【前置き】
戦女神シリーズは初代戦女神は未プレイ、戦女神2から入ってZero、Veritaとプレイしています。
戦女神2では、やり込み要素の多さにハマリ、Zeroでは予想外のシナリオの良さ(というほどではないかもしれませんが、特に中盤までの陰鬱さはなかなかのものでした)に目をみはり、
Veritaでは圧倒的なまでのボリュームに、文字通りノックダウンされてしまったこのシリーズ。
その中で、初代戦女神だけは、古さと、セリカの一人旅であるという情報から今までプレイをせずにきました。
そんな初代戦女神が大幅リメイクということで、期待に胸を躍らせてプレイをしたわけですが……
うん、面白いです。カドラ廃抗を潜って戦闘をし、FF10のようなシステムで特技を覚え、カドラ廃坑を潜って戦闘をし、FF10のようなシステムで特技を覚え……
うん。確かに面白いんですが……やや味気なさを感じます。
そこで、なぜ味気なさを感じたのかを考えてみました。
補足:なぜイマイチと感じたかを延々書いておりますが、点数を見ていただければわかるように、決してつまらなかったわけではありません。
戦女神シリーズのファンの方に、とりあえず薦められる出来であることは保証いたします。
【なぜ味気なさを感じるのか ①ずっと同じダンジョンをひたすら潜る】
本作の世界はとても狭いです。ミルフェの街とその周辺のみ。
ダンジョンは幾つか用意されているのですが、仮に50時間プレイするとしたらそのうち45時間はカドラ廃坑(と、カドラ廃坑から向かうダンジョン)に潜っている計算になります。
広い世界を旅している感覚はもちろんないですし、ずっとジメジメしたダンジョンを走り回っている、そんな感じです。
戦女神シリーズをやっているというよりは、「トルネコの大冒険」とか「峰深き瀬にたゆたう唄」をプレイしている感じなんですが、
「たゆ唄」よりもなお、味気なさが強いのは何故なんでしょうか。
「ペルソナ3&4」は大好きなので、ずっと同じダンジョンという事だけが味気なさの原因ではないはずなのですが……。
エロゲでもないペルソナの話をして恐縮なのですが、ペルソナのプレイ体験を思い返すと、「学園生活を思う存分楽しんでいたなぁ」という印象が心に残っています。
翻って本作のプレイ体験を思い返すと、「ひたすらダンジョンに潜っていたなぁ」という印象なのです。
一つには街で起こるイベントがイマイチだったというのもあるでしょうし、その他様々な原因があるのでしょうが、自分の中ではまだよくわかっていません。
【なぜ味気なさを感じるのか ②特技の成長バランス&仲間の戦力バランスの悪さ ③やり込み要素の薄さ】
この2つは相互に関連があるので、まとめてみました。
戦女神シリーズは従来、「特技を使い続ける」事によって特技が成長するというシステムを踏襲してきました。
これは、「必要もないのに雑魚に向かってひたすらショボい技を発射し続ける」という不毛な特技上げに繋がる一方で、
「なかなか特技が上がらない」、「特技を上げるためには、上げたいキャラを使わなければいけない」という側面もありました。
これにより、一周目は足りない特技でなんとかやりくりしながらボスを倒し、二周目以降で特技上げに勤しむというやり方で、僕はプレイを楽しんでいた記憶があります。
本作では、「特技を使い続ける」システムではなく、機能開放というシステム。
要は戦闘でスキルポイントを溜めて、それを使って技を覚えるというシステムに変わっています。
このシステム自体は、僕は嫌いではありません。
しかし、本作ではこのシステムのおかげで、特技がサクサクと覚えられます。
何も考えずにフツーに敵を倒していけば、フツーにスキルポイントがもらえますし、そのスキルポイントで控えメンバーの特技を上げることもできます。
極端に言えば、戦闘ではずっと同じメンバーを出し続けても、控えメンバーは技を覚えてくれるのです。……それをやると、レベルの方はあまり上がりませんけどね。
というわけで、どういうことになったかといいますと、セリカ・シュリ・ロカ・ヴァレフォルの4人が終始スタメンを貼り続け、残りの1枠をカウラ・ルーあたりが争う……
たまに気分転換に他のメンバーも出す、ということになってしまいました。エウシュリーちゃんが仲間になったら、彼女もスタメンですね。
戦闘ではセリカが飛燕剣、ロカが砲撃、シュリは回復、ヴァレフォルは盗み&投擲&アイテム係。
エウシュリーちゃんは箒で殴る、毎回の戦闘でやることも大体決まってきてしまいます。
これが味気なさにつながった可能性は大いにあります。
ひょっとして、成長させてあげれば他のキャラも強かったのかもしれませんが……メティサーナやリ・クアルー、をどう活躍させてあげればいいのかが、正直わかりませんでした。
そして、前述のように特技をサクサクと覚えてくれるので、スキルポイントは楽勝でカンストしてしまいます。
二周目セリカLV97の時点で、エウシュリーちゃん関連などの出現条件のややこしい特技以外は全て網羅してしまいました。
僕は従来レベル上げというもの自体にはあまり興味がなく、技を覚えるのが大好きな人間なだけに、これは辛い。
隠しダンジョンを踏破するためにはLV97なんかでは全く足りないのですが、しかし特技は全部覚えてしまっている……。
これではなかなかモチベーションも上がりません。
また、本作は仲間キャラが全部で15人と少なめです。
……実際のところ15人もいればいいと思いますし、なにせリメイク前は一人旅だったらしいですから、よく頑張ってここまで増やしたなと思います。
思うんですが……Veritaって確か50人ぐらい仲間になったような気がするんです(アンインストールしてしまったので数えてはいません)。
それに比べてしまうと、どうにも仲間の人数も少なく……それもまた、スケールの小ささややり込みの薄さに繋がっている気がします。
ただ、これはリメイク作だということを考えれば仕方のないことであり、むしろ一人旅だった初代をよくぞここまで膨らましたと、高評価すべきところではあると思うんです。
しかしそういう事情を全部抜いて考えると、やり込み要素がウリ(だと僕は思っている)の戦女神シリーズにしてはやり込みが薄いなぁと感じたし、
ストーリー・キャラ面も、ZEROのような暗澹とした悲劇や、VERITAのようなオールスター大集合のようなものはなく、こじんまりとしていたなぁと思います。
個人的好みとしては、Verita>Zero>2>本作でした。
以上、何だか文句ばかりの感想になってしまいましたが、買って損したという事はありません。
戦女神シリーズのファンになら、お薦めできる作品となっていると思います。
シリーズ未体験の方は……本作から入るのがいいのか、Zeroから入るのがいいのか……悩むところですね。