斜陽の巨人対決。
スペイン王者をバルセロナに明け渡して久しいレアル・マドリード。
主力の大量放出により、弱体化が進む前ドイツ王者バイエルン。
試合は両チームの病巣が如実に見て取れる試合となりました。
スコアはレアルの3-2勝利。ですが、アウェイゴールを考えると、
勝ち上がりの確率はほぼ互角といったところでしょうか。

試合内容 B-。


レアル・マドリード

鋭いカウンターからラウールの飛び出し。ベッカムのセットプレー。
傑出した個の力で前半を圧倒したレアルでしたが、
後半は完全に中盤を明け渡し、まったくいいところなし。
やはり、グティーガゴのコンビでは荷が重すぎたのか。

GK カシージャス C
ピサロのシュートをファインセーブも、全体としては安定感に欠けた。

CB カンナバーロ C&エルゲラ C
中央は決して堅くはなかったものの、あれだけ押し込まれては……。

SB ロベルト・カルロス B&トーレス C
ロベカルは随所に存在感を見せた。ロングパスの精度は圧巻。
トーレスはまずまず無難な出来。個人的には何故サルガドを使わなかったのかが疑問だが。

DH ガゴ C&グティC
グティはやはりトップ下でこそ機能する。ボランチとしては凡庸。ガゴも
まだ欧州の水に慣れておらず期待はずれ。

SH ベッカム A
アメリカに行くようなレベルの選手ではない。トップクラスのロングパス精度を
見せ、レアルのゲームメイクを一手に担った。

OH イグアイン B
試合前、最も注目していた選手。悪くはなかったが、周りのベッカム、ラウール、ニステルが良すぎて、それほど存在感がなかった。

SH ラウール A
今日のMVP。2ゴールは真のエースの証。

CF ファン・ニステルローイ A
ラウールのゴールを導く絶妙のスルーパス。そして自身も1ゴール。
偉大なストライカー。

監督 カペッロ C
豊富な攻撃陣から、ベッカムーラウールーイグアインーニステルをチョイス。
これが見事に当たった。後半は圧倒的劣勢に立たされ、有効な手が打てず仕舞い。


バイエルン・ミュンヘン

守乱。センターバックとキーパーの連携は最悪だった。
中盤も創造性に欠けたが、フィジカル能力で後半流れを強引に掴んだ。
押して押して押しまくり、1点差に詰め寄った底力はさすが。

GK カーン D
失点にこそつながらなかったものの、キックミスを連発。
ルッシオーバンブイテンとの連携も最悪で、不安。

CB ルッシオ C バンブイテン E
GKとの連携は最悪。ルッシオは殊勲の1ゴールを評価してCに。
バイエルンの試合をあまり見ていないのに言うのもなんだが、
このカーンールッシオーバンブイテントリオは、結成後既に半年が経過しているのに、
未だにこんな状況で大丈夫なんだろうか。

SB サニョール A&ラーム C
レアル版ベッカムのように、ロングパスを見事に操ったサニョールにはA評価を。
ラームはいつもの切れ味の良さは見られず。

DH デミチェリス E&ファン・ボンメル B
デミチェリスの出来は最悪。彼のところでバイエルンのリズムが乱れていた。
ファン・ボンメルはお世辞にも才能のある選手とはいえないが、
圧倒的なフィジカルと87分驚愕のゴールによりB評価。

SH シュバインシュタイガー C&ハーグリーブス B
ハーグリーブスは攻守に貢献。逆サイドにも顔を出すなど、その運動量に感動。後半はサリハミジッチ投入で本職のDHに戻った。
シュバもさかんに走り回っていたが、効果的とは言いがたかった。

CF ポドルスキー E&マカーイ B
不可解だったポドルスキーの起用。絶好調ピサロをベンチに置いて彼を起用したものの、全く存在感なし。
マカーイは渋い動きで前半のバイエルン攻撃の唯一の光となっていた。

監督 ヒッツフェルト C
帰ってきたドイツの巨匠。だが、ポドルスキー先発起用には不満。
デミチェリス→サリハミジッチ、ポドルスキー→ピサロの交代は
理にかなっていたものの、そもそも何故デミチェリスやポドルスキーが先発だったのか。
アウェイということもあり、レアルを恐れすぎた感あり。

SH サリハミジッチ B
後半、右サイドで基点となり、バイエルンを活性化したマルチプレイヤー。

CF ピサロ B
抜群のコンディションで後半バイエルンの攻撃を引っ張ったエース。
初めから彼を使っていれば……。