☆利腕 評価 A No18(競馬シリーズ18作目)
主人公のシッド・ハレーが格好良すぎる件。
健速主人公など足元にも及ばないクールぶりに痺れました。
外見は超人、でも内面はそうではないというところも、深みが感じられて良かったです。
ジェニイとのやりとりは、某エロゲの健速主人公を思い出しました。
「完璧すぎるところが、玉に瑕」というか。
たまには「弱さをさらけ出してほしい」という台詞はぐっときました。そして、それに応えられないハレーの悲哀も。
この、ディック・フランシスという作家さんは、本当に人物を魅力的に描くことのできる作家さんですね。
ただ、ラストはシッド・ハレーを更に格好良く見せるために、ちょっと
「やりすぎ」た感はあります。
簡単に言うと、
敵「ば、ばかな! お前を止めることは誰にもできないのか!」
完
みたいなラストです(笑)。
こういうノリが好きなら是非。
にしても、今回の馬主たちは、マフィアっぽいというか恐ろしい人たちばかりですね。
ストーリー自体はB+くらいで、「素晴らしい」とは思わなかったので、
評価はちょっと悩みました。
読み終わった直後はA-をつけていたのですが、どうにも余韻が収まらず
A評価に上方修正いたしました。
☆反射 評価 B No19
競馬に興味はない私ですが、なかなか面白かったです。
騎手の世界の雰囲気は確かに楽しめますが、あくまで、競馬場を舞台にしたミステリなので、専門用語とかそういうのもなく気楽に楽しめます。
本作の主人公のフィリップ・ノアは、至って平凡な「流されるように生きてきた」人なので、アメリカ的な「俺はヒーロー、俺はタフガイ!」的なキャラクターに比べて親しみが持てました(笑)。
馬主のヴィクターや、ツンデレ(?)祖母のラヴィニアなど、キャラクターも魅力的でした。
☆血統 評価 C+ No7
リニイ、ユーニスという魅力的な女性陣が出てくるのが嬉しいですね。
ただ、200ページを過ぎるまであまり引き込まれなかったのも確か。
ラストのウォルトとの友情は、ベタではあるけれど悪くはないです。
☆暴走 評価 C No13
主人公のデイヴィッドが、「シッド・ハレーのなりかけ」で、微かにカッコ良いです。
有能で頭の切れるところは良いのですが、内面に踏み込んだ描写ではシッド・ハレーにだいぶ劣ります。
後は、ノルウェーが舞台というのは面白かったかな。
逆に言うと、それくらいです。
☆骨折 評価 A- No11
「利腕」以来のヒット!
傲慢で息子への妄執に満ちたエンソと、エンソの影響を受け傲慢で鼻持ちならない青年アレサンドロ。
頑固で、自分のやり方を押し通そうとするネヴィルと、ネヴィルとは別のやり方を模索するニール。
親からの自立をテーマに、2組の親子を描いた作品。
嫌な奴でしかなかったアレサンドロが、段々とニールを信頼し、憑き物が落ちたように成長していく描写が秀逸。
ラストの、彼の笑顔が脳裏に思い浮かびます。
不満なのは、ネヴィルの死があまりに唐突でタイミングが良すぎるところ。
さらに言えば、人が死んで(それも、根っからの悪人ではなく、「障害」にすぎない)グッドエンドというのは、ちょっと抵抗があります。
それにしても…梅毒って怖い病気なんですね。
☆査問 評価 B No9
濡れ衣を着せられた主人公が、濡れ衣を着せた謀略家を見つけるというお話。
なかなか引き込まれる設定で、先が気になるのですが、どうにも謀略家のスケールが小さかったのがマイナス。
また、ほとんど唯一の味方であるトニーやロバータが、ケリイにとってどんなに心強かったか、というような描写もあまりなく、やや肩透かしを食った。
また、理由はわからないが、今回は誤字が多かったのもややマイナス。
それでも、読んで損したとは思わないけれども。
☆重賞 評価 B+ No4
馬のすり替え詐欺を行う悪党三人組と、仲間の協力を得て愛馬エナジャイズを賭けて闘うスリラー劇。
悪役の一人、ガンサー・メイズの凶悪ぶりはなかなかのもので、主人公が襲われるシーンでは、読んでいて身震いしてしまいました。
また、ラストの競馬シーンも迫真の描写で、競馬の楽しさが、未経験(今後も経験しないでしょう)の私にも伝わってきました。
更に、今作もヒロインはかわいいし、仲間のチャーリィは頼もしいし、敵役は揃いも揃って憎らしいしで、キャラクターの魅力はさすがフランシスといったところ。
ただ、これは好みなんですが、今回は敵を凶悪にしすぎた気がするんですよね。
「とりあえずの勝利」は収めるわけですが、この程度じゃ満足できないというか…。
メイズには単純な死では生ぬるいというか…。
勧善懲悪モノでは、どちらかといえばハッピーエンド主義者なので
(注:恋愛モノの場合は、失恋・悲恋も美しいと思うのでハッピーエンドにはこだわらない)
、今作の締めはどうにも煮え切らないというか……。
メイズが玩具を壊したのが、とてもショックでした。
私も自称創作家(自称するだけならタダです:笑)なので、魂を込めたモノを踏みにじられるのってすごいショックなんです…。
そこが「骨折」よりも評価が低い理由です。
「骨折」も、いやらしい悪党が出てくる勧善懲悪で、この作品と大枠が似ているのですが、最後本当に爽やかに終わったので。
☆追込 評価 C+ No15
主人公のトッド・悪友のジックとその妻セアラが活躍する冒険モノ。
主人公のシッド・ハレーが格好良すぎる件。
健速主人公など足元にも及ばないクールぶりに痺れました。
外見は超人、でも内面はそうではないというところも、深みが感じられて良かったです。
ジェニイとのやりとりは、某エロゲの健速主人公を思い出しました。
「完璧すぎるところが、玉に瑕」というか。
たまには「弱さをさらけ出してほしい」という台詞はぐっときました。そして、それに応えられないハレーの悲哀も。
この、ディック・フランシスという作家さんは、本当に人物を魅力的に描くことのできる作家さんですね。
ただ、ラストはシッド・ハレーを更に格好良く見せるために、ちょっと
「やりすぎ」た感はあります。
簡単に言うと、
敵「ば、ばかな! お前を止めることは誰にもできないのか!」
完
みたいなラストです(笑)。
こういうノリが好きなら是非。
にしても、今回の馬主たちは、マフィアっぽいというか恐ろしい人たちばかりですね。
ストーリー自体はB+くらいで、「素晴らしい」とは思わなかったので、
評価はちょっと悩みました。
読み終わった直後はA-をつけていたのですが、どうにも余韻が収まらず
A評価に上方修正いたしました。
☆反射 評価 B No19
競馬に興味はない私ですが、なかなか面白かったです。
騎手の世界の雰囲気は確かに楽しめますが、あくまで、競馬場を舞台にしたミステリなので、専門用語とかそういうのもなく気楽に楽しめます。
本作の主人公のフィリップ・ノアは、至って平凡な「流されるように生きてきた」人なので、アメリカ的な「俺はヒーロー、俺はタフガイ!」的なキャラクターに比べて親しみが持てました(笑)。
馬主のヴィクターや、ツンデレ(?)祖母のラヴィニアなど、キャラクターも魅力的でした。
☆血統 評価 C+ No7
リニイ、ユーニスという魅力的な女性陣が出てくるのが嬉しいですね。
ただ、200ページを過ぎるまであまり引き込まれなかったのも確か。
ラストのウォルトとの友情は、ベタではあるけれど悪くはないです。
☆暴走 評価 C No13
主人公のデイヴィッドが、「シッド・ハレーのなりかけ」で、微かにカッコ良いです。
有能で頭の切れるところは良いのですが、内面に踏み込んだ描写ではシッド・ハレーにだいぶ劣ります。
後は、ノルウェーが舞台というのは面白かったかな。
逆に言うと、それくらいです。
☆骨折 評価 A- No11
「利腕」以来のヒット!
傲慢で息子への妄執に満ちたエンソと、エンソの影響を受け傲慢で鼻持ちならない青年アレサンドロ。
頑固で、自分のやり方を押し通そうとするネヴィルと、ネヴィルとは別のやり方を模索するニール。
親からの自立をテーマに、2組の親子を描いた作品。
嫌な奴でしかなかったアレサンドロが、段々とニールを信頼し、憑き物が落ちたように成長していく描写が秀逸。
ラストの、彼の笑顔が脳裏に思い浮かびます。
不満なのは、ネヴィルの死があまりに唐突でタイミングが良すぎるところ。
さらに言えば、人が死んで(それも、根っからの悪人ではなく、「障害」にすぎない)グッドエンドというのは、ちょっと抵抗があります。
それにしても…梅毒って怖い病気なんですね。
☆査問 評価 B No9
濡れ衣を着せられた主人公が、濡れ衣を着せた謀略家を見つけるというお話。
なかなか引き込まれる設定で、先が気になるのですが、どうにも謀略家のスケールが小さかったのがマイナス。
また、ほとんど唯一の味方であるトニーやロバータが、ケリイにとってどんなに心強かったか、というような描写もあまりなく、やや肩透かしを食った。
また、理由はわからないが、今回は誤字が多かったのもややマイナス。
それでも、読んで損したとは思わないけれども。
☆重賞 評価 B+ No4
馬のすり替え詐欺を行う悪党三人組と、仲間の協力を得て愛馬エナジャイズを賭けて闘うスリラー劇。
悪役の一人、ガンサー・メイズの凶悪ぶりはなかなかのもので、主人公が襲われるシーンでは、読んでいて身震いしてしまいました。
また、ラストの競馬シーンも迫真の描写で、競馬の楽しさが、未経験(今後も経験しないでしょう)の私にも伝わってきました。
更に、今作もヒロインはかわいいし、仲間のチャーリィは頼もしいし、敵役は揃いも揃って憎らしいしで、キャラクターの魅力はさすがフランシスといったところ。
ただ、これは好みなんですが、今回は敵を凶悪にしすぎた気がするんですよね。
「とりあえずの勝利」は収めるわけですが、この程度じゃ満足できないというか…。
メイズには単純な死では生ぬるいというか…。
勧善懲悪モノでは、どちらかといえばハッピーエンド主義者なので
(注:恋愛モノの場合は、失恋・悲恋も美しいと思うのでハッピーエンドにはこだわらない)
、今作の締めはどうにも煮え切らないというか……。
メイズが玩具を壊したのが、とてもショックでした。
私も自称創作家(自称するだけならタダです:笑)なので、魂を込めたモノを踏みにじられるのってすごいショックなんです…。
そこが「骨折」よりも評価が低い理由です。
「骨折」も、いやらしい悪党が出てくる勧善懲悪で、この作品と大枠が似ているのですが、最後本当に爽やかに終わったので。
☆追込 評価 C+ No15
主人公のトッド・悪友のジックとその妻セアラが活躍する冒険モノ。