結末を知っていても、胸を打つ作品がある。これは、そんな作品である。


これは、最高のハッピーエンドだ。そして同時に、悲劇でもある。
恋の寿命は短い。火花が大きければ大きいほど、鑞は急速に燃え落ちていく。
炎の大きさが極大なら、時間もまた極小。
恋の輝きは長くは保たない。それを、シェイクスピアは知っている。
だから……巧い。


身を焦がすほどの恋を抱き、相手のことを想いながら死ねたなら。
相手と口づけを交わしながら死ねたなら。
それはどんなに幸せなことだろう。
恋人達は恋の終わりを目撃することもない。
恋が色あせ、つまらないものとなっていく過程も。
あれほど求めていた相手を、疎ましく思う寂しさも、彼らは知らない。
それは理想的な恋の結末。だから、この作品はハッピーエンドなんだと思う。


……本当は。ジュリエットの魅力についても書きたかった。
下世話な話をすれば、おいおいオリビア・ハッセー(ジュリエット役)、
ロリな上にその巨乳は反則だろとか、萌えますたとか言いたい。事実、萌えたしエロかったから。


でも、止しておく。ジュリエット目当てに見ても十分に満足できる映画だけど、
私はそれ以上のものをこの映画からもらったから。


ハムレットとこれの2作を見たけど、シェイクスピアって本当に情熱的な恋を描く人なんだなと思った。


脇役の話をすると、何気にマキューシオが好きだったりする。バカ格好良いとはこのことか。
空気が読めなすぎるけど、なかなか愉快な人だ。