・前半は完全にクロアチアのペース。ところが、事故のような2ゴールがフランスに転がり込み、フランスがリードしてしまった。

・中盤でフランスを上回ったチームはこの大会、ここまでいなかったと思う(初戦のオーストラリアは、まだ先発が固まっていなかったので除外)。クロアチアは今大会で初めて、フランスの中盤を封殺し、支配権を握った。

モドリッチ、ラキティッチ、そしてペリシッチが躍動した。一方、オウンゴールを気にしたのか、マンジュキッチに元気がなかったのは響いた。一応1ゴールは挙げたが、今日の出来だけを言うならクロアチアのワーストプレイヤー(ただし、ここまでの活躍を考えれば、叩く気にはなれない)。もっと積極的にシュートを狙ってほしかった。

・個人的にハンドのジャッジはやや厳しく感じた。ただし僕がクロアチアを応援していた事と、この主審はクロアチアVSデンマーク戦でデンマーク贔屓の誤審をしたのでかなり疑心暗鬼で見ており、そこは割り引いて考えてほしい。

・後半はフランスが盛り返し、互角か、ややフランスペースになった。カンテ→エヌゾンジの交代は妥当で、特に驚きはない。フランスは中盤で負けていたし、イエローももらっていたので。

ポグバの3ゴール目が効いた。フランスは今大会ここまであまり中盤の攻め上がりが観られず、物足りなく感じていたがあれは見事。エムバペのゴールも見事。そして、フランスの攻撃を支えたグリーズマンが、今日の個人的MOM。

・ロリスの軽率なミスでクロアチアが息を吹き返した。フランス自慢の守備的中盤が機能せず、クロアチアに攻撃のキーを握られっぱなしだったのは辛かったが、最終ラインのヴァランが空中戦をことごとく制し、最後まで崩れる気配を見せなかった。

・大会の総括は後日違う記事でやるつもりだが、とにかく最高の大会にふさわしい、最高の決勝戦だった。こんなに面白いワールドカップは、ちょっと記憶にない。



娯楽度 8

フランス代表採点 7

GK ウーゴ・ロリス 4・5  
RSB ベンジャミン・パバ―ル 5 
LSB リュカ・エルナンデス 6
CB ラファエル・ヴァラン 7・5
  サミュエル・ウンティティ 5・5 
DH エヌゴロ・カンテ 5.5→ステベン・エヌゾンジ 6
CH ブレーズ・マトゥイディ 5→コランタン・トリソ 5・5
   ポール・ポグバ 6.5
RWG キリアン・エムパべ 7 
LWG  アントワン・グリーズマン 8 MOM
CF  オリビエ・ジルー 6→ナビル・フェキル 5・5

監督 ディディエ・デシャン 8


 
クロアチア代表採点 7・5

GK ダニエル・スバシッチ 5・5 
RSB シメ・ヴルサリコ 5・5
LSB イバン・ストゥリニッチ 5・5→マルコ・ピアツァ ?  
CB ドマゴイ・ヴィダ 7・5
   デヤン・ロブレン 5・5
DH イバン・ラキティッチ 6・5 
DH マルセロ・ブロゾビッチ 6
OH  ルカ・モドリッチ 6
LWG イバン・ペリシッチ 7
RWG アンテ・レビッチ 6→アンドレイ・クラマリッチ 5・5
FW マリオ・マンジュキッチ 5・5

監督 ズラトコ・ダリッチ 7・5

【欠場者情報】
FW 二コラ・カリニッチ 大会追放


【展望】

優勝候補の一角として、盤石の戦いぶりを続けるフランスと、
僕がこれまで観てきたワールドカップでは、他に類のない『奇跡のチーム』クロアチアの決勝。

地力では間違いなくフランスに分があるだろう。
フランスの戦いぶりは実にソツがない。

ロリス、ヴァラン、ウンティティが固めるのが最終ラインなら、
その前に並ぶフィジカル能力に優れるカンテ、マトゥイディ、ポグバは第一防衛ライン。
この二層の守備ラインが、敵の攻撃を吸収する。

第一防衛ラインの守備力は大会最硬。このラインがボールを奪ったら、フランスの速攻が始まる。
攻撃の中心は19歳の怪童エムバペ。サッカー界の未来を担うかもしれない、スーパースターだ。
そこに絡むのが、2年前のMVP&得点王でありながら今大会は副官を務めるグリーズマン。
そして、無得点であることを批判されながらも、攻撃の潤滑油として欠かせないジルーだ。

率いるはデシャン監督。リードをすれば、時間稼ぎまでして守る。
手堅く守備固めのカードをチョイスする。イエローカードをもらった選手を早めに下げる。
先々を見越した選手起用など、とにかく明敏な大会きっての知将がフランスを率いる。


大会全体を見渡しても、フランスと同等の完成度を誇るチームは他にブラジルぐらいしか見当たらず、
この勝ち上がりはまさに順当と言えるだろう。


一方のクロアチアは、決勝に勝ち上がってきただけでも『奇跡』である。
予選リーグでは、ナイジェリア、アルゼンチン、アイスランドの『死のグループ』を1位で通過。
そしてそこからは、3試合連続の延長戦を勝ち抜いてきた。

最終ラインで特筆すべきタレントは、GKのスバシッチとSBのヴルサリコだ。
逆に言えば、逆サイドのSBストゥリニッチやCBのロブレン、ヴィダは奮闘はしているものの
大会No2を名乗るレベルにあるかと聞かれると、心もとない。

中盤の底で司令塔を務めるのが、大会最高の司令塔モドリッチ。
左右に振り分けられたパスは、正確に左サイドのペリシッチ、右サイドのレビッチへと届く。

この2人はやや波があり、良い時は本当に素晴らしいが、良くない時は今一つ。
その意味で、安定感は高くないのだが、イングランド戦でのペリシッチのプレイは凄まじかった
(ロシア戦、デンマーク戦のペリシッチは全然ダメだった。アルゼンチン戦は良かった)。
ペリシッチ、レビッチと2人の両翼が好調ならば、クロアチアの攻撃は破壊力を増す。
右サイドはヴルサリコのオーバーラップも見所だ。

中央の戦いでは恐らく、フランス自慢の『中盤の壁』が優位に立つだろう。
本来ならばクロアチア最大の武器であろう中盤のモドリッチ&ラキティッチだが、今大会ラキティッチの調子は今一つ良くない(少なくとも、期待ほどではない)。
そして、フランスの最大の強みが中盤センターの守備力である点も踏まえれば、サイド攻撃が唯一にして最大の解決法だと思われる。

そのためにも、サイドで優位に立てるかどうかが、クロアチアの命運を握っている。
最前線では闘うFWマンジュキッチが、チームを鼓舞する。
相手のジルーと似た役割を持つ大型FWだが、ジルー以上に前線からの守備や得点力で武器になっている。

エムバペと対峙するのはヴルサリコ。クロアチアで最も頼りになる守備者をぶつけられるのは大きいが、グリーズマンとジルーをロブレンとヴィダで見張れるだろうか。
ここまでオーバーラップを自重しているマトゥイディやポグバが積極的に上がってきた際、混乱をきたさないだろうか?
そして、3試合連続120分を戦ったスタミナは、果たしてどこまで回復するだろうか?


更に。
決勝の主審はネストル・ピターナ。
クロアチアVSデンマーク戦で、デンマーク有利のミスジャッジをかました個人的今大会ワースト級の主審である。
なぜこんな審判を選んだのか理解に苦しむが、これもフランス優勝の刺客なのかもしれない(妄想)


やはり、フランスの優勢は崩れない。決勝の舞台に立つだけで、クロアチアにとっては偉業である。
それでもここで満足せず、優勝カップを掲げるクロアチアの選手たちの姿が観たい。
決勝戦が怖く、そして待ち遠しい。