評価はB+。


明治6~10年という時代、政変~西南戦争という、明治草創期を舞台に新旧捕り方の対決が繰り広げられる。
と書くと、いかにも滑稽本であり、事実笑えるシーンは多数あるのだが、後半になると廃刀令に始まり、萩の乱・神風連の乱といった不穏な空気が流れ、重苦しいシーンも増えてくる。
江戸時代という時代が素晴らしい時代だったかどうかはわからないが、一つの時代の終わりが如実に描かれ、物悲しい雰囲気が漂っているのだ。


幕末の頃、佐幕派として後の世を不遇に過ごしたもの。
維新の志士として幕府を倒しておきながら、意見の違いから袂を分かち、かつての仲間に討たれるもの。
策謀を繰り広げ、勝ち馬に乗り続けるも、暗殺者によって命を奪われるもの。


この時代の日本史に疎い(世界史選択だったためもある)人間ではあるが、この作品を読むにつれて、
(インターネットレベルとはいえ)知識欲にかられ、いろいろと調べることになった。
そして、山田風太郎氏の時代考証の確かさに驚嘆させられた。

そういう意味でこの小説は、僕にとって高校以来の日本史の参考書として楽しませていただいた。

無論、明治時代人オールスターということで、歴史に詳しい人は更に更にニヤリとさせられるはずである。


一番気に入ったのは、気球で飛行するシーン。それだけにいかにも唐突なあのラストが残念でならない。