欠場者(ド) SBスコドラン・ムスタフィ、DHサミ・ケディラ(負傷)
    (ア) SHアンヘル・ディマリア(負傷)


   ドイツ   1-0        アルゼンチン
 
主審  B
試合内容 A-
MOM CB イェロメ・ボアテンク(90)(ドイツ)


GK マヌエル・ノイアー(70)         セルヒオ・ロメロ(65)
CB  マッツ・フンメルス(60)         エセキエル・ガライ(55)
    イェロメ・ボアテンク(90)       マルティン・デミチェリス(60)
SB フィリップ・ラーム(70)         マルコス・ロホ(60)
   ベネディクト・ヘーベデス(50)      パブロ・サバレタ(70)
CH クリストフ・クラマー(50)           ハビエル・マスチェラーノ(50)
バスティアン・シュバインシュタイガー(75) ルーカス・ビグリア(55)
OH トニ・クロース(55)           エンソ・ぺレス(50)
SH  メスト・エジル(60)         FW リオネル・メッシ(70)
   トマス・ミュラー(65)            エセキエル・ラベッシ(55)
CF ミロスラフ・クローゼ(55)          ゴンサロ・イグアイン(65)


監督 ヨアヒム・レーブ A           アレハンドロ・サベージャ  A

【ド】
クリストフ・クラマー(50)→アンドレ・シュールレ(65)
ミロスラフ・クローゼ(55)→マリオ・ゲッツェ(65)
メスト・エジル(60)→ペア・メルテザッカー(?)

【ア】
エセキエル・ラベッシ(55)→セルヒオ・アグエロ(40)
ゴンサロ・イグアイン(65)→ロドリゴ・パラシオ(45)
エンソ・ぺレス(50)→フェルナンド・ガゴ(50)

【ドイツ】

今日のドイツはやや硬さが目立ち、不安定な立ち上がりだった。
中盤のクオリティは依然としてハイレベルだったが、最後の場面で攻めあぐねていた。
鋭いアルゼンチンのカウンターにも苦しめられたが、そのアルゼンチンにゴールを許さなかったのは
中盤のシュバインシュタイガー、最終ラインのボアテンク、そしてGKのノイアーの力が大きい。
攻守に大きく貢献したラームともども、納得のパフォーマンスだった。
特にボアテンクは安定感を欠いた相棒のフンメルスをカバーしつつ、メッシをほぼ完ぺきに封じ込め、
素晴らしいゴールカバーも見せた。

【アルゼンチン】

敗れてなお、大会を通して最良のパフォーマンスだった。
特にガライ、サバレタ、マスチェラーノを中心にした縦のブロックは堅守の一言。
その割に点数が辛いのは、ガライは一度あわやPKというファウルがあったこと、
マスチェラーノは二度、イエローもののファウルがあったことからの減点。
それだけ、ギリギリの守備だったことがうかがえる。
攻撃ではボアテンクに相当抑えられたとはいえ、やはりメッシの存在感は大きく、
特にパスでチャンスを作り出していた。
イグアイン、パラシオあたりが1点決めていれば、また流れは変わったかもしれない。


【ドイツ代表まとめ 6勝1分 18得点4失点 攻撃 S 守備 A- スペクタクル A】

注目選手 GK マヌエル・ノイアー 平均採点 70/6試合(アメリカ戦を除く)
       CB イェロメ・ボアテンク 63.3/6試合
       CB マッツ・フンメルス 64/5試合
       SB フィリップ・ラーム 65/6試合
       OH トニ・クロース 66.6/6試合
       SH トマス・ミュラー 67.5/6試合
       CH バスティアン・シュバインシュタイガー 66/5試合
       OH メスト・エジル 65.8/6試合
       DH サミ・ケディラ 62/5試合
       OH マリオ・ゲッツェ 63.75/4試合
       SH アンドレ・シュールレ 66/5試合

平均採点で60点を超える選手がズラリ。
ここまで万遍なく高得点を集めたチームはドイツ代表以外にない。
もちろんポルトガル戦の4-0やブラジル戦の7-1といった衝撃的な結果に採点が引っ張られているのは確かだが、チーム全体に穴がなく、非常に高品質な組織サッカーを見せてくれた。
「強いチームが勝つのではなく、勝ったチームが強い」という言葉もあるが、ドイツに関しては優勝しようが
準優勝に終わろうが、『最強』だった。

オランダ、アルゼンチンと中盤を省略するチーム、ブラジルのように作りたくても作れないチームが躍進し、
スペイン、イタリアといった中盤を大事にするチームが軒並み低迷した中で、
ドイツだけは本来のサッカーの良さを存分に出した形で優勝を遂げた。
ノイアー、フンメルス、ラーム、シュバインシュタイガー、クロース、ミュラー……
頼りになる選手がどのポジションにも顔を揃え、結果だけでなく内容でも他を圧倒した。


2年後のEuroに向けての不安は、頼りになる選手がクローゼしかいなかったFWだろう。
2年後は38歳……さすがに苦しい。
このポジションさえ埋まるなら、弱点らしい弱点はなくなるのだが……。


【アルゼンチン代表まとめ  5勝1 分1敗 8得点4失点 攻撃 B+ 守備 A+ スペクタクル B+】

注目選手 CF リオネル・メッシ 平均採点68.3/6試合(イラン戦を除く)
       SH アンヘル・ディマリア 62.5/4試合
       DH ハビエル・マスチェラーノ 59.1/6試合

今大会のアルゼンチンは完全に守備のチームだった。
大会前、守備陣にタレントを欠くと言われてきたチームは、それならばと守備に人数を割き、
攻撃は数少ない傑出したタレントの力だけで乗り切るという戦術を構築。
これはオランダと同じ流れだったが、オランダにはロッベンしかいなかった(ファンペルシーは輝けなかった)のに対し、アルゼンチンにはメッシ以外にもディマリア、イグアインといったサポーティングキャストがいたことは大きい。
中盤の底をきちんと締めたマスチェラーノ、堅実な両SBサバレタとロホ、中央を固めたガライなど、
組織としてしっかりと守ることが出来ていた。
7試合で4失点は賞賛に値する数字だ。

だが……一方の得点は7試合で8得点……トーナメントに入ってからは4試合で2得点では、優勝は難しい。
メッシは奮闘していたが、ディマリアの負傷、アグエロの大不振。
イグアインにしても怖さは見せたもののそこまでではなく……
中盤・最終ラインの攻撃参加が期待できない攻守分業型スタイルを敷いた手前仕方ないかもしれないが、
攻撃の迫力不足が最後まで足を引っ張った。