著者はリチャード・アダムス。評価はA+。
混沌、という言葉が思い浮かぶ。
これは純愛小説なのか、それとも心理ホラー小説なのか。
読み終わった今は、ただひたすら哀しい。
仕事一途のモテない青年が、絶世の美女に恋をしてしまう。
しかも相思相愛。
この時点で、嫌な予感はしたんだ。
その予感は、全然的外れだったといえばそうだし、当たっていたといえば当たっていた。
美女は、過去に暗い闇を抱えていた。
これがハッピーエンドのストーリーなら、主人公が美女の心を救ってエンディング。
テレビゲーム(ギャルゲー)で非常によく見る、典型的な展開だ。
でも、そうはならなかった。
彼女の闇が、彼女を、そして主人公をもとりこみ、食らい尽くした。
このホラー描写には本当に驚いた。ホラー小説といっても通用する怖さだ。
そして全てが終わった今、彼女は喪われた。
主人公は生きている限り、彼女を想い続ける。
寄せては返す波のように、いつまでも、いつまでも。
「ウォーターシップダウンのうさぎたち」で名を馳せた筆者だけれど、日本では「うさぎ」だけが有名なような気がする。しかしこの「ブランコの少女」も、ジャンルこそ違えど、「うさぎ」に匹敵する名作ではないだろうか。
圧倒的な描写力は、「うさぎ」では自然描写に用いられたが、今作ではミステリアスなヒロイン、カリンの造形に活かされた。不必要な説明はせず、ただ読者に感じとらせる。
そのバランスも絶妙だった。
混沌、という言葉が思い浮かぶ。
これは純愛小説なのか、それとも心理ホラー小説なのか。
読み終わった今は、ただひたすら哀しい。
仕事一途のモテない青年が、絶世の美女に恋をしてしまう。
しかも相思相愛。
この時点で、嫌な予感はしたんだ。
その予感は、全然的外れだったといえばそうだし、当たっていたといえば当たっていた。
美女は、過去に暗い闇を抱えていた。
これがハッピーエンドのストーリーなら、主人公が美女の心を救ってエンディング。
テレビゲーム(ギャルゲー)で非常によく見る、典型的な展開だ。
でも、そうはならなかった。
彼女の闇が、彼女を、そして主人公をもとりこみ、食らい尽くした。
このホラー描写には本当に驚いた。ホラー小説といっても通用する怖さだ。
そして全てが終わった今、彼女は喪われた。
主人公は生きている限り、彼女を想い続ける。
寄せては返す波のように、いつまでも、いつまでも。
「ウォーターシップダウンのうさぎたち」で名を馳せた筆者だけれど、日本では「うさぎ」だけが有名なような気がする。しかしこの「ブランコの少女」も、ジャンルこそ違えど、「うさぎ」に匹敵する名作ではないだろうか。
圧倒的な描写力は、「うさぎ」では自然描写に用いられたが、今作ではミステリアスなヒロイン、カリンの造形に活かされた。不必要な説明はせず、ただ読者に感じとらせる。
そのバランスも絶妙だった。