著者は京極夏彦。評価はA-。


今回は、良くも悪くも派手さに欠けた気がします。
振袖少女を除いて、怪奇色もほとんど無かったし。
それはそれで良いのですが、個人的に京極堂シリーズには怪奇色が無いと
寂しいと思うので、やや減点。


動機と犯人についてですが……動機を当ててしまった(苦笑)。
自分でも当たるとは思わなかったけれど……禅については理解どころか知識すらない、
山下さん(登場人物)状態なので、何とも言えないのですが、
動機とは事件を説明するために機能するもの、と捉えると「納得しづらい動機」ですね。
こんな動機かよ……と。
実際それで罪を犯しているのだから仕方ないけど……それって俗物すぎないか?
そんなわけで、犯人への感情移入はしづらいなぁ。
ちなみに犯人当ての方はかすりもしませんでした。


振袖少女も、怪異というほどのものでもないし。
娘ではないかと言われる前から、ずっと娘か妹だと思っていたので、
最初から全然怪異だとは考えていませんでした。
実際は娘でも妹でもなかったんだけどね。


檻から抜け出すために、檻を作るというのは、何となく理解できます。
忙しい時の休日と、定年退職後の毎日休日状態の比較という、
なんとも俗物な比較で考えてもわかる気がする。
夏休みも、いつかは空けてしまうからこそ楽しいのであって。


まぁ、やりたいことがあるうちは、毎日が夏休みでも楽しいですが、
週に1日くらいは、檻があった方が楽しいでしょうね。


かく言う私は、ここ2週間ほとんど外に出ておりませぬ。
最近は在宅でアルバイトをしている上に、ずっと仕事漬けでした。
……過去形じゃないですね。今も仕事漬けです。修羅場です。
早く檻から出たいです。
今なら1ヶ月くらい休みをもらっても楽しめそうだ。