2014年06月

ある日どこかで 読了(軽バレアリ)

著者は リチャード・マシスン。評価は A+

余命いくばくもない主人公が、死に場所を求めてたどり着いたホテルで人生初めての恋をする。
その恋の相手とは、一枚のポートレイトに描かれた75年前の女優。
女優について調べ始めた主人公はやがて、自己暗示によりタイムスリップを成し遂げ、憧れの女優と出会う……。


「タイムスリップ」と「恋愛ドラマ」。
この二つが合わさるロマンチックな物語は、もう僕の好みのド真ん中。
やや陰鬱なタッチの文体もロマンチックさに拍車をかけていて、恋愛の切なさと楽しさを味わえる、
特上の作品に仕上がっていました。

75年前の女優に惚れてタイムスリップを成し遂げるなんて、一歩間違えると「ストーカー? 頭おかしくない?」となるところですが、余命数か月という設定がここで活きてくるんですね。
人生最後の大仕事、とくれば、これだけ必死になる気持ちも痛いほどわかりますから。


400ページ程度の小説ですがタイムスリップをするのは、前半半分あたりから。
それまではひたすら、ヒロインとなる女優についての調べ物や、主人公の回想シーンが続くのですが、
ここがまた絶妙の『焦らし』となっていて良いのです。
もちろん「退屈さ」とは無縁で、ヒロインの情報が少しずつ明かされていくその過程で、
「どういう事なんだろう? 何があったんだろう?」と、考えながら、先が知りたくてうずうず~となるんですね。


ラストはやや呆気なかった感じもしましたが、読み終わってから考えてみると、むしろそれが良かったのかもしれません。


2014年に読んだ本の中で、今のところトップです。



 

コスタリカVSギリシャ

コスタリカ  1-1       ギリシャ

PK              5-3

主審 C-
試合内容 B+
MOM GK ケルラー・ナバス(95)(コスタリカ)

GK      ナバス(95)         カルネジス(50)
CB      ウマーニャ(65)       マノラス(50)
        ゴンサレス(65)      パパスタソプーロス(60)
        ドゥアルテ(50)   SB  トロシディス(60)
SB      ガンボア(60)        ホレバス(70)
        ディアス(60)    DH  マニアティス(45)
DH      テヘダ(60)         カラグーニス(60)
        ボルヘス(60)   OH   サマリス(50)
OH     ボラニョス(45)   WG   サルピンギディス(55)
CF     ルイス(65)           フリストドゥーロプーロス(75)
       キャンベル(65)   CF    サマラス(65)

監督   ピント  A            フェルナンド・サントス  B-

【コ】
ガンボア(60)→アコスタ(55)
テヘダ(60)→クベロ(60)
キャンベル(65)→ブレネェス(55)

【ギ】
サマリス(50)→ミトログル(50)
サルピンギディス(55)→ゲカス(50)
マニアティス(45)→カツラニス(65)


両者、攻撃力にやや不安がある両チームの対戦は、ギリシャがボールを支配し、コスタリカが速攻でカウンターを狙う展開に。
後半コスタリカの先制ゴールが決まる。
その後コスタリカDFドゥアルテが退場したこともあり、必死に守るコスタリカと総攻撃をかけるギリシャの構図に。
このままコスタリカが逃げ切るかと思われた後半ロスタイム、とうとうギリシャがコスタリカのゴールをこじ開けた。

延長戦を闘っても決着がつかず、勝負はPKへ。
この日、絶好調だったGKナバスがギリシャ、ゲカスのキックを止め、
コスタリカがベスト8へと進出した。


【コスタリカ】

DFドゥアルテの退場もあって、一方的に攻め込まれたコスタリカ。
およそ1時間近く、猛攻にさらされ続けながら何とか1失点で乗り切れたのは、何よりもGKナバスの存在が大きかった。
今大会のGKの中で、ブラジル戦のメキシコGKオチョアを上回る最高のパフォーマンス。
彼の存在こそが、コスタリカ躍進の最大の原動力だろう。

攻撃ではこの日もルイス、キャンベルの2人が仕事をしっかりとこなす。
チャンスが多いわけではないコスタリカだが、決定力のあるこの2人がいるおかげで、コスタリカは4試合で5ゴールを奪っている。

【ギリシャ】 

圧巻の猛攻を見せたギリシャだったが、ナバスの壁は超えられなかった。
それでも自慢のサイドアタック、SBのホレバスと、SHのフリストドゥーロプーロスらが繰り出す
ドリブル突破とアーリークロスは迫力に満ちていた。
37歳カラグーニスは120分間戦って、パス成功率92%の素晴らしさ。
これで中のFWにもう少し決定力があれば……。


【ギリシャ代表まとめ 1勝2分1敗 3得点5失点 攻撃 B- 守備 C+ スペクタクル B-】

注目選手 SB ホセ・ホレバス 61.6/3試合(日本戦を除く)
       CF ゲオルギオス・サマラス 66.6/3試合
       WG フリストドゥーロプーロス 72.5/2試合

技術的には巧くないものの、最後まで諦めず気持ちでハードワークできる好チーム。
コートジボアール戦、コスタリカ戦と二度も敗退の瀬戸際から蘇った事からも、気持ちの強さがうかがえる。
負ければ敗退という状況から、一気呵成に猛攻をかける迫力は大会屈指だ。

個々のパフォーマンスの話をすれば、サイドバックのホレバス、ウインガーのフリストドゥーロプーロスから上がるアーリークロスはなかなかの迫力。
CBのマノラス、DHのマニアティス、CHのカラグーニスの気迫も素晴らしく、CFのサマラスはチームの攻撃をオーガナイズできる中心選手。

ただ……上がったクロスをゴールに結びつけるフィニッシャーがいない。
ゲカス、ミトログルの2人は軒並み期待を裏切り、結果4試合で3ゴールという少々寂しい数字に終わった。


高齢の選手も多いギリシャ。
世代交代後のチームがどうなるか少々心配ではあるものの、またこのチームをワールドカップで観たい。
そう思わせてくれる、ナイスファイトだった。




オランダVSメキシコ

       オランダ  2-1      メキシコ
主審 C
試合内容 C+
MOM  FW アリエン・ロッベン(75)(オランダ)



GK   シレッセン(60)         オチョア(65)
CB   デフライ(60)          マルケス(55)
     フラール(50)          モレノ(55)
     ブリント(50)           ロドリゲス(40)
SB   フェルハーフ(40)        ラジュン(50)
     カイト(40)            アギラール(45)      
DH   デヨング(50)          サルシド(65)
CH   ヴァイナルダム(55)      エレーラ(60)
OH   スナイデル(65)         グアルダード(55)
FW   ロッベン(75)           ドス・サントス(65)
     ファンペルシー(40)       ペラルタ(55) 

監督  ファンハールB        エレーラ C
         
【オ】
デヨング(50)→マルティンス・インディ(50)
フェルハーフ(40)→デパイ(60)
ファンペルシー(40)→フンテラール(60)

【メ】
モレノ(55)→レジェス(50)
ペラルタ(55)→チチャリート(?)
ドスサントス(65)→アキーノ(50)

【オランダ】

『戦術ロッベン』はこの日も健在だった。
中盤を省略し、縦に長いボールを送る工夫のない攻撃に終始したオランダの印象は、良くない。
ただし、前線で輝くロッベンだけは別格。
この選手がいるからこそ、オランダはこういう戦術でも勝ち上がれるのだろう。

ファンハールの戦術は正直僕の好みにはまるで合わないが、フェルハーフに代えたデパイは突破力でオランダの攻勢を推進し、フンテラールは前線のポストとなってオランダへと流れを引き寄せた。
ファンハール采配がズバリと当たったといえる。

【メキシコ】

90分のうち、80分間はメキシコの試合だった。それだけに、メキシコ敗退というこの結果は酷である。
特にGKオチョア、DF マルケスを中心にした最終ラインは強度を保ち続けた。
サルシド、エレーラを中心とした中盤も、中盤を放棄したオランダを相手に支配率を保ち続けた。
唯一物足りなかったのが攻撃陣だろうか。
とはいえ、オランダの攻撃陣も決して完調ではなかっただけに……。


【メキシコ代表まとめ 2勝Ⅰ分1敗 5得点 3失点  攻撃 B 守備 A スペクタクル B-】

注目選手 GK ギジェルモ・オチョア 平均採点68.3/3試合(カメルーン戦以外の3試合)
       CB ラファエル・マルケス  61.6/3試合
       CH エクトル・エレーラ 66.6/3試合
   
 

5得点とあるが、誤審によって取り消されたゴールが2つもあり、見逃されたPKもあったことから、
実質8得点……というのは飛躍にしても、それだけの攻撃力を持つチームだったと言える。
ただ、ドス・サントス、グアルダードといったタレントが悪くない活躍を見せたものの、両者ともに前回大会ほど鮮烈なインパクトはなく、チチャリートに至ってはほぼ活躍なし。
チチャリートに代わって起用されたペラルタも今一つで、数字ほどの破壊力は感じられない。


このチームの特徴はやはり守備だろう。
GKのオチョアは大会屈指のGKで、ベスト16敗退にも関わらず今大会のベストGK有力候補だと考えている
(94年大会ではベスト16で敗退したベルギーGKプロドームがベストに選ばれている)。
その前で守るマルケスも円熟した守備の技術を見せ、中盤ではエレーラという新星も出現した。


オランダVSメキシコの勝者は、準々決勝でギリシャVSコスタリカの勝者と当たるだけに、
一気にベスト4進出の可能性も出ていたが、今大会もまたベスト16の壁を乗り越えることができなかった。
 

コロンビアVSウルグアイ

       コロンビア  2-0       ウルグアイ
 主審  C
試合内容  C-
MOM GK ダビド・オスピナ(85)(コロンビア)

GK オスピナ(85)               ムスレラ(55)
CB サパタ(65)               ヒメネス(45)
   ジェペス(50)                ゴディン(55)
SB スニガ(65)                アルバロ・ペレイラ(50)
   アルメロ(70)               カセレス(50)
DH アギラール(65)             アレバロ・リオス(60)
   サンチェス(60)             アルバロ・ゴンサレス(50)
SH クアドラード(65)             クリスチャン・ロドリゲス(55) 
OH ハメス・ロドリゲス(75)       SH  マキシ・ペレイラ(55)
CF グティエレス(50)              カバーニ(50)
   マルティネス(55)             フォルラン(40)

監督 ペケルマン A              タバレス C


【コ】
グティエレス(50)→メヒーア(?)
クアドラード(65)→グアリン(?)

【ウ】
フォルラン(40)→ストゥアニ(40)
アルバロ・ペレイラ(50)→ラミレス(0)
アルバロ・ゴンサレス(55)→アベル・エルナンデス()


【コロンビア】

90分を通して中盤を支配し続け、怖さのないウルグアイを完全に抑えきった。
2ゴールのハメス・ロドリゲスは英雄バルデラマを超えたと言って良いだろう。
初のワールドカップベスト8を決めた、最大の立役者だ。

ロドリゲスと並んで攻撃の核となったのが、サイドアタッカーのクアドラード。
この日も印象的なドリブル突破で攻撃を盛り立てた。
ロドリゲスをMOMにしようかとも思ったが、ここはウルグアイの攻撃を再三のファインセーブで抑えきった
GKオスピナを推す。安心して見ていられる優秀なGKだ。



【ウルグアイ】 

投げやりな選評で申し訳ないが、全くいいところがなかった。
やはりスアレスがいないとこうなってしまうのか。



【ウルグアイ代表まとめ 2勝2敗 4得点6失点 攻撃 B 守備 B スペクタクル B】
 
スアレスが全てだった。
初戦怪我で不在のコスタリカ戦を落とし、2節イングランド戦。
この日から復帰したスアレスの2ゴールでウルグアイは勝利を飾る。
そしてイタリア戦、勝利を飾ったもののスアレスは相手DFキエッリーニに噛みついてしまう。
これにより出場停止となったコロンビア戦、ウルグアイは攻撃の形を作ることが出来ず敗退した。

スアレスの愚行は糾弾されて然るべきだが、チームとしてはむしろスアレスがいないと何もできない攻撃陣の方に問題があるだろう。

DFのゴディン、DHのアレバロなど、活躍が目立つ選手は他にもいたがそれらに言及するよりも、「スアレスがすべてだった」で片づけてしまっても良い気がする。
ポジティブな印象なく大会を去った。

ブラジルVSチリ

   ブラジル  1-1           チリ
PK                      3-2
 
主審  C-
試合内容 A+
MOM  CFネイマール(80)(ブラジル)


GK ジュリオ・セーザル(65)     ブラーボ(70)
CB ダビド・ルイス(65)        メデル(70)
   チアゴ・シウバ(65)        ハラ(55)
SB マルセロ(70)        CB シルバ(60)           
   ダニエル・アウベス(65)  SH イスラ(60)
DH ルイス・グスタボ(40)       メナ(60)
   フェルナンジーニョ(25)  DH ディアス(70) 
SH フッキ(80)         OH ビダル(70)
   ネイマール(80)           アランギス(70)
OH オスカル(50)       CF  バルガス(65)
CF フレッジ(35)            サンチェス(70)

監督 スコラーリ B         サンパオリ A+

【ブ】
フレッジ(45)→ジョー(40)
フェルナンジーニョ(25)→ラミレス(50)
オスカル(50)→ウィリアン(50)

【チ】

バルガス(65)→グティエレス(55)
ビダル(70)→ピニージャ(50)
メデル(70)→ロハス(?)

120分間、白熱の死闘はPK決着。
ここで負ければブラジル国中から壮絶なバッシングが浴びせられるであろう試合で、
内容面ではチリの方が上回っていた。

お互い中盤で激しく潰し、そこからの速攻でチャンスを作りあう流れだったが、
前半押し気味に試合を進めたのはブラジル。
チリのCBシルバの裏を突くネイマールの飛び出しは、チリに脅威を与え続けた。
だが後半になると、作戦指示なのかなんなのか、ネイマールの裏への飛び出しが激減し、
チリの中盤の守備がブラジルのボールを吸い取っていく。


延長、PKにまでもつれた試合はチリの狙い通りだっただろう。
120分の戦いでは、ブラジルから見て負けに等しいドローだったはずだ。
しかし、ブラジルはPKに勝った。
殊勲者はGKのセーザル、そしてプレッシャーのかかる場面できちんと決めたネイマール。
ブラジルが大激闘を制し、ベスト8へと駒を進めた。


【ブラジル】

ブラジルの攻撃の弱点が如実に表れた試合だった。
とにかくCFのフレッジ、OHのオスカルが頼りない。
グスタボ、フェルナンジーニョのペアは中盤のボール奪取争いでチリに競り負け、効果的な攻め上がりもない。
結果、攻撃面で怖さを感じたのはネイマールとフッキ、マルセロの3人だけだった。

この日のフッキは非常に溌剌としたプレイを見せ、今までの不調がウソのようなハイパフォーマンス。
だが、いかんせんこの日は運がなさすぎた。
ブラジルの失点はフッキのパスミス、素晴らしいゴールは疑問の残る判定で取り消され、
PKではミスしてしまう。
しかし120分間、誰よりもよく動き、頑張っていたのは確かだ。
もう一人の核、ネイマールは特に前半、チリのシルバとのマッチアップを優位に進め、いつ得点が入ってもおかしくないだけの脅威を与えていた。
採点ではフッキと並んだが、PKでもプレッシャーのかかる5人目できっちりと決めた彼をMOMとした。

守備陣の好調ぶりは数少ない朗報で、ダビド・ルイス、チアゴ・シウバのペアはミスらしいミスなく中央の守備を固め、マルセロはオーバーラップで、ダニエル・アウベスは精度の高いロングパスで攻撃を盛り立てた。
守ってはジュリオ・セーザルがPKを二本セーブ。
最終ラインは優勝に値する実力を十分に見せているだけに、中盤から前の選手の奮闘に期待したいところだ。


【チリ】

本当によく闘った。
激しい中盤のプレッシングでブラジルの攻撃を寸断。
数は少ないものの、そこからのカウンターであわやというシーンも作った。

攻撃面で目立ったのはやはりアレクシス・サンチェス。
彼がボールを持つと、やや攻撃が遅くなるシーンも見られたが、あのキープ力は代えがたい。
CBのメデル、OHのビダルの二人がチームの屋台骨を支え、アランギスは献身的に攻守に貢献。
GKブラーボもファインセーブを見せた。
負けてなお、観る者に素晴らしいインパクトを残した好チームだった。


【チリ代表まとめ 2勝Ⅰ分1敗 6得点 4失点 攻撃 B 守備 A- スペクタクル B+】

注目選手 GK クラウディオ・ブラーボ 平均採点 70/3試合(オランダ戦は未採点のため、他3試合)
       CB ガリー・メデル 60/3試合
       OH チャルレス・アランギス 68.3/3試合
       CF アレクシス・サンチェス 71.6/3試合
       CF エドゥアルド・バルガス 61.6/3試合

前回大会、アグレッシブなハイプレス攻撃サッカーで一世を風靡したチリ。
前回同様ベスト16でブラジルと相まみえ、同様に敗退となったが、闘いぶりは変わっていた。
前回は勢いある攻撃を仕掛けるあまりファウルをしてしまったり、全体が前がかりになりカウンターを浴びるシーンが目立ったが、今回ではそこで気持ちを抑え、守るべきところは守る老獪さをも手にしたのだ。

その結果、攻撃面で力を発揮するも守備面で計算しづらいバルディビアが先発落ちし、
守備にも積極的なアランギスが起用された。
確かに攻撃面での迫力は前回に及ばないものの、チームバランスは大幅に改善され、
強豪スペインを撃破、ブラジルともPK戦までもつれこませるなど、大健闘を見せた。


守ってはバルセロナ移籍が決まったGKブラーボがファインセーブを見せ、最終ラインではCBメデルが安定感のある守備を披露。
中盤の司令塔はアランギスで、特にスペイン・ブラジルと強豪を相手にした試合で輝きを放った。
攻撃陣の大黒柱はアレクシス。彼のドリブル突破、キープ力はチリの生命線。
その相棒バルガスも、アレクシスをよく助け、印象に残る働きを見せた。

 
PKは運勝負。ブラジルを相手に120分間同点で凌いだチリの頑張りは、敗れてなお感動的だった。
 
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