前記事が10000文字を超えたので、PART3です。
S・A→心から読んでよかったと思える本
スカーラッチ家の遺産/ロバート・ラドラム……悪役の不気味な魅力、壮大な歴史的陰謀、イタリアマフィアなどのキーワードにピンと来たらラドラムをどうぞ。
ザ・スタンド/スティーブン・キング……人類が滅亡した世界で繰り広げられる、二大陣営の一大叙事詩。滅亡するまでが楽しすぎて、陣営激突にパワーダウンを感じたのがやや残念だが、全体的にハイレベル。
将軍/ジェームズ・クラベル……漂着したイギリス人の目を通して、一種、異様とも言える日本文化を、鮮烈に描いた異色作。
私生児/ジョン・ジェイクス……独立への第一歩を踏み出したアメリカの姿を、一人の青年の目を通して描いた作品。歴史小説としてはもちろん、恋愛&青春小説としても優れた作品。
自負と偏見/ジェイン・オースティン……第一印象は最悪だった二人が、結ばれるまでを描いた恋愛小説。キャラクターがそれぞれよく立っている点と、ほのぼのと読める点が好印象。
マネーチェンジャーズ/アーサー・ヘイリー……とりわけキャラクターの描写が素晴らしい、銀行を舞台にした金融サスペンス。私には興味のない分野の話にも関わらず、楽しめた。
ケイン号の叛乱/ハーマン・ウォーク……戦艦ケイン号を舞台にした、人間ドラマの巨編。物語が終わりに近づくにつれて、「ケイン号と別れたくない」という気持ちにさせられた。ラスト3分の1は掛け値なしの名作。
戦争の嵐/ハーマン・ウォーク……第二次世界大戦直前の、独ソ不可侵条約~真珠湾攻撃までを描いた、大河歴史小説。
B→読んだ時間・お金以上に価値があったもの
マラソンマン/ウィリアム・ゴールドマン……ハラハラドキドキ、先が気になるスリラーは文章力の賜物。マラソンのシーン、歯医者の拷問シーンは圧巻。
欲望の殺人/ローレンス・サンダーズ……このシリーズは人物描写がしっかりしているので、安心して読めますね。主人公のディレイニーはあまり好きになれないけど。
嵐が丘/エミリー・ブロンテ……恋愛経験のない著者の書いた、恋愛小説の金字塔。個人的には「劣悪な教育が人の心を歪める」という教育小説のような印象を受けた。男性陣が揃いも揃って鬼畜なのはどうにかなりませんかね?
ドグラマグラ/夢野久作……怪しげな幻想怪奇小説。最後まで読めば面白いが、退屈なシーンが長いのも確か。後、不必要にエロい表紙は正直どうかと思う。
星は人類のもの連盟/ジョン・ブラナー……『自分の住んでみたい』未来が描かれるSFって、なんだか珍しい気がする。ほのぼの読みやすい良質なSF。
復讐者/ジョン・ジェイクス……対メキシコ戦争とカリフォルニア・ゴールドラッシュに揺れるアメリカを舞台に、一人の女性の破滅を描いた小説。
審判/カフカ……何となくわかるようなわからないような。物語としては微妙にも程があるが、夢幻の中を彷徨う酩酊感のような読書体験ができた。
ロリータ/ナボコフ……「愛撫」と「セクハラ」のように、同じ行動が、相手にも同じように伝わっているかはわからない。切なくて滑稽で悲哀で、それでいて深刻なすれ違いを描いた作品。
それにしても、「ロリータ」がただのクソガキに見える……。
新世界/ジョン・ジェイクス……ケント家物語最終章。正しい親父が、間違っている息子に対して、『正しさ』を押し付けている……それってどうなんでしょうね??
痴人の愛/谷崎潤一郎……冷静に見れば、最低最悪の性悪だったとしても、絶世の美女は男を狂わせる。それも、中途半端に真面目な男に限って、騙されるんだな。身につまされました。
アンドロメダ病原体/マイクル・クライトン……徹底した科学小説だが、完全文系の私でも楽しめたのは、作者の文章力故か。理系の人なら更に評価は上がりそう。
宇宙の戦士/ロバート・A・ハインライン……ファシズム的ということで、論争を呼んだ作品らしいが、右翼が嫌いでファシズム嫌いな私には、ちっともファシズム的とは感じなかった。クモ型宇宙人と戦う軍隊小説。
虎よ、虎よ/アルフレッド・ベスター……一本道の筋をグイグイ読ませる中盤までは掛け値なしの面白さ。後半、視点・空間がポンポン変わり、脱落の憂き目を見た。
C→暇つぶしにはなったもの
マジック/ウィリアム・ゴールドマン……読み終わった後の印象は悪くないが、
退屈な時間も長かった。主人公狂いすぎ。
或る女/有島武朗……「アンナカレーニナ」「ボヴァリー夫人」、そして「或る女」。「タイトルのつけ方」「主人公の性格・立場」そして「結末」。どうしてこれほどまでに、互いに似通っているのだろう???
3作の中では一番好き。
人形つかい/ロバート・A・ハインライン……ナメクジ型宇宙生物との闘いを描いた娯楽小説。スイスイ読める。ただ、「ナメクジに支配されるのはソ連に支配されるようだ」等の、不必要かつ執拗なソ連叩きが鼻につく。
桜の園/チェーホフ……過去にしがみつく人々と、未来を見据える人々を描いた戯曲。
神聖喜劇/大西巨人……面白い、けれどとてつもなくしんどい。教養パートは適当に流し読みしたほうがいいような気がしました。
呪われた町/スティーブン・キング……比べてはいけないけれど、後発の名作小説『屍鬼』と比べるとどうしても……。
反逆者/ジョン・ジェイクス……アメリカ独立戦争を描いた作品。
盗聴/ローレンス・サンダーズ……特に素晴らしいとは思わなかったが、退屈せずダレずに読めた。
グレート・ギャッツビー/フィッツジェラルド……退屈ではあるけれど、読後に不思議な余韻の残る青春小説。主人公は30歳だけど、青春してますな。
壁/安部公房……CとBの間。一度に読んだら頭が混乱し、擬似錯乱状態にまで陥った。グロさの中に不可思議なユーモアを感じる。好きではないが、ある意味凄い。
悪党パーカー・殺人遊園地/リチャード・スターク……「ダイハード」や「エアフォースワン」のようなアクション映画を、そのまま小説にしたような作品。ひたすらバトル。その割に飽きさせないのは凄い。
悪党パーカー・人狩り/リチャード・スターク……記念すべきパーカーシリーズの一作目。復讐とプライドと金銭欲に衝き動かされる主人公。奥さんのリンがちょっとかわいそうではあった。
悪党パーカー・死者の遺産/リチャード・スターク……パーカーの昔仲間が殺され、事件に巻き込まれるパーカー。自業自得かもしれないが、ジョー老人が不憫だった。
悪党パーカー・汚れた七人/リチャード・スターク……意外性のあるプロットに驚いた。今まで読んだ当シリーズ4作の中では一番好きかも。
悪党パーカー・殺戮の月/リチャード・スターク……基本的に単純なストーリーなので、このボリュームでやられるとさすがに飽きる。
銀河市民/ロバート・A・ハインライン……冒険物語を通して、少年の「自立」(隷属をよしとする→自分のすることは自分で決める)を描いた作品。完成度は高い。
デューン:砂の惑星/フランク・ハーバート……世界観重視のSF作品。その世界に慣れるまで、若干の辛抱を要する。
デューン:砂漠の救世主/フランク・ハーバート……砂の惑星に比べると、落ち着いてはいるが面白い。
ネロウルフ対FBI/レックス・スタウト……ネロウルフ・FBI・警察、三勢力のやりとりが面白い。ミステリとしてはイマイチだけど。
D→正直、自分には合わず、読んだ意味がなかったもの
パルムの僧院/スタンダール……時代・文化の違いは強烈だなと感じました。
ヒロインのクレリアを、「偏屈なマイルールにこだわるバカ女」としか感じられなかった時点で、どうしょうもない。
第九指令/アダム・ホール……退屈。
暗号指令タンゴ/アダム・ホール……このシリーズの中では良かったほうだけれど。
聖女が死んだ/キャサリン・エアード……どうにもピンと来ない。アガサ・クリスティの後継者と紹介されていたけれど、「イギリス・女性作家・ミステリ作家」の3つ以外に共通点があるとは思えないが……。
死体は沈黙しない/キャサリン・エアード……自分には合わない、を連呼しながら、邦訳されたエアード作品を全て読んでしまった(汗)。やっぱり合わない。
フレッチ:死体のいる迷路/グレゴリー・マクドナルド……軽妙なやりとりは面白いといえば面白いが、それだけと感じた。このシリーズ、二度も賞を取っているんだから、きっとそれだけではないんだろうけど……。
最後の国境線/アリステア・マクリーン……どうもこの人のも肌に合わない感じ。なんか、背景説明ばかり多くて、退屈なんだよなぁ。
デューン:砂丘の子供たち/フランク・ハーバート……あまりにも抽象的すぎ。
誰と誰が争っているのか、なんで争っているのかも含めて、正直意味がわからん。あと、ポウル36歳くらいのはずなのに、70代にしか見えない。老けすぎ。
分類不能
ヨブ記……聖書に点数をつけるなんてあまりにも恐れ多いので分類不能で。物語としては支離滅裂な気がしますが、言葉のセンスが美しいので詩として楽しみました。
S・A→心から読んでよかったと思える本
スカーラッチ家の遺産/ロバート・ラドラム……悪役の不気味な魅力、壮大な歴史的陰謀、イタリアマフィアなどのキーワードにピンと来たらラドラムをどうぞ。
ザ・スタンド/スティーブン・キング……人類が滅亡した世界で繰り広げられる、二大陣営の一大叙事詩。滅亡するまでが楽しすぎて、陣営激突にパワーダウンを感じたのがやや残念だが、全体的にハイレベル。
将軍/ジェームズ・クラベル……漂着したイギリス人の目を通して、一種、異様とも言える日本文化を、鮮烈に描いた異色作。
私生児/ジョン・ジェイクス……独立への第一歩を踏み出したアメリカの姿を、一人の青年の目を通して描いた作品。歴史小説としてはもちろん、恋愛&青春小説としても優れた作品。
自負と偏見/ジェイン・オースティン……第一印象は最悪だった二人が、結ばれるまでを描いた恋愛小説。キャラクターがそれぞれよく立っている点と、ほのぼのと読める点が好印象。
マネーチェンジャーズ/アーサー・ヘイリー……とりわけキャラクターの描写が素晴らしい、銀行を舞台にした金融サスペンス。私には興味のない分野の話にも関わらず、楽しめた。
ケイン号の叛乱/ハーマン・ウォーク……戦艦ケイン号を舞台にした、人間ドラマの巨編。物語が終わりに近づくにつれて、「ケイン号と別れたくない」という気持ちにさせられた。ラスト3分の1は掛け値なしの名作。
戦争の嵐/ハーマン・ウォーク……第二次世界大戦直前の、独ソ不可侵条約~真珠湾攻撃までを描いた、大河歴史小説。
B→読んだ時間・お金以上に価値があったもの
マラソンマン/ウィリアム・ゴールドマン……ハラハラドキドキ、先が気になるスリラーは文章力の賜物。マラソンのシーン、歯医者の拷問シーンは圧巻。
欲望の殺人/ローレンス・サンダーズ……このシリーズは人物描写がしっかりしているので、安心して読めますね。主人公のディレイニーはあまり好きになれないけど。
嵐が丘/エミリー・ブロンテ……恋愛経験のない著者の書いた、恋愛小説の金字塔。個人的には「劣悪な教育が人の心を歪める」という教育小説のような印象を受けた。男性陣が揃いも揃って鬼畜なのはどうにかなりませんかね?
ドグラマグラ/夢野久作……怪しげな幻想怪奇小説。最後まで読めば面白いが、退屈なシーンが長いのも確か。後、不必要にエロい表紙は正直どうかと思う。
星は人類のもの連盟/ジョン・ブラナー……『自分の住んでみたい』未来が描かれるSFって、なんだか珍しい気がする。ほのぼの読みやすい良質なSF。
復讐者/ジョン・ジェイクス……対メキシコ戦争とカリフォルニア・ゴールドラッシュに揺れるアメリカを舞台に、一人の女性の破滅を描いた小説。
審判/カフカ……何となくわかるようなわからないような。物語としては微妙にも程があるが、夢幻の中を彷徨う酩酊感のような読書体験ができた。
ロリータ/ナボコフ……「愛撫」と「セクハラ」のように、同じ行動が、相手にも同じように伝わっているかはわからない。切なくて滑稽で悲哀で、それでいて深刻なすれ違いを描いた作品。
それにしても、「ロリータ」がただのクソガキに見える……。
新世界/ジョン・ジェイクス……ケント家物語最終章。正しい親父が、間違っている息子に対して、『正しさ』を押し付けている……それってどうなんでしょうね??
痴人の愛/谷崎潤一郎……冷静に見れば、最低最悪の性悪だったとしても、絶世の美女は男を狂わせる。それも、中途半端に真面目な男に限って、騙されるんだな。身につまされました。
アンドロメダ病原体/マイクル・クライトン……徹底した科学小説だが、完全文系の私でも楽しめたのは、作者の文章力故か。理系の人なら更に評価は上がりそう。
宇宙の戦士/ロバート・A・ハインライン……ファシズム的ということで、論争を呼んだ作品らしいが、右翼が嫌いでファシズム嫌いな私には、ちっともファシズム的とは感じなかった。クモ型宇宙人と戦う軍隊小説。
虎よ、虎よ/アルフレッド・ベスター……一本道の筋をグイグイ読ませる中盤までは掛け値なしの面白さ。後半、視点・空間がポンポン変わり、脱落の憂き目を見た。
C→暇つぶしにはなったもの
マジック/ウィリアム・ゴールドマン……読み終わった後の印象は悪くないが、
退屈な時間も長かった。主人公狂いすぎ。
或る女/有島武朗……「アンナカレーニナ」「ボヴァリー夫人」、そして「或る女」。「タイトルのつけ方」「主人公の性格・立場」そして「結末」。どうしてこれほどまでに、互いに似通っているのだろう???
3作の中では一番好き。
人形つかい/ロバート・A・ハインライン……ナメクジ型宇宙生物との闘いを描いた娯楽小説。スイスイ読める。ただ、「ナメクジに支配されるのはソ連に支配されるようだ」等の、不必要かつ執拗なソ連叩きが鼻につく。
桜の園/チェーホフ……過去にしがみつく人々と、未来を見据える人々を描いた戯曲。
神聖喜劇/大西巨人……面白い、けれどとてつもなくしんどい。教養パートは適当に流し読みしたほうがいいような気がしました。
呪われた町/スティーブン・キング……比べてはいけないけれど、後発の名作小説『屍鬼』と比べるとどうしても……。
反逆者/ジョン・ジェイクス……アメリカ独立戦争を描いた作品。
盗聴/ローレンス・サンダーズ……特に素晴らしいとは思わなかったが、退屈せずダレずに読めた。
グレート・ギャッツビー/フィッツジェラルド……退屈ではあるけれど、読後に不思議な余韻の残る青春小説。主人公は30歳だけど、青春してますな。
壁/安部公房……CとBの間。一度に読んだら頭が混乱し、擬似錯乱状態にまで陥った。グロさの中に不可思議なユーモアを感じる。好きではないが、ある意味凄い。
悪党パーカー・殺人遊園地/リチャード・スターク……「ダイハード」や「エアフォースワン」のようなアクション映画を、そのまま小説にしたような作品。ひたすらバトル。その割に飽きさせないのは凄い。
悪党パーカー・人狩り/リチャード・スターク……記念すべきパーカーシリーズの一作目。復讐とプライドと金銭欲に衝き動かされる主人公。奥さんのリンがちょっとかわいそうではあった。
悪党パーカー・死者の遺産/リチャード・スターク……パーカーの昔仲間が殺され、事件に巻き込まれるパーカー。自業自得かもしれないが、ジョー老人が不憫だった。
悪党パーカー・汚れた七人/リチャード・スターク……意外性のあるプロットに驚いた。今まで読んだ当シリーズ4作の中では一番好きかも。
悪党パーカー・殺戮の月/リチャード・スターク……基本的に単純なストーリーなので、このボリュームでやられるとさすがに飽きる。
銀河市民/ロバート・A・ハインライン……冒険物語を通して、少年の「自立」(隷属をよしとする→自分のすることは自分で決める)を描いた作品。完成度は高い。
デューン:砂の惑星/フランク・ハーバート……世界観重視のSF作品。その世界に慣れるまで、若干の辛抱を要する。
デューン:砂漠の救世主/フランク・ハーバート……砂の惑星に比べると、落ち着いてはいるが面白い。
ネロウルフ対FBI/レックス・スタウト……ネロウルフ・FBI・警察、三勢力のやりとりが面白い。ミステリとしてはイマイチだけど。
D→正直、自分には合わず、読んだ意味がなかったもの
パルムの僧院/スタンダール……時代・文化の違いは強烈だなと感じました。
ヒロインのクレリアを、「偏屈なマイルールにこだわるバカ女」としか感じられなかった時点で、どうしょうもない。
第九指令/アダム・ホール……退屈。
暗号指令タンゴ/アダム・ホール……このシリーズの中では良かったほうだけれど。
聖女が死んだ/キャサリン・エアード……どうにもピンと来ない。アガサ・クリスティの後継者と紹介されていたけれど、「イギリス・女性作家・ミステリ作家」の3つ以外に共通点があるとは思えないが……。
死体は沈黙しない/キャサリン・エアード……自分には合わない、を連呼しながら、邦訳されたエアード作品を全て読んでしまった(汗)。やっぱり合わない。
フレッチ:死体のいる迷路/グレゴリー・マクドナルド……軽妙なやりとりは面白いといえば面白いが、それだけと感じた。このシリーズ、二度も賞を取っているんだから、きっとそれだけではないんだろうけど……。
最後の国境線/アリステア・マクリーン……どうもこの人のも肌に合わない感じ。なんか、背景説明ばかり多くて、退屈なんだよなぁ。
デューン:砂丘の子供たち/フランク・ハーバート……あまりにも抽象的すぎ。
誰と誰が争っているのか、なんで争っているのかも含めて、正直意味がわからん。あと、ポウル36歳くらいのはずなのに、70代にしか見えない。老けすぎ。
分類不能
ヨブ記……聖書に点数をつけるなんてあまりにも恐れ多いので分類不能で。物語としては支離滅裂な気がしますが、言葉のセンスが美しいので詩として楽しみました。