・泥試合

・あのさぁ、サッカーはボールを蹴るスポーツであって、人を蹴るスポーツじゃねぇから。
あと、痛がる演技をするスポーツでもないぞ。
コロンビアはバリオス君、ジェリー・ミナ君、クアドラード君、バッカ君。
イングランドはストーンズ君、マグワイア君、リンガード君、アシュリー・ヤング君。
呼ばれた生徒は、校長室まで来るように。他にも誰か忘れてる気がするけど、一々覚えてられないくらい問題児が多かったw


・試合は、両チームほとんどチャンスもないまま、ケインVSカルロス・サンチェスの競り合いで、
最初にちょっとケインが手を引っ張ったのに対し、猛然とやり返してしまったサンチェス君がPKを取られて1-0。そのままほぼチャンスがなかったものの、後半ロスタイムにウリベのシュート。
それで得たCKからジェリー・ミナが一発。延長に。

・カルロス・サンチェス君の無事を祈る。コロンビア人は頼むから、彼を殺すなよ。ほんと、頼んだぞ。エスコバルの件があるから心配だよ。


・コロンビアは、ハメスの不在が響いた。結局、ハメスが好調だったポーランド戦を会心の勝利で飾っただけで、セネガル戦は終始劣勢、日本戦は退場者の影響もあって負け、イングランド相手にも泥試合とあまり良い所が出なかった。ストライカーのファルカオが大会を通して不調で、クアドラードは相手によってはまるで通用しない。キンテーロは良かったが。


・イングランドにもポジティブな印象はなかった。結局、セットプレーを除いて得点パターンと呼べそうなものがない。

・準々決勝でスウェーデンと当たるが、スウェーデンの方が強いんじゃないかと思っている。

・唯一、ビッグトーナメントでことごとくPK戦に泣かされてきたイングランドが、今回初めてPKに勝った、というのはちょっと大きいかもしれない。これでPKへの苦手意識がなくなれば良いと思う。



娯楽度 4・5


イングランド代表採点  4

GK ジョーダン・ピックフォード 6
CB カイル・ウォーカー 5→マーカス・ラッシュフォード 5・5
  ハリー・マグワイア 4・5
  ジョン・ストーンズ 3
RWB キーラン・トリッピアー 6・5
LWB アシュリー・ヤング 3→ダニー・ローズ 5・5
DH ジョーダン・ヘンダーソン 4・5
CH デレ・アリ 5→エリック・ダイア― 5・5
LWG ジェシー・リンガード 4・5 
RWG ラヒム・スターリング 5→ジェイミー・ヴァーディ―  5
FW  ハリー・ケイン 6

監督 ガレス・サウスゲイト 5


コロンビア代表採点 3.5

GK ダビド・オスピナ  6・5
RSB サンティアゴ・アリアス 6→クリスチャン・サパタ ?
LSB ホアン・モヒカ  6・5
CB  ダビンソン・サンチェス 6 
   ジェリー・ミナ  6
DH ウィルマール・バリオス 5.5 
   カルロス・サンチェス 4・5→マテウス・ウリベ 5・5
OH  ファン・キンテーロ 4・5→ルイス・ムリエル 4・5
RSH ファン・クアドラード 5・5
LSH  ジェフェルソン・レルマ 4→カルロス・バッカ 3・5
FW ラダメル・ファルカオ 5

監督 ホセ・ぺケルマン  5

【欠場者】

OH ハメス・ロドリゲス(負傷)
FW  ミゲル・ボルハ(何があったかは知らないけど、ベンチ外になってました)

【展望】

ベルギーと同じ理由で、イングランドもまた予想が立てにくいチームだ。
ほとんどの国が4バック、もしくは5バックでこの大会に挑む中、イングランドは3バックである。
この独特のシステムはグループGのベルギーも使っているが、他に攻撃的な3バックを使っていたチームは(多分)ない。グループGに固まったのは奇妙な偶然と言うほかはない。

そのベルギーとの比較ではやや守備的だが、こちらの方がより『標準』に近いと言える。
極端に前傾姿勢のベルギーと比べれば守備的だが、世界標準から見ればイングランドは決して守備的な
チームではない。


イングランドの最大の武器はセットプレーである。
CBのマグワイアも上がって、攻撃に参加。
RWBのトリッピアーが送る鋭いクロスは高確率でケイン、もしくはマグワイアの頭を捉えるのだ。
また、サインプレー、トリックプレーも豊富で、セットプレーからの得点には相当力を入れているように見受けられた。

一方で、パナマにもチュニジアにも(ついでにベルギーにも)失点している点はいただけない。
このグループで3失点もするようではザルすぎる。
8得点は立派だが、それもパナマ・チュニジアが相手では素直に褒めていいものか迷ってしまう。


イングランドで解るのはそれくらいである。
守備は緩く、攻撃はセットプレーが中心。それ以上の事は今後の戦いで見定めていくしかない。

イングランドは近年、国際大会での不振が続いている。
今回、平均年齢の非常に若いチームは、グループ分けに恵まれたとはいえ、活き活きとプレー。
暗黒の時代に別れを告げ、新イングランドの栄光を誇示する、そんな大会にするためには
ベスト8……いや、ベスト4を狙いたい。
対戦相手には恵まれた。可能性は十分にあるはずだ。


コロンビアは、様々な意味で日本を助けてくれた『恩人』とも呼ぶべきチームだ。
グループH最強にも関わらず、日本戦では開始3分でサンチェスが退場。
それでいて日本以外にはきっちりと勝つ、本当にありがたいチームだった(なんだそりゃ)。

そのコロンビアだが、本来の大エース、ハメス・ロドリゲスは故障の影響で不振を極めている。
最前線のファルカオも1ゴールは決めたものの、まだ本来の力を発揮していない。
そんなコロンビアに現れた新星が、ハメスの代役キンテーロだ。
右サイドを疾走するクアドラードともども、コロンビアの最大の武器となっている。


日本戦、ポーランド戦では『強さ』を見せたコロンビアだが、
最終セネガル戦では終始押される苦しい展開だった。
この苦しい試合でもしっかり1-0で勝ち切ったのは立派だが、GKオスピナの再三のセーブがなければ引き分けどころか、負けていた可能性もあった。
クアドラードが完全に抑えられ、ファルカオは相変わらず沈黙していた。
『相手の長所を潰す』のが得意なセネガル相手とはいえ、明らかに格上のコロンビアが、大事な最終戦であのパフォーマンスは頂けない。
故障のハメスは戻ってくるのか。ファルカオはいつ復活するのか。
トーナメントの組み分けは上々だが、攻撃の二大エースの不振はコロンビアの行く手に暗雲を投げかけている。