評価はA。インパクトは薄いけど、じんわり来る上質の青春恋愛映画でした。



「いま、あいにゆきます」の大ファンなので、それと比べるとやはりインパクトは薄いと
言わざるを得ません。
キャンパスを舞台にした淡い恋愛、微妙な三角関係などを描くと共に
子どもから大人への境目を描いたこの作品ですが、
三角関係というのがちょっとネックになっておりまして。


瀬川君は、別に軽薄でもないし、ごく普通だと思います。
でも、恋愛映画として見た場合はちょっとね。
静流は「ただ、瀬川君を愛して」いたけど、瀬川君は「ただ、静流を愛して」いたのかな?という疑問が
生じてしまいます。


今作の最大の見所はやはり、静流(宮崎あおい)でしょう。
いや、驚きました。眼鏡っ娘状態の静流は「子犬」って感じのキャラだったけど、
眼鏡とるとめちゃくちゃ綺麗じゃないですか。
「人間としては好きだけど、異性としては見れない。好かれて嬉しいけど、勘違いさせたら悪いから、一定のライン以上は踏み込ませない。でも傷つけたくないから、優しくする」から、
「異性として気になる」に変化するのはとてもよくわかります。
本当に、抱いておけば良かったね。


今作は、ある意味において「優柔不断」。更に「面食い」であったが故に、大切な人を失った
バッドエンドと見ることもできます。
そして、全ての真相を知った後で、子どもっぽい眼鏡っ娘状態の彼女を見ると、
切なくなりますね。


そう考えると、ヒロインから見ると純愛映画だけれど、主人公視点で見ると
ほろ苦い感じがします。
だいたい、愛ってのは失ってから初めてその有り難さに気づくんですよね。
関係ないかもだけど、恋の燃え上がりも、失うかもしれない危機感と背中合わせだったりしますし。


しかし、「眼鏡をとったら実は美少女だった」なんて、まさか実写で描けるとは思ってませんでした。