2018年06月

グループH総括

【】は大会前に書いた記事。青字は印象が変わった部分

【☆グループH

突破確率          チームランク   個人的ワクワク度

80% コロンビア       B+        C+
60% ポーランド       B→         C
40% セネガル        C→        B-
20% 日本          C-→C+        B-


まずは日本。ベスト16進出おめでとう。
このブログを読んでいる方は恐らく、大半の方が日本人でしょうし、
皆様にお祝いを申し上げたいと思います。
素直に凄いと思うよ。うん。


でもなぁ……というのが、正直な感想でした。


ちなみに、ポーランド戦の時間稼ぎは、『消極的肯定』、もしくは『消極的否定』です。

勝つためには何をしてもいい、とは全く思わないし、そういう人とは個人的には友達にはなりたくありません。
しかし、『相手を故意に怪我させて勝つ』とかそういう、『もっともっと酷いやり方』に比べたら
抵抗感はそこまで強くはない
、です。
とはいえ、この戦い方に対して『拒否反応』が出る人は『健全』だと思います。心情的にはそちらに近い。
でも、2010のウルグアイVSガーナのスアレスハンドよりはマシかなぁって感じです。はい。
あれはウルグアイ死ねって思ったし、日本があれをやったら「日本負けろ!」と思います。
今回のは、そこまでではないかなと。



まず、このグループで最も強いと感じたのがコロンビア。
開始3分、事故のようなハンドで一発退場&PKを取られて初戦を落としたにも関わらず、
ポーランドを相手に3-0の完勝。
大エースのハメスが負傷の影響でイマイチ精彩を欠く中、代わってこの大会で素晴らしい活躍を見せているのがキンテーロ。
しかし最終戦。セネガルを相手に相当な劣勢を強いられた。


次に、セネガル。
とにかく、相手の長所を消す事に特化したような嫌らしいチームで、攻めては左SHの快速サールと、ニアン。ただ、期待のマネは今一つだった。
コロンビア戦。先制を許した後の攻撃は見事で、かなりの迫力を感じたが、
それができるなら最初からやってほしかった。
自分達の良さを出すようなサッカーをしてくれれば、応援したのにな。


ポーランド。
セネガル戦を不運な形で落とした後、全く浮上できなかった。
しかし、これもポーランドらしさなのかもしれない。
予選では強くても本番では冴えない、『予選番長』の名をほしいままにするポーランドは
今大会も良い所なく、大会を去った。
攻撃はサイドアタックからのクロスだったが、似たような形のセルビアが善戦したのに比べ、
こちらは芽が出なかった。


日本に関しては……ベスト16に進出してなお、『強さ』も『楽しさ』も正直に言えば感じないのだが……。
コロンビア戦、相手が10人になったとはいえ、よく勝ったと思う。
セネガルに引き分けたのも立派だし、誤審があったわけでもなく、正当に勝ってベスト16に行ったのだ。


ただ、なんだろうなぁ。
ベスト16進出チームがこれで出揃ったのだけど、こんな冴えないパフォーマンスで
ベスト16に進めたのは、日本とデンマークだけなのよね。
ほんと、グループに恵まれたなぁと思います。

コロンビアはともかく、セネガルやポーランドも、別にベスト16に進んでほしいと思えるようなサッカーはしてなかったしな……。
それなら日本が行ってしまっても構わないかな、とも思う。




グループE総括

【】は大会前に書いた記事

【突破確率         チームランク  個人的ワクワク度
90%      ブラジル    S       B+
60%      スイス     B       B
30%→25%   コスタリカ   C→B-    C
20%→25%   セルビア    B-      C】


【ブラジル代表】

ドイツと並んで優勝候補に挙げられていたブラジルは、
スイス戦での観るべきもののないパフォーマンスを、コスタリカ戦の90分も続けた。
そんなブラジルを救ったのは、前回大会にはいなかった新エースのコウチーニョ
彼の2ゴールがスイス戦での勝ち点1を、コスタリカ戦での勝利を呼び込んだのだ。
コスタリカに勝利し、呪縛から解き放たれたブラジルは、セルビア戦でとうとう本来の姿を取り戻す。
ネイマール、コウチーニョ2人のエースと、中盤の底から前線に飛び込むパウリーニョ
この3人がブラジルの攻撃を華麗に彩っている。
ここに、まだ本領を発揮できていない最前線のジェズスや、ウィリアンが絡んでくれば、
更にブラジルの勢いは増してくるだろう。

トーナメント1回戦の相手はメキシコ。
完璧なサッカーでドイツを打ち破った今大会のメキシコは例年以上に不気味ではあるが、
ブラジルの勝利は固いと思われる。

【スイス代表】

大会前の予想通りの戦力・戦術だったのがこのスイス。
本当にブレがなく、安定している。
好クロスを上げる両SBのリヒトシュタイナーとリカルド・ロドリゲス、中盤から飛び込むジェマイリ、そして唯一のファンタジスタ、シャキリ。

トーナメント1回戦の相手はスウェーデン。
勝てない相手ではないが、『毎回ベスト16で敗退してしまう』悪癖と、
リヒトシュタイナー&シェアの出場停止が懸念材料だ。


【セルビア代表】

今大会のセルビアは、ハッキリとした『型』を持ったチームだった。
サイドからのクロスを、長身FWミトロビッチが合わせる。それだけである。
それだけだったが故にベスト16には進めなかったが、その攻撃はスイスを苦しめ、
ブラジルにも多少は通用した。


【コスタリカ代表】

ベスト8の躍進を遂げた前回大会と比べて、今回は予選リーグ敗退。
しかし、戦力・戦術的には前回と比べても全く見劣りせず、底力を感じさせた。
GKナバスを中心とした鉄壁の守備と、そこから繰り出される技巧的なカウンター。
今回は前回のエース格だったブライアン・ルイスの調子が今一つで、キャンベルはなぜかベンチに置かれていたが、変わって入ったウレーニャが躍動。
スイスにドロー、セルビアにはコラロフのFK一発でやられたが流れの中からは失点せず、
ブラジルにも90分までは得点を許さなかった。

最後に力及ばず敗れてしまったが、この粘り強く戦うスタイルを今後も継承していけば、
メキシコ、アメリカに次ぐ、北中米第3の強豪国として、
2022年以降もコスタリカの活躍を観る事ができるかもしれない。









グループF総括(ドイツの敗退記事が7割)

【】は大会前に書いた記事。青字はその後変わった印象。


【グループF

突破確率        チームランク   個人的ワクワク度

95% ドイツ       S         S
65% メキシコ      B+        B+
30% スウェーデン    B-→B+     C-
10% 韓国        C         C】


大波乱が起きた。
確かに、大会前からこのグループが厳しい事は分かっていた。


☆ドイツ代表

しかし前回王者であり、2年前のEuroでもベスト4。
去年のコンフェデでは二軍を派遣したにも関わらず余裕で優勝を遂げたドイツ。
優勝候補の大本命にも挙げられていたドイツ。
更に、ドイツという国は未だかつて予選リーグで敗退した事はない。
低迷していた98年、02年ですら、ベスト8までは勝ち上がっていたのだ(02年はまさかの準優勝だった)。
そんな信じられない事が起きた。


しかし、3試合を見終えてなお、何故敗退したのかが解らない。理解しづらいのだ。
確かに幾つかの弱点は確認できた。


①守備面

①ーA
スペインと共通する弱点として、中盤のプレスを掻い潜られ、縦に俊足FWに抜け出されると、
敵FWと守備陣(両CB+GK)が数的同数~数的不利になり、即大ピンチを迎える

(2014ドイツVSアルジェリアなど)

①ーB
そのため、GKとCBが1対1で絶対に負けない『個の強さ』を持っている事が必須になる。
GKノイアー、CBフンメルス、ボアテンクは十分に『個の強さ』を持っていたが、
控えCBのリュディガーは弱く、スウェーデン戦では完全に『弱点』になっていた


しかし、僕が感じたこの感想では説明できない部分も多い。

反論:1

完膚なきまでに崩されたVSメキシコ戦ではフンメルス、ボアテンクが揃っていたにも関わらず、
ボコボコと崩された。
完敗であった。

反論:2

リュディガーが穴となっていたVSスウェーデン戦は、確かに非常な苦戦をしたが、何とか勝利をもぎ取っている。


反論:3

第3戦では韓国FW陣の『個』がそれほど強くなかったため、フンメルス、ジューレ、ノイアーは完全に1対1で相手を封殺していた。にも関わらず、CKから失点して敗北した。


②攻撃面

②ーA

軽量級FWヴェルナーを最前線に据えた攻撃陣は、3試合通じて破壊力に欠けた。
特にスウェーデンのように、自陣ペナルティエリアに守備の選手を9人も10人も並べて鍵をかける
古典的な『カテナチオ』チームに対し、裏のスペースを突く事を得意とするヴェルナーは
相性的に考えても効果的ではない。
案の定、第2戦、スウェーデン戦の後半では重量級FWゴメスを投入し、ヴェルナーをサイドにスライドさせ、クロスを中央に送り込むようになってから、ゴール前に混沌が生まれ、劇的勝利につながった。
にも関わらず、韓国戦でも何故かヴェルナー先発にこだわったレーブ監督。
その韓国戦でもゴメスを投入してから、前線に基準点ができ、攻撃の質が上がった
なぜ最初からゴメスを先発で使わないのか?
この采配には首を傾げるところで、敗退の最大の責任がレーブにあることは間違いない。

②ーB

中盤の底でクロースとコンビを組む選手が、ことごとく定まらなかった。
ケディラは終始低調で、ギュンドアンはスキャンダルを起こし、ルディは負傷、
ゴレツカはなぜかサイドハーフで使われた。
『中央を固める』ブロック守備を、スウェーデンも韓国も行なってきた影響もあって、エジルも抑えられ、中央突破ができなかった。


とはいえ。作り出した決定機の数では、やはり韓国よりも遥かに上なのだ。
それを、クロースが、ゴレツカが、ゴメスが、フンメルスが外し、外し、外した。
韓国GKチョ・ヒンウの素晴らしいセーブもあった。


メキシコ戦では、オソリオ監督の『対ドイツ戦略』が発動し為すすべなく完全敗北。
スウェーデン戦では、途中までは軽量級FWがスウェーデンを崩せず、敗北濃厚の中、
なんとか大逆転。
韓国戦では、内容的には負けるような内容ではなかったが、決定力不足による敗北。


という事で良いのだろうか?
僕の感覚ではこうなのだが、それにしたって……。
3戦全て大苦戦し、うち2戦で負けているけれど、『完全な負け試合だった』のは1試合だけで、
クオリティに関してもそこまで大きな問題を感じない、という奇妙な感想を僕に残したまま、
ドイツは大会から姿を消したのである。


【メキシコ代表】

半年も前からドイツを研究し、完璧な試合運びでドイツを葬り去ったメキシコ。
ラジュン、ロサーノ、ベラ、チチャリートの攻撃4枚が繰り出す高速カウンターは迫力十分で、
観る者を楽しませてくれる好チームだった。
だが、スウェーデン戦では相手の『高さ』の前に何もできず、0-3の完敗。
低身長では、長身選手に立ち向かうのは難しいのだろうか。

トーナメント1回戦の相手はブラジルが濃厚で、厳しい戦いになりそうだが、
面白い試合を期待したい。


【スウェーデン代表】

90年代のイタリアサッカー、古典的なカテナチオ、引きこもりサッカー、欧州のウルグアイ……。
思いつく形容詞を上げればこんなところだ。
とにかく、ゴール前に9人の選手を並べて守りを固める。
奪ったボールは前線長身2枚のベリとトイボネンへ。
2人がボールを収めている間に、走力のある中盤フォシュベリやラーションがサイドに開き、
そこから再び中央へクロス。
攻守の切り替え、とりわけ守備への切り替えは迅速で、いつ見ても自陣ゴール前に選手がいる。
分厚い人間の壁で、相手の得点は絶対に許さない。

……これはこれで、1つのサッカーだ。
そんなサッカーを突き詰めたスウェーデンは、ある種独特な存在感を放っている。


【韓国代表】

今大会、ゴール前に鍵をかけ、強豪が相手でも接戦に持ち込める弱小国が目立つ。
とりわけアジアではその傾向が顕著で、イラン、オーストラリア、そしてこの韓国も高いレベルでこのサッカーを行なっていた。
南米のウルグアイは2010年からこのサッカーをやっていたし、欧州ではスウェーデンが、中米のコスタリカもそうである。
好GKチョ・ヒョンウを中心に、ガチガチに守りを固めた彼らは、最終節に大金星を挙げた。





グループE ブラジルVSセルビア(2-0)

娯楽度 7.5

・VSコスタリカ戦の劇的ゴールで肩の力が抜け、単純にセルビアの守備がスイス&コスタリカに比べて弱い事もあって、やっと本来のブラジルの姿が見られた。

ネイマール一辺倒だった前回大会とは違い、相棒コウチーニョが登場した事により、ブラジルの攻撃に多彩さが生まれた。前線でのコンビネーションだけでなく中盤から前線に飛び出す、パウリーニョの存在もブラジルの『武器の多さ』を実感させる。

・セルビアは、サイド(特にコラロフタディッチ)から、長身ミトロビッチにクロスを上げるのが
唯一の攻撃パターン。武器の少なさは欠点だが、ブラジル戦でも後半開始~15分まではセルビアの時間を作った。

・そのセルビアのリズムを断ち切るように、ネイマールとチアゴ・シウバで追加点を挙げたのはさすがブラジルといったところか。



ブラジル代表採点 7・5

GK アリソン 6
DF チアゴ・シウバ 8
  ミランダ  6・5
  ファグネル 6・5
  マルセロ  6→フィリペ・ルイス 7
MF カゼミーロ  6
   パウリーニョ 7→フェルナンジーニョ 6
  ウィリアン  6
  コウチーニョ  8 
  ネイマール  8.5 MOM
FW ジェズス  6・5

監督 チッチ 6・5



セルビア代表採点 5

GKストイコビッチ 7
DFコラロフ 6・5
 ベリコビッチ 5
 ルカビナ 5・5
 ミレンコビッチ 5・5 
MF マティッチ 6
  リャイッチ 4・5→ジブコビッチ ?
  タディッチ 5・5
  コスティッチ 5→ラドニッチ 5・5
  ミリンコビッチ・サビッチ 4・5 
FW ミトロビッチ 6→ヨビッチ

監督 クルスタイッチ 5 

グループF メキシコVSスウェーデン(0-3)

・スウェーデンの3得点のうち、1点はメキシコの凡ミス(オウンゴール)、1点はかなり怪しげなPK判定によるもの。この試合の主審は相当にスウェーデン贔屓で、ファウルではないプレイに対して
メキシコ選手にイエローカードを出すなど、かなり怪しげな振る舞いをした。

・しかし、そうは言っても試合内容で勝っていたのはスウェーデンであり、3得点のうち1点は別としても、2点は誰が見ても正当なゴールである。よって、スウェーデンがこのグループ1位になったのは、誤審によるものではない。

・高さに頼ったスウェーデンの戦術は、低身長のメキシコを蹂躙した。特にクロッサーのフォシュベリと、前線のベリのホットラインは脅威で、メキシコGKオチョアを大いに苦しめた。

・試合が2-0になり、3-0になると、気になるのは他会場の結果。観客のほとんど(僕も)が、目の前で行われている試合よりも、ドイツVS韓国の結果を気にしており、目の前でメキシコがボコボコにされているのに大喜びしているメキシコファンの姿が見られるなど、どこか異様な空気だった。


・私事ですが、わたし、ドイツを応援していました……テンションだだ下がる……
優勝候補だと、スペイン、ドイツを応援していましたが、スペインよりも安定感がありそうなドイツが死んでしまうとは……。
イングランド、クロアチアにも好感を持ってるから、その辺りを応援するかな……

ベスト4に応援するチームがいない、なんて事にだけはなりませんように……(2006年がそうでした)





娯楽度 6.5

メキシコ代表採点 4

GK オチョア 6.5
DF モレーノ 5.5
  アルバレス 3 
   サルシド 4
   ガジャルド 4.5→ファビアン ?
MF  グアルダード 4→コロナ 5.5
   エレーラ 4
   ラユン 4→ペラルタ ?
FW  ロサーノ 5 
    ベラ 5
    チチャリート 5

監督 オソリオ 4.5

スウェーデン代表 採点 6.5

GK オルソン 6.5
DF ルスティグ 6.5
   リンデロフ 6
   グランクビスト  6.5
   アウグスティンソン 7
MF エクダル 6
  ラーション 5.5
  フォシュベリ 7 MOM
  クラーソン 6
FW ベリ 7
  トイボネン 6 

監督 アンデション 6・5 


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