スーパーダッシュ文庫、北側寒囲著、全7巻の「マブラヴ」読み終わりました。
評価はA-。


「マブラヴ」&「マブラヴオルタネイティヴ」の純粋なノベライズで、物語は全くといっていいほど改変されていません。

原作の「マブラヴ(以下、オルタも含めてこの呼称を使います)」は、私の「最も嫌い」なゲーム。なぜかと言いますと……エロゲー批評空間の私のページを読んでくださるとありがたいですが、箇条書きにまとめますとこんなです。

A:右翼チックで説教くさいのが嫌。

B:物語も長すぎるし、バトル描写も物語展開も単調。

C:グロいの嫌い。

D:成長物語なのに、成長しておらず、設定もかなり怪しい。

こんな感じ。

さて、今回のノベライズは、原作ゲームをおよそ「4分の1」に圧縮したものだそうです(あとがきより)。

バトル描写も、単調な撃ち合いから、小説らしい描写に変わったため、Bが大幅に改善されました。単調なラストの展開を、ノベライズ版では駆け足で済ませたのも良かったです。

グラフィックで見せられない分、Cも大幅に改善されました。

Aもボリュームの問題で説教くさいシーンの分量が減っているので、言っていることは同じですがやや改善されました。

Dは変わりようがありません。



というわけで、ゲーム版に比べると随分不満の少ない仕上がりになりました。

・ゲームは長すぎてプレイする気になれないけど、「マブラヴ」が気になる人

・18歳未満だけど「マブラヴ」に興味がある人

・「マブラヴ」のファンで、もう一度あの感動(感動してない僕が言うのもあれなんですけど)を味わいたい人


は読んでみてもいいんじゃないでしょうか。

誤字が多いのは気になりますが、ノベライズとして、非常に良い仕事をしたと思います。