著者はダイアナ・ウィン・ジョーンズ。評価はA-。


映画「ハウルの動く城」の原作ですが……映画より数倍面白いですね。
荒れ地の魔女がソフィーに魔法をかけた理由だの、
カルシファーとハウルの関係だの、荒れ地の魔女のその後のぐだぐだっぷりだの、
エンディングの意味のわからんめでたしめでたしっぷりだの、
まぁいろいろとツッコミどころの多い映画でしたが、
原作では今挙げた全てのことにしっかりとした答えを出しています。
なるほどな、と感心しました。これは良質のファンタジーでした。


その代わり、映画で強く描かれていた「少女漫画系恋愛モノ」の要素は
だいぶ減っています。
映画でだって、そこまでかわいくなかったソフィーが、
こちらではまったくかわいくねー。


映画と大きく違うのは、荒れ地の魔女と、サリマン、マルクルー(原作ではマイケル)でしょうか。
また、ソフィーの妹たちや、母親が原作では重要な位置を占めているのも、
大きな違いといえます。

一方で変わらないのがカルシファー。彼は変わらなかったですね。映画まんまです。


いろいろとどんでん返しも楽しめましたし、映画との違い、映画より優れている部分が
たくさん見受けられました。
これでもう少しソフィーがかわいかったら、なぁ。


というか、映画は何であんなに出来が悪かったんでしょうか……。