まずは点数から

シナリオ 100/150  キャラ  120/150  絵 90/100  音75/100
システムその他 85/100  印象 35/50 総合 505/650  

約170ゲーム中57位。 ESにつける点数81


この感想では、まずエロについて書き、次いでシナリオの感想を書きます。


*抜きゲーレビューゆえ、少々下品な部分がございます。ご了承ください。


【エロについて】



抜いた回数                   エロかわいさ(S~E)

周防瀬里奈  3回ぐらい?          A-
周防雪奈   5回以上10回未満       A
周防多香子 1回か2回             B-


一応抜きゲーなので、抜いた回数も自己申告してみました。
「エロかわいさ」と書いたのは、
抜けるかどうかは「単純なエロさ(回数の多さなど)」だけではなく、
「ヒロインの魅力」抜きには成り立たないという持論によるものです。
いくらシーン数が多くても、嫌いなヒロインだと僕の場合は抜く気になりませんから。



結果ですが、雪奈の圧勝でした。
シーン数的には瀬里奈が最も多いので、たぶん瀬里奈で抜く人が一番多いのではないかと思うのですが、
個人的に、今回の青山ゆかりさんのエロボイスがいまいちノレませんで。


声優さんによってあえぎ声の演技が違うんですが、


キャラ「あん……だめ、そこをなめちゃ……ダメェ……っ」

と画面に表示された場合、「あん……だめ、そこをなめちゃ……ダメェ……っ」ではなくて、

「あん……だめ……んんっ……そこをっ……やぁぁ、なめちゃ……ダメェ……っ……くぅん」みたいな感じで、
少しアドリブを入れてほしいのと、文章よりも長めにあえいでほしいんですよ。

で、ヒロインがあえいでいる間に僕は自分のものをしこしこと擦るのですね。
僕はオートモードを使いたくない人なので、あえぎ声が短いと、
「ちょっと擦る」→「クリック」→「ちょっと擦る」→「クリック」となってせわしないことこの上ない。


そういうわけで、青山ゆかりさんの喘ぎ声はNGではないものの、もうちょっと頑張ってほしかったというのが率直なところです。なお、通常シーンでの演技に関しては、瀬里奈のかわいさを十分演じてくださったと思います。
Hシーン自体は豊富に取り揃えておりますが、ラブラブHが多かった中、茂二に2回目に凌辱されるシーンがエロかったですね。


雪奈に関しては、まずエロを抜きにしたキャラクターの好みでジャストヒット。
「守ってあげたい、儚げな女の子」タイプにはホント弱いんですよ、僕。(エロゲではあまり見ないのが残念すぎます……)。
僕はフェラよりも女の子が愛撫で感じるシーンの方が好きなので、そういう意味でも雪奈さんは責められるシチュが多く、みるさんの喘ぎ声も良かったです。
抜いた回数が一番多いのはそういう理由です。
ただ、全体的に良かった中「このシーンは神! クリア後も何度もリピート再生必至!!」という
超絶お気に入りなエロシーンがなかったのが、エロかわいさでSをつけられない理由です。
これは、そのままダイレクトに「瀬里奈」というゲームへの評価にも繋がっていますね。


多香子さんについては……ごめんなさい。僕、熟女キャラはエロ的にちょっと好みじゃないんです……。
一応、一回か二回は抜きましたけど、お義理みたいなものというか……。
あ、ただ、多香子さんというキャラクター自体は嫌いじゃないです。京一さんにデレる多香子さんはかわいかったです。やっぱり多香子さんは主人公よりも京一さんにお似合いじゃないかな。


【瀬里奈のシナリオについて――エロゲ―ならではの牽引力――】



アトリエかぐやのゲームは「最終痴漢電車2」と「3」を以前やったことがあります。
世間的にも評価の高いゲームだと思うんですが、個人的にはあまりピンときませんでした(特に3)。
ストーリーがどうというものでもないので、スキップ多用してエロシーンで抜いて終わり。
それも好きなヒロインだけという感じ。
エロいとは思ったんですが(2の双子とか好きでした)、ちょっとこれでは寂しいです。


その点、この「瀬里奈」はテキストも良好で、
物語もべた褒めするほどではないにせよ悪くなく、全ルート未読スキップせずに楽しむことができました。


本作のシナリオでまず真っ先に思い浮かんだのは「エロゲーでしかできないストーリーテリング」だということです。
どういうことかと言いますと、この物語において、読者を牽引してするのは一にも二にも「エロ」だと思うのです。


まず、瀬里奈というヒロインの可愛らしさを存分に描き、
次に、閉鎖的で怪しげな村と、住民の異様な好色さを描く。


プレイヤーは瀬里奈というヒロインに惚れ、好きになった子が凌辱される危険に怯えながら(期待しながら??)
物語を読んでいきます。
その雰囲気づくりがとても巧かったため物語全体に緊張感が生じ、先へ先へと読ませるわけです。
もちろん選択肢を間違えれば凌辱ルートもありまして、これもなかなか良かったです。


ただ、シナリオがよくできているとはいうものの、あくまでも「エロ」の補助でしかないのもまた事実です。
雪奈シナリオなどは好例だと思いますが、彼女のルートに入った途端、
(彼女に会えない)昼間のシーンはほとんどなくなってしまいます。


全ルートにおけるエンディングロール直前の村を脱出するシーンや、エンディングロール後の後日談も余韻の少ないものとなっておりまして、
たとえば雪奈エンド(瀬里奈のもとに蝶々が2羽飛んでくるやつ)などは、
丁寧に描けば絶対泣けるシーンだと思うんですが、割とあっさりと終わってしまいます。


エロに関係のない部分はあっさりでいい、という開き直りめいたものを感じました。
これは抜きゲーとしては問題ないけれど、シナリオゲーとして評価すると減点材料になります。


では抜きゲーとしてはどうか。
上で既に書きましたが、結構エロいです。エロいけれど……メインの瀬里奈では3回ぐらいしか抜いていないんですよね。
雪奈にはお世話になったんですが、ハードディスク常駐して、たとえば半年後も夜のおかずとして使い続けている~というビジョンは正直見えません。



「抜きゲーとして10段階で6~7」「シナリオゲーとしても10段階で6~7」という感じで、
楽しめはしたんですが、突き抜けてはいない……というのが、瀬里奈への評価になります。


★余談

ここからは余談です。書いてしまったので載せますが、大して中身もないので読まなくても全然OKです。



「物語が素晴らしくてなおかつエロい! これが最強のエロゲ!!」と僕は常々思っていました。
この思いは今でも変わっていないつもりです。
変わっていないつもりなんですが、「瀬里奈」をプレイして少しそれが揺らいでしまいました。


「瀬里奈」をプレイし始めたのは今年の5月ぐらい。クリアしたのは12月です。
なんと7か月。
なぜこんなにかかったのでしょうか? 

それは、「物語が良くて」、「なおかつエロい」。
しかも「『エロさ』で物語を牽引している」というこの三つ、本来褒められるべきこの三つがネックになったんですね。

どういうことかと言いますと、私が実際にとった行動パターンはこの三つです。


1 feeがエロい気分のとき
→おーい早くエロシーン見せろ!!→まだかまだか……→もう眠いや。AVでも見てオナニーして寝よ

2 feeがエロくない気分のとき その1
→「瀬里奈」やるか。→なんかエロい雰囲気だけど、ごめん、今そういう気分じゃないんだ。→やっぱり今はいいや。違う事しよう。

3 feeがエロくない気分のとき その2
→「瀬里奈」やるか。読んでいるうちにだんだんムラムラしてきたぞ→オナニー→ふぅスッキリ今日はここまで。


つまり、「エロ」が物語の牽引力となっている以上、「そういう気分ではないとき」には先が続けられないのです。
しかも「そういう気分なとき」は、僕の場合たいてい寝る間際。つまり、早くオナニーして寝たいという。


これが、「物語などない抜きゲー」の場合は、何のことはない、スキップしまくってお気に入りのエロシーンで抜けば終わりです。ただ、「瀬里奈」でそれをやるのはあまりにももったいなさすぎる。


これが「エロが薄い物語ゲー」の場合は、とりあえずエロはいったん流し読みできます。
後で抜きたい時にHシーン回想を見ればいいんです。

ところが、「瀬里奈」ではそれもしづらい。できなくはなかったはずなんですが、一度もそういう思考には至りませんでした。
だって、「瀬里奈」のエロシーンを飛ばしちゃったら、いったい何のために読んだんです?
抜きゲーとしてのアイデンティティの危機ですよ、これは。


というわけで、ダラダラダラダラとプレイし、こんなにもかかってしまいました。