著者は高畑京一郎。評価はA。

非常に巧くまとまった極上のエンターテイメント。
時間理論にはややご都合主義が見え隠れするも、これくらいなら十分許容範囲。
というか、上手に隠している感じです。

時間モノは好きなジャンルなのですが、ここまで巧く時間を管理した小説は
ちょっと知らないかも。
一週間と時間を区切って、その文細密に描ききったのは見事かもしれない。
後発に「夏色の砂時計」という作品がありますが、
時間の管理が作為的でご都合主義丸出し、結果見事に糞ゲー(ゲームです)だったのに対し、
タイムリープの勝因は時間を一週間に区切ったことじゃないかなと思います。

時間理論は大して難しくはないですが、それなりに頭を使いながら読む必要がありますし、
読み返してみて「なるほど」と思わされる部分も多かったです。
ストーリーの流れをつかむために、“読み返しながら読んだ”本は久しぶりでした。