ドイツ  1-1     イタリア
PK                     6-5

主審   B
試合内容 A
MOM ヨアヒム・レーヴ監督 (ドイツ)

GK ノイアー(65)     ブッフォン(60)
DF  フンメルス(65)    ボヌッチ(55)
   ボアテンク(55)    キエッリーニ(60)
   へクター(65)     バルザーリ(55)
   ヘーベデス(55)     フロレンツィ(65)
   キンミッヒ(50)      デ・シーリオ(65)
MF  ケディラ(50)  ストゥラーロ(40)
   エジル(60)     ジャッケリーニ(35)
   ミュラー(50)     パローロ(45)
   クロース(65) FW ペッレ(40)
FW ゴメス(60)       エデル(45)

監督 レーヴ S       コンテ B+

【ド】
ケディラ(50)→シュバインシュタイガー(50)
ゴメス(60)→ドラクスラー(60)

【イ】
フロレンツィ(65)→ダルミアン C
エデル(45)→インシーニエ B+
キエッリーニ(60)→ザザ E


【ドイツ】

1対1でも勝ち、戦術でも勝った。
ここに来て、優勝候補に名乗りを挙げたイタリアに対し、万全の体制で勝負に挑んだドイツ。
その「油断のなさ」、相手への研究、修正力、そしてそれをやりきる力。
ドイツのレベルの高さを見せつける、素晴らしい勝利だった。

内容面でスペインを圧倒して勝ち進んできたイタリアに対し、本来、どちらかと言うとスペイン寄りのサッカーをするドイツは、「いつもどおりでは勝てない」と焦ったに違いない。
先制点を許し、縦に攻め急いだ結果、イタリアのショートカウンターを浴び続けたスペインを反面教師に
「縦に急ぐのは愚策」だということを悟ったのだろう。

そこでドイツは従来の4バックではなく、ヘーベデスを投入し5バック気味の3バックへと移行。
それだけではなく、ロングボールを多用してピッチを広く使い、意図的にボールを縦へと急がせない、相手を焦らすような戦いを見せた。
これは、PKに強いドイツとPKに弱いイタリアという伝統
「最悪、0-0のPKでも勝機がある」という自信から来る、余裕だったように思う。
まるで1-0でリードしているかのような、ポゼッション、ボール回しでイタリアを焦れさせたドイツ。
イタリアの守備の網にかからぬよう、安全第一でありながらロングレンジのパスを合わせるフィード力。
そして、中盤、最終ラインの争いで決して負けない球際の強さ。
文字どおりイタリアを「窒息」させた、ドイツ戦術の勝利だった。
その戦術の中心を1人選ぶのは難しいが、巧みな位置取りでパスコースを引き出したへクターの貢献は大きかったように思う。

後半15分過ぎから、イタリアが不要なファウルを連発したのは、ドイツの仕掛けた我慢比べに耐えきれなかったからだろう。
イタリアからすれば、過去のデータからPKは避けたいという思いもあったはずだ。
そのメンタルの動揺を素早く突いたドイツの先制点は完璧だった。
不運な形でPKを献上し、追いつかれてからも、従来の「窒息」戦術をやりきったメンタルの強さも含め、
試合巧者たるドイツの力、メンタルと、戦術プランの確かさを感じさせられる。

MOMは、個人にというよりもチーム全体に。
少し反則気味かなとも思ったが、この対イタリアシフトをチームに授けたレーヴ監督に捧げたい。


【イタリア】 

大会前は「史上最弱のイタリア」と揶揄されていた今大会のイタリア。
しかし、予選リーグではベルギーを、決勝トーナメントではスペインを内容面でも圧倒してその下馬評を覆してきた。
その見事な戦いぶりが、タレント力では圧倒的に優位である世界王者ドイツに、「対イタリアシフト」を決断させるまでに至ったのだ。

イタリアは、ドイツの敷いた「対イタリアシフト」を崩すことが結局できなかった。
やや幸運なPKを手に入れ、PK戦にまで持ち込んだものの結局破れてしまったが、
内容面では完敗だった。
大会前から危惧されていた「最弱」たるゆえんは、タレント力の差であり、1対1の強さの差である。
トッティやビエリのような、1対1で勝ちきる強さは、ペッレやエデルにはない。
結果、ペッレやエデルはドイツのへクターに、ヘーベデスに、フンメルスに完全に競り負けてしまった。
ピルロのような中盤のコンダクターも、ガットゥーゾのような1対1の鬼もイタリアにはいなかった。
ストゥラーロ、ジャッケリーニ、パローロの中盤は脆弱で、シュバインシュタイガー、クロースらに完全にゲームを支配されてしまった。
ボヌッチのロングフィードは大きな武器となったものの、中盤から前線にかけての1対1の弱さがドイツを崩せなかった大きな原因だ。

コンテ監督に落ち度はない。
むしろこの選手達を率いて、ここまで見事な戦いをしただけでも立派だと思う。
ザザのE評価は……試合終了間際に投入され、PKを外してしまった事によるもので、
評価不能とするかE評価とするかは迷った(彼のミスは詰まるところ1つだけだし、なんだかいじめみたいである)が……他の選手はPKも評価に含めているので、彼だけを例外とするのもどうかとは思い評価をつけた。