著者は ドナルド・E・ウェストレイク 評価はB。

元々、感動タイプの物語が好きなのでB評価どまりになったが、
今作のギャグはとても肌にあって、何度も笑ってしまった。
「ギャグ」一点に絞るならA-くらいの評価をつけてもいいだろう。


アメリカ版ルパン3世というか、37歳ドートマンダーをリーダーとする
愉快な仲間たちが、エメラルドを盗もうと
精神病院に遊園地の機関車で突撃したり、警察署にヘリコプターで乗りつけたりと暴れまわる。
ユーモラスな文体と、登場人物たちに魅せられた。


ただ、ギャグというのは、どうにもこうにも紹介が難しい。
「こんなギャグがあったんだぜ!」と伝えようとしても、聞き手にその面白さが伝わらなかった経験は、皆さんもひょっとするとあるのではないだろうか?

そんなわけで、一部分を引用してみる。


「(錠前破りのホイッスラーは)今、別荘だよ。ライオンを逃がしたんでぶちこまれたんだ」

「何だって?」

「俺を睨まないでくれよ。子供たちを連れて動物園へ行ったんだけど、退屈しちゃって、何の気なしに錠前をいたずらしはじめちゃったんだってよ。気づいた時には、ライオンを檻から出しちゃってたんだってさ」

「(運転手の)ラーズはどうだ?」

「奴はだめだ。飛行機とぶつかりやがってな」

「奴がどうしたって?」

「俺を睨まないでくれよ(以下略)」



内容ももちろんだけど、引用部分では「俺を睨まないでくれよ」の繰り返しが
効いている。
終始、こんな調子なので、興味がある方は読んでみるといいと思う。