ロシア    0-3       ウェールズ

主審  B-
試合内容 A-
MOM FW ガレス・ベイル(85)(ウェールズ)

GK アキンフィエフ(75)        ヘネシー(65)
DF バシリー・ベレズツキ(40)     ガンター(55)
  イグナシェビッチ(40)       アシュリー・ウィリアムズ(55)
  コンバロフ(40)         ニール・テイラー(65)
  スモルニコフ(45)        チェスター(60)
MF シロコフ(40)      DF  デイビス(60)
  グルジャコフ(40)     MF  ラムジー(85)
  ココーリン(40)          アレン(80)
  スモロフ(40)           レドリー(60)
  ママエフ(25)      FW    ベイル(85)
FW ジューバ(45)           ヴォークス(55)

監督 スルツキ D         コールマン  S

【ロ】
バシリー・ベレズツキ(40)→アレクセイ・ベレズツキ(40)
シロコフ(40)→ゴロビン D
スモロフ(40)→サメドフ C

【ウェ】
アレン(80)→エドワーズ C
レドリー(60)→キング ?
ベイル(85)→チャーチ ?


全てが完璧だったウェールズと、全てがダメだったロシア、の一言で括れる試合。
中盤を支配するアレン、チャンスメイカーのラムジー、そしてエースのベイル。この三人をロシアは全く止めることができず、次々にゴールを許した。
勝ち上がるためには勝利しかないロシアだったが、前半25分の時点で既に0-2。
3点が必要な状況でスルツキ監督が選んだのは、バシリー→アレクセイのCB交代。
いかに、ウェールズの攻撃にロシア守備陣が崩されまくっていたかがわかる交代だろう。
この時点で既に勝利のビジョンを描けなくなっていたロシアはその後も押され続ける。
ウェールズの、恐らくこれは温存だろう。アレンの交代で劣勢はなくなったものの、ウェールズのゴールを脅かしたのはわずかに一度。
負けるべくして、ロシアは大会を去った。


【ロシア】
お話にならない、惨憺たる内容だった。
相手がスペインやドイツならまだしも、ウェールズにここまでやられてしまっては……。
評価できるのはGKのアキンフィエフのみ。守備も中盤も攻撃も、全てがダメだった。
厳しい審判なら二枚目のカードを出されていたかもしれないママエフが最低点だが、特にママエフがということはなく、GKを除いて全員が落第だ。


【ウェールズ】 
好チームだとは思っていたが、ここまで素晴らしいパフォーマンスを見せてくれるとは思わなかった。
終わってみればイングランドを上回ってのグループB首位通過。
アレンを中心に繰り広げられるパスサッカーは小気味よく、中盤のラムジーと前線のベイルは二人で魔法を奏でていた。
会場の雰囲気も最高で、感極まるサポーターの姿もあったが、これだけのパフォーマンスを見せてくれればそれも納得だろう。
さて、首位通過でのベスト16という素晴らしい成績を収めたグループステージだが、更なる上位を目指すうえではやはり懸念材料がいくつも見られた。
気になるのは、アレン、ラムジー、ベイルの3人と、他の選手たちのレベル差だ。
アレンを温存交代したのは流石コールマン監督といったところだが、絶対に代えの利かない選手だからだ。
現にアレンがいなくなってから、脅威は激減。完全に押し込んでいた中盤が、イーブンにまで盛り返された。
ラムジー、ベイルを含めて1人でも欠けるとウェールズは苦しい。
守備陣も、中心になるはずのアシュリー・ウィリアムズはイングランド戦に続いて不安定で、最終ライン全体のレベルが高いとは言えない。
とはいえ……とはいえである。
このようなケチをつけてしまうのも、ウェールズが更なる高みを目指す上での事だ。
ウェールズにとって(歴史的な快挙ではあるし、首位通過というのは望外の結果だが)実力的には快挙というほどの事はない。
だが、ベスト8以上となれば間違いなく快挙だろう。
ウェールズが当たるのは、グループAかCかDの3位。
どこが来るかは全くわからないものの、Aならアルバニア、Cなら北アイルランド、
Dならチェコあたりが候補だろうか。
どこが来ても……ウェールズにとって、勝てない相手ではないはずだ。
彼らの航海がどこまで続くのか、興味深く見守るつもりである。


【ロシア代表まとめ 0勝1分2敗 得点1 失点5 攻撃 C 守備 C+ 面白さ D】 

奇しくもロシア代表の試合は全試合を見たが、全く何の感銘も受けなかった。
2014年ワールドカップに引き続き、ピッチ内のパフォーマンスはまるで説得力に欠けたが、
今大会ではピッチ外でもやらかしてしまい、最悪のイメージのまま帰途に就くことになる。
一昔前のアルシャビンのようなタレントはもういないのだろうか。
最終ライン、アキンフィエフ、イグナシェビッチ、バシリー・ベレズツキといった平均年齢30オーバーの顔ぶれは変わらないが、果たして2年後のワールドカップ。
開催国として恥ずかしい姿を晒すことにならなければ良いが……。
ピッチ内のパフォーマンス、そしてピッチ外……この国でワールドカップをやる意義すら見いだせない、
そんな彼らの戦いぶりだった。
良かったのはGKのアキンフィエフぐらいかな……GKが良かったというのは、要はピンチが多かったという事だが……。