試合内容は 80点

    ドイツ    4-1             イングランド

MVP OH メスト・エジル(80)(ドイツ)

GK マヌエル・ノイアー(75)         デイビッド・ジェームズ(65)
DF フィリップ・ラーム(60)            ジョン・テリー(35)
   アルネ・フリードリヒ(65)          マシュー・アップソン(55)
   ペア・メルテザッカー(55)          アシュリー・コール(50)
   イェロメ・ボアテンク(60)           グレン・ジョンソン(40)
MF サミ・ケディラ(60)           スティーブン・ジェラード(60)
   バスティアン・シュバインシュタイガー(65) ガレス・バリー(45)
   トマス・ミュラー(80)             フランク・ランパード(70)
   メスト・エジル(80)            ジェームズ・ミルナー(55)
   ルーカス・ポドルスキ(65)       FW ウェイン・ルーニー(55)
 FW ミロスラフ・クローゼ(80)      ジャーメイン・デフォー(60)



予想通り、開始から積極的にプレイしたドイツ。しかし、序盤はイングランドも巧く対応し、25分までは眠気を催すような膠着状態が続く。
25分、一瞬の隙を突いたドイツの先制ゴール。ノイアーの超がつくほどのロングパスを、クローゼが強靭なフィジカルでDFをものともせずにゲット。バイエルンでのプレイから衰えを囁かれるクローゼだが、このゴールを見ればいまだに彼は世界トップクラスのストライカーだと思わせる、そんなゴールだった。更にドイツは畳み掛ける。エジルから、サイドに開いたクローゼへパスが通ると、クローゼがダイレクト、アウトサイドでDFラインの裏にパスを通す。この、テクニカルなプレイに反応したのがミュラー。シュートを撃つかと思いきや、見事な判断でポドルスキにパス。後は決めるだけのゴールを決めて、ドイツが2点差。
サッカーの質でも圧倒していたドイツ。これで楽勝かと思いきや、油断があったのかなかったのか。ロングパスをアップソンがヘディング一発、イングランドが一点差に。すると、今大会初めて、イングランドの攻撃に迫力が出る。更に更に、ランパードの強烈ミドルがバーを叩き、ゴールイン。
しかし、ラリオンダ主審は寝ぼけてでもいたのか、世紀のジャッジミス。
ゴールは認められず、ドイツは安堵、イングランドは呆然とする。それでも前半はイングランド優勢だった。

後半、イングランドは再びペースを落とした。まるで同点ででもあるかのように。事実、じっくり一点を返そうという判断だったのだろう。だが、それでもドイツの攻撃は防げない。鮮やかなカウンターだった。シュバインシュタイガーが持ち込み、ミュラーへ。ミュラーが落ち着いて決め、再び2点差。
直後、エジルがバリーをぶち破り、丁寧なクロスを入れると、再びミュラーが押し込み、3点差。これで勝負は決まった。

ミュラーのシーン、エジルのシーンは、それぞれジョンソンとバリーが応対していた。このシーンで、彼らはファウルを選ぶこともできたが、それをしなかったのは、彼らのフェアプレイ精神の表れだと感じた。南米のチームのように、あそこはファウルで潰すのが勝つためには正しい選択だったかもしれないが、僕はイングランドのフェアプレイ精神を支持したいと思う。


↓試合前に書いた予想


【適当能力査定】

ドイツ代表 攻撃 A 守備 B スペクタクル A+

注目選手 OH メスト・エジル(平均得点68.3/3試合)
       SB フィリップ・ラーム(71.6/3)
       DH サミ・ケディラ(60/3)
       SH ルーカス・ポドルスキ(61.6/3)

イングランド代表 攻撃 B- 守備 A- スペクタクル C-

注目選手  SH スティーブン・ジェラード(55/3)
        CF ウェイン・ルーニー(58.3/3)
        CB ジョン・テリー(46.6/3)

バラック、トレーシュ、アドラー、ロルフェス、ベスターマン。大会前に負傷離脱した選手たちのリストは、ドイツがトップだろう。そして大会が始まってからも負傷者が続く。カカウはこの試合出られない。シュバインシュタイガーも微妙、エジルも負傷を抱えている。
それでも、ドイツは強い。オーストラリア戦で見せたパフォーマンスは今大会全試合、全チームを通して最高のものだった。ついにブレイクしたトップ下のエジルが攻撃の中心だが、ドイツのエンジンの火付け役はポドルスキだろう。積極的にミドルを放っていく彼の調子が良ければ、ドイツの攻撃は勢いを増す。

イングランドは、スイス・イタリアと並ぶカテナチオの使い手だ。あまりにも魅力のないサッカー、それでもしぶとく勝ち上がるのは名将カペッロのチームならではか。今大会、失点はわずかに1、それもGKグリーンのイージーミスからだったが、その数字ほどには守備も堅くない。テリー、キャラガーは裏をとられるシーンが目立ち、中盤もアルジェリアのテクニカルなボール回しに翻弄され続けていた。幸い、ドイツのクローゼは裏に抜け出すタイプのFWではないし、縦に速いドイツの攻めはイングランドが最も苦手としているポゼッションタイプの攻撃ではない。

試合はイングランドが受け、ドイツが攻める展開になるだろう。イングランドとしてはワンチャンスをFWが抜け出し、ゴールを決めたいところ。ドイツのDFもまた、あまりスピードがあるとは言えず、ルーニーやデフォーといった俊足FWが裏をつければ、チャンスは生れるはずだ。今大会、今ひとつ波に乗り切れないルーニーの一発が、そろそろ見たい。