9巻まで手元にありますので、読んでいきたいと思います。
著者は時雨沢恵一さんです。


全体の評価 B+


全体的に良質の短編集。諷刺的というか、アイロニーというか、
やや説教くさいのが、人によってはマイナスかもしれないけれど、個人的にはこういうのは好きです。


○人の痛みがわかる国 評価 B+

「サトラレ」なお話。
超技術を発明できる頭の良い科学者が、中学生でもわかりそうなこの結末を
予測できないという皮肉。
実際、科学は人の生活を豊かにし、人類を滅亡の危機に追い込んでいるわけで、意外と的を射ているのかもしれない。

○多数決の国 評価 B+

「ロベスピエール」なお話。
純粋すぎる人が一番危険な気がする。

○レールの上の三人の男 評価 B+

「横井さん」なお話。
小学校教科書の「のんびり森のぞうさん」を思い出した。
横井さんは状況が状況だからともかく、この三人の男は時間間隔がおかしい気がする。

○コロシアム 評価 B

最初のお話から銃を持っていたから、いつかはやるだろうと思っていたバトルもの。キノってやっぱり強かったのね。
「自分は関係ないから、他人の不幸を楽しんでいられる」というやつでしょうか。

○大人の国 評価 B

どこが大人なのかイマイチわかりませんでした。どちらかというと全体主義というか、何かに洗脳されている国というか。
たぶん、主人公の過去話(?)。
花の名前って結局なんだったんだろう。

○平和な国 評価 B-


「弱いものいじめ」なお話。いじめられている子供が、もっと弱い子供をいじめるみたいな。
ラストが不満。こうするしかないのかもしれないけれど、もっと違う解決法を期待していた。
博物館の館長の4人の息子の頭文字をつなげると「よだそう(うそだよ)」になるのは笑った。