試合内容はA-
開始15分までは非常に激しい内容で、すわSクラス級の名勝負か! と思ったのですが、その後は失速しました。
結果は2-1でインテルの勝利。とは言え、第2戦はまだまだどう転ぶかわかりません。
MVPはサネッティ(インテル)。


さて、ここからは直接試合と関係ないお話。
ビジャレアル、インテルのスタメン22人中、7人がアルゼンチン人。
(インテル=ベーロン、サネッティ、カンビアッソ。ビジャレアル=ソリン、リケルメ、アルアバレーナ、ゴンサロ・ロドリゲス)。
ウルグアイ人3人(ビジャレアル=フォルラン、ビエラ。インテル=レコバ)
ボリビア人1人(ビジャレアル=ペーニャ)、コロンビア人1人(インテル=コルドバ)、
ブラジル人2人(インテル=セーザル、アドリアーノ)。

と、まぁこれが本当に欧州一のクラブを決めるCLの試合なのかと思えるほど、南米色の強いチーム同士、南米色の強い試合になりました。スタメン22人中14人が南米人って……。
インテルはイタリアのチーム、ビジャレアルはスペインのチームのはずなのだけど、一体何人自国選手がいたのやら。
私の好きなアーセナルなんてスタメンにイングランド人が一人もいないし。


元々○○人という形で、国籍というものを強調するのは好きではない私ですが、サッカーに関していうとちょっと、この状況はどうなのかなぁと。
結局、ボーダーレス化が進むと「お金があるチーム」が強くなるんですよね。
今までは『外国籍枠』があったから、無茶が出来なかった。どんなにお金を積んでも、外国人は○人まで(国によって違う)しか獲得できなかったし、残りは自国選手で補填するしかなかった。だからこそ、いろんな国のいろんなチームが、いろんな選手を引き連れてCLを盛り上げてきた。
ルーマニアリーグのステアウア・ブカレストが、ルーマニア代表を引き連れて参加し、優勝したこともある。ユーゴスラビアリーグのレッドスター・ベオグラードが、ユーゴ代表選手を引き連れて参加し、優勝した事もある。


翻って今、そんなことが可能かどうか。*1ステアウア・ブカレストにはルーマニア代表選手が所属しているでしょうか? 著名な選手は皆、イタリアやスペインといった金満リーグに行ってしまったのではないでしょうか。そして、ステアウアの名前などCLの決勝トーナメントでお目にかかることなんて、奇跡が起こらない限りないでしょう。


今年のCLのベスト8チームの国を振り返ってみましょう。
イタリア3。スペイン2。イングランド1。フランス1。ポルトガル1。
(ミラン、ユベントス、インテル、バルセロナ、ビジャレアル、アーセナル、リヨン、ベンフィカ)
去年のベスト8はどうでしょうか。
イタリア3。イングランド2。ドイツ1。フランス1。オランダ1。
(ミラン、ユベントス、インテル、チェルシー、リバプール、バイエルン、リヨン、PSV)
おととしは?
イタリア1。イングランド2。スペイン2。フランス2。ポルトガル1。
(ミラン、チェルシー、アーセナル、デポルティボ、レアルマドリー、リヨン、モナコ、ポルト)



こんな感じで、毎回出てくる顔が決まっている。イタリア、スペイン、イングランドの3大リーグが過半数を占め、それにドイツ、フランスの第2グループ。よくてオランダ、ポルトガルのクラブまで。可能性を感じるのは、それにギリシャ、トルコ、スコットランドくらいか……。
そして、出てきたチームを見ると「おまえら、ほんとどこのチームだよ?」と言いたくなるような、世界オールスターの強豪チームと、「僕たち、奇跡を起こしてなんとかここまでたどりつきました」な、自国産の中小チーム。そして、中小チームが好成績を収めたとたん、西欧の強豪が選手を引き抜いていき、一年でチームは解体してしまう。
その良い例が03-04優勝のポルトであり、準優勝のモナコでしょう。
モウリーニョ監督をはじめ、カルバーリョ、フェレイラ、デコといった主力たちは翌年には別のチームに移り、チームは解体してしまいます。
モナコも、ジュリーやプルソといった主力たちはチームを離れ、今や見る影もありません。


そして今日もお金が集まるところに優勝はあり、CLは限られた国の限られたチームだけで争われているのです。



*1ステアウア、レッドスターに関して。この両チームの現状を調べていないので、憶測です。
しかし、才能のある選手は17、18で西欧の列強チームに移籍してしまうという流れが、
東欧だけでなく、南米リーグやアフリカリーグにまで波及しているのは事実です。