ESにつける予定の点数 82 (47位/140ゲームくらい?)
このゲームの登場人物は、『天才(きらり・殿谷)』と『凡人(それ以外)』に大きく分けられる。
残念ながら、凡人はいくら逆立ちしても天才には敵わない。
凡人である鹿乃助(や千絵姉)は、殿谷やきらりといった天才の恩恵に預かって、生活を壊さない範囲で
『キラキラした世界』を垣間見ることができるにすぎない。
そして、人は生まれ持った環境や性格、中学~高校くらいまでの育ち方によって、その後の生き方がほぼ決定され、その生き方を変えることはまずできない。
そんな諦観が、シナリオの根底に流れているのを、ひしひしと感じることができた。
それを最も衝撃的な形で表現しているのが、きらりパパである。
ところで、ゲームを通して、生き方を変えられるのは唯一、主人公の鹿乃介だけである。
(厳密に言えば、樫原のお祖父ちゃんもかもしれない)。
鹿乃助は、立場的に非常に傍にいる人の影響を受けやすい。
千絵姉なら普通のサラリーマン。紗理奈なら樫原グループ入り。
きらりバッドでは村上の影響で、バンド活動となる。
主人公の『鹿乃助』は本質的に、非パンクである。
ヒロイン候補の『千絵』も完全に非パンクで、この二人は住んでいる世界が同じである。
ちなみに、パンクを代表しているとも思えるし、単なる非常識娘にも思えるのが翠の存在だが、
残念ながら非常に浮きまくっている。
そのせいもあって、彼女のシナリオが個人的には一番出来が悪いように感じる。
そもそも、このシナリオはハッピーエンドではない。
何故なら、『理解しても、うまくいかないことはある』とか、『他人への依存から生まれる幸せは儚い』という、千絵姉の発言自体が、この先の不安を暗示している。
この先、様々な難関・懸念材料が二人に襲い掛かってくることは容易に想像がつくけれど、
それに対する解決策は、『ロックンロール!』の掛け声と、円陣を組む二人の団結力だけである。
懸念が、『外敵』によるものならば、これはこれで(「俺たちの戦いはこれからだ」的ではあるにせよ)良い終わり方だと思うが、このシナリオで呈示された『懸念』は前述したように、『内部崩壊』である。
言ってはなんだが、鹿乃助が将来浮気をする可能性は現に残されているように思う。
このシナリオでは、鹿之助は大学に進学し就職を考えているようで、ごく普通のサラリーマンとして
一生を送ることになりそうである。
『パンク度』が最も少ないシナリオとも言える。
お嬢様である『紗里奈』とは住む世界は違う。
だが、このシナリオで描かれる鹿乃助の行動も、実に常識的である。
青春を迸らせるような、駆け落ちだとかそういった行動には走らず、
頑固な祖父をひたすら説得するという、良識に溢れる行動を鹿乃助と紗理奈はとっていく。
紗理奈のためにわざわざ遠方から駆けつけたりと、ある程度の冒険は表現されるので
パンク度がまったくないわけではないが、本質的には『正攻法で、樫原一家の絆を見直す』物語であり、
主人公の生き方は(違う意味でシンデレラストーリーではあるものの)パンクとは言いがたい。
このシナリオは、樫原家の人々がそれぞれ魅力的で、そこそこ楽しめた。
主人公の将来は、このまま順調に紗理奈とゴールインできれば、樫原グループの重役のどこかにもぐりこめそうで、紗理奈とは休みの日に楽器のセッションをするくらいだろう。
末は、雄司おじさんのような感じの大人になるのではないかなぁ、などと想像している。
千絵、紗理奈両ルートでの鹿乃助は、学生時代の無茶(一瞬垣間見た、キラキラした世界)を大切な思い出として、これからの人生を生きていくのだろうと思う。
(音楽に限定せず、運動部なども含めれば、これは割と多くの方が選んできた生き方ではないかと思う)
さて、そんな2シナリオと明らかに様相が異なるのが、メインのきらりルート(特に、きらりバッド)である。
きらりバッドルートでは、鹿乃助は『真っ当な(非パンクな)生き方』を選ばず、
フリーターをしながら音楽を続けるというパンクな生き方を選択することになる。
このシナリオにおいて、鹿乃助は『きらりがいたバンド時代。キラキラした世界』を引きずり続けているように見える。
5年をかけて、とうとうきらりの幻影を見事に吹っ切る鹿乃助ではあったが、パンクの生き方が染み付いてしまった彼は、もはや非パンクの世界に戻ることはできない。
もちろん、バンドマンとしてこの後成功を収めていく可能性もないとは言わないが、
『キラ☆キラ』というゲームに流れているリアリズムと諦観からすれば、可能性は低いと言わざるを得ない。
きらりや殿谷のような天才ならば、パンクな世界で生きていくこともできるが、鹿乃助や村上のような凡人には、
なかなか難しいのである。
(逆に言えば、きらりやアキが非パンクな世界で生きていくのは難しい。殿谷は大丈夫そうな気がする)
きらりグッドエンドについては、語れる内容は少ない。
自らは『非パンク』な生き方をしつつ、パンクで天才なきらりの彼氏として、
その恩恵に預かることができる鹿乃助のその後の人生は、割と楽しそうであるし、破滅的な感じもしない。
このシナリオは、きらりパパを見殺しにするシーンや、その後、闇を抱えながらきらりと接していく描写、
ハッピーエンドと、非常に読んでいて面白い内容になっていると思うが、
作品テーマからすると、紗理奈シナリオとあまり違わないように思う。
つまり、『凡人』の鹿乃助が、『少々の無茶をして』、『本来は住む世界が違う人とゴールインし、その恩恵を受けて、楽しく生きる』という流れである。
個人的に、2章のバンド旅行について、イマイチ青春っぽさを感じなかったのだが、
きらりバッドを見た後で思い返してみると、あの旅行は『キラキラ』していたのだなぁと思う。
まるで、(実際にやっている最中以上に、振り返った時に輝きが増す)、本当の『青春』のような感慨を持てた。
このゲームの登場人物は、『天才(きらり・殿谷)』と『凡人(それ以外)』に大きく分けられる。
残念ながら、凡人はいくら逆立ちしても天才には敵わない。
凡人である鹿乃助(や千絵姉)は、殿谷やきらりといった天才の恩恵に預かって、生活を壊さない範囲で
『キラキラした世界』を垣間見ることができるにすぎない。
そして、人は生まれ持った環境や性格、中学~高校くらいまでの育ち方によって、その後の生き方がほぼ決定され、その生き方を変えることはまずできない。
そんな諦観が、シナリオの根底に流れているのを、ひしひしと感じることができた。
それを最も衝撃的な形で表現しているのが、きらりパパである。
ところで、ゲームを通して、生き方を変えられるのは唯一、主人公の鹿乃介だけである。
(厳密に言えば、樫原のお祖父ちゃんもかもしれない)。
鹿乃助は、立場的に非常に傍にいる人の影響を受けやすい。
千絵姉なら普通のサラリーマン。紗理奈なら樫原グループ入り。
きらりバッドでは村上の影響で、バンド活動となる。
主人公の『鹿乃助』は本質的に、非パンクである。
ヒロイン候補の『千絵』も完全に非パンクで、この二人は住んでいる世界が同じである。
ちなみに、パンクを代表しているとも思えるし、単なる非常識娘にも思えるのが翠の存在だが、
残念ながら非常に浮きまくっている。
そのせいもあって、彼女のシナリオが個人的には一番出来が悪いように感じる。
そもそも、このシナリオはハッピーエンドではない。
何故なら、『理解しても、うまくいかないことはある』とか、『他人への依存から生まれる幸せは儚い』という、千絵姉の発言自体が、この先の不安を暗示している。
この先、様々な難関・懸念材料が二人に襲い掛かってくることは容易に想像がつくけれど、
それに対する解決策は、『ロックンロール!』の掛け声と、円陣を組む二人の団結力だけである。
懸念が、『外敵』によるものならば、これはこれで(「俺たちの戦いはこれからだ」的ではあるにせよ)良い終わり方だと思うが、このシナリオで呈示された『懸念』は前述したように、『内部崩壊』である。
言ってはなんだが、鹿乃助が将来浮気をする可能性は現に残されているように思う。
このシナリオでは、鹿之助は大学に進学し就職を考えているようで、ごく普通のサラリーマンとして
一生を送ることになりそうである。
『パンク度』が最も少ないシナリオとも言える。
お嬢様である『紗里奈』とは住む世界は違う。
だが、このシナリオで描かれる鹿乃助の行動も、実に常識的である。
青春を迸らせるような、駆け落ちだとかそういった行動には走らず、
頑固な祖父をひたすら説得するという、良識に溢れる行動を鹿乃助と紗理奈はとっていく。
紗理奈のためにわざわざ遠方から駆けつけたりと、ある程度の冒険は表現されるので
パンク度がまったくないわけではないが、本質的には『正攻法で、樫原一家の絆を見直す』物語であり、
主人公の生き方は(違う意味でシンデレラストーリーではあるものの)パンクとは言いがたい。
このシナリオは、樫原家の人々がそれぞれ魅力的で、そこそこ楽しめた。
主人公の将来は、このまま順調に紗理奈とゴールインできれば、樫原グループの重役のどこかにもぐりこめそうで、紗理奈とは休みの日に楽器のセッションをするくらいだろう。
末は、雄司おじさんのような感じの大人になるのではないかなぁ、などと想像している。
千絵、紗理奈両ルートでの鹿乃助は、学生時代の無茶(一瞬垣間見た、キラキラした世界)を大切な思い出として、これからの人生を生きていくのだろうと思う。
(音楽に限定せず、運動部なども含めれば、これは割と多くの方が選んできた生き方ではないかと思う)
さて、そんな2シナリオと明らかに様相が異なるのが、メインのきらりルート(特に、きらりバッド)である。
きらりバッドルートでは、鹿乃助は『真っ当な(非パンクな)生き方』を選ばず、
フリーターをしながら音楽を続けるというパンクな生き方を選択することになる。
このシナリオにおいて、鹿乃助は『きらりがいたバンド時代。キラキラした世界』を引きずり続けているように見える。
5年をかけて、とうとうきらりの幻影を見事に吹っ切る鹿乃助ではあったが、パンクの生き方が染み付いてしまった彼は、もはや非パンクの世界に戻ることはできない。
もちろん、バンドマンとしてこの後成功を収めていく可能性もないとは言わないが、
『キラ☆キラ』というゲームに流れているリアリズムと諦観からすれば、可能性は低いと言わざるを得ない。
きらりや殿谷のような天才ならば、パンクな世界で生きていくこともできるが、鹿乃助や村上のような凡人には、
なかなか難しいのである。
(逆に言えば、きらりやアキが非パンクな世界で生きていくのは難しい。殿谷は大丈夫そうな気がする)
きらりグッドエンドについては、語れる内容は少ない。
自らは『非パンク』な生き方をしつつ、パンクで天才なきらりの彼氏として、
その恩恵に預かることができる鹿乃助のその後の人生は、割と楽しそうであるし、破滅的な感じもしない。
このシナリオは、きらりパパを見殺しにするシーンや、その後、闇を抱えながらきらりと接していく描写、
ハッピーエンドと、非常に読んでいて面白い内容になっていると思うが、
作品テーマからすると、紗理奈シナリオとあまり違わないように思う。
つまり、『凡人』の鹿乃助が、『少々の無茶をして』、『本来は住む世界が違う人とゴールインし、その恩恵を受けて、楽しく生きる』という流れである。
個人的に、2章のバンド旅行について、イマイチ青春っぽさを感じなかったのだが、
きらりバッドを見た後で思い返してみると、あの旅行は『キラキラ』していたのだなぁと思う。
まるで、(実際にやっている最中以上に、振り返った時に輝きが増す)、本当の『青春』のような感慨を持てた。