評価は A+
口がきけず、鍵開けの巧い少年が、成り行きや周囲の状況から犯罪者へと身を落としていく物語。
悲惨な物語ではあるのですが青春小説としてもよくできており、切なくも希望の見えるラストもとても好みでした。
少年犯罪というのは、本人の資質もあるにはあるのでしょうが、周囲の影響というのはとても大きいのだなぁとつくづく考えさせられます。
自分は幸いそういうものには手を出しませんでしたが、 同中の人間でも少年院に入った人を2人ほど知っておりますし、発覚はしないものの面白半分に万引きをした友人もいました。
とかくカッコつけたがりだったり、繊細だったりする子供時代は、周囲の環境がどんなものであるかで、
あるいはその周囲に流されてしまうかどうかで、その後の人生も大きく変わってしまう危険性があります。
本作「解錠師」もまた、「口がきけない故に友達の少ない主人公」が、たまたまできた「唯一の友人」が余計なことをしたせいで学校のゴロツキと関わりができてしまい、そこから雪崩式により性質の悪い人間に目をつけられて、取り返しのつかない事態へと発展していきます。
小説という形ではなく、心を知らなければ押しも押されぬ立派な(?)犯罪者へと成長してしまう彼ですが、
彼の心にあったのはちょっとした見栄(プライドの高さ)と、恋人への想いだけで、真っ当な少年なんですよね。
実際の少年犯罪も、中にはこういう子がそれなりの数いるんじゃないかなぁと思わされました。
また、そういった道へ入り込まないためには、最初が肝心だなとも思いました。
段々と抜け出すのが難しくなっていくのが何ともリアルですね。
この「唯一の友人」が要らないことをしなければ、主人公は絵の才能を見出され、他の道もあったんじゃないかとつくづく思います。
一方で、その要らないことがあったからこそ、主人公は最愛のアメリアと出会えたわけで、悪い事ばかりではないのですが……。
最後は、希望の持てる終わり方で本当に良かったです。
少し遅れてしまいましたが、今からでも幸せになってもらいたいですね。
訳も非常に読みやすく、文章表現も巧いこともあり、500ページというページ数は全く苦になりませんでした。
とても面白かったです。
口がきけず、鍵開けの巧い少年が、成り行きや周囲の状況から犯罪者へと身を落としていく物語。
悲惨な物語ではあるのですが青春小説としてもよくできており、切なくも希望の見えるラストもとても好みでした。
少年犯罪というのは、本人の資質もあるにはあるのでしょうが、周囲の影響というのはとても大きいのだなぁとつくづく考えさせられます。
自分は幸いそういうものには手を出しませんでしたが、 同中の人間でも少年院に入った人を2人ほど知っておりますし、発覚はしないものの面白半分に万引きをした友人もいました。
とかくカッコつけたがりだったり、繊細だったりする子供時代は、周囲の環境がどんなものであるかで、
あるいはその周囲に流されてしまうかどうかで、その後の人生も大きく変わってしまう危険性があります。
本作「解錠師」もまた、「口がきけない故に友達の少ない主人公」が、たまたまできた「唯一の友人」が余計なことをしたせいで学校のゴロツキと関わりができてしまい、そこから雪崩式により性質の悪い人間に目をつけられて、取り返しのつかない事態へと発展していきます。
小説という形ではなく、心を知らなければ押しも押されぬ立派な(?)犯罪者へと成長してしまう彼ですが、
彼の心にあったのはちょっとした見栄(プライドの高さ)と、恋人への想いだけで、真っ当な少年なんですよね。
実際の少年犯罪も、中にはこういう子がそれなりの数いるんじゃないかなぁと思わされました。
また、そういった道へ入り込まないためには、最初が肝心だなとも思いました。
段々と抜け出すのが難しくなっていくのが何ともリアルですね。
この「唯一の友人」が要らないことをしなければ、主人公は絵の才能を見出され、他の道もあったんじゃないかとつくづく思います。
一方で、その要らないことがあったからこそ、主人公は最愛のアメリアと出会えたわけで、悪い事ばかりではないのですが……。
最後は、希望の持てる終わり方で本当に良かったです。
少し遅れてしまいましたが、今からでも幸せになってもらいたいですね。
訳も非常に読みやすく、文章表現も巧いこともあり、500ページというページ数は全く苦になりませんでした。
とても面白かったです。