つよきす「1学期」において、個人的最優秀シナリオ賞はぶっちぎりでカニだけど
「3学期」カニシナリオも甲乙つけがたい。

物語としては、スバルとの決着がかなりマイルドな形になっている。
「1学期」では『対馬ファミリーのひとまずの終焉』が描かれていて、これはタカヒロが『まじこい』でも描いたコミュニティ終焉の物語だ。

一方「3学期」では『コミュニティの存続』が描かれており、非常に心地よい世界が形成されている。ただ、一方で『そこまで綺麗に巧くいくものだろうか?』という疑問も、すれっからした僕には浮かんでしまうし、ドラマチック成分は『1学期』よりも減った。
その分、『多幸感』は上乗せされている……いるのだが、『つよきすフェスティバル』でのカニルートアフターを読むと、「結局、理想の形は守れなかったんだなぁ」という思いにも駆られてしまう。

前半のバスケ勝負の描き方もあまり巧くない。
恐らくさかき傘はそれなりにバスケについて詳しいと思われる。
しかし、その結果『それなりにバスケに詳しい人向けの』文章になってしまっている。
ポイントガード、24秒バイオレーション、レイアップといった単語に、非バスケファンはついてこれるだろうか? この辺はエリカルート『桃鉄』エピソードに通じるものがある。
解る人だけが解り、楽しめない人は楽しめないような書き方になっている点は問題だと思う。
モブキャラの2人がまるで空気なのも、問題と言えば問題だ。



「1学期」同様、カニルートはカニ単体ではなく対馬ファミリーの物語だ。
スバルとカニが躍るシーンや、駆け込みでフカヒレがギターを弾くシーンなど、
(欲を言えば更に盛り上げてくれてもいいとは思うが)『4人』の活躍こそが特徴である。

年上ぶる傾向にあったスバルがフカヒレの胸で泣くシーンは、スバルだけでなくフカヒレもまた大切な仲間の一人だと改めて印象づけられる。
カニアフターでの『徹夜でファミレスお喋り』など、対馬ファミリーの仲の良さは本ルートを含め、『つよきす3学期』の楽しさの根幹だろう。





SーE

レオ B+
カニ A-
シナリオ B+
羨ましさ A
青春度  B+
Hシーン B

データ 後で

    シーン回想数 2 
    レオの射精回数:4
    sex回数:2 
    H日数:2
    カニが逝った回数:5