード・ハル……こちらに書きました。

ホッグ連続殺人/ウィリアム・デアンドリア……非常に読みやすく洗練されたミステリで、古き良き時代の「ヒーロー的名探偵」と、現代的大都市ニューヨークでのリアルな殺人が同居する、
古く新しいミステリ。道具立てはクラシカルだが、キャラクターは現代的で活き活きと描かれている。
タイトルであっさり動機がわかってしまったのはご愛敬。

生ける屍の死/山口雅也……感想はこちらに書きました。


九尾の猫/エラリー・クイーン……あまりにも救いのない、重苦しい話。悲劇の人生を歩んだカザリス博士に涙。クイーンでまさか感動させられるとは……今まで読んだクイーン10作の中ではこれがベスト。
作風が全く違うので比べるのもあれだけど、個人的には国名シリーズよりも遥かに面白い。

やとわれた男/ドナルド・ウェストレイク……「シビれる」ハードボイルドを読んだのは、いつ以来だろう? 存外、僕はハードボイルドとは相性が悪く欠伸をしてしまう性質だ。感情のない人間には共感できないし、感情豊かで甘い作品はハードボイルドとは呼び辛いからだ。しかしこの「やとわれた男」には、シビアな人間関係・乾いた感情の中に確かな哀感があり、人間への愛がある。ミステリとしても一級品で、犯人当ての作品としても楽しめるし、言い知れぬ不安を抱かせるラストの描写も最高。
これは名作ではなかろうか。ウェストレイクを読むのは今回で13作目か14作目になるが、「ホットロック」と甲乙つけがたい、彼のベスト作品。



捕虜収容所の死/マイケル・ギルバート……皆から憎まれていた捕虜が殺された。問題は死体発見の場所。イタリア軍に隠れて掘っていた脱走トンネル内に死体があったのだ。トンネルの在処をイタリア軍にバレないようにしつつ、真犯人を探るというミステリとサスペンスが絶妙に混じり合った隙のない構成はただただ見事。ラストの脱走シーンの緊張感も素晴らしく、とにかく完成度の高い一品。


偽のデュー警部/ピーター・ラヴゼイ……「日常」から切り離された5日間の船旅は、ロマンチックな「非日常」空間を生み出すんだなあと改めて感じた。大勢の人間が、のんびりと過ごす5日間。その間に出会いもあり、別れもある。これが現代の飛行機旅行だとなかなかそうはいかないよなぁと。
非常にサクサクと読めるユーモア・ミステリ。ラストはちょっとモヤモヤとするけれど……

警察署長/スチュアート・ウッズ……人種差別の激しいジョージア州の街デラノを舞台に、3代の警察署長の目を通して、公民権運動の高まり、黒人の解放を描く
文句なしに面白い大河作品だが、黒人に対する白人差別がどうしょうもなく、読んでいて憤懣やるかたない気分になるのはテーマ上

A→読んで良かったと思える作品

ドーヴァー4 切断/ジョイス・ポーター……田舎で力を持っている謎の婦人会。謎の切断死体。自殺。
主人公は『村のヤリチン』を去勢して回っている婦人会の陰謀だと考えるが……。
笑えて、怖い、ユーモアホラーミステリー。面白いよ!


ブラック・ダリア/ジェイムズ・エルロイ……未解決殺人で母親を失っている作家が、同じく未解決で迷宮入りした実際の事件『ブラック・ダリア事件』に材を取った、エンタメ警察小説。被害者にとり憑かれていく主人公、陰惨なストーリーでありながら最後に救いが見える(ような見えないような)のも嬉しい。ブラック・ダリアにとり憑かれていたのは、恐らく作者も同じだろう。
読者にとっても面白いし、何より作者にとって『書かないではいられなかった』のだろうなと感じさせる、魂のこもった一作。これを書くことによって、何より作者自身が救われたのではなかろうか。

心引き裂かれて/リチャード・ニーリィ
レイプ魔が跋扈するニューヨーク。主人公の奥さん、ケイトもレイプ被害に遭うが、妻の束縛の強さに耐えかねていた主人公は、偶然出会った元恋人グロリアと不倫に精を出すのであった。
ラストで明かされる、奥さんケイトの正体は衝撃の一言。奥さん=母親かよ! 
色々考えさせられるお話。

女彫刻家/ミネット・ウォルターズ……母と妹を惨殺したシリアルキラー。主人公のフリーライターは彼女を取材するうち、事件にとりつかれ、過去の真実を探り出していく。過食と拒食。皆が傷を抱え、皆が病み、その中で何とか日々を送っていく、ロス・マクドナルド、ジョン・ハート系列(あるいは「ミスティックリバー」)のミステリで非常に好みだが、最後のドンデン返しはない方が良かったのでは……。

シブミ/トレヴェニアン……『シブミ』を持つ主人公ニコライの、とりわけ青年時代の描写が面白い。下巻も(洞くつ探検のシーンは少々退屈だったが)まずまず楽しく読めた。最後もなんだか、日本の歴史小説を読んでいるかのようで、ワビサビと言うか。
それとは別次元の話をするなら、アメリカの作品でありながらアメリカ文化を痛烈に叩いているところから、逆に『アメリカという国の健全さ』を感じた。

失踪当時の服装は/ヒラリー・ウォー……白昼失踪した女学生の謎を追う、凸凹刑事コンビのやり取りが楽しい。警察小説というジャンルを切り開いた歴史的意義のある作品だが、そういうのは抜きにして今読んでも普通に面白いです。半年で11人と36回デートした女学生が『真面目な女生徒』扱いされているのは、読んでて不思議だったけど。

殺人鬼/浜尾四郎……ヴァン・ダインの「グリーン家殺人事件」のオマージュであり、一つの進化系。「グリーン家」をオマージュした作品には、エラリー・クイーン「Yの悲劇」があり、「Yの悲劇」のオマージュである(らしい)横溝正史「獄門島」までを加えれば、ミステリの一大山脈を為す。
大富豪秋川一族を狙った連続殺人にして、遺産相続などが絡む、古式ゆかしい王道スタイルのミステリ。
登場人物の描き分けは、美人3姉妹がひろ子を除くとキャラが経っていないのがやや残念。
一族間の連続殺人を描く作品は、必然的に登場人物間の関係性が密接、かつ想像しやすいものとなっており、興味を持って読めるのが好材料。
非常に緻密に、丁寧に描かれる連続殺人は、今読んでも十分面白い。
ただ丁寧すぎるのがやや難で、何から何まで説明してくれるラストは正直ちょっとタルかったかもw


殺人症候群/リチャード・ニーリィ……王道のサイコキラー作品。としか言いようがないが、王道=つまらない、ではない。現実に、こういう経過をたどって連続殺人に行きつく猟奇殺人犯はいくらでもいそうな、リアリズムを感じる。

レッドドラゴン/トマス・ハリス……有名だと思われる「羊たちの沈黙」の前作にあたる作品だけど、「羊たち」よりも面白かった。
「羊たち」の面白さが、カリスマ悪役のレクター博士とクラリスの謎めいた関係性に終始拠っているのに対し、「レッドドラゴン」はよりオーソドックスで、より堅実な、正統派サイコサスペンスだと思う。特に下巻、犯人の視点が増えてからは面白くなってくる(それまでは微妙)。
ただ、(ネタバレ。反転してください)→最後の50ページはない方が良かった。最後の50ページなしで終われば「美しく悲しい話」で終わったのに、最後の50ページで「胸糞悪いバッドエンド」になった。好みの問題だけど。


時の娘/ジョセフィン・テイ
王子を殺したとされる、悪名高きリチャード3世。だが、真犯人は別にいたのではないか? 入院中の刑事が、ベッドの上から真犯人を探し出す。
ミステリではあるけれど、歴史論文に近い感じの手触り。
大きな謎を解決(?)し、さて日常へと戻るラストも良い。
惜しむらくは、私にリチャード3世当時の英国史になじみがなく、かなり混乱を生じた事。
ネットでは歴史知識がなくても読める、と書いてはあるけれど、エリザベスが何人もいたり、ヘンリーが何人もいたり、リチャードも何人もいたり、結構混乱すると思うぜよ。読めないとは言わんけど。

シャーロックホームズの冒険(短編集)/コナン・ドイル

長い感想はこちら。

社会不適合者でぼっち、そのうえヤク中なダメ男、ホームズ君だが、推理の時だけは天才となる。
そんな目の離せないホームズ君を甲斐甲斐しく見守るワトソン君の友情が印象に残った。
一番面白かったのは「青いガーネット」。想像していた以上にユーモアミステリだった。


シンデレラの罠/セバスチャン・ジャプリゾ……『ドミニク』は『ミシェル』に殺意を抱いて、火事で彼女を殺そうとし、『ミシェル』も『ドミニク』に殺意を抱いて、火事で彼女を殺そうとし、
生き残った一人は記憶喪失。私は『ミシェル』? それとも『ドミニク』? というお話。
ミステリとして面白いんだけど、「どっちだってええがな」感もあった。
共犯者『ジャンヌ』が『ミシェル』を(性的に)狙ってた描写もあるし、『ドミニク』も読み方によっては『ミシェル』を狙っているように読め…なくもない(かなり無茶だけど)ので、百合の花咲き乱れるクレイジーサイコスリラー方面でやってほしかったけど、それだと別の話になっちゃいますかねw


獄門島/横溝正史……『跡継ぎが頼りないから、跡継ぎ継承順位の上のやつらを片っ端から殺して、頼りになる跡継ぎに跡を継がせよう』とはあんまりにもひどい動機じゃございませんかw キチガイに謎の復員兵、独特の横溝ワールドは堪能でき、面白かった。敗戦直後じゃないと書けなかった作品かも。

殺人者の烙印/パトリシア・ハイスミス……Bに近いA。迷惑な夫婦に振り回される周囲こそ不憫だ……。


十日間の不思議/エラリー・クイーン……犯人の特異な人物像に、なるほどと思わされる。復讐とはいえ、ここまでしなきゃならないものなのかなぁ。「赦す」事は、相手に限らず自分をも「救う」と思った。


星を継ぐもの/ジェイムズ・P・ホーガン……物語的興味ではなく、学術的な知的好奇心で読ませる、良い意味でも悪い意味でもSFらしいSF。最初はとっつきづらいが、ラスト50ページは惹き込まれるように読めた。

鷲たちの盟約/アラン・グレン……フランクリン・ルーズベルトが暗殺され、ヒューイ・ロングが政権をとったアメリカで起こった、一つの殺人事件の物語。歴史改変SFとして、全体的に質が高く、物語全体を支えるリアリティの強度は高い。 
ただ……主人公の行動が、ヒトラーやヒューイ・ロングの命を救うなど
『煮え切らない・やるせない』展開が多い後半は、『解るけど……』という感じ。
真面目で悪い人間ではないのに、体制に迎合してしまう小市民的な主人公で、『革命戦線の闘士』みたいなキャラではないのも、『リアリティがある』とは言えるのだが……。
結局、『本当はいけない』と解っていても、自分の家族や仕事を守るためには、遠くでユダヤ人が殺されていても見て見ぬふりをするのね……という、何ともやるせない物語だった。


B→暇つぶし以上の有益な何かを得た作品

憎悪の化石/鮎川哲也……古さを感じさせる社会派小説という事で、どこか松本清張に似た印象を受けた。わずか6分の違いで人生ががらりと変わってしまう、という構図は面白かった。

苦い林檎酒/ピーター・ラヴゼイ……エキセントリックな謎の美少女アリスの登場と共に幕を開ける、ノスタルジー&ロマンチックな恋愛ミステリ……を勝手に期待したのが良くなかった。そんな話ではなかったのだった。勝手に違うものを期待したこちらが悪いが、冒頭のノリが好きだっただけに残念。

ゴーリキーパーク/マーティン・クルーズ・スミス……「寒い」「退屈な」「自由がない」「人間不信の」ソ連を描いた、地味な作品……と思いきや、500ページを超えたあたりから面白くなってくる。しかし面白くなるまでが長すぎ……。


リリアンと悪党ども/トニー・ケンリック……最初は微妙だけど、段々面白くなる。ただ、アクションシーンはイマイチに感じた。リリアンのキャラクター性が面白さの5割を担っているので、リリアンを気に入るかどうかが大きいかもしれない。

歯と爪/ビル・バリンジャー……一見関係のない2つの視点が交互に挿入されるので、とっつきづらいが、最後はなるほどと感心した。尻上がりに面白くなるが、面白くなるまで時間がかかった。

占星術殺人事件/島田荘司……トリックのインパクトと、探偵コンビの珍道中は高評価。ただ、面白くなるまでに時間がかかりすぎ。

見えないグリーン/ジョン・スラデック……ミステリ愛好サークルの同窓会をきっかけに起こる連続殺人モノ。
サークル員の一人『少佐』の、被害妄想描写が真に迫っており、非常に面白い(反面、怖い)。しかし、『少佐』を皮切りに、連続殺人が起こると、後半は『フツーの』ミステリになってしまう。それが好きな人の方が多いかもしれないけど、僕的には少佐の異常心理こそが面白かったので拍子抜け。殺される人物も、魅力的なキャラから死んでいってしまうので、残された奴らはどうでも良いキャラばかりなのも残念。犯人も魅力ないし。色々と勿体ないと感じた作品。

ひまつぶしの殺人/赤川次郎……「ひまつぶし」としては面白い。頻繁な視点変更はさながら映画のようで、作者の技量を存分に見せつけられた。語り手としての能力は、さすが赤川次郎といったところか。
母は泥棒、兄は殺し屋、主人公は弁護士で、妹が詐欺師、弟が警察官というユニークな一家が生み出す、ドタバタ犯罪コメディ。近親相姦を知らずにしちゃったくらいで何も自殺せんでも……と思いました。犯行の動機も、命も軽い。ちょっとウーンとは思うけど、こういう作品では、あまり気にしても仕方ないのかもしれない。

スイートホーム殺人事件/クレイグ・ライス……お母さんが再婚する話は良かったし子供はかわいかったけど、殺人事件はどうでも良かったw

翠迷宮(アンソロジー)……感想はこちら。

奇岩城/モーリス・ルブラン……怪盗紳士ルパンというキャラクターを生み出したルブランの功績。暗号、冒険、ミステリ、恋愛(男はつらいよ的な?)を結び付けたこのシリーズは、恐らく後世のエンタメ作品に特大の影響を残している。また、読書人生最初期に南洋一郎版ルパンに出会った事も、僕にとって財産となっていると思う。悪人であるはずの「強盗・泥棒」を魅力あるキャラクターとして描いた功績も、大きいのではないか(多分)。
で、大人になった今、新潮文庫版のルパンを読んでみたが、まぁそれなりに楽しめたものの、今となっては……と思わなくもない。
ただ、ラスト、怪盗であるはずのルパンが蓄えた「美」や「人情」が、正義であるはずの無粋な警官&卑劣なホームズ(他人のキャラを無断で出すなw)に踏みにじられる描写は、しみじみしてしまうところはあるが。あと、少年探偵のボートルレ君は、「黄色い部屋の謎」のルールタビーユ君より30倍かわいい。


野獣死すべし/ニコラス・ブレイク……1930年代にはまだ、完全な形の「倒叙小説」がなかった(タブーだった?)……のだろうか? バークリーの「試行錯誤」に続いてこの作品を読んだが、途中までは緊迫感のある倒叙モノだったのに、後半は純正ミステリになってしまう。一粒で二度おいしい、と見る向きもあるだろうが、個人的には前半の緊迫感溢れる倒叙のまま突っ走ってほしかっただけに、残念だった。

消えた玩具屋/エドマンド・クリスピン……事件自体というよりも、作中に流れる楽しげな学生街の雰囲気が良かった。


多摩湖畔殺人事件/内田康夫……「多摩湖畔」である必然性が全くないし、犯人の動機が不明すぎる。
犯人の人物像もよくわからないし。ただ、事件解決の鍵が酒田市の御殿毬というところから、酒田市に旅行したくなったのは事実だし、車いす美少女もかわいい。軽い気持ちで読んで、旅行したい気分に浸れるという意味では悪い作品ではないのかもしれない。ガチな物語、ガチなミステリの読み応えを求めると、辛いけど。そこそこ良質のラノベミステリ、という感じ(ラノベとは言わないのかもしれないが)

房総・武蔵野殺人ライン/深谷忠記……1995年発行にしては、登場人物像に古さを感じるが、それはおいといて。鬼畜と思われた主人公の父が実は被害者(と言っても不倫はしているが)で、不倫相手こそがド畜生の外道だというのは、なかなかドンデン返しが効いていて良かった。

緑は危険/クリスチアナ・ブランド……戦時中の病院を舞台にした殺人事件のお話。雰囲気が良い。

ロウフィールド館の惨劇/ルース・レンデル……

『10か月後に殺される一家』と『10か月後に一家を殺す狂人2人』が、どのようにして破局へと突き進んでいったかを、じっくりねっとり書いて、
『ここでこうしなければ、破局には至らなかったのに』的なエピソードが数多くある中で、『破局に進んでいく』登場人物の運命を読者は傍観者として眺め続ける、そんな作品。
なんて嫌な小説なんだ……。もう絶対この作家の小説は読みたくない!! ってぐらい嫌な小説。
でも質は高い。
ただ、これは『文字が読める/読めない』とかそういう次元の話じゃない。重度の知的障碍者で、その上サイコパスだと思う。


C→暇つぶし程度にはなった作品


薔薇の名前/ウンベルト・エーコ……『中世ヨーロッパの修道院』という、ある種の異世界ファンタジーを読むスタンスで読めば面白い。ただ、なんつーか……『簡単な事を敢えて難しく長々と書く』筆者の文章に、僕はもう疲れ果てたよ……。Bにしようか迷ったけど、しんどさだけならD評価。

ジェゼベルの死/クリスチアナ・ブランド

はなれわざ/クリスチアナ・ブランド

古い骨/アーロン・エルキンズ

黒死館殺人事件/小栗虫太郎……↑『薔薇の名前』と同じで、とにかくしんどい。『簡単な事を敢えて難しく長々と書く』筆者の文章に疲れ果てた。恐るべき厨2病。その意味不明かつ大仰な厨2魂にあてられて、一種の酩酊感は味わえるのでCにしたが、やはり辛いもんがある。


わらの女/カトリーヌ・アルレー……バカな女が詐欺に引っかかって人生を台無しにする話。胸糞の悪い話で、怖いと言えば怖いが、どちらかというとこんな詐欺に引っかかる方がバカなのでは?と思ってしまった。

赤い右手/ジョエル・タウンズリー・ロジャース……勢いとエネルギーと力業で無理やり物語を終わらせたような。酩酊感、ドライブ感は確かに凄い。しかし、『偶然』があまりにも多すぎない?

ミスブランディッシュの蘭/ハドリー・チェイス


D→自分には合わなかった作品

813/モーリス・ルブラン……面白い、とか、面白くない以前に、作品として完結していない。「続813」とセットで1作であり、この「813」は「上下巻の上巻」としか言いようがない。
何せ悪役の正体は不明、令嬢は捕まったまま、ルパンも捕まったままである。
完結しての感想は「続813」を読んだ時に書こうとは思うが、「続813」を読む予定は今のところない……。

39階段/ジョン・バカン……さすがに古すぎたか……

ジャッカルの日/フレデリック・フォーサイス

摩天楼の身代金/リチャード・ジェサップ……この方法は『新しい』のか? めちゃくちゃ展開が読めたのだが……。

不連続殺人事件/坂口安吾……被害者の数が多く、容疑者の数も確保する必要上、登場人物が膨大な数になっているが書き分けはうまくいっておらず『空気』になってしまったキャラが多数。
また、トリックはあまりにも絵空事。女の部屋の前で大声で3時間も喚いて扉を殴ってる男がいたら、普通誰か1人ぐらい警察に通報するなり、皆で取り押さえたりしないものだろうか? 
更にミステリをある程度読んでいると、とある法則(ネタバレのため反転)
犯人に一度狙われたにも関わらず、助かった人間=真犯人
で真犯人を見破ってしまう確率が高いと思われる。


毒蛇/レックス・スタウト

逃げるアヒル/ポーラ・ゴズリング……『女だてらに、男まさりの』という、性差別なんだかそうじゃないんだかわからない誉め言葉が冠されている作品だが、『不必要に気が強く喧嘩早いヒロイン』と『ものすごく無愛想で、心に傷を持つ男』の関係性などは、
女性作家特有の(この女のどこがいいの? この男のどこがいいの?)と(僕に)思わせる人物像で、辟易させられた。



これから読む予定の本


三国志/北方謙三

らせん/鈴木光司

ループ/鈴木光司

ラバーソウル/井上夢人

クレイジーカンガルーの夏

クレイジーフラミンゴの秋

半分の月がのぼる空/橋本紡

真剣で私に恋しなさい(まじこい)対談始めました

ホームページオブ百合機械、管理人の残響さんと
「真剣で私に恋しなさい」の読書会を行いました。

ゲーム1本について、今回も『つよきす』と同程度のボリューム(8万字程度)になると思われます。
素晴らしい機会を与えてくださった残響さんに、深く感謝いたします。
楽しかったですw


対談の模様はこちらにて公開しております。


「真剣で私に恋しなさい」

第1回 はじめに 8/10公開
第2回 川神百代 8/10公開

第3回 黛由紀江 以下全ヒロイン公開、順次公開予定(対談収録は既に終わっております)

残響さん向け? 100作 のうち62作!

エロゲ対談などで普段仲良くしていただいている、残響さん向けの推薦図書100作です。
強制とかでは全くないです。

基本内輪ネタですが、もちろん、残響さん以外の方も読むことを前提に記事を書いていますので、
何かの参考になれば幸いです。


基準は

・残響さんと話していて、彼が好みそうだと思われる作品

・残響さんが好きな村上春樹繋がりで、村上春樹と関わりがありそうな作品

・残響さんが好きな森博嗣繋がりで「森博嗣の100冊」に挙がっている作品・作家で残響さんが嫌いではなさそうなもの

・残響さんが既読である事を、僕が確信をもって知っている作品は省いた。
(たとえば「マリア様がみてる」とか)


1 トリストラム・シャンディ/ロレンゾ・スターン
2 吾輩は猫である/夏目漱石
3 アメリカの鱒釣り/ブローディガン
4 銀河ヒッチハイクガイド/ダグラス・アダムス
5 黒死館殺人事件/小栗虫太郎



上記5冊は『ヘンテコ』な作品群である。
個人的には非常に読みづらく感じるため一般には薦めない。
奇妙奇天烈な作品であり、作者の『駄弁り』に付き合わされている感覚すら受ける。
『1』に感銘を受けた夏目漱石が『2』を書いた、という繋がりもある。
『5』はミステリのオールタイムベスト級作品である。
僕はこの5冊はどれも、「合わなかった」。
漱石は『猫』タイプの作品と、『こころ』タイプの作品があるが、僕は圧倒的に後者のファンである。


6 さようなら、ギャングたち/高橋源一郎
7 スローターハウス5/カート・ヴォネガット

この2作も『ヘンテコ』ではあるが、読みやすいと思うため、他の方にもお薦め。
『7』は村上春樹が影響を受けているらしい。
同著者の「タイタンの妖女」は爆笑問題の太田さんが大好きだ、という逸話があるが、
個人的には「スローターハウス5」の方が短く、それでいて洗練されているように思う。
どちらもテーマ的には同じ(のはず)。

8 ドグラマグラ/夢野久作


これも読みづらい。
エロゲーマー的には『水夏』第3章のオマージュ元ということでもあり、見逃せない、と言いたいが
薦めにくい。ただ、残響さんはこういうリズムの文章は好きそうだ。


9 ドン・キホーテ/セルバンテス
10 老人と海/アーネスト・ヘミングウェイ
11 魔の山/トーマス・マン
12 薔薇の名前/ウンベルト・エーコ
13 失われた時を求めて/マルセル・プルースト
14 エロ事師たち/野坂昭如
15 シブミ/トレヴェニアン



しんみりと人生の無常を感じるような作品である。
とは言え、過度に暗いというわけではない。
『9』などは大爆笑しながら読めてしまい、最後には感動する名作なので他の方にもお勧めだが、長い。
『14』は一般的にも非常にお薦めだが、残響さんには下ネタが̪̪̪引っかかる可能性はあるか。そこさえ乗り越えられるなら気に入ると思う。
『13』はクッソ長いので、読んだだけで自慢したくなってしまうが、内容自体はそこまで読みづらいものではない(しかし、長すぎる)。のんびり数か月かけて読むのも良いのではなかろうか。


16 地球の長い午後/ブライアン・オールディス
17 パノラマ島奇譚/江戸川乱歩



風景描写の美しい2編である。風景描写が好きだと仰っていた記憶があるので挙げてみた。
「16」は『ナウシカ』に影響を与えたとも言われている。


18 かもめのジョナサン/リチャード・バック
19 精神寄生体/コリン・ウィルソン


精神修養的な話が大好きっぽい残響さんなら気に入るであろう作品。
「19」は、精神修養から始まってMMR的なトンデモ話を説得力を持って描いており、最後には壮大なバカ話で〆る、皆に薦めたい作品だが、恐らく絶版のため図書館でしか読めないはず。
コリン・ウィルソンは残響さんの好きなラブクラフトともつながりがあるので、そちら方面からもお薦め。


20 地獄のハイウェイ/ロジャー・ゼラズニイ

世界崩壊後。終末世界を駆け回る
、というシチュエーションが大好きっぽいので挙げた。
普通に面白い。
世界崩壊後の世界を描いた作品には、たとえば大傑作「ザ・スタンド」などがあるが、残響さん向きかと聞かれると微妙である。


21 生ける屍の死/山口雅也
22 バベル17/サミュエル・ディレイニー

「21」はパンク+ゾンビ探偵(グロはない)の傑作で万人にお薦めしたい一品。
「22」は一転、明らかに一般向けではなく、残響さん狙い撃ちの一品で、
色彩豊かな音色と、謎言語で酩酊感を味わえる(が僕はダメだった)。
「22」が気に入ったなら「ベータ2のバラッド」や「ノヴァ」あたりに手を伸ばしてみるのもお薦め。


23 ホットロック/ドナルド・ウェストレイク
24 切断/ジョイス・ポーター

抱腹絶倒系ミステリで秀逸な2品。
どちらも超お薦めであるが、「24」は下ネタが引っかかり残響さんにはまさかの劇薬になる可能性もある。そういう懸念はあるが、多分大丈夫だろうということで挙げた。


25 われはロボット/アイザック・アシモフ

いつも薦めているのだが読んでもらえず、そろそろしつこく思われていそうな一品だが、
『ロボット』ものを語る上では絶対に外せない里程標的作品だし、何より面白い
それこそ「Planetarian」だとか、あるいは「美少女万華鏡 神が造りたもうた少女たち」などの
ロボットを扱ったギャルゲ・エロゲをプレイする上でもできれば触れてほしい作品。
これが気に入ったなら、『鋼鉄都市』、『はだかの太陽』へと進んでほしい。
アシモフには『永遠の終り』という超スケールの名作SFもあるので、ロボットではなく、
「タイムマシン」系のワードにビビっとくる方にはそちらをお薦め。


26 高慢と偏見/ジェイン・オースティン
27 高慢と偏見とゾンビ/セス・グレアム・スミス


「26」は旧き良きイギリス貴族社会を舞台にした純愛恋愛小説であり、落ち着いた雰囲気ながら
『読ませる』作品である。
「27」はそれを茶化して悪ふざけしてしまったような一品であり、『こんなのありかよww』と思わせつつ、こういう悪ふざけは残響さんは嫌いではない、と思う、多分。
ただし「26」に感動し、「26」を汚してほしくないという方には「27」は薦められない。


28 魔界転生/山田風太郎
29 マタレーズ暗殺集団/ロバート・ラドラム


「ハッタリ」の効いたバトルアクション小説では出色の二作。
真正面から『中2作品』を描くなら、これぐらいはやってほしいと思わせる、偉大なる中2作品である。
個人的に、エロゲの中2作品に全然ノレない(『鬼哭街』とか『Phantom』を中2と言って良いなら、その辺りは素晴らしかったが)のは、この「魔界転生」や「マタレーズ暗殺集団」あたりを基準に考えているせい。


30 死にゆく者への祈り/ジャック・ヒギンズ
31 針の目/ケン・フォレット


こちらも中2的な、「影のある暗殺者モノ」。
クールで凄腕の暗殺者でありながら、人間味も持ち合わせ、「情」との葛藤を描いた哀切なる2作。
残響さんがこういうのを好きかは不明だが、寡黙で格好良い男キャラは好きそうで、なおかつ
読んでいてしんどすぎないと思われるためチョイスした。


32 利腕/ディック・フランシス

こちらは暗殺者ではないが、「寡黙で格好良く、人情味のあるヒーロー」が主人公の勧善懲悪型小説である。
やや「男のやせ我慢」が鼻につくところはあるが、逆にそういうダンディズムも魅力だ。
離婚した前妻の父(かつての義父)と主人公の心温まる友情なども読ませる。
この作品が気に入ったら「大穴」、「敵手」に進もう。
(本当は「大穴」を先にした方がいいのだが、最高傑作は「利腕」だと思う)


33 刺青の男/レイ・ブラッドベリ

残響さんはブラッドベリを2作読んでおり、気に入っていらっしゃるので、間違いなく外れる事はない鉄板の1作。
ブラッドベリ未読の方は、「火星年代記」あたりを薦める。

34 都市/クリフォード・シマック
35 一角獣・多角獣/シオドア・スタージョン
36 たんぽぽ娘/ロバート・F・ヤング

大体、ブラッドベリが好きな人はこの辺りも好きやろ? 
という感じで割と鉄板系のロマンチック郷愁SF3作。
「35」のスタージョンの、特に短編作品は、やや郷愁・甘みは薄く、奇形度が上がっているが、
『ブラッドベリ系』(と言うのもどうかと思うが)に分類しても大きく間違ってはいないはず。

「34」は『火星年代記』好きには漏れなくお薦めできる、滅びゆく星と種族をしみじみと描いた一作。
シマックなら短編集『愚者の聖戦』も良い。こちらはドラえもん的ワクワク感のある、見逃せない作品集。
「36」はロマンチック度ならこの中ではダントツ。「CLANNAD」のことみシナリオで引用された事で、鍵っ子にもお薦め。


37 ある日どこかで/リチャード・マシスン
38 トムは真夜中の庭で/フィリパ・ピアス
39 思い出のマーニー/ジョーン・ロビンソン
40 君にしかきこえない/乙一

ロマンチックSFの繋がりで。
残響さん向け、というよりは僕が大好きな『タイムロマンスファンタジー』群だが、
残響さんも多分嫌いではない、はず。
切なくも美しい時空を超えた交流にビビっと来る人向け。


41 真理先生/武者小路実篤
42 富士日記/武田百合子

のほほん、とした、平穏な日常の中に「人生」の深みを感じる2作。
武者小路実篤は、『創作技法上』、アカデミックな場でのウケが悪いが
この独特の「のほほん」感は素晴らしいと思う。


43 ガープの世界/ジョン・アーヴィング

上で紹介したヴォネガット系統の味わいがある作家。
ヘンテコ度はやや薄いが、「スローターハウス5」が気に入ればこちらも薦めたい。
村上春樹繋がりでもある。
人生は楽しい事も辛い事もあるが、うまくユーモアで受け流していこうじゃないか、という感じの、
楽しくも切なく、でも楽しくて不思議な作品群である。


44 鏡は横にひび割れて/アガサ・クリスティ
45 五匹の子豚/アガサ・クリスティ
46 終りなき夜に生れつく/アガサ・クリスティ

「森博嗣の100冊」で、クリスティは3作を占めている。「ABC」「アクロイド」「予告殺人」である。
しかし、クリスティファンの僕としては、どれも上質とは言いかねる(単に僕の趣味からズレるともいう)。

特に「46」は『アクロイド』の完全上位互換なので、歴史的意義を考えて『お勉強』をしたい人以外には、こちらを薦めたい。
『アクロイド』に娯楽性とロマンチック恋愛を付け足した、『叙情的アクロイド』だ。
クリスティから3作、というとどれを選ぶか非常に迷うが、「ABC」はポワロ、「予告殺人」はマープル作品なので、ポワロから「五匹の子豚」、マープルから「鏡は横にひび割れて」をチョイスした。

とにかくクリスティは名作が多すぎるので、この辺りが面白ければ
「オリエント急行の殺人」、「ナイルに死す」、「葬儀を終えて」、「ポケットにライ麦を」などなど、どんどん深みに入っていってほしい。

ちなみに「ABC」を選ぶくらいなら、
森さんも選んでいるデアンドリアの「ホッグ連続殺人」をお薦めしたい。
「被害者の繋がりが見えづらい連続殺人」という意味でお薦め

(「九尾の猫」もそうだし、森さんはそういう作品が好きなんだと思う)。


以下、「森博嗣の100冊」を基準に何冊か選んでみる。


47 九尾の猫/エラリー・クイーン
48 Yの悲劇/エラリー・クイーン


森さんはクイーンから4作も挙げている。
そこで僕が4作を挙げるならこの2作+「災厄の街」、「十日間の不思議」となる。
「47」を楽しまれた方は、この2作も読んでほしい。
ただ、サイコサスペンスなので、残響さんの健康にダメージがあるかどうかは何とも言えないところだ。恨むなら森さんを恨んでくれ(苦笑)。
「48」に関しては、森さんは「Xの悲劇」を挙げている。森さんの初ミステリだった(又聞き)ということで納得だが、明らかに「48」の方が上だと思う。


49 推定無罪/スコット・トゥロー

森さんの100冊から。文句なしに面白い、法廷モノの傑作である。

50 暁の死線/ウィリアム・アイリッシュ

アイリッシュは『幻の女』だけが突出して有名だ。
叙情的で、都会生活の中でのロマンチックかつ奇妙な邂逅を描く作家である。
『幻の女』も実に良い作品だが、それに引けを取らない『50』をここではお薦めしたい。
『黒い天使』などもお薦めだ。

51 死の接吻/アイラ・レヴィン

森さんは「ローズマリーの赤ちゃん」を選んでいるが、個人的にはこちらを推したい。
もっとも、「ローズマリー」がゴシックホラーで、こちらはテクニカルな倒叙サスペンスなので
ジャンルがそもそも違うため、一概に比較はできないが……。


52 ラストチャイルド/ジョン・ハート


森さんはハメット、チャンドラ―、ロス・マクドナルドというハードボイルドの系譜から1作ずつを選んでいるが、個人的にはこの系統はあまり好みではない。
ジョン・ハートはいわゆる『現代のロス・マク』であり、今読むならこちらを推したい
この作品が気に入った方は、「キングの死」あたりもお薦めだ。
『さむけ』により近い(上に、より面白い)のはリチャード・ニーリィの「心ひき裂かれて」だが、
残響さんが気に入るかは不明である。


53 虚無への供物/中井英夫

「黒死館殺人事件」、「ドグラマグラ」と並んで日本3大奇書と呼ばれているらしいが、
ダントツに読みやすく、ダントツに娯楽性の高い作品だ。
『うみねこのなく頃に』で書かれているような内容は、既に中井英夫が大昔に書いている(しかもずっと面白い)


54 24人のビリーミリガン/ダニエル・キイス


森さんは「心の鏡」を挙げているが、残念ながら僕は未読だ。未読作品を薦める事はできない。
ダニエル・キイスは好きな作家で、『アルジャーノンに花束を』と「54」は屈指の名作である。
『アルジャーノン』は残響さんがダメージを食らいそうな作品なので避けたが、こちらもダメージを食らうかもしれない(食らう確率はやや低いと思うが)
そういう意味で、薦めて良いものかは解らないが、素晴らしい作品なので他の方には強くお勧めしたい。


55 魍魎の匣/京極夏彦


森さんは「絡新婦の理」を挙げている。
京極堂シリーズは(「塗仏の宴」と「邪魅の雫」は個人的にダメだったが)名作揃いで、「絡新婦」も本当に素晴らしいが、個人的には「55」がベスト。
「姑獲鳥の夏」、「絡新婦の理」、「陰摩羅鬼の瑕」など、気に入ったらどんどん読み進めて行ってほしいシリーズだ。

56 パラサイトイブ/瀬名英明
57 ブラッドミュージック/グレッグ・ベア


森さんが挙げた「56」はやはり名作だと思う。
「57」は海外版『パラサイトイブ』
(『57』の方が先なので、むしろパラサイトイブ=瀬名版『ブラッドミュージック』)
とも呼ぶべき名作で、どうせならセットでお薦めしたい。


58 天の光はすべて星/フレドリック・ブラウン


子供の頃の夢を、大人になっても抱き続ける初老の男が、夢を掴みかける物語。
切なくも愛しい。エロゲ「ひまわり」あたりが好きな方にもお薦め。
いつまでも少年のまま、宇宙への夢を抱く生きざまに浪漫を感じる。


59 秒速5センチメートル/新海誠


アニメ映画版でもいいし、小説版も非常に良い出来なので、双方薦める。
片思いの記憶をずっと胸に温めていた男の恋愛作品で、『合う・合わない』はハッキリ分かれる作品だが、残響さんには『合う』と半ば確信している。


半オマケ(小説以外)

60 蒼の彼方のフォーリズム

『架空スポーツ』、『勝負の楽しさを根幹に据えている』あたり、明らか~に残響さん向きの作品である。
実際、クオリティも素晴らしく、万人にお薦めできそうな名作エロゲだ。


61 紫影のソナーニル

残響さんは『スチパンシリーズ』は好きだったはず。『ソナーニル』は未プレイでしょうか?
個人的スチパンシリーズNo1はこの、『紫影のソナーニル』です。


62 CLANNAD

鍵っ子なら、鍵ゲー最高傑作(だと勝手に僕が思っている)の「CLANNAD」はやろうぜ!!


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