2010年09月

2010年 読書 短文感想    1月1日~9月19日

S・A→心から読んでよかったと思える本

渚にて/ネビル・シュート……核戦争後、世界の終わりをつづった小説。静かな感動を味わえました。

暴力教室/エヴァン・ハンター……学級崩壊のクラスを受け持つことになった熱血教師を戸惑わせる、学園一の問題児の描写が秀逸。この作者の本は今までに12冊読んでいるが(後何冊か読む予定)、この作品はあまりにもずば抜けている。

自動車/アーサー・ヘイリー…自動車都市デトロイトを舞台に、工場労働者からデザイナー、会社のトップまで様々な立場から自動車に関わる人々を、徹底した取材に基づいて描いた傑作。

ウィンター・キルズ/リチャード・コンドン……ケネディ大統領暗殺を題にとった、めくるめく陰謀の世界。誰が味方で誰が敵なのか、誰が嘘をついていて誰が真実を語っているのか。作者に振り回され続けた。

富めるもの、貧しきもの/アーウィン・ショー……ある3兄弟の大河小説。子供時代から、大人になり、自分の人生を見つけていく彼らを味わう長編作品。

イルカの日/ロベール・メルル…イルカを愛する全ての人、必読の書。のみならず、9・11後のアメリカを彷彿とさせる描写も垣間見られ、SFとしても一流と言わざるを得ない。

マレヴィル/ロベール・メルル……世界崩壊後のサバイバル生活、そして小社会形成への移行を描いた名作。キャラクターの数を絞り、各々の関係性を深く描写したところにメルルの持ち味あり。

悪魔のハンマー/ラリー・ニーヴン&ジュリー・パーネル……彗星による世界崩壊と、崩壊後の世界で繰り広げられる、科学VS宗教両陣営の激突を描いた一大叙事詩。

君たちはどう生きるか/吉野源三郎……中学生向けに戦前に書かれた小説。人が生きるうえで、本当に大切なことが詰まっていて、一人でも多くの人に読んでほしい名作。

真夜中の滑降/アーウィン・ショー……人生は何が起こるかわからないから面白い。冴えない中年男性のもとに大金が転がりこんだことから始まる、素敵な物語。

ウォーターシップダウンのうさぎたち/リチャード・アダムズ……個性溢れるうさぎたちの冒険を活き活きと描いた、動物ファンタジーの傑作。

ウは宇宙船のウ/レイ・ブラッドベリ……ブラッドベリの自選短編集。ブラッドベリ入門には良い一方、他短編集と作品にかぶりが多い。

ファイアスターター/スティーブン・キング……迫害される異能者を通して、他人を傷つけることに鈍感な、社会の病巣を描いた作品。

一角獣・多角獣/シオドア・スタージョン……幻想恐怖小説「考え方」をはじめ、「ビアンカの手」など良質の作品が揃った短編集。

スキャナー・ダークリー/フィリップ・K・ディック……麻薬を取り締まる捜査官が、麻薬に溺れていくストーリーを軸に、「自分」も「世界」もが曖昧になっていくジャンキー小説。重厚なテーマで考えさせられるにもかかわらず、読みやすく、娯楽としても楽しめた。

魔の都の二剣士/フリッツ・ライバー……ヒロイック・ファンタジーの名作シリーズ、第1巻。バトルで活躍する男性陣はもちろんだが、それを陰から操る女性陣の魅力=支配力をひしひしと感じる。

輪廻の蛇/ロバート・A・ハインライン……良質の短編集。ハインラインはやはり短編の方が面白い。話が長くなればなるほど、彼の主義主張・思想を押し付ける傾向にある。短い話なら、彼の創造力を純粋に味わえる。

水源/アイン・ランド……この本で描かれる「絶対自分中心主義」を守れる人など果たしているのだろうか?洗脳されやすい人が無茶をしなければいいが……と、いらぬ心配をしてしまうくらい、圧倒的な説得力を持って迫る思想小説。100%理解できてはじめて、目指すべき理想がここにある。

色ざんげ/宇野千代……圧倒的な描写力とストーリーテリングで、昭和初期のドロドロ恋愛模様を描いた傑作。

ユービック/フィリップ・K・ディック……死と生の狭間で繰り広げられる壮絶なバトルと、時代退行現象という極めて興味深いギミックに魅せられる。今まで読んだディック5作品の中では、間違いなくベスト。

富士/武田泰淳……誰が正常で、誰が異常なのか。更に突き詰めれば、何を正常とし、何を異常とするのか。戦時中の精神病院を舞台に、深い問いかけを発すると共に、娯楽性・読みやすさも兼ね備えた名作。

キング・ラット/ジェームズ・クラベル……戦争が生んだこの世の地獄、そして楽園。そこに君臨する一人の英雄。戦争が終わったとき、幻想は覚め、現実が生れる。この後、名声を博することになるクラベルだが、それも当然と思わせるデビュー作。

アイ・アム・レジェンド/リチャード・マシスン……酷い出来だった映画版とは全くの別物。ドラキュラ伝説を現代風にアレンジ、研究し、一人称と三人称を使い分ける職人芸で主人公の心を巧みに描く。そして、人間という旧種族は、恐るべき伝説となり、ドラキュラ新世界のもといつまでも残り続ける。

殺人保険/ジェームス・ケイン……男女の愛憎が繊細かつ激烈に描かれた傑作。前妻を殺して妻の座に座り、夫を殺して保険金をせしめようとたくらみ、娘の恋人を誘惑する、悪女の存在感は必見。

B→読んだ時間・お金以上に価値があったもの

ナヴァロンの嵐/アリステア・マクリーン……マクリーン作品5作目にして、初めて面白いと思った。レナルズというキャラクターの存在が、適度な緊張感を生んでいたのが、その理由だと思う。

悪党パーカー:怒りの追跡/リチャード・スターク……相変わらず、ストーリーに中身はない。しかし、中身のないストーリーをよくもこれだけ飽きさせずに読ませてくれるものだと感心する。文章力、表現力の為せる業だろう。

ホテル/アーサー・ヘイリー……ホテルを舞台にした、群像劇。これを読んでいた期間、プライベートでとても嫌なことがあったので、あまり集中できなかったのが悔やまれる。ヒロインでもなんでもないドドが一番萌えた。

自由未来/ロバート・A・ハインライン…今まで読んだハインライン作品6作の中では最もお気に入り。「愚痴だらけの役立たず」キャラを、あそこまで醜く書かなくてもいいじゃんか、とは思うけど。

汝殺すなかれ/ローレンス・サンダーズ……寒村を舞台に、怪しい実験を繰り広げるマッドサイエンティスト。派手さはないが、じっくり読めば読むほど味が出てくるミステリ。

シャイニング/スティーブン・キング……家族間の絆と、その綻びを描いたホラー作品。前半の濃密な家族描写は秀逸も、後半は幽霊屋敷の描写が多く(それがメインなのかもしれないが)、少々中途半端ではある。

スローターハウス5/カート・ヴォネガット……ドレスデン爆撃をメインテーマにした、奇抜なSF。独特の浮遊感が味わえる。

黄金の街/エヴァン・ハンター……盲目のジャズピアニストを主人公に、“アメリカ”を描いた純文学作品。長いが、味わい深い。同著者の“87分署シリーズ”とは作風が全く違い、こういうのも描けるんだと感心した。

ハナの差/エヴァン・ハンター……オチが個人的にイマイチだが、息もつかせぬ展開でグイグイと読者を引っ張る力は本物。面白い。

レッドプラネット/ロバート・A・ハインライン……良質の冒険物語。火星人や火星生物が仲間というのが、今まで作者の作品を読んできた身からすると少し意外だが。とりあえず、ウィリスのかわいさは異常。

女生徒/太宰治……かなり不安定な女生徒の気持ちがよく描けているなと。ハっとさせられる鋭いフレーズが散らばっているあたりは、さすが太宰と言うべきか。

夜の果ての旅/セリーヌ……醜悪な人間の姿を面白おかしく描きつつ、圧倒的な孤独を抉り出す、セリーヌ渾身の傑作。後半も面白いが、前半に比べると破壊力が落ちてB+評価。前半ラストの切なさは圧巻。

大空港/アーサー・ヘイリー……限りなくAに近いB+。空港を舞台に、パイロットやスチュワーデスから、空港職員、密航者、爆弾魔、騒音反対の住民グループまで、緻密な取材を基に描かれる業界小説にして、一級のスリラー。

心変わり/ミシェル・ビュトール……独特の『二人称』と、精緻な心理描写、細密な情景描写が、退屈なはずの物語を魅力的にしている。読む前は絶対つまらないと思っていただけに、嬉しい驚き。

アブサロム、アブサロム/ウィリアム・フォークナー……「枯木灘」に大きな影響を与えただけあって、ストーリーの骨組みはほぼ同じだが、むしろ「嵐ヶ丘」に近い読後感。黒人蔑視が、白人をも呪う南部の様子が描かれる。

枯木灘/中上健次……入り混じった血の因習と、『伝説』、『噂』が跋扈する集落を舞台にした傑作。登場人物たちが粗野で全く共感できないのは難点だが、それでいて話に引き込まれた。古き悪き(?)時代の田舎を味わえる。

高い城の男/フィリップ・K・ディック……BとCの中間。易経で行動指針を決めるという、エキゾチックというか摩訶不思議な感覚がたまらない。しかし、そこを除くとイマイチな気がする。あと、kaeremakule男爵に吹いた。そんな名前の日本人いねーよww

失われた遺産/ロバート・A・ハインライン……短編2つに中編2つ。短編2つは文句なしに面白い(AとA-)。中編は1つがつまらなくて、もう1つも途中まではつまらない(C-とB-)。評価に困るがBとした。

お伽草紙/太宰治……笑える、太宰。ユーモアのセンスもなかなか良いです。「瘤取りじいさん」に爆笑。「舌切り雀」の雀に萌え、心温まる。

死の世界1/ハリー・ハリスン……わずか250ページの中によくこれだけのドラマとメッセージを詰め込んだものだと感心する。ラストはあまり気に入らないが、次巻へ続くためには必要なステップか。

死の世界2/ハリー・ハリスン……救いようがない愚かな仲間(?)が、なぜだかユーモラスに感じられ、憎めないのは作者の力量か。この、ミカというキャラクターの造形だけで、高評価に値する。

泥棒日記/ジャン・ジュネ……ゲイ小説が苦手にも関わらず、うっとりとしてしまうような男娼小説。フランスの闇が描かれている一品。

異星の客/ロバート・A・ハインライン……途中までは火星人との異文化コミュニケーション論(Withハーレム)が描かれていて面白いのだが、後半はそれが宗教論にまで発展してしまうので、興味やや減。ハインラインらしからぬテーマの作品。

マン・プラス/フレデリック・ポール……主人公である「サイボーグ男」の感覚を追体験できるのは、ポールの卓越した文章力ゆえ。シンプルではあるが、効果的なプロットも合わせ、非常に良く出来た娯楽小説。

敵/デズモンド・バグリィ……鉄道模型関連のシーンでは思わず笑いを誘われた。サスペンスとしてもなかなかのもので、途中、中だるみはすれど、評価は高い。

天掛ける十字軍/ポール・アンダースン……十字軍時代のイギリスの軍隊が、なぜかハイテク宇宙人に戦争で勝ちまくるという本。気楽に読めて面白い。

タイタンの妖女/カート・ヴォネガット……ラスト50ページの美しさはA評価に値するも、「地球」→「火星」→「水星」→「タイタン」の旅路において、地球部とタイタン部以外は、あまり面白く感じなかったのでB評価に留めておく。

スラン/ヴァン・ヴォークト……超能力者に対する迫害を描いた、ある種オーソドックスな物語だが、きびきびとした展開と共感しやすいキャラクターのおかげで楽しむことができた。第二次世界大戦中に描かれたとはとても思えない。

ラモックス・ザ・スタービースト/ロバート・A・ハインライン……童心に返って純粋に楽しめ、その中に異文化との交流という大切なエッセンスを加えたとびっきりのジュブナイル小説。ラモックスがめちゃくちゃかわいい!

銀塊の海/ハモンド・イネス……グイグイ読ませる力に引きずられ、前半の120ページはA級。だが、後半の安易な直接対決による復讐劇はいただけない。

ベルリン空輸回廊/ハモンド・イネス……深みのある人物描写(悪役がマジでキチガイ)と息をつかせぬラスト150ページ。退屈な前半の250ページ、あの程度の証拠で周囲が手のひらを返して主人公を信じる不自然さ、主人公のバカさ加減……いいところも、悪いところもたくさんだが、読ませるのは確か。

アンバーの九王子/ロジャー・ゼラズニイ……目に飛び込んでくるような描写、とりわけ世界感のワープシーンが鮮烈。ストーリーは単純な冒険モノで、「次巻へ続く!」という終わり方。

C→暇つぶしにはなったもの

ザ・スウィッチ/エルモア・レナード……悪党モノでも、応援したくなるキャラが一人でもいれば、ぐっと物語に入り込める。被害者→加害者、加害者→被害者のどんでん返しが面白い。

栄光の道/ロバート・A・ハインライン…途中までは、青少年向きの冒険活劇。物語ラインがしっかりしているため、読後感は良いが、後半は正直に言えば退屈だった。訳も悪い。

ナヴァロンの要塞/アリステア・マクリーン……序盤は良かったけど、だんだんつまらなくなってくる。ちなみに、映画の「ナバロンの要塞」は面白い。映画版を勧める。

金髪女/エド・マクベイン……浮気症の懲りない男と、ヒステリックで衝動的な女。昼ドラ的展開が面白いは面白いが、「カッとなってやった」殺人に、イマイチ納得できないのは、私が男だからだろうか??

宇宙の孤児/ロバート・A・ハインライン……地動説を信じない盲信者たちへの、ガリレオの嘆きin space。宇宙船=全世界、というアイディアは素晴らしい。無神論者からすると、宗教って害悪にしか思えなかったりする。

失われた時を求めて/マルセル・プルースト……「ものを書く」ということは、「人生を歩む」ということ。あらゆる経験を糧にして、主人公が物語を書き始めるまでのストーリー。にしても長すぎだ!

ゲイトウェイ/フレデリック・ポール……冒険モノだと思って読み始めたら、主人公の頭がおかしくて全然共感できないし、ほとんど冒険もしない。最後まで読んだら、これは冒険モノではないことに気がついた。これはこれで悪くはないが……。

若き獅子たち/アーウィン・ショー……戦時の兵隊の様子を、3人の主人公を通して描いた作品。

断崖/スタンリー・エリン……描写もドンデン返しもなかなか巧く面白いが、主人公が徹底的に青臭くて好きになれない。16歳じゃ仕方ないか……。

脱出航路/ジャック・ヒギンズ……半分を過ぎた頃からようやく話に入り込めたが、そこからはなかなか面白かった。登場人物が多く、ころころ視点が変わるので入り込みづらいのが難点。

大列車強盗/マイクル・クライトン……クリミア戦争期のイギリスの描写が非常に興味深い。340ページの作品で、強盗事件が発生する270ページ以降はとても面白いが、それまではひたすら犯行準備のシーンで退屈。

サランボオ/ギュスターブ・フローベール……ポエニ戦争時のカルタゴというエキゾチックな舞台が魅力だが、平成元年に増刷りされたにも関わらず旧字旧仮名で訳されているのが難点すぎる。読みにくい思いをしてまで読む価値があるかどうか。

死の世界3/ハリー・ハリスン……前2作同様、社会学的アプローチのSF冒険劇。社会学的アプローチは本作の場合、種明かしになっている。根底に流れているのは間違いないが、出番が少ないのが残念。

嘔吐/サルトル……小説部分と哲学部分が乖離している。よって、哲学部分がわからなくても小説部分は楽しめるが、小説部分を楽しめたからといって哲学部分がわかるようにはならない。

タイトロープ・マン/デズモンド・バグリィ……Bに近いC。主人公の正体にまつわるエピソードが、冒険小説に欠けがちなごく私的な葛藤・サスペンス・ロマンスを補っている。やや背景を複雑にしすぎた感も。

地球の長い午後/ブライアン・オールディス……植物が支配する未来世界を描いたSF。「アミガサダケ」と「ポンポン」という2種族が活躍する中盤は面白いが、彼らが出てこない序盤と終盤は退屈。

プロテクター/ラリー・ニーブン……パク人というガジェットは面白いが、フスツポクの文化・内面に迫る前半はいいのだが、後半はパク人と対決するってだけのお話で退屈。

リングワールド/ラリー・ニーブン……「未来の歴史物語」としては面白い。キャラも面白いのだが、イマイチ深みがないため興味を惹かれず、せっかく面白い出来事が起こっても「だからなに?」で終わってしまうのが残念。

リングワールドふたたび/ラリー・ニーブン……リングワールドの謎に、前作よりも更に深く突っ込んだ物語。理系にお勧め。

暗殺のソロ/ジャック・ヒギンズ……スラスラと面白く読めるが、大物ピアニストである暗殺者があまりに無防備。ピアニストがコンクールを開いている場所で大物が必ず死ぬって、いくらなんでもバレバレじゃないですか?

モデラート・カンタービレ/デュラス……雰囲気を楽しむことはできたし、何が起こったのかも大よそ掴めたと思っているのだが、どうにもつかみどころのない小説だった。

われら顔を選ぶとき/ロジャー・ゼラズニー……初めの方は面白いのに、だんだんだんだんつまらなくなってくる変わった小説。死ぬと魂が転移して、他の肉体に宿るという設定は良いが。

砂のなかの扉/ロジャー・ゼラズニー……主人公のキャラクター設定は面白かったが、それ以外特筆すべきところもなく。

非Aの世界/ヴァン・ヴォークト……非Aという概念自体はなんてこともないが、味方なのか敵なのかさっぱりわからないキャラクターが続出し、混乱をきたした。

脳波/ポール・アンダースン……設定は面白いが、それ以上のもの(設定を活かして、面白い物語を展開する)は生み出せず。

ターミナルマン/マイクル・クライトン……徹底した理系小説。研究風景は面白いが、ストーリーとしてはイマイチ。

逢うときはいつも他人/エヴァン・ハンター……不倫小説。禁断の燃え上がる恋というよりは、火遊びをしたい軽薄な男女(特に男は最低)といった様相で、やるせなさが募る。

太陽系帝国の危機/ロバート・A・ハインライン……政治が絡むと急に退屈になるハインライン作品の典型。空恐ろしいオチはいいものの、そこに至るまでの230ページが退屈……。

霧の中の二剣士/フリッツ・ライバー……軽妙なやりとりに何度も笑ったコメディ部は評価に値するが、シリアス部はイマイチに感じた。

岸辺のない海/金井美恵子……観念的なものは悪くないのだが、主人公がKYすぎ、ウザすぎる。

アインシュタイン交点/サミュエル・ディレイニー……これは、ネイティブでないとわからない小説だと思う。

D→正直、自分には合わず、読んだ意味がなかったもの

八点鐘が鳴る時/アリステア・マクリーン……アダム・ホールもそうだけど、秘密諜報員とか、情報部員という言葉に何のロマンも持っていない人間には、読む価値を見出しにくい作家かもしれない。

悪党パーカー:漆黒のダイヤ/リチャード・スターク……パーカーシリーズ11作目。私が読むのは8冊目。シリーズの中ではつまらない部類に入ると思う。

ソドムの百二十日/マルキ・ド・サド……スカトロマニア垂涎の書。それ以外の人間が読むと、吐き気を催すのでやめたほうが無難。スカトロ以外にもたっぷりSMプレイが行われるが、とにかくスカトロのイメージが強い。

燈台へ/ヴァージニア・ウルフ……ある1日(実際は2日だが)を切り取ることで、時間感覚を描いた作品…だと思われる。元々退屈な上、ほぼ唯一キャラが立っているラムジィ夫人が全く出てこない後半は、輪をかけて退屈。

光の王/ロジャー・ゼラズニイ……インド神話風ファンタジー。知識不足と、話が飛び飛びでもあったので、展開についていけませんでした。雰囲気的には、ファーマーの「階層宇宙シリーズ」に似ている気がします。

わが名はコンラッド/ロジャー・ゼラズニイ……ギリシア神話風ファンタジー…らしいけど…。突飛な世界観の割に説明不足な点と、登場人物に魅力がないため、筋に入り込めないのは「光の王」同様。合わないのかもしれない。

トリストラム・シャンディ/ロレンス・スターン……これぞ、前衛小説。わけのわからん本が読みたい人にお勧め。わけがわからないだけで、面白いとは思わなかったけど。

野獣の街/エルモア・レナード……殺人犯は最低のクズヤローだけど、それを追いかける刑事も刑事。美人女弁護士くらいしか興味の湧くキャラがいない。殺人理由も「カッとなってやった。反省はしていない」だし。ちなみに殺された奴もクズヤロー。

人間以上/シオドア・スタージョン……登場人物の名前とキャラが一致しない時点で、全然入り込めていないことがわかろうというもの。一部笑えるシーンはあったが。

愛の生活/金井美恵子……たった50ページの作品中で、主人公が煙草を10回も吸うのにはウンザリ。たまたまスパゲティミートソースを食べながら読んでいたら、スパゲティが回虫にたとえる描写があって泣けた。

プレイヤー・ピアノ/カート・ヴォネガット・ジュニア……全てが機械化・自動化され、人々の職を次々と奪っていく社会のお話。未来の予知、先見の明という意味では優れた作品だと思う一方、魅力のある人物がおらず、物語としては退屈。

ヴァインランド/トマス・ピンチョン……不思議な世界が展開されている。男が突然女言葉を話したり、逆もありで訳が悪い。アメリカの文明批判はバシバシと伝わってきたが、ストーリーは今ひとつよくわからんかった。

優しい侵略者/キース・ローマー……いくら優しくても嫌なものは嫌なんだろうなぁ。しかし、でてくるキャラクターがほとんどみんな頭がおかしいので、ユーモア小説なのにストレスが溜まった。

ポディの宇宙旅行/ロバート・A・ハインライン……ポディがあんまり好きになれない。17歳にして、中身がかなりオバサンくさい。ろくでなし扱いされているクラークは、ちょっとやんちゃって程度で、全然悪い子じゃないし。

暗殺者/ロバート・ラドラム……ラドラム作品を読むのは3作目だが、前2作(スカーラッチ家の遺産・マタレーズ暗殺集団)に比べて悪役・陰謀のスケールがイマイチで、のめりこめなかった。読書するにあたって、私自身のコンディションが良くなかったのも確かだが。

デューン:砂漠の神皇帝/フランク・ハーバート……SFの仮面をかぶった教養小説。物語の大きな流れは理解できるが、なぜそうなったのかは理解不能(シオナとかダンカンとか)。

月は無慈悲な夜の女王/ロバート・A・ハインライン……序盤は、喋る人間知能のマイクのキャラクターが面白く読めるが、中盤からは政治思想の話ばかりになり、退屈。誤字・脱字も多く、訳も良くない。

ユリシーズ/ジェームズ・ジョイス……よくもまぁ、こんな退屈な話をノリノリで描けたものである。と感心しきり。「トリストラム・シャンディ」と同じで、前衛的でヘンテコな小説だが、ヘンテコだから面白いとはならないのが現実。

放浪惑星/フリッツ・ライバー……200ページくらいで描ける内容を、必要もないキャラクターを大量に水増しして、500ページに仕上げたような印象。冗長にも程がある。

火星のタイム・スリップ/フィリップ・K・ディック……アイディア自体は悪くないが、いかんせんキャラクターに魅力がなさすぎて没入不能。ただし、200ページを過ぎたあたりからは、私自身のメンタルコンディションが悪かったことも付記しておく。

プタヴの世界/ラリー・ニーヴン……アイディア自体は悪くないが……物語の展開も好みではないし、キャラクターに魅力もないので、つまらないとしか言いようがない。

影なき狙撃者/リチャード・コンドン……佐和誠という訳者の訳が、あまりにも直訳すぎて読みにくい。これではストーリーを楽しむ以前のレベルなのではないかと思う。

闇の聖母/フリッツ・ライバー……幻想怪奇小説のはずだが…。280ページのうち、最初の150ページは前振りだし、最後まで大したことは起こらない(地味に1回襲われるのみ)。退屈すぎる。

饗宴/プラトン……これはもう自業自得。自分の頭では理解できないレベルのものを読むもんではない。ホモっぽいやりとりに笑ったりしているだけでは、この本を読んだことにはならんだろう。

フランドルへの道/クロード・シモン……読みにくいだけで、微量たりとも面白みなし。難解なのだろうか。単に下手なだけにしか思えなかったが……。

ノヴァ/サミュエル・ディレイニー……表のストーリーとは別に、裏のストーリーを暗喩にて示すという手法が面白い。しかし、読解力皆無の僕には裏のストーリーは読み取れず、表のストーリーは全然面白くなかった。

ビーストマスター2雷神の怒り/アンドレ・ノートン……これは僕の方に責任がある。「2」と書いてあるのに、「1」を未読で臨んだからだ。もっとも、「1」を読んでいてもせいぜいC評価止まりだった気はするのだが。

マレヴィル 読了(バレあり)

著者はロベール・メルル。評価はS


世界崩壊後、マレヴィルという古城に集まった幼馴染たちが生き残り、
新しい社会を形成していくお話。
後半は敵との戦いに重点が移ってしまうのが善し悪しですが(世界崩壊モノは、たいてい終盤は敵との戦いになるよね)、キャラクターの一人一人にしっかりと特徴があり、相互の関係性も含めて深く描かれているところに、この作品のよさを感じました。
伏線が見事に回収されている結末も秀逸。

味方の登場人物のほとんどは欠点が設定されていて、時にはイラっとさせられますが、
そういうところも全部ひっくるめて『味方』という部分にもリアリティを感じます。
嫌な部分はあるけれど、嫌な奴にはなっていない。その辺のバランス感覚も巧いですね。
中盤に出てくるミエットがとてもかわいらしいのですが、後半になってくるとどんどん出番が少なくなってしまうのが残念。

ラストは、エマニュエルという絶対的なカリスマを失った後、人々が変質(元の姿)


『イルカの日』で有名な著者ですが、こちらの『マレヴィル』も素晴らしい作品。
『マレヴィル』の方が読みやすいので、むしろ初メルルにはこちらの方がお勧めかもしれません。

プリンセスラバー コンプ

長期間にわたってダラダラプレイしていた「プリンセスラバー」をコンプしました。


ESに書いた感想はこちら。
……とはいえ、以前(シャルロットのみクリア時)に感想を書いた時とほとんど印象は
変わりませんね。

ストーリーはただただヌルい。
子供(主人公&ヒロイン)と大人(一心・ヴィンセントさんなど)の対比を使っているのは
わかりますが、子供側の論理がひたすらヌルいと感じるのは、
私が一応年齢的に大人だからなのでしょうか…?

…いや、そんなこともないと思います。私は自分が精神的にお子様であることは自覚していますし。
その精神的お子様である私から見ても、ちょっとヌルすぎるのではないかと。


一心の押し付けがましい態度に反発するのはわかります。
しかし、それに対して主人公は「嫌だ嫌だい! 僕はこの人と結婚するんだい!」と駄々をこねているだけ。シルヴィアルートを除くどのシナリオでも主人公と一心は、一向に歩み寄りをしないで終わります。

それでもまだ、主人公とヒロインの二人の絆が、愛がしっかり描けていれば、見方も変わったかもしれません。そんなに愛し合っている二人なら、駆け落ちのようなストーリーにも幾ばくかの悲壮感と感動が生れるものだと思います。

しかし、このゲームでの主人公とヒロインは、ひたすら獣欲のごとくエロを貪っているだけ。
どうして相手に惹かれたのかの描写がまるでないために、唐突に二人はくっつき、
くっついた後はひたすらヤっているだけなのです。


別にエッチシーンが多いのは一向に構いません。むしろエロゲーなんですから喜ばしいことかもしれません。ですが最低限、エッチ以外で、二人が愛を育んでいくイベントも入れるべきだったのではないでしょうか?


心に決めたたった一人の大切な相手と、結婚するために周囲の反対を押し切るのなら感動ですが、
セフレのような相手と、結婚するために周囲の反対を押し切られても、呆れるしかないというのが
正直なところです。
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