著者はローレンス・サンダース。評価はB。
面白いところもあり、つまらないところもありのB評価。

推理小説ではなく、古畑任三郎のように、読者には犯人が最初からわかっています。
犯人と刑事それぞれの視点が交互に挟まれ、物語が展開していきます。


感想。
まず、犯人が変態すぎて、気持ち悪かったです。
一方で、主人公も真面目な堅物&激情家で、嫌いではないものの好きか?と聞かれると、頷けない感じ。

後半になればなるほど、勧善懲悪色が強く、
「犯人には全く同情できないけど、やりすぎだろ……」と思いました。
結果、追い詰められすぎた犯人はとうとう気が狂ってしまい、暴走してしまいます。

刑事は犯人の証拠を握っていたし、読者も犯人がわかっている。
なおかつ、犯人に同情の余地がほとんどない。

この3点が抑えられていたから良かったようなものの、
普通の捜査では、絶対やっちゃいけないような追い詰め方だと思いました。
逆説的に、背筋が薄ら寒くなるような描写があったり、
あるいは「もっとやれ!やっちまえ!」と熱くなれる人はなれるような気はしますけれども。

もっとも、そのことは作者自身もよくわかっていて、刑事自身も「高慢=第一の大罪」と理解しているので、単純な勧善懲悪というよりは、勧善懲悪と見せかけた教訓モノとしても読めますけれども。


それから、絶好状態だったモニカと主人公が、後日談で突然結婚しましたというのも、どうかなと思いました。


ただ、上を読むと文句が多いのですが、
1000ページ級の内容を実質3日で読めたので、やはり面白かったことは面白かったです。
というよりも、本気でつまらなかったら、むしろ長文感想は書けないです。