レアル・マドリードVSアーセナル   試合内容 B+
完璧だった。プライドを捨てたベンゲル監督が、この日敵地サンチャゴ・ベルナベウで見せたのは、従来のアーセナルとは全く異なるカウンターサッカー。見事な1-0の勝利だった。
中盤を厚くし、完全な引きこもりサッカーを見せるアーセナル。しかし速攻は鋭く、試合自体は決してつまらないものではなかった。MVPはアンリ(アーセナル)。大舞台で弱いといわれ続けていたが、この4人抜きゴールによってそんな悪評を吹き飛ばした。
意外な発見だったのがSBのエブエ。非常にドリブルが巧みな選手で、SHとして使っても面白いかもしれない。フレブが相変わらず機能していないのはさておき、カウンターを武器に敵地で勝利を得たアーセナル。魅せるサッカーを追求し、相手に引きこもられカウンターに沈んできたここ数シーズンのアーセナルとは全く逆の姿を見せた彼らに、更なる飛躍を期待せずにはいられない。また、本来あまり誉められたことではないのだが、レアル行きを熱望していたといわれるレジェスが、レアル相手に挑発行為を行うという闘志を見せてくれた。本音を言えばこういうプレイは嫌いなのだが、レアルへの決別ともとれるこのレジェスの振る舞いに、「アーセナルの」レジェスを感じたのは私だけだろうか。

一方良いところがなかったレアルだが、GKのカシージャスの孤軍奮闘に救われた。彼の力がなかったら、第1戦だけで試合は終わってしまっただろう。監督の力量の差が出てしまったのか、開始8分に「レアキャラ」であるウッドゲイトがまたもや負傷でいなくなってしまったのが響いたのか。本拠地で無様な姿を見せてしまったレアル。第2戦での奮起に期待……いやいや、私はアーセナルファンなのでこのままでお願いします(笑)。
ロナウド、ラウール、バプティスタは全く存在感を見せることが出来ず、ベンチのカッサーノは出番なし。悪い意味で印象に残ったのがセルヒオ・ラモス。守備は軽く足は遅くファウルは多い。好きになれない選手だ。