10位 ブギーポップは笑わない/上遠野浩平

ザッピングの妙が光るライトノベルの傑作。
ライト(短時間で、読みやすく)でなおかつ、ハイレベルな作品。


9位 ケイン号の叛乱/ハーマン・ウォーク

極めて強烈な悪役、クィーグ艦長を擁するケイン号が9位。
畳み掛けるような法廷ドラマは圧巻の出来。
あなたの周りにも、クィーグ艦長がいませんか?

8位 太陽の黄金の林檎/レイ・ブラッドベリ

大量5作ものノミネートを出したブラッドベリ。さすがに全てを選ぶわけにもいかないので、2作に絞ることにした。
「太陽の~」は、短編集の中で、最も安定していた(外れ作品が少なかった)短編集。


7位 ガープの世界/ジョン・アーヴィング

構成の妙、テクニックを強く感じる純文学作品。
作者の自伝的小説で、物語的に凄みはない。
しかし、その凄みのない素材も、料理次第では名作へと変わる。そんな作品。


6位 マリア様が見てる/今野緒雪 *備考 1~32巻まで読了。

こちらも、小品安定型の良作。世界観が非常にきめ細やかに作られており、学園ドラマのお手本とも言える。
後半(20巻以降)の評価を考えると、もう少し順位は下でもおかしくはないが、前半~中盤までの出来を考えて6位にランクイン。


5位 はだかの太陽/アイザック・アシモフ

アシモフの傑作SFミステリが5位にランクイン。
爽快な読後感は、今回挙げた10作品の中でも出色。
ロボットについて深く考える一品。

4位 火星年代記/レイ・ブラッドベリ

甘く切ない郷愁。
ブラッドベリのエッセンスが存分に注ぎ込まれたSF。
 
3位 12月のベロニカ/貴子潤一郎

今年読んだ中で最も感動し、泣けた作品。
よくよく考えれば粗があるものの、絶妙な構成力と筆致、
そこに描かれた人間ドラマが最大級の驚きと感動を呼び起こす。
ツボにはまる人にとっては、忘れられない一作になるだろう。


2位 ガリバー旅行記/ジョナサン・スウィフト

人間へのどす黒いオーラを漂わす、今作が2位。
良くも悪くも、生き方にすら影響を与えかねない「狂気」の作品。


1位 屍鬼/小野不由美

人間側、屍鬼側。両陣営の感動的なドラマを描いたこの作品をベストとした。
序盤の200ページは退屈かもしれないが、そこを乗り切れば、残りの2300ページはあっという間だ。