【クロノトリガー】  









AD1000年。主人公のクロノが暮らすのは、長く平和が続くそんな時代だ。
王国誕生1000年を祝した盛大なお祭りに、クロノとお忍びでお祭りに参加した王女マールは、クロノの幼馴染ルッカが作った時空転移装置により、過去へと飛ばされてしまう。
そこはAD600年、魔王と呼ばれる存在が王国を危機に陥れていた、そんな時代だった……。


クロノトリガーは、非常に優等生的な作品だと思います。解りやすくて、面白い。
癖も強くなく、それでいて高品質。RPGを好むほとんどの人に掛け値なしに薦められる作品です。

個人的に感銘を受けたのは、時代ごとの密な繋がり。
BC13000年の古代文明から転移してしまった魔法王国の王子が、中世に飛ばされてAD600年で魔王と名乗っていたり。
もっと細かいところで言うなら、AD1000年で嫌らしい野郎(ビネガーだったかな?)がいるんですが、AD600年で彼の先祖にほしにくをあげると、AD1000年ですっかりいい奴になっているばかりか、「昔ご先祖様に親切にしてくださった人がいて~」というようなエピソードを語ってくれたり。


発売が90年代後半ということで、作中のAD1999年にはノストラダムスよろしく、世界を破滅へと追いやるラヴォスという巨大隕石が登場します。
このラヴォスはBC7500万年においても出現していることから、恐竜絶滅をもたらした白亜紀の隕石にかけているわけですね。
BC13000年の古代文明というのも夢があってワクワクします。


魔王の支配するAD600年や、絶望的な未来が拡がるAD2300年などを考えるに、クロノ達の住むAD1000年は何と平和な時代だったのかと、しみじみ感じさせられますね。


バトルはFFなどと同じ、アクティブタイムバトル。
鳥山さんのキャラデザだとどうしてもドラクエのイメージがあるのですが、ドラクエのキャラデザでFFのバトルをやるというのは新鮮で楽しかったです。
ゲーム全体の印象としては、FFよりもドラクエ寄りかな。


文字数が少し寂しいのでどうでもいい話を一つ書きます。
「クロノトリガー」の「クロノ」というのは、「時間」という意味なのですが、
(ギリシャ語で「クロノス」が「時間」だそうです。いまwikiで調べました)当時の僕には「黒の?」という漢字しか思い浮かびませんでした。

「クロノトリガー」というゲームで、主人公の名前が「クロノ」(黒の)。うーん、ダサい。
と思った僕は、主人公に「プラティス」という名前をつけました。
どこから思いついたのかは解りませんが、とりあえずプラティスです。
さて、友人の家でプレイをしたところ、このプラティスという名前が大不評でしてね。
「fee www プラティスってなんだよwwww プギャーwww」ってなもんですわ。

『クッソ、FF7のバレットに「ジャイアン」とかつけてたお前に言われたくねーよ』と頭に来た記憶があります。
うーん、本当にどうでもいい話でしたね!


しかし「クロノ」はまだいいんですが、「魔王」とか「カエル」とか「ロボ」とか、デフォルトネームはもう少しなんとかならなかったのかとは思いました。
2周目では、カエルの名前が「グレン」だと知っていたので、グレンという名前にしたんです。

そうしたら
「私はグレン(カエル)! またの名をグレンだ!!」という台詞が出てきてもう泣くに泣けませんでした。




最後に、音楽もまたこのゲームにおけるウリの一つ。
好きな曲をいくつかご紹介して、紹介記事の筆を置きたいと思います。

https://www.youtube.com/watch?v=pDgflOcHNnM (風の憧憬:AD600年のフィールド曲)

https://www.youtube.com/watch?v=EOIfaf2Pcuc (やすらぎの日々:AD1000年のフィールド曲)

https://www.youtube.com/watch?v=mDnr_-Gc-ZI (時の回廊:BC12000年のフィールド曲)










【ペルソナ4】  











一年間の期限付きで、稲羽市へと転校してきた高校二年生の主人公。
そこでは雨の日の午前0時にのみ何者かの姿がテレビに映るという怪現象、「マヨナカテレビ」が噂を集めていた。
マヨナカテレビを実際に見た主人公は、なんとテレビの中に入れることに気づいてしまう。
そして、マヨナカテレビに連動するように、殺人事件が起こり始めるのだった……。


良い意味で「キャラゲー」と言いましょうか。こんな学園生活を送りたかった。こんな青春がしたかった。
そんな気持ちにさせてくれた作品が、この「ペルソナ4」でした。





RPGの主流は異世界での冒険モノだと思うのですが、ペルソナ4は現代日本が舞台、
主人公も(異能に目覚めはするものの)ごく普通の少年です。
彼と共にペルソナを使い、事件解決に乗り出す仲間たちは、気の良い悪友「陽介」や、ノリの良い元気娘「千枝」、お嬢さま然とした「雪子」や元アイドル「りせちー」といった、いずれも『実際に友達にいたら楽しいだろうな』と思える面々ばかり。

そういった仲間たちだけではなく、部活を通して仲良くなった同級生やアルバイトで知り合うナース、同居する親戚の小学生や川原のおばあさんといった、様々な『普通の』人々と絆を深める、
サブエピソードの数々が実に良かったです。


この、サブイベント群は「コミュ」と呼ばれており、主人公は『ダンジョン探索の冒険』だけでなく、『コミュの絆を深め』たり、
『魅力や学力といったパラメータを上げ』たりと、とにかく忙しい。
言ってしまえば、「RPG+ときメモ」なのですが、本家ときメモに比べてやれること・やりたいことが圧倒的に多いんですよね。
今月は早めにダンジョンをクリアしてあのコミュの絆を深めようとか、今月は定期テストがあるから前半は勉強に費やそう~でもそうするとダンジョンはギリギリになるなとか、そういったスケジューリングがとても楽しいのです。
「ときメモ」のように、同年代の女の子と恋人になれるというのも面白いですね。僕は雪ちゃんを恋人にしました。
でもりせちーも捨てがたいよなぁ……。


とりとめなく書きましたが、一言で言うなら「リア充」生活が楽しめるRPG、といえばいいでしょうか。
部活に、バイトに奔走し、友達との絆を深め、夜は仲間たちとダンジョンへ。
上でも書きますが、「こんな青春がしたかった」という願望をそのままプレイできるRPG。
それがペルソナ4でした。


そんなペルソナ4だけに、平日は「とにかく速く家に帰って続きをやりたい」と、そればかり考えていた記憶がありますw
もう、頭の中はペルソナ4でいっぱいなんです。


エンディングでは一年が経過し、主人公は再び転校してしまうわけですが、プレイしている僕も本当に寂しかったです。
永遠のお別れではないけれど、いったん区切りがついてしまうというような。
ゲームをクリアした時の自分の気持ちと重ね合わさって、切ない気持ちになってしまいました。


バトルに関しては、腐ってもペルソナシリーズといいますか、やや難易度が高いです。
とはいえ、初代の頃に比べるとだいぶライト向けになっているとは思います。
また、ペルソナシリーズ全体の特徴として、主人公の扱うペルソナ(簡単に言っちゃえば召喚獣)は世界各国の神話や英雄物語からとられています。
説明文も丁寧に書かれていて大変興味深いので、新しいペルソナを作るたびにせっせと説明文を読んでいました。


なお、前作にあたるペルソナ3も、ペルソナ4とほぼ同システムでとても面白いです。
ただ、キャラの魅力や「青春度」では4の方が好きでした(とはいえ、3も大好きです)。

ペルソナシリーズは2のみ(罪も罰も)未プレイ。機会があれば、やってみたいですね。
PSPで安価で出ているので、やろうと思えばいつでもできるんですが、なかなか。








【スターオーシャンセカンドストーリー】 








遙かな未来。
偉大なる銀河連邦司令ロニキスの息子クロードは、未開の惑星エクスペルで、少女レナと出会う……。


https://www.youtube.com/watch?v=uuKKLixxF4I (クロード編 OP)


と、序盤こそボーイミーツガールSFの傑作臭をふりまく本作ですが、残念なことにストーリーはお薦めできません。十賢者なる、味もそっけもない悪役の跋扈するDisc2に入ってからの展開は茶番に等しく、お話にならない有様です。
主人公をレナとクロードの二人から選べますが、一応、クロード編の方が(まだ)ストーリーは良いと思います。


しかし、本作は『RPGにおいても物語が一番大事!』と考える僕が、その物語を酷評しているにも関わらずトップ10に選びたくなる、それはそれは面白いアクションRPGなのです。
この面白さを文章で表現するのは難しいのですが……縦横、高さだけでなく奥行もあるこのバトルシステムは
「テイルズシリーズ」の平面バトルに慣れた僕には、途方もなく面白く感じられたものでした。
ゲームバランスも実に素晴らしい。
特にDisc2、ミカエル&ハニエル戦。
ミカエルのスピキュールとハニエルの石化攻撃に何度も苦しめられながらも、セリーヌを囮にハニエルを引きつけて見事撃退した時は、本当に達成感に満ち溢れました。
アクションRPGでありながら、単なるゴリ押しではなく、戦略で敵を倒す。最高の勝利でした。
中ボスのルシフェルの厨二病臭さも当時気に入っていましたね。


https://www.youtube.com/watch?v=4Y4IVOGq9sk (ミカエル&ハニエル戦の動画。戦闘画面の参考に)


また、戦闘以外でもアイテムクリエイションは初期のアトリエゲーに並ぶくらい多岐にわたっておりますし、
好感度判定があり、選択肢の選び方によって仲間同士にカップリングが成立したりするのも面白かったです。
(カップルが成立するのは、主人公だけではありません)
僕のクロード君は、初回何故かセリーヌさんとくっついたんだよなぁ……レナを狙ってたのにw

ストーリーは残念でしたがキャラの魅力もなかなかで、レナ、プリシスが好きでした。
性能で言うなら、クロード、レナ、オペラさん、セリーヌさんが強かったですね。
二周したのにエルネストさんが仲間になりませんでした。諦めた。


シナリオがショボい以外の欠点ですが、声優さんの演技がかなり……うーんという感じはします。
たとえばレナ役の久川綾さんですが、レナのキャラクターにしては声が勇ましすぎる気がします。
もっと酷いのはディアス役のベジー……堀川亮さん。ディアスはイケメンのはずなのに、この声はおかしいです。
特に、戦闘開始時の「10秒だ(訳:10秒で片づけてやる)」という台詞があるんですが、この「10秒だ」が妙に上ずってるんですw
「じゅう」の部分が完全に裏声……なぜww

他に、オペラさんがαオンワンという必殺技を放つ時の声が「こきゅー!!」と聞こえるんですが、これ、なんて言ってるんですかね。αオンワンは相当強い技なので、何百回となく使ったのに、結局わかりませんでしたw
あとオペラさん、銃身で敵を殴るのはやめてください……普通に光線銃を撃ってください。



後はそうですね、このゲームの仲間は(付き合っていけばいい奴なんですが)初対面での台詞は結構「ハァ?」と思えるものが多いです。
僕はあまり気にならなかったんですが、気難し屋の友人が、いちいち「ハァ?」と思ったらしくて、仲間の加入を片っ端から断った結果、最終ステージに至ってもロクな仲間がいなくて苦労していたのが地味に面白かったです。



最後に、シリーズの他作品について。
前作にあたる「スターオーシャン1」も結構面白いのでお薦めです。
3は戦闘がめちゃくちゃ大味になっていて、同じ雑魚と闘っているのに
「ずっと俺のターン」(ノーダメ勝利)になることもあれば、「ずっと敵のターン」(回復に追われて何もできず全滅)になることもあるという。先制攻撃を当てて、流れが来るかどうかだけで全く結果が変わってしまうというのは、きついです。
ボス戦ではなく、雑魚戦でそれというのはね。
なお、4は未プレイです(5も出るんでしたっけ)。







【ドラゴンクエスト4】










山奥の村で、幼馴染のシンシアとともに幸せに暮らしていた『勇者』。
しかしその平穏はある日、突然打ち破られることとなった。故郷を失った勇者は、復讐の旅に出る。
勇者と共に、魔を打ち払う七人の導かれし者たちを探しながら。



ドラクエ4は、僕がプレイした2番目のRPG作品です。
1作目が「ドラえもん ギガゾンビの逆襲」なので、オリジナルRPGで初めてプレイした作品はこのドラクエ4ということになります。
RPGをめぐる僕の旅は、このドラクエ4から始まったと言えます。
本作を気に入らなかったら、この「ベスト10」記事で紹介する他の名作群に出会うこともなかったことでしょう。


このゲームで一番心に残ったのは、アッテムト鉱山でしょうか。
もの悲しいBGMの流れるこの鉱山では、石炭の掘りすぎで毒ガスが発生し、人が大量に死んでいます。
毒の沼地が拡がりお墓も立っていて、まさに地獄という感じが出ていてとても怖かったです。
それにも関わらず石炭を掘り続けるという愚かさ。
そして、4章の時点ですでに悲惨だったアッテムト鉱山は、5章では魔王エスタークの存在により更なる地獄へと変貌を遂げます。
今でも、RPGの街で一つ地獄を挙げるとするなら「アッテムト」の名前が浮かぶぐらいの衝撃がありました。



ドラクエ4は、ファミコンのソフトということもあって、色々な小ネタがありました。
たとえばカジノのコインを838861枚購入すると、4ゴールドで買える、というネタがあります。
当時はインターネットなどなかったので、友人から情報をもらうか(リアルタイムでプレイしたわけではないので、こちらから提供できる情報はない)、後は自分で試行錯誤するしかありませんでした。
838861ネタが有名なので今さら意味のない話ですが、実はコイン840000枚は約22000ゴールドで買えます。
これは僕が自力で発見し、父親に伝えました。
父はその後もいろいろ試行錯誤したようで、数週間後、838861という答えにたどり着き僕に教えてくれた記憶があります。
そうそう、勇者につけられる名前は「ひらがな4文字、濁点は1文字」なんですよね。
僕の名前、入らないんですよ……。そんなことも思い出しました。




ドラクエシリーズの大きな魅力として、ノベライズの魅力があります。
今でこそゲームのノベライズは珍しいことではありませんが、以前はゲームノベライズというのは非常に珍しいものだったように思います(……知らなかっただけかもしれませんが)。
高屋敷英夫さんのドラクエ1~3のノベライズ、久美沙織さんの4~6のノベライズはいずれも素晴らしく、一つの小説作品として十分に楽しめるクオリティで、ゲームの世界を大きく広げてくれました。


4のノベライズでは、ピサロの物語に1章ぶんを割く大胆な構成が成功したように思います。
祭りの夜、人間に化けてロザリーとデートをするピサロのシーンがとても印象に残っています。
1章、ホイミンを失ったライアンが静かに泣くシーンも良かったですね。
ストーリー的には、復讐の暗い情念を感じさせる4章が最も好きです。
麻薬に塗れたキングレオ城の描写も相当良かったですね。
あの大陸(名前忘れた……)、地獄が多すぎますわ……。




https://www.youtube.com/watch?v=8ZnDVAeADFE フィールド曲メドレー (4章と5章前半のフィールド曲が一番好き)



余談ですが、ドラクエはエロ同人RPGでも、優れた作品がとても多くて。

中でもsplush waveさんの「ドラゴンマージャンシリーズ」や、
ののの通信さんの「魔王軍へようこそシリーズ」、
甘辛でいこうさんの「スーパードラモンクエスト」など、毎年のようにどこかしらの同人サークルさんで
ドラクエ系の同人RPGが楽しめるんですよね。
本元のドラクエシリーズをプレイしておくことによって、優れた同人RPGを多数楽しむことができる。
これは他のRPGシリーズでは味わえない経験だと思います。


また、ドラクエは「非RPGプレイヤー」の方にも比較的とおりがいいというのもあります。
たまたまかもしれませんが、FFよりもとおりが良い印象があります。
非ヲタの飲み会とかで、「趣味はたまにゲームとかもします」と答えた場合、
「どんなゲームをするんですか?」とか「どんなゲームが好きですか?」と聞かれてまさか「エロゲーです」とは言えません。
そこで、「ドラクエとかをやってます」みたいに答えておくと、結構話が拡がったりするんですよね。
勿論ヲタ同士のコミュニケーションでもドラクエを出して困ることはありませんし、会話ツールとしても良い感じです。



本家のドラクエは8を最後にプレイしていないんですが、TV放送されるたびについ見てしまう映画のようなポジションで、ここまで繰り返し繰り返し触れている作品シリーズは他にありません。
そういう意味でも、愛着のあるシリーズです。