グループCのベスト11を選んでみようと思うが、とんだ茶番になる恐れがある。
オランダがあまりにも素晴らしく、他のチームがイマイチだったために、
オランダの選手が11人選ばれることも、誇張ではなくありうるからだ。

そうなっても怒らないでほしい。とりあえず選んでみよう。

GKは激戦区だ。攻撃力ばかりが注目されがちだが、オランダは守備も3試合で失点1。ファンデルサールのフィードは電撃カウンターの基点にもなっている。
ルーマニアのロボントも見逃せない。堅守は彼の力によるところが大きい。だが両者とも、目に見える形で文字通りイタリアを救ったブッフォンに、インパクトでは劣る。

GK ブッフォン(イタリア)

センターは難しい。フランス、イタリア共に期待を裏切った選手ばかりである。
ここはオランダから、期待以上の活躍を見せているオーイェルと、イタリアのパヌッチを選びたい。
パヌッチは右サイドで起用された時のパフォーマンスが良かったという、微妙な理由での選出だが、センターもこなせるので良しとしよう。

CB アンドレ・オーイェル(オランダ)
   クリスチャン・パヌッチ(イタリア)

右サイドバックのブーラルーズは、オランダの隠れたサプライズ。チェルシーで、セビリアで、株を落とし続けていた彼だったが、今大会では世界最高クラスの守備力を披露している。
左サイドバックのファン・ブロンクホルストも異論は無いだろう。対抗として思いつくのはイタリアのグロッソくらいか。

SB ハリド・ブーラルーズ(オランダ)
   ファン・ブロンクホルスト(オランダ)

ここからは中盤より前の面々である。だが、ここから先はほとんどオランダが独占するだろう。
まず、アンタッチャブルなのがオランダのスナイデル。次にファン・ニステルローイ、カイト。ロッベン、ファンペルシー、アフェライ、エンヘラール……。
全て選びたくなってしまう面々だが、皆オランダだ。

一方、他のチームから選ぶとなると、トップにルーマニアのムトゥ、イタリアのトニ。
中盤センターにピルロくらい。これではオランダ一色もやむを得ないか。
だが、オランダの面々も名前があがったのは7人。残りは6枠なので、全員を選ぶわけにはいかない。
というわけでバランスを考えて選ぶことにする。

DH オーランド・エンヘラール(オランダ)
CH ウェズレイ・スナイデル(オランダ)
SH アリエン・ロッベン(オランダ)
SH デュルク・カイト(オランダ)
CF ファン・ニステルローイ(オランダ)
CF ルカ・トーニ(イタリア)


……オランダ8人、イタリア3人。偏りすぎのベスト11だが、ここは大目に見て欲しい。オランダの力はそれだけ圧倒的だったのだ。