今シーズン今まで見た中では最高の試合だった。
『つまらないセリエA』というのは、固定観念ではなく実際つまらない試合が
非常に多いのだけれど、
この試合のように魂の名勝負もあるということか。


試合内容は。4-3でインテルの勝利だ。

序盤、ミランの4-3-2-1(クリスマス・ツリーシステム)が全く機能せず、
インテルが圧倒的に試合を支配。前半が終わった段階(インテルの2-0)でインテルの勝利は
ほぼ間違いないと思われた。

後半、ミランはいきなりの3人交代で、スクランブル体制に入る。
そして、後半半ばの2つのプレーが試合の流れをがらりと変えた。
一つ目はガットゥーゾのラフプレイでビエイラが負傷したこと(ガットゥーゾにはお咎めなし)、
二つ目はマテラッツィのゴール(インテル4-1)と、ユニフォームを上げたことによる退場。

これで、形成が逆転。3点差になったとは言え、怒涛の猛反撃を開始したミランは、
前半の冴えないミランとは別のチームのようになっていた。

これに輪をかけたのがインテル、マンチーニ監督の采配ミス。
負傷で動けないビエイラをピッチに残すという自殺的な采配により、
インテルは実質9人で戦う羽目に。
交代枠は残っていたのに、何故交代させなかったのか、恐らくマンチーニ以外の誰にもわからない奇怪な采配である。

ミランの勢いは留まるところを知らず、インテルGKジュリオ・セーザルの
数え切れないファインセーブがあったにも関わらず、
試合終了5分前のスコアは4-3。1点差にまで迫られていた。
結局インテルが逃げ切ることになるのだが、最後の最後まで全く予断を許さない展開であった。


インテルのMVPは、GKのジュリオ・セーザルだろう。ファインセーブを超えた神がかり的なセーブも1つ見せた。まさに目を疑うような奇跡だった。
また、キャプテン・サネッティの今シーズンの充実振りには目を奪われる。
今夏のワールドカップには、不思議なことに召集されなかったアルゼンチンのサイドバックは、
今もって世界最高クラスの選手であることを証明し続けている。
ドリブルのキレはロッベンにも劣らない。

ミラン側は……後半はみんな良かったからなぁ。長いスランプを抜けつつある
ジラルディーノ、いぶし銀のセードルフ、大ベテランのマルディーニ、
ダーティーな野獣ガットゥーゾが特に印象に残った。
特にガットゥーゾは、インテルの野蛮人マテラッツィとイブラヒモビッチ
二人に威圧感で勝っていた。