2021年06月

euro2020 決勝トーナメント 1回戦 ベルギーvsポルトガル

ベルギー 1-0  ポルトガル

МОМ FW ロメル・ルカク(ベルギー)
試合内容 B+

ベルギー               ポルトガル
GK クルトワ 7           ルイ・パトリーシオ 5       
DF アルデルワイレルド 5・5     ペペ   6・5
  ヴェルトンゲン 6         ルベン・ディアス 5
  ヴェルマーレン 5・5        ダロ  4・5
МF ムニエ 6・5         DF ゲレイロ 5・5
  トルガン・アザール 6・5   МF パリ―ニャ 3・5
  ティーレマンス 5・5       ジョアン・モウチーニョ 4・5
  ヴィツェル 5          レナト・サンチェス 6・5
  デ・ブライネ 5      FW ジョッタ 5
  エデン・アザール 5       ベルナルド・シルバ 5・5
FW ルカク 7            クリスチアーノ・ロナウド 6

監督 マルティネス 5・5    フェルナンド・サントス 5

欠場者(べ)DFカスターニェ
   (ポ)

交代(べ)デ・ブライネ→メルテンス 4
     エデン・アザール→カラスコ 4
     トルガン・アザール→デンドンカー ?

  (ポ)ジョアン・モウチーニョ→ブルーノ・フェルナンデス 3.5
     ベルナルド・シルバ→ジョアン・フェリックス 6
     ジョッタ 5→アンドレ・シルバ 5.5
     パリ―ニャ→ダニーロ ?
    レナト・サンチェス→セルジオ・オリベイラ ?
 
(試合前、スタメンを見て)

ベルギーは、エデン・アザール、デ・ブライネ、ルカクそろい踏み。
ボヤタ、デナイエルと頼りにならなかったセンターバックの残り1枠は、
大ベテランのヴェルマーレンを引っ張り出してきました。

ポルトガルは、ジョアン・モウチーニョ先発は英断。
ゴゼンス、エムバペにぶち破られ続けた右サイドバックは今日はダロが先発。
正直エデン・アザールを止められるとは思えない……(アザール兄の調子次第ではあるけど)。
中盤、ダニーロ&カルバーリョ&ブルーノ・フェルナンデス先発から入って、もはや誰も残っていないのが、ポルトガルの迷走ぶりを表している。

ベルギーのサイドアタックを、ポルトガルが止められるとは思えないので、ベルギー勝利を予想。
ポルトガルが勝つなら、ロースコアからのクリロナの一撃だろうか。


(ここから実際の感想)

予想に反してお互い重心の低い、固い試合になった。こうなったらポルトガルペース。
ベルギーのサイドアタックどころか、全く攻め上がる事ができず、むしろポルトガルの左サイドのジョッタがベルギー右サイドを攻撃するありさまだった。

しかし、試合が進むにつれてルカクのフィジカルパワーを軸に少しずつベルギーが押し戻す。
ポルトガル中盤の門番パリ―ニャにファウルが嵩む中、ベルギーはクルトワ→ティーレマンスのビルドアップから、波状攻撃を仕掛け、最後にはトルガン・アザールがスーパーミドルを決めた。

後半になるとベルギーのデ・ブライネが負傷交代。
ポルトガル中盤でのハードタックルを流す審判の判定もあって、荒れ気味になった試合の主導権を握ったのはポルトガル。
特に最終ラインではぺぺが、中盤ではレナト・サンチェスがダイナミズムを注入し、ポルトガルを活性化させた。

一方、防戦一方の展開を強いられたベルギーは、守護神クルトワがピンチを防ぎ、
奪ったボールを前線で身体を張り続けるルカクに預けることで、時計の針を何とか進め、遂に試合終了までたどり着いた。文字通り、何とか逃げ切った、という印象を与えるベルギーの辛勝だった。



☆ポルトガルの雑感

結局、右サイドバックと中盤に最適解を見いだせなかった、というのが今大会のポルトガルの印象だ。
CBは38歳のぺぺが今もって健在なのは嬉しい誤算だったが、大会前にカンセロがコロナ感染で離脱したのを皮切りに、代役のネウソン・セメドは対面のゴゼンス、エムバペに後れを取り続け、
ベルギー戦では若手のダロを引っ張り出した。

中盤は、フィジカルタイプのダニーロとカルバーリョでクラッシャー型の中盤を構成し、1枚上にブルーノ・フェルナンデスをシャドーのように起用したがこれが全くフィットせず、中盤と前線が接着しない。
結局ベルギー戦では、パリ―ニャを中盤の底に据え、ゲームメイク役にフランス戦で好調だったジョアン・モウチーニョ、前回大会の超新星レナト・サンチェスが前線と中盤を運動量で接着させた。

ミドルからでも十分に脅威となる前線ではあったが、相手を崩しきる事は全試合通してできず、
クリスチアーノ・ロナウドの決定力に頼るのみ。
ジョッタはチャンスメイクでは良い動きを見せたが、シュートを外しすぎた。
ベルナルド・シルバも、ゼロトップでもないシステムでのウイング起用では精彩を欠いた。
故障で出遅れたジョアン・フェリックスが初戦から使えれば、結果は変わったかもしれない。

フェルナンド・サントス監督は何とか修正を施そうとした努力は見えるが、結局最適のバランスを見出すことはできなかった。

musicus 感想(バレあり)

「キラ☆キラ2」とも呼ぶべき、瀬戸口廉也×オバイブの集大成的作品。
全編、「創作論」を通して「人生」を描いているので、創作論の部分を楽しめるかどうかで評価は分かれそう。
個人的に、自分に一番近いのが花井三日月だったので、非常に感情移入しながら読めました。ただ、本当は香坂めぐるのようになりたいなぁ、とも思っています。




☆登場人物の立場について

本作の登場人物は音楽に対して様々な姿勢を取っています。
この感想では、個別ルートの感想に行く前に、キャラクターの立場について、まとめてみようと思います。


主人公の対馬馨は「完璧に美しい音を作り出すこと」。花井是清もそうですね。

学校のテストとは違い、「完璧・100点」というものがない芸術の世界。
そんな世界で、完璧なものを作ろうとストイックに根を詰め、それが行き過ぎてしまった結果、花井是清は音楽に対してニヒリズムに陥ってしまい、最後には自殺してしまいます。
澄ルートの馨の行きつく先も、似たようなものでしょう。
もちろんストイックにやる事は本当に大切だと思いますが、僕にはちょっと真似ができないところです。

ちなみに、馨君は「音楽によって狂ったのではなく」、元々あぁなりやすい傾向があったことは、一番『平凡で、真っ当な』人生を歩みそうな尾崎弥子ルートからも読み取る事ができます。
弥子ルートは読後感の爽やかなハッピーエンドですが、将来医者の道に進んだ馨君が、何かの拍子にとある奇病・難病などに興味関心を強く持ち、新薬開発のために日夜研究に籠りきってしまわないことを祈ります。

話を戻しまして。
香坂めぐるは「とにかく、今、音楽をしている自分を楽しむこと」。
僕の、創作に対する考え方は馨に愛される前の花井三日月に一番近いのですが、
理想としては、めぐるのようになりたいです。


(「もし年取ってホームレスになったらどうするの?」と聞かれて)
『それでもきっと楽器さえ弾いていれば楽しいよー』
と笑顔で答えられたなら、創作において苦しむ事もないし、自殺をすることもないでしょう。





金田は「有名になって、金持ちになって、女を侍らせて」以下略。
ごめんなさい、こういう人は世の中には多いのでしょうが、僕にはよくわかりません。


花井三日月は、誰かに音楽を届ける事で「リアルでは愛してもらえない自分を、愛してもらうこと」。

リアル生活でうまく自分を表現しきれないからこそ、音楽という表現を通して自分を表現していく。
その先にあるのは「音楽を通して、愛を得ること」であり、
「自分と同じように、リアルでは愛してもらえない人を勇気づけること」でもあります。
そんな三日月に、香坂めぐるは言います。


『ずっちゃんは人に認めてほしいんだねぇ。自分のことをわかって欲しいんだねえ。でも、ステージにあがって脚光を浴びたって、演奏が喝采されたって、多分ずっちゃんが求めてるものは何も手に入らないかなぁ』


馨に愛してもらうことで、三日月は強くなります。
あれほど不安定だった三日月が、顔の皮膚を焼かれ、声が出なくなるという過酷な状況下でも、しっかりと立ち続ける事ができたのは馨からの愛を深く感じていたからでしょう。

『作者の手を離れれば、作品は読者のもの』という言葉がありますが、読者が自分勝手に作品を解釈し、(作者の狙いとは全く関係なく)理解したつもりになり、評価したり貶したりする以上、三日月の求めているものは結局、手に入らない。
だからこそ、音楽以外の部分で三日月は馨に愛された上で、音楽では『誰かに与える』ことを最優先に考える。『愛を得ること』にフォーカスせず、ただ与えること。それが、創作者としての三日月を強くし、成長させたのではないかと思います。

(馨からの愛を得て、そこで満足して創作意欲を枯らしてしまってもおかしくないのですが、
馨と結ばれてからも、以前のように精力的に音楽に取り組む三日月には、尊敬の念を覚えます。
恥ずかしながら、自分が幸せだった時期は、それだけで満たされてしまい、創作をサボってしまった私です)



一方で、尾崎弥子ルートでは「学生の楽しみとして、聞いてくれる人に喜んでもらう」という、
フリーマーケット的な、より気楽な草の根音楽家たちの活動を楽しむことができます。
これもまた、尊い創作活動だと思います。


☆尾崎弥子ルートの感想(評価はA。S~E評価で)

「キラ☆キラ」における石動千絵ルートに、該当するルート。
主人公がプロへの道を進まず、音楽を学園生時代の『楽しみ』として、卒業後は真っ当な生活へと回帰していくルートです。


個人的に、「キラ☆キラ」の千絵ルートは正直そんなに面白さを感じなかったんですが、
この弥子ルートは、とても楽しめ、『平凡な幸せ』も悪くないなと思いました。
弥子が、というか、定時制高校のみんなとの青春がとても良かったです。
定時制高校を描いた作品はほとんどプレイしたことがありませんし、僕自身も経験がないのですが、
これだけでゲームが1本作れるぐらい、魅力的なキャラクターがたくさんいて、楽しかったです。

水商売の豊崎さんや、弥子の親友の佐藤さん、引きこもり天才作曲家の胡桃ちゃんなどに囲まれて、
本当に良い学園生活でした。


☆香坂めぐるルートの感想(評価はB)

個人的には一番薄味に感じたルート。
現状は変わらなくても、心もち一つで『しんどくて先が見えないバンド生活』なのか、
『仲間たちと苦楽を共にする充実バンド生活』なのかが変わるということでしょうか。
基本的には道半ばというか、大したことは起こっていないし、何も解決していない気もします。

めぐるちゃんと、もっと恋愛っぽいエピソードがほしかったんですが、
まぁそういうゲームでもないし、そういうキャラでもないので仕方ないのかなぁ。


☆来島澄ルートの感想(評価はB+)

バンドを解散したあたりから、主人公が僕の共感を超えて、違う人種になってしまったので、
ある意味助かりました。
正直キラ☆キラのきらり1の方が読んでいてキツかったですね。


大きな減点ではないけれど地味にもやもやするのが、主人公が選択肢にあまり従わなかったり、
大事なところで選択肢が出ない事です。

共通ルートの話になりますが、「定時制高校を辞めて、バンド活動を始める」というのは、
当初『1年、と親からも期限を設けられ、高認試験も受ける。自習の時間を取る』という話だったはず。

だからこそ、僕は初回プレイで『(1年ぐらい)何かに賭ける人生があっても良い』という選択肢を選んだはずなのですが(これによって、弥子ルートには入れなくなります)、
馨君は1年経っても高認を受けた様子もなく、バンドをダラダラ続けていたりします。

高認試験を受けるという話だったので、これは『安全圏』からのバンド生活のはずで、
何も『人生をバンドに捧げろ』という選択肢ではなかったはずなんですが……。


澄ルートへの分岐点となるのも「三日月にソロ活動をさせないor三日月がソロ活動・バンドを両立させる」という選択肢だったはずで、これも別に三日月を追い出すという選択肢ではなかったはず……。
馨と三日月の間にすれ違いがありましたし、そもそも難題だったのでしょうが……この辺は、ゲーム上の不備なのか、馨君の発達障害的パーソナリティによるものなのかが微妙なところです。


更に言えば、その後、風雅が過労で倒れたところで馨はバンドを解散してしまいますが、その際も選択肢はありませんでした。
確かにバンド活動が停滞していたのは事実ですが、田崎さんも臨時で戻ってきてくれましたし、
金田はまぁいてもいなくてもそう変わらないはず。
集客・収入面ではむしろ楽になっていたところで、そこまで絶望する状況でもなかったように感じます。

バンドリーダーという重責に耐えかねてやめてしまったように見えましたが、
それならば風雅やめぐるにも役割・責任を割り振るとか、あるいは休むにしても、風雅が戻ってくるまでいったんバンド休止という事で、リフレッシュすれば良かったのでは? と思ってしまいます。

もちろん馨君のメンタルが限界だった、という一言で済む話ではありますし、大変だとは思いますが、「0」か「1」かの極端な選択ばかりを馨君が取っているように見えて、共感が妨げられました。




「キラ☆キラ」もそうでしたが、本作でも『横の繋がり』の大事さが描かれていると思います。
いろいろなバンドとの人間関係があって、お互い持ちつ持たれつで、サポートメンバーとしてメンバーを借りたり、お返しに楽曲を提供したり。
そもそもデビューのきっかけ自体も、花井さんや八木原さんとの出会いで、その後のプテラノドンとの繋がりや、花鳥風月からめぐるさんが来ていたり。
だから、一人で家でしこしこ作曲しててとうとう気が狂ってしまう澄ルートが、あぁなるのは必然の結末だと思いました。



澄ルートに関して言えば、他ルートではHの際にコンドームを使っていますが、澄ルートでは使っていません。この辺りも、馨君の自棄っぱち感の現れだとは思います。
初Hの時ならともかく、妊娠までに3年の同棲をしているので、その後もずっと自棄になっていたという事になります。
しかしこうなると、金田の言うように「一緒にいて癒されて、何が悪いの?」というふうに僕は思ってしまいます。

もちろん、それだけでは満たされない心の渇きがあるのは理解できますし、そういう時に人間は外で不倫をしたり、ギャンブルをしたり、酒を飲んだりしてしまうのでしょうが、何もあそこまで自棄にならなくてもいいのに、と思いました。

どうせならいっそ、澄にDVをはたらいたり、レイプまがいのHシーンなどもあってよかった気がします。それならば、より馨君のクズっぷりが強調されますし、事実それをしてもおかしくない精神状態だった気もします。
澄のリスカの痕が増えてるとか、いくらでも『鬱』要素をぶち込むことはできたはずですが、そこまでは描かれないのも、徹底されていないように感じてしまいました
(まぁ、そこまで描かれたら、読んでてしんどかったと思いますが)


☆花井三日月ルートの感想(評価はA)

弥子ルートは独立した一篇として、バンドルート(めぐる・澄・三日月)の中では総集編的なルート。

酸を浴びせられてからの三日月の復活や、兄の花井を超えていくところ。
そして何より、バンドメンバー同士の絆を強く感じるルートでした。
また、三日月と馨の関係性も実に良かったです。
最後、結婚しなかったのは(理由はちょっとよくわからなかったものの)これはこれで良かったという気もしました。
これからも公私ともにパートナーとして、仲間として絆を深め合ってくれることと思います。
バンドメンバーの中では、風雅や金田の存在も光りましたが、
めぐるちゃんの存在感が少し薄めなのが気になるところでした。

また、どうせなら復活ライブに田崎さんや、
(これをやるとわざとらしすぎるかもだけど)定時制時代の仲間も観客席にちらっと映してくれたりしたら最高だったかも。
定時制時代の仲間は求めすぎかもしれませんが、
メフィスト君や、水野さんは復活ライブに来てくれなかったんでしょうか?


それとは別に、特にこのルートでは演出の弱さが気になりました。
三日月が泣きながら歌って、伝説になったテレビ番組でのライブとか、
「アニメとタイアップしたバンドのPV」とか、そういったものを
もっとムービーなどを使って見せてほしかったです。


☆総評

ゲーム全体を通して、「バンド・音楽」と共にある「人生」を描いた作品だなと感じました。
弥子ルートは、定時制の仲間たちとの青春を描いた非常に清々しいものになっていましたが、
弥子以外のルートでは作品期間が数年にも及び、金田が子供を作り、
馨君と三日月も25ぐらいになるまでを描いていますよね。

澄ルートではおかしくなっちゃいますし、めぐるルートはあまりハッピーエンドには見えないけど、
三日月ルートと、弥子ルートで幸せな気持ちになれました。

三日月ルートでは、馨君の人生がこれからも輝いていく事を
弥子ルートでは、本当に素敵な同級生たちと、卒業しても疎遠にならずに交流してくれることを祈りながら、この感想を書いています。

良い作品を、ありがとうございました!

euro2020 予選まとめ&軽い展望

全試合を観ているわけではないので、露骨にチームごとに書く分量が違います。ご了承ください。


☆グループA

フォルツァ・イタリア。
イタリアの快進撃が止まらない。
タレント的には小粒でありながら、ジョルジーニョ、ロカテッリ、バレッラ、ヴェッラッティは『黄金の中盤』だ。
彼らを中心に繰り出すマンチーニ・イタリアは娯楽性も高く、メジャートーナメントで初めてイタリアを応援する気持ちになっている。
崩しの切り札インシーニエ、フィニッシャーのインモービレも好調だ。

驚きだったのはウェールズだろうか。
確かに彼らが5年前に成し遂げたことを考えれば、驚くにはあたらない。
だが、主軸だったジョー・アレン、ラムジー、ベイルが下降線に入り、前回ベスト4の実績からマークもされるだろうと踏んでいた。
実際アレンの支配力は衰えているものの、新鋭ダニエル・ジェームズも加わり、今大会も良いチームを作り上げている。

毎大会ベスト16に進出してくるスイスは、今大会もベスト16へ。
主軸のシャキリがトルコ戦で2ゴールを決め、復調の兆しは見えるが、サイクルの終焉が近づいている。
両サイドバックのオーバーラップに迫力がなく、シャキリにもトルコ戦以外では元気がなく、
FWは相変わらず決定力不足だ。

トルコは良いところなく大会を去った。予選での失点3、とは何だったのだろうか。


☆グループB

ドラマの主役はデンマークだ。
エリクセンの悲劇に見舞われ、初戦・第2戦と内容では相手を圧倒するも2連敗を喫してしまう。
しかし最終ロシア戦では遂に果実を結び、内容通りの4-1。
ダニッシュ・ダイナマイトの爆発力を世界に見せつけた。

もちろん、首位で3連勝を飾ったベルギーは、デ・ブルイネ、エデン・アザールにヴィツェルといった主軸が少しずつコンディションを上げる盤石の仕上がりでベスト16へ。

フィンランド、ロシアは正直あまり見るべきところはなかった。


☆グループC

開幕から怒涛の3連勝を飾ったオランダは、久しぶりに華麗なアタッキング・フットボールが復活。
中でもリバプールではどちらかというと黒子に徹しているヴァイナルダムが、オランダでは活き活きと中盤からフィニッシュにも絡み、縦横無尽に動いている。

そのオランダに大熱戦を演じたウクライナは、ヤルモレンコ―ヤレムチュクのホットラインが出来ており期待していたが、最終戦のオーストリア戦では良いところなく敗れてしまった。
徐々にパフォーマンスが下がっているのは気になるポイントだ。

2位突破を決めたのはオーストリア。あまり見てはいないのだが、ウクライナ戦の勢いは凄かった。

北マケドニアは、メジャー大会で得点を決めるパンデフと、好守を見せたディミトリエフスキが印象に残った。


☆グループD

首位突破のイングランドだが、相変わらずピリっとしない戦いぶりでファンを落胆させている。
フォデン、マウント、ラッシュフォード、べリンガムなど、若い才能をこれほど抱えておきながら、
チームとして体をなしていないのは、『いつもの』イングランドである。

2位突破のクロアチアは確実にサイクルが終わった。
マンジュキッチ、ラキティッチがチームを去ったクロアチアは、未だに35歳のモドリッチが大黒柱だ。

大会前完全にノーマークだったところから飛び出してきたのがチェコ。
特に初戦、パトリック・シックのスーパーゴールがチームを勢いづけた。

スコットランドもまた、激しいプレスと気迫、ロバートソンからのロングクロスは相手チームに脅威を与えた。


☆グループE

良いところがほぼないスペインをかわして、首位通過を決めたのがスウェーデン。
相変わらず堅陣を基盤にした「固い」サッカーだが、前線のイサク、2列目のフォシュベリに、コロナから回復のクルセフスキと、アクセントをつけられる選手は出てきた。

スペインは、大会前の選手選考時点でルイス・エンリケ監督は自らの首を絞めている。
本来26人選べるところを24人しか選ばないとは、どういった了見だろうか。
更に、ピッチ上でのサッカーではあの通りである。
スロバキアのように、自らのゴールに叩き込んでくれる相手GKがいればいいが、そうでないなら、
どうやって点を取るのか。未だに形は見えていない。

スロバキア、ポーランドにはいいところがほぼなかった。


☆グループF

死のグループと呼ばれていたグループFは、蓋を開けても死のグループだった。

優勝候補筆頭のフランスは、ガッチリ守ってエムバペの快速に頼るサッカーだが、それでも何とかできてしまうだけの破壊力がフランスにはある。

2位通過のドイツは、ポルトガル戦こそ会心の勝利を見せたが、それ以外の試合では不安が募るサッカーだった。ポルトガル戦で猛威を振るったキンミッヒ―ゴゼンスのワイドアタックがどこまで通じるか。

3位通過のポルトガルは、ドイツ戦に続いてフランス戦でもサイドバックの守備に欠陥があることを露呈した。また、タレントが揃う割に前線の連携は成熟していない。
トーナメント1回戦の相手はベルギー。
カラスコに突破されるネウソン・セメドの姿が、今から想像できてしまうが……



☆イタリアvsオーストリア

当然のことながらイタリアが優勢である。

とはいえ、予選リーグであまりにもうまくいきすぎたチームが、いきなりトーナメント1回戦で足元を救われる事も、ままあることだ。
思い出すのはeuro2008のオランダか。イタリア、フランス相手に大勝を飾ったにも関わらず、いきなりロシアに完敗してしまった。
大事なのはまず、試合の入り。実力をきちんと出せれば、イタリアが勝つだろう。
ウクライナ戦で、序盤から猛ラッシュをかけたオーストリアを考えても、試合序盤15分で「相手の勢いに呑まれないこと」が大事だ。


☆デンマークvsウェールズ

それぞれドラマを感じさせる両チームで、個人的にはどちらも好きなチームだ。
勢いを考えればデンマークに分があるが、ベイル、ラムジーの一発を持つウェールズも侮れない。
カード的にはビッグカードとは言えないかもしれないが、娯楽性の高い試合になりそうだ。


☆オランダvsチェコ

このカードもイタリアvsオーストリアと同じことが言える。
チームの完成度も勢いもオランダにあるが、油断しやすいのもオランダである。


☆ベルギーvsポルトガル

大会前は、優勝候補2番手のポルトガル、3番手のベルギーだと予想していたが、
予選リーグの戦いぶりを見ると、ポルトガルを過大評価していたと感じている。
特にポルトガルは右SBセメドが、対面のゴゼンス、エムバペにぶち破られ続けた。
ベルギーも3バックシステムであり、セメドの対面はカラスコだ。

もちろん、クリスチアーノ・ロナウドの一発はある。
更にベルギーはセンターバックの守備が今一つでもあり、付け入るスキはないわけではない。
ポルトガルが勝つなら、しっかり守った上でのロースコアでの展開になりそうだ。


☆フランスvsスイス

ここはフランスで固いだろう。スイスについては上記で触れた。


☆クロアチアvsスペイン

どちらも中盤を最大の武器とする両チームではあるが、どちらも期待外れの戦いぶりを見せている。
固い試合になりそうだが、ここはモドリッチ、もしくはペリシッチの一発でクロアチアが勝利するような、そんな気がしている。


☆スウェーデンvsウクライナ

個人的にはウクライナを応援するが、スウェーデンの堅陣は崩せないのではないか。
この一戦は、チームスタイルの相似も含めて、
2018スウェーデンvsスイス(1-0)の一戦を連想させる。


☆イングランドvsドイツ

個人的にはドイツを応援する。相性ではドイツだが、タレント力ではイングランド。
ロースコアならイングランドに分があり、打ち合いではドイツに分がありそうだ。
イングランドの4バックシステムで、ドイツのワイドアタックを封じられるかにも注目だ。

euro2020 グループE スウェーデンvsポーランド

スウェーデン 3-2 ポーランド
МОМ FW レバンドフスキ(ポーランド)
試合内容 B-

スウェーデン           ポーランド
GK オルセン 7         シュチェスニー 5・5
DF リンデロフ 5・5        ベレシンスキ 5・5
  ダニエルソン 5       グリク 5
  ルスティグ 6        ベドナレク 5
  アウグスティンソン 5  МF ヨズヴィアク 4・5
МF エクダル 5・5        プハチ 4
  オルソン 5        クリホビアク 4・5
  ラーション 5       クリヒ 4・5
  フォシュベリ 6・5    シフィデルスキ 4・5
FW クアイソン 5・5    МF ジェリンスキ 6 
   イサク 6       FW レバンドフスキ 8・5

監督 ヤンネ・アンデション 6   パウロ・ソウザ 5

交代(ス)クアイソン→クルセフスキ 7
     ルスティグ→クラフト 5
     イサク→ベリ 4・5
     フォシュベリ→クラーソン 5・5

  (ポ)プハチ→フランコフスキ 5・5
     ヨズヴィアク→シヴィエルチェク ?
     クリヒ→コズラウスキ ?
     クリホビアク→プワヘタ ?

既に突破を決めているスウェーデンと勝利が必要なポーランドの一戦は、
前半2分にフォシュベリのゴールで幸先よく、スウェーデンが先制した。
しかしその後は、このカードらしく退屈な試合展開に。

スウェーデンは非常に硬い守備ブロックを基盤に、前線のイサクとフォシュベリがアクセントをつける。
2018の時に比べればイサクが入った分、『ガチムチロングボールサッカー』は減って魅力が少しだけ上がったけど、元々『硬く』守ってワンチャンスに賭ける、硬いチーム。

一方のポーランドはもはやレバンドフスキ、以上に言う事のない、戦術的完成度の低いチームで、見るべきところが少ない。

後半、途中出場のクルセフスキの独走ドリブルから、フォシュベリが今日2ゴールめを決めて2-0。
直後にレバンドフスキが技ありゴールを決めて、試合が動き始める。
更にレバンドフスキが見事なトラップから、またもゴールで同点に。
予選突破まであと1ゴールと迫り、更に勢いが出るポーランド。何とか勢いよくスウェーデンゴールに迫るが、再びクルセフスキの見事なアシストから今度はクラーソンがゴール。
3-2でスウェーデンがポーランドに勝利した。

コロナで出遅れていたクルセフスキが今後絡んでいく事によって、
スウェーデンは更なる攻撃力アップも見込める。

ポーランドのレバンドフスキはフィニッシュだけでなくチャンスメイクまで一手に引き受けており、彼をサポートする選手がいれば、と思わされた。




夏目漱石「三四郎」再読

実は、「吾輩は猫である」と並んでピンとこない作品である。
「こころ」、「それから」が大好きで、「坊ちゃん」も好きなのだが。

今回、そんな「三四郎」を再読してみた。

・田舎からやってきた三四郎、上京中に女に誘われるも純情すぎて手を出さない。
それを女にからかわれてしまう。(俗世)

・電車で広田先生と出会う。

・その後、東京にやってきた三四郎は、穴倉科学者野々宮先生に出会う(学問の世界) 

・池で、美禰子を見つける

・初授業、不真面目な学生、与次郎と出会う

・野々宮の妹、よし子に会う。よし子を訪ねて来た美禰子と出会う。

・広田先生と再会する。

☆3つの世界 
明治14年以前の田舎の世界(熊本の母・三輪田のおみつさん)
学問の世界(野々宮・広田先生)
恋愛の世界(美禰子)

・与次郎の引っ越し手伝いで美禰子と出会い、仲良くなる
 その場で、皆で菊人形を見に行く約束をする

・菊人形を見に行く集まりで、三四郎と美禰子は二人きりになる(美禰子は、恋人である野々宮への当てつけのために、三四郎を利用しているように見える)

・与次郎の代わりに、美禰子に金を借りに行く
その後、美術館デート。野々宮さんと出会うと、美禰子は三四郎に何かを囁く(これも、美禰子が野々宮を嫉妬させようとしている行動。このお金が、三四郎と美禰子を結びつけた、ように思われた)

・美禰子は画家の原口に絵を描いてもらう

・与次郎の行動がバレ、広田先生が新聞で叩かれる

・三四郎がインフルエンザで寝込んでいる間に、美禰子が結婚する



こんな感じの青春小説(?)なんだけど、小説の半分が、漱石先生のウンチク話になっていて、
そこを楽しめる人には楽しいかもしれない。
僕は正直楽しめなかった。
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