2018年06月

グループD総括

【】は大会前に書いた記事。青字は感想が変わった部分

【☆グループD
           チームランク     個人的ワクワク度
65% アルゼンチン    A-          B-
50% ナイジェリア    B+→B          C
45% クロアチア     B+→A-       B-→B+
40% アイスランド    B-          A→A-


☆クロアチア代表

大会前から死の組と目されていたグループを、悠々と突破したのはクロアチア。
大会屈指の司令塔モドリッチを基点に、精度の高いロングパスでダイナミックな展開を演出。
ラキティッチ、ペリシッチ、レビッチ、マンジュキッチといった活力に溢れるアタッカー陣。
特にアルゼンチン戦では、完全に中盤を制圧。結果だけでなく内容でも強国を圧倒した彼らは
今大会屈指のダークホースと言える。

不安要素はほとんどないが、懸念点を挙げるなら
予選リーグの勢いを決勝トーナメントに持ち越せるかどうか。
Euro2016では、グループリーグ最終戦で完璧な内容でスペインを下し、
一躍優勝候補に挙がったと思いきや、トーナメント1回戦ではポルトガルを相手に良い所なく沈黙した。

トーナメント1回戦の相手はデンマーク。
力関係では明らかにクロアチアが優勢だけにベスト8進出は固いだろう。
クロアチアにとってはベスト8でも満足できる結果かもしれないが、更にその先、
順当ならスペインと準々決勝で当たる。
ここに勝てばベスト4。今大会のクロアチアには、躍進を期待したいところだ。


☆アルゼンチン

一方、大会前から懸念されていた通りの『名ばかり優勝候補』ぶりを露呈したのがアルゼンチンだ。
現役No1の呼び声も高いメッシが孤立し続けるその様は、2010年ワールドカップでベスト8敗退に終わったアルゼンチンを彷彿とさせる。
サイドアタッカーを無理にSBで起用する(当時はホナス・グティエレス。今大会はサルビオ)ところも同じだ。

チームの鍵はバネガだろう。アイスランド戦で交代出場、クロアチア戦では不出場、ナイジェリア戦で先発出場したこのMFがいる時間帯は、アルゼンチンのパスの回りが格段に良くなるのだ。
まさにチームに欠かせないMFだけに、何故この選手を常時スタメンで使わないのか、
正直サンパオリの采配には疑問が残る。

カウンターを狙うには守備が脆く、かと言ってスペイン・ドイツといった国には、ポゼッション能力で到底及ばない。スペインドイツどころか、クロアチアにすら及ばないぐらいだ。
このチームが活路を見出すとすれば、ウルグアイ式『全員で守って、前線のメッシ&イグアイン(アグエロ)にお任せ』サッカーくらいしか思いつかないが、それすらもぶっつけ本番。
トーナメント1回戦の相手、フランスに善戦できれば良いが……一方的に蹂躙される恐れすら感じる。


☆アイスランド

小国アイスランドは、結果こそ残念だったもののらしさを見せ、大会を盛り上げてくれた。
初戦でアルゼンチンに引き分け、第2戦の前半、ナイジェリアを圧倒したまでは本当に良かった。
しかし、ナイジェリアが驚異の修正力を発揮してきた後半に為すすべなく敗れ、二軍のクロアチアにも敗北。
元々タレントが多いチームではなく、戦術の引き出しもないため、対策が進むと辛いのだろう。
Euro2016に続く躍進はならなかったが、健闘ぶりを見せてくれたアイスランドには拍手を送りたい。


☆ナイジェリア

そして、何とも言えない印象を残したのがこのナイジェリアだ。
アフリカ諸国にとって、今大会は受難の大会だ。
『攻撃的で面白いけど、成績が伴わない』モロッコとチュニジア、
『規律正しく安定感はあるけど、面白くない』ナイジェリアとセネガル、
そして良い所がなかったエジプト……。


ナイジェリアが見せたのは、ミニ・フランス代表とも言える、中盤のガチムチサッカーだった。
身体能力で相手を潰し、前線の快速FWにカウンターを届ける。
快速FWも、変な事は一切しない。ただ、速く、ただ、強い。
彼らのサッカーは効率的ではあるが、遥か昔、J・J・オコチャが見せてくれたようなファンタジアは存在しない。
常軌を逸したラフプレー、意図不明な判断ミスから解放された彼らは同時にまた、
野放図でアクロバティックなプレー、意外性溢れるサッカーからも背を向けてしまった。

しかもそれで結果が出たならともかく、大善戦はしたものの、結局は予選リーグ敗退に終わった。
ナイジェリアは、そしてブラック・アフリカ諸国は果たしてこのまま、『労働者のサッカー』に進化していくのだろうか。
個人的には、昔彼らが見せてくれた『超人・怪人』的な彼らのサッカーこそが好きだったのだが……。













グループC総括

【】は大会前に書いた記事 青字は印象が変わった部分



【突破確率      チームランク  個人的ワクワク度

85% フランス      A+      A→A-
50% デンマーク     B-      A+→B
45% ペルー       B-      B+→A-
20% オーストラリア   C-→C      C】


ベスト16に進出する2カ国は当たったが、内容は大会前の予想とは違った。

☆フランス代表

いわゆる列強と呼ばれる国の中で、唯一フランスだけは、盤石な戦いぶりを示している。
余裕の試合運びで、楽勝ムードの終盤には主力を休ませる配慮を見せつつ、
初戦で機能しなかった快速3トップを解体して前線にジルーを置くテストなども行なう
デシャン監督の隙のない采配が素晴らしい。
前線ではエムパべ、グリーズマン、ジルーの三銃士が見事なプレイを見せ、守備ではSBのババ―ルがやや心配ではあるものの、新顔のリュカに関しては『戦力として』使える目途が立った。
トーナメント1回戦の相手はアルゼンチンに決まったが、ここまでの戦いぶりを踏まえれば
明らかに相手を上回っている。


☆デンマーク代表

期待外れだったのがデンマークだ。
僕は予選プレーオフのVSアイルランド戦を見たのだが、その試合のデンマークは凄かった。
機能美溢れる高速カウンターを連発し、エリクセンがハットトリックを決めたあの試合だ。
あの試合の印象が強すぎて、過大評価をしてしまったのかもしれない。
僕が勝手に期待していた「美しいプレイ」を見せたのは、270分中、わずかにオーストラリア戦の前半10分間だけだった。
ここまでのデンマークは、相手に主導権を譲り渡し、カウンターもさして強くない、凡庸なチーム、という印象だ。
ただ、3試合で喫した失点2つはいずれもPKによるもの。
PK以外での失点がない事は注目の必要があるかもしれない。
とはいえ、トーナメント1回戦の相手、クロアチアには劣勢を強いられるだろう。


☆ペルー代表

デンマークとは逆に、期待以上だったのがペルーだ。
実はペルーのサッカーはあまり知らなかったのだが、なかなか魅力的なアタッキング・フットボールを見せてくれた。
特に右サイドのカリージョとアドビンクラ、エースのゲレーロの3人は強力。
逆に言うと、そこ以外に武器がなかったとも言えるが、本音を言えばデンマークではなく、
ペルーに勝ち進んでほしかった。

☆オーストラリア代表

オーストラリアにも、まずまず明るい感想を持った。
特に素晴らしいパフォーマンスをしたわけではなかったが、クルーズ、レッキ―、ロギッチ、そして19歳のアルザーニといった若手・中堅選手たちが伸び、遅れに遅れていた世代交代に成功しつつ、クオリティは維持できているように思う。
「進歩」したかどうかはともかく、これからもアジアの強豪としてオーストラリアは存在感を示す。
今大会でのオーストラリアのプレイからは、そんな未来が感じられた。

グループB総括

【】は、大会前に書いた記事 青字は現段階での評価


【☆グループB
突破確率       チームランク   個人的ワクワク度
60% スペイン     A-→A+      B→A-
80% ポルトガル    A          B
40% モロッコ     B          B+
20% イラン      C-→B-      C】

☆ スペイン代表

大会開幕直前に、スペインのロペテギ監督が電撃解任。
そのため、大会前展望ではスペインの評価を大きく下げたが、予想していたほどの影響は出なかった模様だ。とはいえ、今後厳しい戦いを、開幕前日に就任したイエロ監督で乗り越えていけるかは未知数。
今後の行方を注視したい。
ポゼッション能力は大会トップクラスで、シルバ、イスコらの好調が目立つ。
前線にも頼りになるFWジエゴ・コスタが登場したのは大きい。
唯一の不安は守備面で、特にGKデヘアの低調が目立つ。中盤のフィルター機能も懸念の残るところで、ポルトガルはまだしも、イラン相手にもバタバタしていたのは不安要素だ。

トーナメント1回戦の相手はロシア。チームのレベルを考えれば戦力差は歴然で、
ホームアドバンテージを考えてもスペインが優勢と言える。
更に準々決勝の相手はクロアチアVSデンマークの勝者で、クロアチアは相当レベルが高いチームではあるが、ドイツ、フランス、ブラジルといった、いわゆる『絶対強者』ではない。
積極的にベスト4以上を狙っていきたいところだ。


☆ポルトガル代表

ポルトガルに関しては、予想通りと言ったところだ。老獪なサントス監督のもと、クリスチアーノ・ロナウドを軸にしたカウンターサッカーが猛威を振るっている。
ただ、ロナウド以外の選手がほとんど得点を取っていないところは不安だ(他にはクアレスマの1ゴールのみ)。
とはいえ、ポルトガルは本来、大量得点をするチームでもない。
エースの得点でしっかりロースコアの展開をモノにできればそれで良いのだろう。
決勝トーナメント1回戦の相手は難敵ウルグアイ。
ポルトガルとは非常に似通った特性を持つチームで、正直勝負の行方は読めない。


大会前は2強2弱と目されたグループで、結果もその通りになったわけだが、
敗れたモロッコ、イラン共に見所の多いチームで、全体としてハイレベルなグループとなった。

スペイン、モロッコがアタッキング・フットボール、
ポルトガル、イランがリアクション・フットボールと、2チームずつに、特色が分かれた事も興味深かった。


☆モロッコ代表

アフリカの雄モロッコは、中盤のエル・アーマディ、ブスファ、ツィエフ、ベルハンダ、アムラバットといったタレント陣が躍動し、娯楽性の高いアタッキング・フットボールを見せてくれた。
個人的には今大会のアフリカ勢で、一番好きだったチームだ。
ただ、惜しむらくは前線FWの決定力の低さ。
ことごとくチャンスをふいにし、またイラン戦の不運なオウンゴールによる敗北もあり、勝ち点1で大会を去った。

☆イラン代表

モロッコとは対照的に、守って守ってカウンターという手堅いサッカーを見せてきたのは、
本家本元のポルトガルが同居するグループでも、アズムンを中心としたカウンターサッカーは猛
さすがポルトガル人監督ケイロスといったところか。威を振るった。とにかく人数をかけた守備は固く、攻めに転じた際には迫力も併せ持っていた。
間違いなく、アジア勢の中では最強だったと言えるだろう。

だが、このチームも欠点は得点力不足。流れの中からのゴールは1つもなかった。
得点力の高い選手が少ないのは、アジア全体の傾向だが、イランも例に漏れなかった。
そこがポルトガルとの大きな違いだった。




グループD アルゼンチンVSナイジェリア(2-1)

娯楽度 7・5-2(早朝に起きて2時間遅れで試合を観たら、ネタバレ見ちゃったため)


・まずは突破を決めたアルゼンチン。逆境に強いのは素晴らしいが、なぜアイスランド戦、そしてこの試合でも素晴らしいパスセンスで攻撃をコントロールしたバネガを、クロアチア戦では起用しなかったのだろう? 

・この試合でもメッシが孤立気味。ベスト16進出も手放しでは喜べないどころか、次の相手はフランス。正直、7割方負けると思う。
過去にも決勝トーナメントに入ってから『変身』したチームはいくらでもあるので、試合はやってみないとわからないが、予選リーグの戦いぶりで判断するなら、クオリティが違いすぎる。
ベスト8で為す術なくドイツに敗れた2010年のアルゼンチンに、印象が重なっている。


・GKのアルマーニは緊急登板ながら無難にやれていた。恐らくこのままこの大会は彼が起用されるだろう。


・ナイジェリアは、前線、快速のムサが怖いが、基本的に攻撃の怖さはさほどなく、守りを固める堅実なチームだった。これはグループHのセネガルも同様だ。
これはこれでなかなか強く、良いチームだったが、昔のブラック・アフリカのような観ていて楽しい「サーカス・サッカー」をするチームがなくなり、個人的にはかなり残念である。



アルゼンチン代表採点 6

GK アルマーニ 6
DF オタメンディ 5
  ロホ 6
  メルカド 6
  タグリアフィコ 5→アグエロ ?
MF マスチェラーノ 5・5
  バネガ 7
  ぺレス 5→パボン 6・5
  ディマリア 5→メサ 4
FW メッシ 7・5 MOM
  イグアイン 6

監督 サンパオリ 6

ナイジェリア代表採点 6

GK ウゾー 5・5
DF バログン 5・5
  トルースト・エコング 5
  イドウ 5
  オメルオ 5
MF ミケル 5
  ディディ 5
  モーゼス 5・5
  エテボ 5・5
FW イヘアナチョ 4・5
  ムサ 7・5

監督 ロール 6・5

【事前の展望】

まさかアルゼンチンがここまで追い込まれるとは。
漏れ聞こえてくるチーム状態は散々。
第2戦では、初戦で大活躍したバネガを先発起用しない愚を犯し、クロアチアに内容でも結果でも圧倒され、もはや優勝候補の呼び声も地に落ちた。

とはいえ、世界最高の選手メッシがここで終わってしまっていいのだろうか?
ナイジェリアとは相性が極めて良い。
逆に言えば、アルゼンチンに有利な材料はそれくらいだ……。

6/26 雑記

寝不足と湯あたり(長湯しすぎた)のため、頭痛が酷くて吐き気までしてるので、
集中してサッカーは見られません。ぼんやりなら見られるんですが、朦朧としてる感じです。
決勝トーナメントまでに体調を戻したいですね(病弱キャラ)
いやぁ、無理してる自覚はあるけど、前回大会まではここまで体調崩したりしなかったんだけどなぁ。
体調戻るまで、省エネで書きます。


☆フランスVSデンマーク

つまんねー……ワイなんでこれ見たんやろ
フランスは二軍を出してるんでこれでいいけど、デンマークはこんなんでベスト16に行くのかよ……
グループDかEかFに1枚チケット譲ってやってくれ……


☆スペインVSモロッコ

今までの試合とは違って、モロッコが守備的な戦術を敷いてきた。
いくらなんでもスペインを相手にポゼッション勝負を挑んでも勝ち目はないと悟ったか。
そのため、攻撃的な彼らの良さがあまり出ない展開になったが、スペインは全体的に動きが悪く、
接戦となった。
その中では、イスコシルバ、そして劇的同点弾を叩き込んだアスパスは評価したい。
ブスケッツとチアゴの中盤の底は効果的な配球ができず、前線のジエゴ・コスタは動かず、
モロッコの守備ブロックにスペースを消され、完全に行き詰った。
今日のような試合を続けてしまっては、スペインに優勝の芽はないだろう。
早急に立て直したいところだ。








☆ウルグアイVSロシア

同じくぼんやり観てます。前半終了まで見たけど、これはもう後半もこのままよね。
今大会最硬レベルの守備力を持つウルグアイに、2点リードされて退場者までいたら、
PK&退場でもない限り、同点に追いつける気がしない。
やっぱりウルグアイは強いなぁ。南米勢ではブラジルに次いで強いんじゃない?


☆ポルトガルVSイラン

こちらもぼんやり観ました。予想通りの硬い試合でしたね。
後半序盤のクリロナのPKから、イランがカッカしてしまったけど、GKがPKストップしたのでそんなに怒らなくても良かったのになぁ。結果論ですが。

イランはやっぱりアジア最強だなぁと感じました。
守備:攻撃の比重が守備に偏っていて、守れば固い。
そして、攻めに出た時の迫力もアジア屈指。
ただ、最後の得点が足りないですねぇ。2ゴール決めたとはいえ、オウンゴールとPKだし。
守備組織はしっかり出来ていて、攻撃もある程度形になっているので、良いチームだと思います。

好みを言わせてもらえば、モロッコみたいな『玉砕攻撃サッカー』の方が好きですけどねw


☆ エジプトVSサウジアラビア

寝込みながらぼんやり見ました。見たとは言えないかな。BGM代わりに流していました。
感想は書けません。
ただ、コロンビア人のロルダン主審は前回大会でも糞ジャッジを連発していたのに、また出てきたんかい! と思ったら、まーた微妙なジャッジをしてるし。
サウジに与えられたPKは、PKじゃないと思いました。
しかしそれはともかく、エジプトは期待外れでしたなぁ。
今大会のアフリカ参加国で、最弱はエジプトとチュニジアだと思うけど、チュニジアは娯楽性の部分でエジプトより良いので。エジプトは弱いしつまんないし……。



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