スペイン  3-0  スイス

試合内容  B+
MOM   GK スビサレッタ(70)(スペイン)

欠場者  (スイス) MF ズッター(負傷) 
      (スペイン) MF カミネロ(出場停止)

GK スピサレッタ(70)   パスコロ(60)
DF  ナダル(60)      ホッディガー(50)
   アルコルタ (60)    ガイガー(50)
   アベラルド(60)    カンター(20)
   フェレール(70)    ヘーア(50)
   セルジ(70)     MF ブレギー(40)
MF イエロ(70)      オーレル(40) 
    バケーロ(55)    スフォルツァ(40)
   ゴイコエチェア(45) ビッケル(45)
  カマラサ(60)    FW クヌップ(55)
FW ルイス・エンリケ(70)  シャプイサ(60)

監督 クレメンテ A-     ホジソン  B-

【スペイン】

ゴイコエチェア(45)→ベギリスタイン B+
イエロ(70)→オテーロ B+

【スイス】

オーレル(40)→スビアット B-
カンター(20)→シュティーダ―  ?


アメリカに引き分け、ルーマニアに勝利してグループリーグを突破したスイスと、
韓国、ドイツに引き分け、ボリビアに勝利してグループリーグを突破したスペインの試合。

スイスは、攻撃の核ズッターが負傷でこの試合を欠場。
正直に言って、ズッターだけが頼りのチームでしたので、何というか試合開始前から勝負あったかなという感じ。
スペインは、FWのサリナスを外し、本職FWの選手が1人もいないという、いわゆるゼロ・トップを採用。
ローマのスパレッティ監督が始めたと言われるゼロ・トップですが、この時代からあったんですね。


新オフサイドルールが適用された初めての大会ということで、まだ皆が慣れていないのか、
スイスDFが混乱。間隙を縫ってイエロがドリブル突破し、先制ゴールを挙げる。
このあと何故かスイスがラフプレイを連発。試合が荒れた。
予選リーグでは特にラフな印象のないチームだったのだけど、今日はどうしたのだろう。
失点に納得のいかないものがあったのかもしれない。まぁ微妙な判定ではあるもののミスジャッジというわけではないので、落ち着いてほしい。

それにしても、華麗なサイドアタックを武器にするスペインの動きの良さが目立つ。
スイスはやはりズッターの欠場は大きい。
実況解説が盛んに「ズッターがいれば……」と連呼しており、この日出ていたスイスの選手の名前よりもズッターの名前が呼ばれる始末だったが、気持ちは解らないでもない。
スイスにとってズッターは唯一の武器だったのだ。しかし、ズッターしか武器がないチームでは、勝ち上がるのは厳しい。


スペインはスペインで、セルジやフェレール、ルイス・エンリケやゴイコエチェアがサイドを崩すも、決定力が低い。後半5分、無人のゴールにフィニッシュしたはずが、ポストに当ててしまったシーンなど最たるものだ。 
直後にあったスイスの素晴らしい攻撃を、スペインGKスビサレッタが止めなければ、試合はどうなるかわからなかった。MOMに選んだのはこのセーブによるもの。まさにチームを救う働きだった。

スイスもチャンスがないわけではないのだが、やはり単発。スペインのような攻撃の流れというものが見えない。
かえすがえすもズッターの不在が痛い。
試合はその後、スペインが2点、3点と決めて勝負あり。
1-0の時間が長かったことから、スイスにも勝つチャンスはあったが、やはりズッターがいないと……。


スペインの方は、サイドのオープンスペースに飛び出すスピードが非常に速く、見ていて面白いチームである。
守備的な選手ばかりをピッチに投入するクレメンテ監督の采配は「つまらない」と言われるが、
この日は本来守備的なはずの選手たちが、攻撃的なサッカーを見せてくれた。
これでつまらないとは、少々酷な物言いかもしれない。