2010年11月

クラシコ観戦

今シーズン、レアルはパーフェクトなシーズンを送っていた。
新加入のエジルが予想以上のフィットを見せ、ここ数シーズンに無い魅力的なサッカーを見せてくれていた。
それだけに、今年のレアルには期待できる。
むしろ、ペドロの調子が上がらず、主力の勤続疲労が心配なバルセロナよりも上なのでは?
そう思っていた。


ところが。
この試合は僕の予想が完全に間違っていたことを裏付けてくれた。


レアルにはいいところが全くなかった。
ピッチではまさかの0-5。ゴールチャンスと言えるチャンスはディマリアのミドル一本だけ。
ディマリアはレアル攻撃陣で唯一頑張っていたのだが、それも前半だけだった。

後半15分過ぎからは、ラフプレイでしか存在をアピールできず、
アルベロアとセルヒオ・ラモスは見るもおぞましいラフファイトを見せた。
メッシヘの肘撃ちが見逃されたリカルド・カルバーリョも含めて、退場者が3人になってもおかしくないほど。
これは、単純に試合に負ける以上に、人間として恥ずかしいプレイだと思う。
…まぁ、カルバーリョには多少同情の余地があるとは思うが。
乱暴者のイメージが定着していたペペが、ラフプレイに走らず黙々とディフェンスしていたのを
他の守備陣も見習うべきだろう。


一方のバルセロナは完全復調したと見て良さそうだ。
一点目のイニエスタ―ザビのホットラインは言葉を失うほどの美しいプレイ。
二点目は今シーズンいまいちだったペドロが決めた。
三点目、四点目は、今シーズン良い動きを見せていながらゴールだけがあまり取れていなかった
ビジャが決め、五点目はボージャン、ジェフレンという、層が薄いと思われていた控え選手の生んだゴール。


今回のクラシコは、ロナウジーニョが輝いたあのクラシコと同様、
永く永く、記憶に残るクラシコになった。

とうに夜半を過ぎて 感想

著者はレイ・ブラッドベリ。 評価はA-

22の短編を集めた短編集。
ブラッドベリの中では可も不可もないレベルの短編集ですが、
いつ果てるとも知れない春の日」、「ジェイミーの奇跡」の2作品には、
子供の心理をどうしてここまで描けるのかと、驚嘆させられた。
特に前者は物語内容も僕の好みのストライクゾーンど真ん中だった(S評価です)。


他にも、青春を振り返る、ちょっぴり寂しい「黒パン」や
人間の悲しい希いを描いた「青い壜」。
何だか他の短編でも似たような話があった気もするけど、火星人と宗教を描いた「救世主」。
ラストの光景が鮮烈な「第5号ロボットGBS」(ただし、ラストの一文は本当に蛇足だと思う)。
真夜中の神秘的な雰囲気が素晴らしい「全員服用、群集の狂気を阻む薬」に
タイムスリップものの良作「永遠と地球の中を」。


こうして振り返るとやはり良作が多い。
さすがだなと思わせる、短編集だった。

究極幻想麻雀 クリア

恐らく今年一番の名作をプレイした。

二次創作と侮るなかれ、元ネタのFFシリーズ(4~10・10-2・タクティクスクリア)、(12途中放棄)10作品の中に入れても上位に食い込んできそうなくらい、面白かったのだ。

詳しくは、ESに書いてきた。ネタバレはないので、是非読んでほしい。


不平屋の僕には珍しく、2000文字以上も書いているにも関わらずほとんど欠点を書いていない。
寝る間も惜しんでプレイした。しかも、プレイしてよかったとクリア後にも思える作品。
それがこの究極幻想麻雀だった。

死の接吻 読了

著者はアイラ・レヴィン。評価は A。


面白い。単純に、とても面白かった。
文章は流れるように読みやすく、ところどころに仕掛けられた工夫が実に良い。
たとえば第1章では犯人視点で物語が展開されるが、実に巧みに犯人の名を伏せている。
よって、第2章、探偵視点に切り替わっても犯人が誰だかわからない仕組みになっているのだ。
さらに第3章、ラスト30ページ~15ページあたりはこの小説ではきわめて珍しく、風景描写が続く『やや読みにくい部分』である。
だが、ここで風景描写を入れることによって、クライマックスシーンが行われる場所を思い描きやすくするとともに、意図的に「緩急」をつけているようなのだ。


とにかく、作者が細部にいたるまで計算しつくして描いた作品という印象を受けた。
これが23歳の時の作品だというのだから、天才というのはいるものだなぁと感じた。

「ブランコの少女」読了(バレあり)

著者はリチャード・アダムス。評価はA+。


混沌、という言葉が思い浮かぶ。
これは純愛小説なのか、それとも心理ホラー小説なのか。
読み終わった今は、ただひたすら哀しい。


仕事一途のモテない青年が、絶世の美女に恋をしてしまう。
しかも相思相愛。
この時点で、嫌な予感はしたんだ。
その予感は、全然的外れだったといえばそうだし、当たっていたといえば当たっていた。


美女は、過去に暗い闇を抱えていた。
これがハッピーエンドのストーリーなら、主人公が美女の心を救ってエンディング。
テレビゲーム(ギャルゲー)で非常によく見る、典型的な展開だ。


でも、そうはならなかった。
彼女の闇が、彼女を、そして主人公をもとりこみ、食らい尽くした。
このホラー描写には本当に驚いた。ホラー小説といっても通用する怖さだ。


そして全てが終わった今、彼女は喪われた。
主人公は生きている限り、彼女を想い続ける。
寄せては返す波のように、いつまでも、いつまでも。


「ウォーターシップダウンのうさぎたち」で名を馳せた筆者だけれど、日本では「うさぎ」だけが有名なような気がする。しかしこの「ブランコの少女」も、ジャンルこそ違えど、「うさぎ」に匹敵する名作ではないだろうか。
圧倒的な描写力は、「うさぎ」では自然描写に用いられたが、今作ではミステリアスなヒロイン、カリンの造形に活かされた。不必要な説明はせず、ただ読者に感じとらせる。
そのバランスも絶妙だった。

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