まずは点数から

シナリオ 80/150 キャラ 130/150 絵 90/100  音 80/100 その他システム90/100 印象 40/50
合計 510/650  ESにつける点 83


【前置き】

前作の正当進化と呼べる、完成度の高い作品。
それが本作Lovely Cation2です。
前作の良かったところはそのままに、ダメだった部分や物足りなかった部分を伸ばし、隙の少ないゲームへと進化しました。
本感想では主にシステム面について、最後にちょこちょことキャラクターについて書きます。
また、本感想では特に断りがない場合、ノーマルモードについて書いています。
イージーモードでプレイする場合とは、だいぶ感覚が異なることをご了承ください。


【本作の特徴――『ゲーム』を『現実』へと拡張する試み――】


前作から引き継いだ本作の特徴に、『趣味同調システム』というものがあります。
これはパラメータ上げの要素に、アイテム収拾の楽しみを加えたシステムですが、
このアイテムが、『実在する』のが本シリーズならでは(だと思う)の面白さだと思います。


たとえば本のアイテムでは、小説だけでも『吾輩は猫である』、『暗夜行路』、『変身』、『十角館の殺人』、『マリアさまがみてる』、『這い寄れニャル子さん』、『涼宮ハルヒ』などが登場しますし、

漫画なら『ドラゴンボール』、『名探偵コナン』、『銀魂』、『けいおん』。

DVDは『ハートキャッチプリキュア』、『ドラえもん のび太の恐竜』、『マトリックス』、『冬のソナタ』、『仮面ライダー』、『マクロスF』、『ルーキーズ』、『フォレストガンプ』、『チャーリーとチョコレート工場』、『24』。

CD屋には『ベートーヴェン』、『モーツァルト』、『ビゼー』、『Mr Children』、『aiko』、『AKB48』、『景山ヒロノブ』、
『初音ミク』。

コンビニでは『からあげ串』、『鮭おにぎり』、『ジューシー肉まん』、『爽 バニラ味』、『ポッキー』、『シュークリーム』、『いなりずし』など。

ドラッグストアでは『DHCのサプリ4種(亜鉛、コラーゲン、ドコサヘキサエン酸、トンカットアリ)』や、ユンケル黄帝液などがあります。


ラブリケ2をプレイした後で街を歩くと、ゲーム内に登場するこれらのアイテムが現実でも売られていることに気づきます。
そこでふと、『フォレストガンプ』を借りて帰ってきて、魅力+3、娯楽+3の能力値アップを果たした気分に浸ったり、『爽 バニラ味』を買って食べながら「日向ちゃんもこれ好きなんだよなぁ」とか思ったり。


こうした楽しみ方は前作の1でも共通だったのですが、本作ではアイテムが2倍に増えていることもあり、効果を強く実感しました。


このように、現実に存在するアイテムをゲーム世界に多数導入することで、『ゲーム世界』と『現実世界』の垣根を薄くする試み。
これが、本シリーズ独自の面白さであるように思います。
逆に言うと、ここの部分に面白みを感じない方には、本作は凡百の萌えゲーにしか映らないのではないかと思いました。


【本作の特徴②――ゲームバランスアップにより、「とことん遊べる、やりこめる」(?)――】




OHPゲームコンセプトの「とことん遊べる、やりこめる」。
「とことん」は正直誇張な気がしますが、これがなかなか楽しいです。


前作ではそもそもアイテムが100種しかなかった上、難易度も激ヌルだったため、5人のヒロインを攻略しながら楽々とアイテムコンプができてしまい、アイテム収集の面白みはほぼなかったと言っていいと思います。


ところが、本作では上述したようにアイテムが211種まで増加。
更に前作に比べて難易度が大幅に上がったため、ヒロイン攻略の片手間にアイテムコンプ~というのは相当難しくなっております。
アイテムコンプまでは考えなくとも、Hシーン回収の難易度自体も上昇しております。

ゲームパートが面倒くさいと感じる方はEasyモードを選んでいただければストレスなくプレイできますし、
ゲームパートを楽しみたい人にはNormalモードということで、双方の需要を満たす配慮が素晴らしいですね。



いかにHシーンを集めながら、アイテムを回収していくか。
このアイテムはどのヒロインのルートで回収するべきか。
攻略サイトを睨みながら試行錯誤するのはなかなか楽しかったです。


アイテムやパラメータを上げたご褒美にHシーンが用意されているというのも、エロゲならではの楽しさで良かったと思います。
Hシーンなしで、ただ単にアイテム回収やパラメータ上げだけだと、どうしても飽きが来ますから……。


さて、ここまで褒めてきた本作の趣味同調システムですが、やはり欠点もあります。

まず、前作以上に「体力」の要求ステータスが高く、体力ステータス自体も上がりやすいため、
どのルートでもfeeくん(主人公。自分の名前をつけた)は体力バカになってしまいました。


体力100、感性20、魅力15、おしゃれ10、スポーツ15、食べ物50
みたいな、身体を動かして食事をすること以外に楽しみのなさそうなグルメキングなfeeくん。
にも関わらず、どのルートでも彼女を作れるのだから不思議です。
体力はあるのにスポーツが15っておまえ……。
これ以上難しくするのも考えものではありますが、パラメータが足りなければ「告白を断られてバッドエンド」、なんてのもあった方が良かったかなと思います。
全Hシーンにこだわりがなければ、付き合ってHするだけならとんでもない低ステータスでもできますからね……。


また、「アイテム回収」が難しいのは、あくまでも「ヒロイン攻略の片手間に」という条件付きのものです。
Hシーンにおける体力・器用ボーナスを獲得しつつ、アイテムをコンプするのは難しいですが、
プレイを複数回に分け「今回は体力ボーナスだけを回収」、「今回は器用ボーナスだけを回収」、「今回はアイテムコンプを~」というようにしてしまえば簡単です。頭を使わなくてもクリアできます。
複数回に分けてコンプした方がやりやすいですし、一度に欲張る必要はないわけで。
しかしそうすると途端に難易度が下がり、作業プレイ感が強く出てしまうので、楽しくないんじゃないかなと思います。
同様の理由で、Easyモードでアイテムコンプを目指すのもつまらないんじゃないかと思います。



【意味もなく長い余談 ――攻略時の注意ポイント――】


Lovelyボーナスは必要ステータス値が判然としないので、体力ボーナス、器用さボーナス、Hシーンを中心に書いていきます。
長いし、あまり参考にならないと思うので、興味のない方は読み飛ばしてください。



まず最初に、攻略が最も容易なのが日向です。


日向攻略で求められるステータスは体力145、器用55、知力50となっております。
GW前に知力を50に上げないとオナニーHが見られないというのが小さな落とし穴ではあるものの、
とりあえず体力重視でバカスカ上げていけば問題ない、という解りやすさが良いですね。

要求体力が145と言われると大変なように思いますが、
ほたてシチューで+5、救急セットで+5、亜鉛で+5、いい男のツナギでも+5、ユンケル黄帝液で+5という具合にみるみる上がっていきます。
ジョギング7→ランニング7→絶好調ランニングあたりの回収は、日向ルートが最適ですよね。


体力ステータスが非常に上がりやすい事、求められる能力値が単純明快で、面倒な縛りも少ないことから、
アイテムコンプをする際は日向ルートを利用することが多かったです。



逆に言うと、*他の3人は結構難しいです。


*全Hシーンを見て、体力・器用さボーナスをとって、アイテムをコンプするのは難しいという意味です。
Hシーンを見ずにボーナスとらずに、アイテムをコンプせずに、ただストーリーだけが読めればいいなら楽勝です。




まず、和琴先輩。
Hシーン回収における要求ステータスは体力75、器用70、知力40です。(5/2までに体力45、器用40、知力40が必要)


ネックとなる点を列挙しますと、
①5/2までに「顕微鏡」を取らなければならないのを忘れがち ②器用はなかなか上がらない
➂和琴ルート限定アイテム「杜若」の要求ステータスがエグい。


この3点から、難易度は激高……というよりも、「杜若」とHシーンの両立はNormalモードでは不可能に近いです。
「杜若」のためだけに一周やるか、すんなり諦めましょう。


体力75は楽勝なのですが、器用70が要求されるため、序盤から器用をしこしこと上げる羽目になります。
体力とは違い、器用は一度に+3ぐらいしか上がらないんですよね。
ところが、5/2までに知力も40まで上げないと「顕微鏡」が取れない。
とてもじゃありませんが、5/1までに【知力+感性=160】を要求してくる「杜若」にまで回せる余力はありません。



姫はどうでしょうか?
要求ステは、体力90、器用50、ゲーム?(数値不明)です。
体力90は余裕ですし、器用も50ぐらいなら何とかなります。ただ、厄介なのがゲーム?ですね。

姫ルートは、5/21のダンスゲーム対決に勝たないと見られないHシーンがあって、これがなかなか辛いのです。
まず、ゲームというステータスは本当に上がりにくいです。
器用さが+3しか上がらないなら、ゲームは一度に+2しか上がりません。
そこを持ってきて、その要求ステータスが解らない。万全を期して~と考えると、かなり大変です。
また、ダンスゲームに勝つために「ダンスダンスレボリューション」通いになるため、他のアイテムを回収するための自由度がかなり下がってしまいます。
このダンス対決一点において、姫ルートは難しいです。




最後に星音。
要求ステは体力65、器用65、ゲーム50。

例によって体力はいいんですが、ゲーム50が相当面倒です。
星音ルートも難関がいくつかありまして、
①4/21までにダイゴロウ複数回で、【動物】を上げておく
②UFOキャッチャー全種ゲット。なお、「すーぱーそに子」はランダム。「あかねちゃん」はゲーム50必要。
➂星音同伴のコンビニ5回で「こだわり弁当」、星音同伴のドラッグストア3回で「仮面ライダーソーセージ」
④これらの難関に輪をかけるのが、序盤、星音は『海浜公園』に入り浸っているという事実


まず、なんといってもゲーム50。姫のところでも書きましたが、マジで厳しい。
おまけにUFOキャッチャーにはランダム要素もあるし、大変です。
更にコンビニに5回、ドラッグストアに3回といった縛りも多いし、序盤星音は海浜公園にいるしで
(海浜公園で何すりゃいいんだよ……釣りとウォーキングしかできないんだぞ……)かなり大変です。


ただ、星音ルートは『動物』の値が上がりやすいため、『動物』ステを要求される隠しアイテム群
「タツノオトシゴ」、「フカヒレスープ」、「素晴らしき海洋世界」の3種は星音ルートで狙うのが、無駄が少ないと思います。
……器用60、動物40で取れる「タツノオトシゴ」はともかく、「フカヒレスープ」に必要な食物60は、
Hシーン回収との並行作業では無理な気もしますが……。



ちなみに私は、全アイテム211種中、209個まで集めることができました。
とれなかった2つのうち1つは「大吉おみくじ」。これは完全ランダムなので、面倒すぎました。
もう1つは……よくわかりませんでした。何を取り逃がしたんだろう……。



【ストーリー、キャラクターについて】

前作から一番進化したのは主人公かもしれません。
1のfeeくんは一言で言ってしまえばクズだったと思うのですが(興味がありましたら、前作の感想を参照ください)
2のfeeくんは爽やかでまともな少年になっており、読む際のストレスが大幅に減りました。
ストーリーと呼べるようなストーリーがないのは前作同様ですが、応援したくなる主人公になったため、
より物語世界に身を置いて楽しめるようになりました。


ヒロインの魅力も、なかなかのものになっています。
特に和琴先輩と姫が好みですが、嫌いなヒロイン、魅力を感じないヒロインは1人もいませんでした。
これは前作の5人においても同様で、ライターinsiderさんの描くヒロインは本当に肌に合うなぁと。
前作合わせて9人ものヒロインをクリアして、1人もどうでもいいヒロインがいないというのは地味に快挙なんじゃないかなと思いました。

立ち絵がないのが残念ですが、親友の嵐山くんもとてもいい奴で、某ルートのアフターストーリーでは思わず嬉しくなってしまいました。

嵐山くんや韮崎のおじさん、天童くんといった男性陣。
姫、日向、わこ先輩、星音のヒロイン陣。
シリアス成分の薄い穏やかなシナリオもあいまって、主人公を取り巻く世界の「暖かさ」を存分に感じることができました。


普段はどちらかというとストーリー重視の作品を好む僕ですが、たまにはこういう作品もいいなぁと思います。

ヒロインはかわいく、周囲は暖かく、ゲーム性があり、エロシーンも多い(あまり抜けなかったけど)。
一言でいえば、いいゲームでした。