2014年07月

ブラジルVSドイツ

欠場者(ブ) CB チアゴ・シウバ(出場停止) SHネイマール(負傷)
    (ド)  SB ムスタフィ(負傷)   

ブラジル   1-7           ドイツ

主審  B
試合内容  A
MOM  OH トニ・クロース(90)(ドイツ)

GK ジュリオ・セーザル(60)  マヌエル・ノイアー(75)
CB ダンテ(50)          マッツ・フンメルス(60)
   ダビド・ルイス(45)      イェロメ・ボアテンク(45)
SB マルセロ(30)        ベネディクト・ヘーベデス(60)
   マイコン(45)        フィリップ・ラーム(85)
DH ルイス・グスタボ(45)    サミ・ケディラ(85)
   フェルナンジーニョ(30)   シュバインシュタイガー(70)
SH フッキ(40)          メスト・エジル(85)
    ベルナール(40)       トマス・ミュラー(75)
OH オスカル(50)         トニ・クロース(90)
CF フレッジ(45)         ミロスラフ・クローゼ(75)

監督 スコラーリ C        レーブ  S

(ブ)

フッキ(40)→ラミレス(55)
フェルナンジーニョ(35)→パウリーニョ(55)
フレッジ(45)→ウィリアン(50)

(ド)
フンメルス(60)→メルテザッカー(45)
クローゼ(75)→シュールレ(70)
ケディラ(85)→ドラクスラー(?)


【ドイツ】 

全てが完璧だった。
チームの完成度の違いをまざまざと見せつけ、ブラジルを相手にフットボールのレッスンを施した。
特に輝きわたっていたのがクロース。
4ゴールに絡む大活躍を見せた上、中盤でも最高のパス成功率・パス成功本数を記録。
チームのコンダクターとして、ドイツ代表を自在に操ってみせた。
中盤の底で攻守に大活躍したケディラ、主に攻撃面で相手を幻惑したエジル、
本職のSBで正確なセンチメーターパスをピタリと通したラームなどなど、チーム全員がファンタスティック。
美しく強いドイツ。優勝へ向けて、あと1勝を残すのみだ。




【ブラジル代表まとめ 3勝2分1敗  11得点 10失点 攻撃 A- 守備 B- スペクタクル A-】

注目選手  
       OH オスカル 平均採点 61.6/6試合
       SB マルセロ 58/6試合
       CB ダビド・ルイス 60.8/6試合
       SH ネイマール 75/5試合 
       
ネイマールが負傷した時から、懸念はあった。ドイツには勝てないかもしれないと。
だが、この結果は誰も予想はできなかったはずだ。1-7。
こともあろうに自国開催のワールドカップで、ブラジルは史上最悪の惨敗を喫した。

大会全体のブラジルの評価と言えば、一にも二にもネイマールのワンマンチームというものだろう。
ベスト4に残ったチームはドイツを除いてワンマンチームばかりなので、それ自体が悪いとは言わないが、
ワンマンチームにおいて、肝心のワンマン。
ネイマールが負傷でいなくなった時、攻撃の形をどう作るかというのは大きな課題だった。
オスカル、フッキも期待はずれだったが、何よりもフレッジだ。
この攻撃陣でどうやって点を取ればいいのか、ベンチにはジョー、ウィリアン……攻撃のタレントは絶望的なまでにいなかった。



そして、ネイマールがいようが、7失点という守備の崩壊ぶりではどうすることもできなかった。
ドイツの攻撃も素晴らしかったが、あそこまで自由に中盤を作られてしまうのは、やはり中盤の構成力で
ブラジルとドイツに雲泥の差があったからだろう。
中盤のボール奪取力に欠けていたし、そこからパスを構築する力にも欠けていた。
特にフェルナンジーニョの酷さはドイツ戦に限らず目に余るものがあり、ラフプレイでしか目立てないこのプレイぶりは、普段のマンチェスター・シティでのプレイを知っている身にはまるで別人のように映った。
全く役に立たない相棒に比べれば、ルイス・グスタボはよくやっていたが、司令塔としては力不足だった。
そもそも攻撃能力を買われての起用ではないのだから、やむを得ないか。


最終ラインでは月並みではあるものの、チアゴ・シウバの存在は大きかっただろう。
2点差をつけられた後、ボロボロと失点を繰り返したのは、精神的な動揺によるものも大きい。
誰か、気持ちを奮い立たせるまとめ役がいれば……。

ボールを取られた後追いかけないマルセロ、致命的なミスパスを繰り返したフェルナンジーニョは、
完全に気持ちが切れていた。 


大会全体を通せば、今大会のブラジルはまずまずの内容・結果を残したと言えるだろう。
ベスト4という成績は、優勝候補筆頭と考えれば失敗かもしれないが、悲観するほどの失敗ではない。
内容も、多分にネイマール頼みの傾向が強かったが準々決勝のコロンビア戦では相手を上回っていた
(カメルーン戦は言うに及ばず)。

一方、メキシコやチリのように中盤で激しいプレスをかけるチームを苦手としている節はあったし、
大会を通じて無闇にPKをもらいにいく「ダイブ癖」は非常に醜く、シミュレーション行為にイエローカードを出さない今大会の謎基準もあいまって、クロアチア戦では御祝儀PK、コロンビア戦でも微妙なFKをもらうなど猛威を振るうかに見えたが……終わってみればそれもコロンビアのラフプレイを誘発し、まともな審判に当たったドイツ戦ではPKの笛を吹いてもらえずと、自業自得に終わった。

(一応言っておけば、チリ戦ではオフサイド見逃しによりブラジルはゴールを取り消されており、八百長云々の疑いをかけているわけではない。
審判のレベルが低く、シミュレーション、ラフプレイに対するカードの基準が極度に甘かった今大会において、そのアドバンテージを活かすかのような『マリーシア』が散見されたというだけの話だ)


それにしても、やはり最後の1-7である。
このスコアがあまりに酷すぎて、今大会のブラジルのイメージがこれ一色に支配されてしまった感すらある。
準々決勝までは幾つかの懸念はあれど、ネイマールの力もあって優勝候補の1~2番手の呼び名も相応しい戦いぶりだったのだが……

ベルギーVSアルゼンチン

(欠場者) (ア) SB マルコス・ロホ(出場停止) CF セルヒオ・アグエロ(負傷により大会絶望)


ベルギー      0-1              アルゼンチン

主審  B+
試合内容 B-
MOM CF ゴンサロ・イグアイン(70)(アルゼンチン)

GK ティボー・クルトワ(60)          セルヒオ・ロメロ(65)
CB ヴァン・ブイテン(50)           エセキエル・ガライ(65)
   ヴァンサン・コンパニ(70)        マルティン・デミチェリス(60)
SB トビー・アルデルワイレルド(50)     パブロ・サバレタ(60)
   ヤン・ヴェルトンゲン(60)        ホセ・マリア・バサンタ(60)
DH アクセル・ヴィツェル(55)        ハビエル・マスチェラーノ(60)
CH マリアン・フェライニ(60)        ルーカス・ビグリア(60)
SH ケビン・ミララス(45)    CH  アンヘル・ディマリア(50)
   エデン・アザール(40)      WG  エセキエル・ラベッシ(55)
OH ケビン・デブルイネ(55)         リオネル・メッシ(70)
CF ディボック・オリジ(40)         ゴンサロ・イグアイン(70)

監督 ヴィルモッツ C             サベージャ B

【ベ】
ケビン・ミララス(40)→ドリーズ・メルテンス(40)
ディボック・オリジ(40)→ロメル・ルカク(40)
エデン・アザール(40)→ナセル・シャドリ(40)

【ア】
エセキエル・ラベッシ(55)→ロドリゴ・パラシオ(50)
アンヘル・ディマリア(50)→エンソ・ぺレス(50)
ゴンサロ・イグアイン(70)→フェルナンド・ガゴ(?)

【ベルギー】

最後まで攻め手が作れないという、攻撃力の低さを露呈した試合だった。
アメリカ戦で輝いたオリジ、ルカクはすっかり並の選手へと戻ってしまい、
エースのアザールも不発。
技巧派のデブルイネは奮闘するも、フェライニのパワープレイぐらいしかチャンスを作ることができなかった。
守備陣に関しては、CBのコンパニがピンチを水際で防ぐタックルや、インターセプトで存在感を放っていたが
……攻撃陣はその頑張りに応えることができなかった。


【アルゼンチン】

良いとまでは言えないが、前4戦に比べ、少しずつエンジンがかかってきた印象を受けた。
見違えるように良くなったのがイグアイン。
ここまでほとんど役に立っていなかったが、今日の働きはエースストライカーの名にふさわしい。
メッシもドリブラーとして、パサーとしてアルゼンチンの攻撃の中心であり続けた。
一方、ここまで攻撃を牽引してきたディマリアの負傷は少々心配ではある。

守備に関しては、マスチェラーノが効いていたようには見えたが、どちらかというと
ベルギーの拙攻に助けられた印象が強かった。


【ベルギー代表まとめ 4勝Ⅰ敗 6得点 3失点 攻撃 B 守備 A スペクタクル B】

注目選手 CB ヴァンサン・コンパニ 平均採点 70/3試合(ロシア戦・アメリカ戦・アルゼンチン戦) 
       SB ヤン・ヴェルトンゲン 61.6/3試合
       SH エデン・アザール 61.6/3試合
       OH ケビン・デブルイネ 66.6/3試合 

守備の強さが殊更光った今回のベルギー代表。相手に恵まれたとはいえ、グループHを危なげなく首位通過。
ベスト8という成績、ピッチ上でのパフォーマンスともに、『前評判どおり』の活躍で、ひとまずは成功といっていいだろう。
そんな好チームではあったが、「期待以上」になれなかったのは、やはり攻撃のタレント不足。
特にストライカーの不在が大きかった。

大会前にベンテケを失ったFW陣は、ルカクとオリジが突然目を覚ましたアメリカ戦を除き、終始不発。
また、一定した活躍を見せたアザールも、『チームの核』と言えるほどの存在感はなく、
逆サイドのメルテンスは何度も活きの良い突破を見せていたもののアルゼンチン戦では沈黙。
副官デブルイネの方が印象に残った。


一方の守備陣は、ほぼ完璧。
長身GKクルトワの安定感もそうだが、その前に構えるCBコンパニのパフォーマンスは圧巻だった。
SBのヴェルトンゲンも、特にオーバーラップからのクロスが素晴らしい。
反面、ヴェルトンゲンが上がった穴を突かれることもないわけではなかったが、そこはコンパニがカバーしていた。


 

ブラジルVSコロンビア

(欠場者) (ブ)DHルイス・グスタボ(出場停止)

ブラジル     2-1         コロンビア

主審  D-
試合内容 C+
MOM CB マリオ・ジェペス(80)(コロンビア)

GK ジュリオ・セーザル(40)  ダビド・オスピナ(65)
CB ダビド・ルイス(70)     マリオ・ジェペス(80)
   チアゴ・シウバ(50)     クリスチャン・サパタ(45)
SB マルセロ(65)        パブロ・アルメロ(55)
   マイコン(50)         ファン・スニガ(25)
DH パウリーニョ(60)    カルロス・サンチェス(40)
   フェルナンジーニョ(30) フレディ・グアリン(40)
SH ネイマール(65)       ファン・クアドラード(40)
   フッキ(45)          ハメス・ロドリゲス(70)
OH オスカル(60)      FW ビクトル・イバルボ(40)  
CF フレッジ(40)          テオフィロ・グティエレス(45)

監督 スコラーリ C       ペケルマン C

【ブ】
フッキ(45)→ラミレス(?)
パウリーニョ(60)→エルナネス(55)
ネイマール(65)→エンリケ(?)


【コ】
クアドラード(40)→キンテーロ(45)
イバルボ(40)→ラモス(60)
グティエレス(45)→バッカ(65)


こんな話題を出すのも気が重いのではあるが、今日の主役は審判だったと言わざるを得ない。
ブラジルの2点目に繋がったFKは、フッキの『ダイブ』のように見える。
このプレイでハメス・ロドリゲスにイエローカードが提示されたが、明らかにカードの基準がおかしいのである。
(ダイブかどうかは異論があると思うが、ハメスへのイエローは、それまでの基準を考えれば確実におかしい)


前半、スニガが見舞った強烈なタックルにはカードなし。フェルナンジーニョの度重なるファウルにもカードなし。
クアドラードがあからさまにダイブしても、ネイマールがあからさまにダイブしてもカードなし。
チアゴ・シウバのコスいファウルにはイエロー。
ジュリオ・セーザルの一発退場モノのファウルにはイエロー
(これはまぁ、僕自身は納得しています。欧州基準が厳しすぎると思っているので。ただし、欧州基準ならレッドです)。

試合が荒れるのは当然としか言いようがない。
この試合に限らず、今大会はとにかくファウルに対する判定が『甘い』。
相当汚いタックルでもイエローカードを出さないシーンが目立つ。
更に、「ダイブ」に騙されるシーンも多く、審判のレベルは相当低い。

この試合では、そんな今大会を代表するようなジャッジの迷走ぶりが顕著に表れた結果、
ラフプレイが横行する荒れた試合になった。
ネイマールの負傷も、そんな審判が産んだといったら言い過ぎだろうか?


【ブラジル】

攻撃面では相変わらず、怖さを感じさせるプレイヤーはネイマールくらいだが、
後ろの選手ではダビド・ルイス、パウリーニョ、マルセロの動きが良かった。
特にパウリーニョは不振が続いていただけに、彼の復活は大きいだろう。

フェルナンジーニョはラフプレイ要員なのか、この試合でも汚いプレイを連発。
ジュリオ・セーザルは致し方ないとは思うが、レッドカードが出てもおかしくないプレイだった。

【コロンビア】 

MOMにはジェペスを選んだ。この日もネイマールとの1対1に再三再四勝利し続けた。
38歳にして、衰えを全く見せない彼の堅守にコロンビアは助けられている。
スニガは前半のラフプレイ、後半のネイマールへのプレイなど、とにかく荒い。

攻撃陣ではハメス・ロドリゲスは別格。
本来ならそこに絡んでくるクアドラードがこの日は不発に終わったのが、コロンビアの敗因だろう。 

 
【コロンビア代表まとめ 4勝1敗  12得点4失点 攻撃 B+ 守備 B+ スペクタクル B-】

注目選手 OH ハメス・ロドリゲス 平均採点 75/4試合(コートジボアール戦は除く)
       CB マリオ・ジェペス 66.6/3試合
       GK ダビド・オスピナ 68.5/4試合

しっかりした守備から、ハメス・ロドリゲス、クアドラードを中心にしたカウンターを貫いたコロンビアは、
初のベスト8進出と一定の成功を収めたと言える。

特にエースのハメス・ロドリゲスは5試合出場6ゴール。現時点で得点ランキングのトップと、大ブレイクを遂げた。ゴールだけではなく、チャンスメイカーとしても素晴らしい(というより本職はむしろチャンスメイカーだ)
彼は、まさに大会の華として咲き誇った。

ただ、そのハメス以外の攻撃陣となると、これといったタレントがいなかったのが残念だったところ。
本来ならばここにエースストライカーのファルカオがいたはずだったのだが……。
今大会、エネルギッシュなプレイで株を上げたクアドラードもブラジル相手にはまるで通用せず、ダイブを繰り返して自ら株を下げてしまった。

守備陣では、38歳のCBジェペスの活躍が目をひいた。
唯一ウルグアイ戦はPKを取られてもおかしくないマズい対応があったが、それ以外はほぼパーフェクト。
ブラジル戦ではネイマールをほぼ完全に封じてみせた。
GKのオスピナも好GK。

5試合で12得点4失点という数字は、チームのクオリティを考えると少々できすぎで、
最後のブラジルを除くと相手に恵まれた感は強い。

とはいえ、グループCでは圧巻の強さを見せ、ベスト8へと進出したコロンビア。
新たに南米の強国として定着できるかどうか、今後も注目したいチームだ。




 

フランスVSドイツ

(欠場者)  (ド) SB スコドラン・ムスタフィ(負傷)

フランス      0-1           ドイツ

主審  C-
試合内容 C+
MOM CBマッツ・フンメルス(80)(ドイツ)

GK ウーゴ・ロリス(55)       マヌエル・ノイアー(75) 
CB ママドゥ・サコー(50)      マッツ・フンメルス(80)
   ラファエル・ヴァラン(60)    イェロメ・ボアテンク(60)
SB パトリス・エブラ(55)      ベネディクト・ヘーベデス(60)
   マテュー・ドビュッシー(45)  フィリップ・ラーム(60)
CH ヨアン・キャバイェ(45)    トニ・クロース(65)
   ブレーズ・マトゥイディ(55)  サミ・ケディラ(55)
   ポール・ポグバ(55)      シュバインシュタイガー(60)
SH マテュー・ヴァルブエナ(55)  トマス・ミュラー(60)
   アントワン・グリーズマン(40) メスト・エジル(50)
CF カリム・ベンゼマ(70)      ミロスラフ・クローゼ(50)

監督 デシャン C      レーブ B

【フ】
ママドゥ・サコー(50)→ローラン・コシールニー(50)
ヨアン・キャバイェ(45)→ロイック・レミー(?)
マテュー・ヴァルブエナ(55)→オリビエ・ジルー(55)

【ド】
ミロスラフ・クローゼ(50)→アンドレ・シュールレ(50)
メスト・エジル(50)→マリオ・ゲッツェ(?)
トニ・クロース(65)→クリストフ・クラマー(?)

【フランス】

両チームともに言えることだが、非常にコンディションが悪かった。
その中でも、ポゼッションスタイルのドイツよりも、本来フィジカル能力を重視したフランスの方に
より影響が大きかったと言える。
テクニックで上回られたうえ、走行距離でもドイツより下なのだから、これでは勝てない。

デシャン監督の采配も遅い。ジルーの投入はもっと早くて良かったはずだ。
そんな中今大会好調のベンゼマだけは、「らしさ」を見せたが……彼一人の奮戦ではチームを救えなかった。


【ドイツ】

こちらもコンディションが悪かったが、中盤のポゼッションの質の高さもまた見せてくれた。
強敵と思われていたフランス相手にもこれだけの差を見せられる、
真に強いチームと言えるだろう。 
ポゼッションの核となれていたクロース、シュバインシュタイガー両選手はさすがだ。
守ってはGKノイアーは安定感抜群。
MOMは1ゴールを決めたうえ、身体を張った守備でベンゼマを自由にさせなかったフンメルスを選出した。 


【フランス代表まとめ 3勝Ⅰ分1敗 10得点 3失点 攻撃 A- 守備 A- スペクタクル A-】

注目選手 CF カリム・ベンゼマ 平均採点 78.3/3試合(ホンジュラス戦・スイス戦・ドイツ戦)
       DH ブレーズ・マトゥイディ 70/3試合
       SH マテュー・ヴァルブエナ65/3試合

ドイツ戦までの戦いぶりは非常にポジティブだった。それは得点数失点数にも十分現れているだろう。
フランスの生命線は、3人のMF。
キャバイェ・ポグバ(シソッコ)・マトゥイディの3人の走力・ダイナミズムが接着剤のように守備と攻撃を繋ぎ合わせ、ここから前線の3枚、テクニックのヴァルブエナ、ベンゼマ、グリーズマン(ジルー)が巧みに連携しつつ
フィニッシュの局面を作るのがフランスの形だ。
猛威を振るったのがスイス戦の戦いぶりを見て、今回のフランスは強いなと感じたものだ。

ところが、どうしたことだろう。ドイツ戦では彼らの良さが完全に影を潜めていた。
走力が最大の武器だったフランスが、全く走れない。
ドイツに中盤を支配され、ほとんど良いところなく敗れてしまった。
やはり、ブラジルの気候は欧州勢には厳しかったのだろうか。

そんな中、ベンゼマだけは意地を見せた。
彼は大会を通して輝き続け、今までよりもワンランク上の選手になった。そんな気がする。 

ベルギーVSアメリカ

   ベルギー  2-1        アメリカ

主審  B
試合内容  S
MOM  GK ティム・ハワード(100)(アメリカ)

GK クルトワ(50)         ハワード(100)
CB ヴァンブイテン(65)     ゴンサレス(60)
   コンパニ(70)         ベスラー(60)
SB アルデルワイレルド(65)  ジョンソン(50)
   ヴェルトンゲン(75)     ビーズリー(75)
DH ヴィツェル(55)       キャメロン(60)
   フェライニ(50)        ジョーンズ(65)   
SH アザール(70)     CH ブラッドリー(75)
   メルテンス(60)     SH ズシ(55)
OH デ・ブルイネ(85)       ベドーヤ(50)
CF オリジ(80)       CF   デンプシー(60)  

監督 ヴィルモッツ A      クリンスマン S

【ベ】
メルテンス(60)→ミララス(65)
オリジ(80)→ルカク(80)
アザール(70)→シャドリ(?)

【ア】
ジョンソン(50)→イェドリン(70)
ズシ(55)→ヴォンドロウスキ(65)
ベドーヤ(50)→グリーン(70)

【ベルギー】

120分間のうち、100分以上優勢に立ち、数えきれないほどのチャンスを作り続けた。
チーム全員が素晴らしかったといっていいが、特に光ったのは1ゴール1アシストのデ・ブルイネ。
今大会ここまでさほど見せ場がなかった彼だが、一躍スター候補に躍り出る特大のパフォーマンスを披露した。
この試合で大きな驚きを見せたのはルカクも同じ。
今大会、負傷の影響からか精彩を欠いていたが、途中出場でいきなりのゴール。
そのルカクの代わりに先発で起用されたオリジも、溌剌とした動きでアメリカ守備陣を切り裂き、
優れたインターセプト、秀逸なロングパス、果敢なオーバーラップと三拍子揃ったヴェルトンゲンも見事。

オリジ先発、ルカク途中投入というヴィルモッツ采配ともども、ワールドカップ史上に残りそうな激戦を見事制し、
ベスト8へと駒を進めた。


【アメリカ】 

敗れてなお、アメリカは素晴らしかった。特にGKのハワードだ。
ベルギーの枠内シュートは総計27本。そのうちハワードがセーブしたシュートは何と18本だ。
僕がメモをとっていただけでも、実に13本のスーパーセーブを披露。
手がつけられないとはこの事だろう。

後半から徐々に存在感を見せ始め、アメリカの攻撃をオーガナイズしたブラッドリー、
途中投入で印象に残るオーバーラップを披露したイェドリン、
SBとしてピッチを全力で走り回ったビーズリーなどなど、高評価に値する選手は枚挙にいとまがない。
その中でも、別格だったのはGKハワードだった。


【アメリカ代表まとめ 1勝Ⅰ分2敗 5得点 6失点 攻撃 B 守備 A スペクタクル A】

注目選手 GKティム・ハワード 平均採点 78.3/3試合(ドイツ戦を除く)
       DH ジャーメイン・ジョーンズ 65/3試合
       CH マイケル・ブラッドリー 66.6/3試合
       CF クリント・デンプシー 65/3試合


2010年に引き続いて、気迫のこもったサッカーを見せてくれたアメリカ代表。
彼らの試合ではいつも何かドラマが起こる、そんな気持ちにさせてくれるのは、闘志をむき出しにし、
最後まで全力で走り続ける彼らのプレイスタイルによるものが大きいだろう。

中でも圧巻だったのは、ベルギー戦で見せたGKハワードの活躍ぶりだ。
あのようなセービングを見せられてしまっては、フィールドプレイヤー達の気持ちに火がつくのは必然。

チームの精神的な支柱となっていたのは、SBビーズリー、DHジョーンズ、CFデンプシーの3人。
そして司令塔として攻撃を構築したのがCHのブラッドリーだ。
中でも中盤で球際に常に顔を出すジョーンズの存在感は特大。
今まではどうもラフな印象が強かった選手なのだが、今大会では持ち前の「激しさ」でチームを鼓舞し、
チームを活気づけていた。


二大会続けて、素晴らしい戦いぶりを見せたアメリカ代表。
自国の代表がこのような闘いを見せれば、ファンも活気づくことは間違いないだろう。
4年後の活躍が今から楽しみだ。

 
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