ハリーポッターシリーズを読み終えました

シリーズ全体の評価は B。

「賢者の石」 B+
「秘密の部屋」 B-
「アズカバンの囚人」 B
「炎のゴブレット」 B
「不死鳥の騎士団」 B-
「謎のプリンス」 B
「死の秘宝」 B-


・読者が入り込みやすい設定


本書は、児童書。いわゆる子供向けの本ではありますが、大人が読んでも楽しめると思います。
ただし、『ガチ』ファンタジー愛好者から見ると、ファンタジー世界の完成度の低さに興を殺がれる恐れがあり、あくまでもエンタメ感覚で楽しむ軽めのファンタジーとして、という前提になるかなと。


本シリーズは、マグル(非魔法使い。つまり私たち現実世界の人間ですね)に育てられたハリーが、
ホグワーツ魔術学校に入学する「賢者の石」から始まります。


言うまでもないかもしれませんが、本書が巧いのはハリーをマグル育ちに設定した事。
魔法界について私たちと同じだけの『知識量』しか持たないハリーが、不思議な魔法に圧倒され、ホグワーツ魔術学校という、まるで遊園地のアトラクションのような魔法学校に入寮し、
不思議な魔法を色々と習う。
ハリーが感じるワクワク感は、そのまま読者が本書を読み進めるワクワク感と繋がっています。


ただ……そのワクワク感は「賢者の石」をピークに、少しずつ失われていくものでもあります。
2年生、3年生、4年生ともなれば、1年生の頃の「学校に対する真新しさ」は失われるものですし、
読者にとっても、魔法・ファンタジー世界が「当たり前」になってしまいます。
私が「賢者の石」を最も高く評価する(最も楽しめた)のはそれが大きな理由です。


・ハリーの成長物語


2年生(秘密の部屋)、3年生(アズカバンの囚人)というように、作品が1作進むごとにハリーは1学年ずつ進級し、成長していきます。

1年生時(賢者の石)のハリーは、両親の事を何も知りません。周囲からは、ハリーの両親は偉大な人物だったと聞かされていて、漠然とした憧れを抱いています。
ハリーは孤児なわけですから、両親について知りたいと感じるのは当然ですし、周囲から偉大な人物だと教えられれば、憧れるのも当然だと思います。

さて、5年生(不死鳥の騎士団)あたりになると、反抗期が来たのかかなりピリピリとし出します。
この辺りで、ハリーの両親(特に父親)はかなりヤバい奴だったのではないか?という証拠も出てきます。まぁ、いわゆるヤンキーというか、いじめっ子というか……。
6年生(謎のプリンス)あたりになると、あれだけ聖人君子に見えたダンブルドア校長についても微妙な影が……。一方で、嫌な奴だとばかり思っていたスネイプ先生の(まぁハリーから見れば嫌な奴であることに間違いはないんですが)新たな側面が見えてきたり。


1年生の頃に信じていた、両親&ダンブルドアは善玉! ヴォルデモートやスネイプは悪玉!といった子どもが信じる単純な善悪の世界観から、より複雑な大人の世界へとシフトしていきます。
さらに、庇護者(両親やシリウス、ダンブルドア)を殺害したヴォルデモートを
主人公のハリーが倒すというのは、『父親超え・庇護者超え』を果たす成長物語としては、王道中の王道。
よくある話といえばよくある話ですが、物語の基本をしっかり押さえていると言えます。


1年生の頃からの親友ロンとハーマイオニーの恋愛模様など、
子供から大人への大切な時期を、ハリーの視点から駆け抜けるハリーポッターシリーズは、
やはりなかなか面白い学園ファンタジー作品だと思います。


ただ……。
本シリーズでは、ヴォルデモート陣営とのバトルシーンも定番なのですが、こちらは正直あまり面白くないです。何せ、敵陣営に全く魅力がない。
魔法合戦も、映画で見れば面白いでしょうが、光線技を飛ばし合っているだけでさして面白いものではありません。


また、ハリーの成長物語、ヴォルデモートとの闘いといった、『本筋』についてはしっかり整備されているので問題ないと言えば問題ないのですが、
『あまりにも拙いクィディッチのルール』や、『教師が自分の裁量で勝手に得点を+したり-したりする謎の寮制度(せめて同じ違反行為には、同じ罰則にすべきでは?)』、あるいは『闇の魔法使いを生み出しかねない、スリザリン寮に対する中途半端な対応』や『どう考えても不便すぎて、とても寮として機能するとは思えない、度々変更される合言葉』などなど、
物語を背後から支える骨組みについては、「なんとなく、こうしたら面白いと思った!」的な、作者の軽~いノリが見え隠れするというか……かなり首を傾げるものになっています。
子ども向けのエンタメとしてはそれでよいのかもしれませんが、ファンタジー世界の成り立ちについて厳密に考えたいタイプの読者
(たとえば「指輪物語」とか「ゲド戦記」、あるいは「十二国記」などの強度の高いファンタジー作品の愛好者)は、本書の、張りぼてのようなファンタジー強度には白けてしまうのではないか、と思います。



とはいえ。
ハリーポッターには教養がない、とか、テーマ性がない、
子どもがこれを読んでも、他の本を好きにならない、

といったような批判をネット上で見かけましたが、私は全くそうは思いません。


ハリーポッターの一つのテーマとして、「スリザリン寮」について考えてみるのはどうでしょうか?
純血主義のスリザリン寮。
このような差別的な思想を旗印に掲げる寮がなぜ、ホグワーツにはあるのでしょう?


「全ての学生を受け入れる」ハッフルパフ寮の考えに従うならば、
「差別的な思想を持つ生徒」ですら、ホグワーツは拒めない事になります。
それならば、各寮にバラバラに配備するよりも、「闇に堕ちそうな差別主義者たちの寮」として
スリザリン寮を隔離してしまった方が、他の各寮に潜伏されてしまうよりも良い、という判断が働いたのかもしれません。


いやしかし、「闇に堕ちそうな差別主義者たち」を隔離する、という発想そのものが
逆に「差別的」ではないか、という考えももちろんありますよね。


なら、あなたがホグワーツを作るならどうするか。
そういった事を色々と考えてみるのは、それはそれで面白いのではないでしょうか?
子どもたちそれぞれで論じ合えば、各々の意見の違いなども面白く、良いディスカッションの授業にもなると私は思います。


子供向けの本だからとバカにせず、腰を据えて読むに値する作品だと私は思いました。
(と言いつつB評価なんですが:苦笑)


最後に
女性キャラはハーマイオニーとルーナ、マクゴナガル、トンクスが。
男性キャラはネビルとルーピンが好きです。



それではまた次の物語で。

2017年に読んだ本(随時更新)

S→味わい深く、いつまでも心に残りそうな作品

キングの死/ジョン・ハート……記事あり。こちらで

A→読んで良かったと思える作品

ミスティックリバー/デニス・ルへイン……重い、お話。幸福を得たショーン、ジミーと、得られなかったデイブの違いは、「車に乗る/乗らない」だったのか、それとも「大切な妻に全てを話せた/話せなかった」という違いによるものか……。しかし「少年時代を懐かしむすべての大人たちに贈る、感動のミステリ」という説明は詐欺だと思うw


少年時代/ロバート・マキャモン……世界の捉え方が、少年と大人では違う。何にでも「常識的な説明」がつけられてしまう「大人」とは違い、少年の世界は魔術に満ちている。街には幽霊が、恐竜が闊歩し、愛車の自転車には意思がある。空へと届いた野球ボール、魔女、天才、そして殺人鬼。本書は、そんな「少年時代の世界(の見え方)」を、束の間思い出させてくれる良作である。


鳴門秘帖/吉川英治……ストーリー自体は、ちょっと突っ込みどころのある、オーソドックスなTHE・時代劇。ただ、「アネゴ肌で、男にスレてるけど、実は初恋で、好きな相手にはウブで健気」なヒロイン、見返りお綱のインパクトはなかなかのもので、萌え小説として読むなら結構評価が高い。見返りお綱を筆頭に、目明し万吉などサブキャラは良い味を出している反面、主役の弦之丞やヒロインのお千絵様に魅力が乏しいのは残念。




B→暇つぶし以上の有益な何かを得た作品

ライラの冒険:琥珀の望遠鏡/フィリップ・ブルマン……Aに近いB。3巻終盤に来てようやく、「イブ=ライラ、アダム=ウィル、蛇=マローン博士」の関係性が(私に)見えてきて、「聖書パロディのファンタジー恋愛モノだったか!」と気づいた瞬間から急激に面白くなった。ダイモンは「聖霊」かな? などなど気づけば気づくほど、完成度の高い作品だ。しかし最後の200ページに至るまで気づかなかった私も悪いかもしれないが、実際のところそこまでは退屈で仕方がなかったので、高評価するのも……いや、読解力のない私が悪いのか? いずれにせよ、「子供向けのファンタジー」ではなかった。


ハリーポッターと不死鳥の騎士団/J.K.ローリング……子供たちの『夢』の学園だったホグワーツ=ハリーポッターの世界も、作を追い、ハリーが年齢を重ねるごとに試練を増し、段々と『現実』の影がちらつき始める。亡き父に対するハリーの『尊敬』が崩れた事こそ、本巻最大の見所のように思う。
少年が大人になるためには、父を超えなければならない。というのは少年主人公におけるファンタジー系成長物語の鉄則であり(注:不思議な事に、少女主人公や女性の保護者においてはこのような鉄則は見受ける事が出来ない)、名付け親(??後見人の事か?)のシリウスの死もまたそれに準ずるモノと言える。となると、次巻「謎のプリンス」では恐らくハリーの最大の庇護者であるダンブルドア、もしくはハグリッドあたりが亡くなるというのが『少年主人公のファンタジー系成長物語』の鉄則ではあるが、さて……。


ハリーポッターと謎のプリンス/J.K.ローリング……16歳になって、恋愛に青春に大忙しのホグワーツ。その裏で、恐るべきヴォルデモートとの闘いも熾烈さを増していく。そんな第6巻は、ロンの心理描写が面白い。あがり症の彼を、ハリーが必死に励ます姿がおかしい。ロンとハーマイオニーの関係性も読みどころだ。一方でシリアス面では、ダンブルドアがついに亡くなってしまう。前巻を読んだ時の予想が当たっちゃったな。ただ、この巻は良いのだけど、最終巻にあたる次巻「死の秘宝」がガチシリアスバトルばかりになりそうなのが心配。ハリーポッターシリーズは、学園生活は面白いんだけど、バトルシーンは概してあまり面白くないんで……。





歌姫/エド・マクベイン……偽装誘拐の皮肉な結末が印象深い。

殺意の楔/エド・マクベイン……

クレアが死んでいる/エド・マクベイン

さよならダイノサウルス/ロバート・J・ソウヤー



C→暇つぶし程度にはなった作品

10プラス1/エド・マクベイン

熱波/エド・マクベイン

ライラの冒険:神秘の短剣/フィリップ・ブルマン

三国志/吉川英治……記事あり。
こちらで。

ハリーポッターと死の秘宝/J.K.ローリング……シリーズ最終巻として、今まで読んできた読者が読む価値はもちろんある。スネイプ先生の想いや、ダンブルドアの正体(?)など読みどころもないわけではない。ただ、「学園生活は楽しいけど、シリアスバトルはあんまりおもしろくないなぁ」と思っていた一読者(僕です)にとっては、シリアスバトルが連続するこの最終巻は「読む前から分かっていた」とはいえ、ちょいしんどかったです。

ハリーポッターシリーズ全体の感想はこちらで記事にしています。


宮本武蔵/吉川英治

D→自分には合わなかった作品


これから読む予定の本(入手済み)


ブレイブストーリー/宮部みゆき

三国志/北方謙三

鳴門秘帖/吉川英治

チームバチスタの栄光/海堂尊

らせん/鈴木光司

ループ/鈴木光司


これから読む予定の本(手元になし)



影武者徳川家康

国盗り物語/司馬遼太郎

庵堂三兄弟の聖職

後継者

オレたち花のバブル組

クレイジーカンガルーの夏

クレイジーフラミンゴの秋

半分の月がのぼる空

巨大投資銀行

起業の砦

起業前夜

警官の血/佐々木譲

ロストシンボル/ダン・ブラウン

インフェルノ/ダン・ブラウン

デイヴィッド・コパフィールド/チャールズ・ディケンズ

若草物語/オルコット



現在の活動 8/17更新(大体前日の22時~当日の1時ぐらいにフライング更新してます)

近況報告記事です。

本日のメイン 特に重点的に行なっているものに、☆をつけます

☆読書
ダン・ブラウンの「ロストシンボル」を読んでます。現在630/700ページ。
ちょっと読書疲れしているので、18日ぐらいまでに読めればいいかな、ぐらいで。

→「ロストシンボル」の後に読む本は未定。

ダン・ブラウン「インフェルノ」、佐々木譲「警官の血」、隆慶一郎「影武者徳川家康」、司馬遼太郎「国盗り物語(の道山編。手元に全4巻中3巻までしかないので、信長編は後回しになる)」、
北方謙三「三国志」、

あたりが候補




☆エロゲ

・同人RPG「ヴァイブレーション」やってます。「ロストシンボル」と合わせて、16~18日ぐらいのメイン。

→「ヴァイブレーション」の次は「コピークエスト」を読む。



・「つよきす3部作」プレイ中
(「つよきす2学期」→「つよきす1学期」←今ここ。ちなみに乙女ルートプレイ中です。
「つよきす2学期」を3月下旬から始めたので、半年ぐらいかけてのんびり3部作できればいいかな、と。さすがに1年はかからないでしょうしw
乙女→エリカ→それ以外の順番の予定。

→「つよきす3学期」) 



●漫画

・「蒼天航路」読書中。最後まで読むかはわからないけど、今のところは面白く読めてる。






その他


・お散歩
週2~3ペースで中距離お散歩実施中。


6/1開始~  

通算 212km(散歩コースのみの距離)





こんな感じで頑張ってます。
Twitterには鍵をかけてしまったので、feeは何をやっているんだろう?
と思われる方がいれば、これが答えになるかなと思いまして。
まぁ、僕の動向を気に掛ける方なんていないかもしれませんがw そんな感じです。





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