注:1マイル=1・609344キロメートル。約1・6キロということで。

毎年5月、少年100人を集めてロングウォークが開催される。ひたすら時速4マイル以上で歩き続ける単調な競技が、優勝者が決まるまで続けられるのだ。4マイルを切ると、警告が与えられる。警告は3度まで。ただし、警告をもらわずに1時間歩けば、1回分の警告が取り消される。3度の警告にも関わらず、4マイルを切った者には、死が待っている。


出発前。主人公のギャラティは、マクブリーズ、ベイカー、オルソンという三人の少年と意気投合し、彼らと一緒に歩くことにする。主催者である少佐の合図と共にいよいよロングウォークはスタートした。

開始後、いきなり警告をもらったのは不気味な少年ステビンズ。警告の声に戦慄くギャラティ。そこに皮肉屋バーコヴィッチが現れる。彼とオルソンやマクブリーズは馬が合わず、以後口論が繰り返されることになる。
こうして最初の1マイルが終わった。脱落者無しの最高記録は7・75マイルである。

ギャラティは、彼を応援する少女にキスをし、警告を受ける。ロングウォークが彼の地元開催ということもあって、ギャラティはアイドル的な人気を誇っていた。

自分が勝ち残ったら本を出版すると言って、全員の名前と番号をメモして歩いているというハークネスと知り合う。
最初の脱落者、カーリーは筋肉が硬直し銃殺された。

18マイル地点、ライムストーン市に到着。ウォーカーたちの間で噂が伝わっていく。ユーイングにまめができたというのだ。スニーカーはまめができやすい。他の少年たちが彼を守ろうとしたが、ユーイングは撃ち殺された。
オルソンに筋肉の変調が現れ始める。
25マイル地点。ザックが転んで怪我をした。三度目の警告後、逃走するも銃殺される。激しい雷雨がウォーカーたちに襲い掛かる。

半日が過ぎた。トラヴィンが下痢に見舞われ、脱落する。これで5人。40マイル地点、カリブー市に到着。
睡魔に襲われまどろむギャラティ。20時40分。ギャラティは二度の警告を受け、目が覚める。

山に差し掛かった。ステビンズが以前のロングウォークの結末について話す。勝者の足の血管は紫に変色し、精神を病んでいたという。

脱落者が増え始めていく。バーコヴィッチがランクを挑発し、彼を失格処分に追いやり、殺した。前方の木橋が先の雷雨で流されたという噂が伝わるも、迅速に修理され、ロングウォークは続けられた。

ロングウォークで本当に死人が出るとは思っていなかった。そう弱音を吐くマクブリーズは、いけすかないバーコヴィッツよりも長く歩くことを目標に掲げる。オルソンは極限状態の中、幽霊のように歩き続ける。ギャラティはフリーポートで待つ恋人のジャンを想う。夜0時を回り、ロングウォークは2日目に入った。

朝が来た。80マイル。27人が死んだ。突然怒りを爆発させ、兵士に食って掛かるマクブリーズ。3度の警告、あわや銃殺というところで、ギャラティの助けが間に合った。ハークネスが不調を訴える。既婚者で、優勝候補のスクラムと話し込むギャラティ。観衆のセクシーな女性とまぐわい、殺されるグリブル。それを見て射精するギャラティ。スクラムのくしゃみは、肺炎の兆候だった。ハークネスは死に、オルソンは休ませてくれと番兵に懇願する。

森へ逃亡しようとしたパーシーが殺された。悲惨なウォーカーたちの死に歓声をあげる観衆に、ギャラティは突然笑いの発作を起こす。3度の警告、危ないところをマクブリーズのビンタが救った。他人を助けるマクブリーズを呪うオルソン。スクラムの鼻水が止まらない。マクブリーズは昔の恋人、プリシラの話をギャラティに聞かせた。
ウォーカー一行は兵達に一矢を報いた。観客から西瓜をせしめたのだ。

精神が肉体を操縦する。オルソンを見て学べとステビンズが笑う。ギャラティがオルソンに話しかけ、正気に戻った途端にオルソンは死んだ。ギャラティは泣き出し、マクブリーズに引っ張られた。
2日目の夜。オールドタウンを抜け、生者は46人になっていた。ギャラティは便意を催し、群集の視線に晒されたまま大便をする。スクラムは死にかけていた。彼の若き妻のために、ウォーカーたちは寄付を考える。スクラムは死に、ギャラティの左足に激痛が走る。

ロングウォーク参加前夜を振り返る一行。オーガスタには一緒に入ろうとギャラティ、マクブリーズ、ベイカーの3人は約束をする。マクブリーズは自分がホモなのかもしれないと打ち明ける。

嫌われ者バーコヴィッツが死んだ。ギャラティをマザコン、童貞と精神攻撃をするステビンズ。

フリーポート。群衆の中で、自分を迎える母とジャンにかけよるギャラティ。ジャンと母の手に触れ……2回目の警告、ギャラティを引き剥がすマクブリーズ。またも親友に命を助けられたのだ。

ウォーカーは次々に死んでいき、残りは10人余りに。そんな中、エイブラハムから「誰も助けない」盟約が発案される。パーカーが兵士を襲い返り討ちにあった。4日目の夜、ベイカーが死に掛ける。

ステビンズが再び神経戦を仕掛け、ギャラティがそれをはねのける。彼は自らの出生の秘密を語った。ステビンズは少佐の私生児だったのだ。

5日目の朝が来た。ギャラティの精神に異常が生まれ始める。ベイカーが死んだ。残ったのは3人。
マクブリーズが死んだ。そして、ステビンズも死んだ。
ギャラティが優勝したのだ。

……だが、精神に異常をきたしたギャラティはどこへともなく走り始めた。





要約というより、単なる出来事の羅列にしかなっていないような。