サマセット・モーム「人間の絆」感想(84点)

ざっとしたあらすじ

流されやすく、しょうもない主人公のフィリップが幸福を掴むまでの物語。
孤児で、足に障害を抱えたフィリップは、神学校でいじめに遭い、神への信仰を失ってしまいます。

会計士になるも長続きせず、絵画を習い始めるも自分で才能に見切りをつけ、医者の学校に入るも、株で大損をしてホームレスになってしまう。
そんな窮地を助けてくれたのが、アセルニー一家でした。

女性遍歴も振り返ります。
フィリップは学生時代、年上の女性ミス・ウィルキンソンに無情な振る舞いをして傷つけ、
その後、彼の人生にとり憑いて離れない悪女ミルドレッドに熱烈な恋をする。その過程で、自分を大事に思ってくれていたノラを傷つけてしまいます。
そして、最後にたどり着いたのがアセルニー一家の長女サリーへの愛でした。
遠い異国の地に憧れ、夢見ているばかりだったフィリップが、本当に欲しかったものは、孤児だった彼が持ったことのない『家庭』だった。
ここまで言うと言いすぎかもしれませんが、サリーとの結婚を通して、『信仰』を再び取り戻した、と言えるかもしれません。

全体のあらすじはこんな感じです。

しょうもない人々

ブラック・ユーモアがぴりりと効いたモームの事、辛辣ながらも、よく特徴を掴んだ人物描写も見逃せません。
主人公のフィリップはもちろんのこと、しょうもない人物が多数登場します。

陽光に照らされたミス・ウィルキンソンの唇の上に、汗の雫が丸々と繋がっていて興ざめしたり、下着姿の彼女の首の皺を見て幻滅する、しょうもないフィリップ君。
学生時代、同性の友だちに嫉妬して「情けない人間になってくれるなよ」と負け惜しみのセリフを吐いてしまう姿など、なかなかいたたまれないものがあります。

絵画学生時代に登場する、『他人の絵の批判は的確にするけれど、自分の絵は一向に完成しない』キャラクター(ドラムルだっけ?)なども、
「うわぁぁ」と思いました。
これは僕ではww ……自作執筆も頑張ります

そして最大のしょうもなエピソードはミルドレッドとの恋愛ですね。
この女が果てしなく、どうしょうもない。
そんなミルドレッドに執着するフィリップの姿も読んでいてしんどかったです。

個人的に、しょうもない女性に恋をした経験があるのであれですが、
ミルドレッドには人間的に尊敬できる、人格が素晴らしい、一緒にいて落ち着くなどの要素は一切ありませんし、
ならば『機知に富んだ楽しいおしゃべりができる』、『人を楽しませる術を知っている』ということもありません。
ならばセクシーなのか、美貌なのか、肉欲に溺れてしまったのか!
というと、そんな感じもしない。
何がいいのか、さっぱりわかりません。

ただ、それもまた人生の一シーン。
立派な人生、しょうもない人生、嬉しい事、悲しい事、苦しい事、それら全てが縦糸・横糸となって、
人生という名の絨毯を織っていく

フィリップ君の今後を祈りつつ、本を置かせていただきます。
良い作品でした!

サッカーの試合、単発キャス感想はこちらにまとめます

新しい順

21-22 8/16 第1節感想 (プツプツ音が切れて聞きづらい😢)

21-22 欧州リーグ展望



スペインリーグ・セリエA・プレミアリーグ総括

20-21 Cl準決勝 パリvsマンC

興奮しまくりで20-21 cl準々決勝バイエルンvsパリ 

ローテンションで 20-21cl準々決勝マンC対レアル、リバプール対レアル

サッカー人生を振り返る vol① 1994~2001

20-21 cl準々決勝 展望

20-21 バイエルン・ミュンヘンvsボルシア・ドルトムント

プレミアリーグ3試合の感想 ①リバプールvsチェルシー ②トッテナムvsクリスタルパレス 
              ③マンチェスター・シティvsマンチェスター・ユナイテッド


20-21 Cl アトレティコvsチェルシー

20-21 インテルvsミラン

早すぎるシーズン総括 20-21 FCバルセロナ

20-21 cl バルセロナvsパリ・サンジェルマン

20-21 リバプールvsマンC

20-21 マンU対エバートン

サッカー定点観測2021年2月1日

20-21 レスターvsチェルシー

20-21 ナポリvsフィオレンティーナ

20-21 cl展望 ①バルセロナ&パリ

20-21 cl展望

20-21 スペインリーグ中盤戦感想


20-21 セリエА中盤戦感想

20-21 リバプールVSエバートン

20-21 展望

19-20 CL決勝 バイエルンVSパリ・サンジェルマン

19-20 CL準々決勝 アタランタVSパリ・サンジェルマン

19-20 セリエA雑感

19-20 プレミアリーグ総括(選手編:後編)

19-20 プレミアリーグ総括(選手編:前編)

19-20 プレミアリーグ総括①

19-20 スペインリーグ総括②選手編

19-20 スペインリーグ総括

チェルシーVSマンチェスター・シティ

トッテナムVSマンチェスター・ユナイテッド(コロナ中断から再開!)



19-20 アトレティコ・マドリ―総括

CL パリ・サンジェルマンVSドルトムント 2nd leg

CL バイエルンVSチェルシー (16分あたりから音飛びが酷い!)



トッテナムVSマンチェスター・シティ

チェルシーVSアーセナル


マンチェスター・シティVSクリスタルパレス(前半その1)   前半その2  後半

アトレティコVSエイバル、レアルVSセビージャ、アーセナルVSシェフィールドを肴に
アトレティコ、レアル、セビージャ、アーセナルについて雑~に話した


バルセロナVSアトレティコ(後半・音が変で聴きづらい)

バルセロナVSアトレティコ(前半)

アーセナルVSマンU(声が変になっている。注意)

ブライトンVSチェルシー、マンC対エバートン

アーセナルVSチェルシー

マンC対ウォルバーハンプトン

チェルシーVSサウザンプトン

アーセナルVSボーンマス、トッテナムVSブライトン

美少女万華鏡 理と迷宮の少女 バレあり感想(80点)

怪奇ミステリ色が強い中盤まではなかなか面白い。終盤はなんだかなぁ、という感じ。シリーズで一番好きなのは「神の造りたもうた少女たち」、次点で「忘れな草」と本作です。


学園で頻発する「青蜘蛛の呪い」は、「オカルティックADV」の名にふさわしい質。
犯人がバレバレすぎるという欠点はあるけれど、事件を追いながら皇や月丘との親交を深めていく日々。
そして何よりじれったくなるような、蓮華との甘酸っぱい恋が描かれる中盤までは本当に面白かったです。

延々とびゃっこ氏を描いている生徒たち、これでもか、と畳みかけられる狐のエピソード
「こっくりさん」「玉藻の前」「きつねラーメン」「野干=薬缶」「白狐(びゃっこ氏)」。
学校の怪談チックな、音楽室やプールでの惨事、夜な夜な夢遊病のように出歩く主人公、
見える人にしか見えない神社、執拗に夏彦に迫るもよか。


ただ、面白かったのは、もよかとの対決まで。
『万華鏡めぐり』~『転生』の終盤は、今までほとんどなかったHシーンのオンパレードで、あれほど欲しかったHも食傷気味。
序盤からずっと相思相愛だった蓮華と、遂に結ばれたのは嬉しかったですけどね。
ストーリー上、本編ではHシーンを入れられなかったため、
事件が全て解決してから、後日談として大量のHを用意した、突貫工事的な印象を受けました。


万華鏡めぐりは、一応前作までの舞台背景や音楽などは出てきましたが、
本作で語られるような『愛』の物語だったかなぁ、と首を傾げたくなるところが少々。
(とくに、数日前にクリアした「罪と罰の少女」については、記憶が鮮明だったので、『そんなテーマの作品じゃなかったよなぁ?』と)
最終作なので、無理やりくっつけただけにも思えました。
何より転生話にするなら、『万華鏡世界の主人公たち』も、主人公と蓮華の転生って事にすればよかったのでは?
(「神の造りたもうた少女たち」は、ダブルヒロインなので難しいか)


転生後についても、蓮華とのイチャラブ以上に、皇が夏彦へ抱いてくれていた友情に、心を動かされましたね。
「青蜘蛛の呪い事件」の20年以上後だと思われるので、転生後の年代は、西暦2040年ぐらいなんでしょうか。もよかと高瀬先生がその後、どんなふうに歳を重ねたのかは気になります。
あの旅館はまだあるのかしら。


これにて「美少女万華鏡シリーズ」はおしまい。

ストーリー性の高い「読ませる」シリーズで、エロシーンも多いので好きでしたが、
最終作は逆にエロが物語の足を引っ張った感があって残念でした。
本作に限った事ではありませんが、基本的に本シリーズのHシーンは男性受け身なМ向けのシーンが多いので、
僕の嗜好にはあまり合わないんですよね。


なんか文句ばかり言ってしまった気もしますが、シリーズ通して楽しませていただきましたし、
本作も中盤までは本当に面白かった。蓮華もかわいいし、良作だと思います。



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