現在NBAは約半分の日程を消化。PO争いも少しずつ見えてきました。
そこで各チームの印象を雑~に書きたいと思います。
東も書こうかと思ったけど、西の方が興味があるし、西の記事だけで疲れてしまったので東は書くかどうか未定で!


☆西地区

超・激戦&超混戦区。
絶対王者ウォリアーズがやや苦戦(とはいえ2位だけど)、シーズン前対抗と目されたロケッツとジャズは期待を大きく裏切り、特にジャズに至っては開幕前対抗に挙げたのが恥ずかしく思えるほど。去年ベスト4のペリカンズも低迷し、そんな中、去年全然ダメだったキングスやマーベリックスが健闘を見せる。
一人最下位に沈むサンズを除いて14チームにPO進出の可能性がある、史上稀に見る(と観戦歴3年の俺が言っていいんかな?)激戦が展開されているのが西地区だ。


〇プレーオフ安全ライン

ゴールデンステイト・ウォリアーズ
デンバー・ナゲッツ

現在まさかの首位を走るのがナゲッツ。ヨキッチを中心としたややスローテンポなバスケだが、怪我人がこれだけいるにも関わらず首位を走る強さは本物。

そしてもちろんウォリアーズ。
グリーンとデュラントの確執や、例年に比べ上がらない勝率など『無敵感』はやや薄れてきてはいるが、天才児カリーのゲームメイクに安定感抜群のデュラント、たまに大爆発するクレイ・トンプソンと3人のハイスコアリングマシンを擁し、グリーン、イグダーラ、リビングストンとサポーティングキャストもバッチリ。このチームがPO進出を逃すとは考えづらい。

〇プレーオフ有力ライン

オクラホマシティ・サンダー
サンアントニオ・スパーズ
ロサンゼルス・レイカーズ
ヒューストン・ロケッツ


この中でチームの総合力が最も高いと感じるのはサンダーだ。
去年まではウェストブルックのワンマンチーム+アダムスだったが、今年はポール・ジョージがウェストブルックを押しのけてファースト・オプションになるほどの存在感を発揮。
脇役に回った時の方が輝くウェストブルック(たまにエゴを出して自滅するが……)、古典的センターではリーグ屈指のアダムスと、『BIG3』は揃っている。
セカンドユニットもシュルーダーの獲得で層に厚みが生まれてきた。戦力的にはかなり高いレベルと観て良い。

ではなぜこのPO安全ラインではないのか?というと、懸念点はスケジュールの問題である。
現時点で25勝16敗の3位と一件文句のない成績だが、PO圏外の9位ジャズ21勝21敗とは5敗差分しか差はなく、まだまだ安心とは言い難い。
そしてサンダーのスケジュールを見ると、『確実に勝利が計算できる弱小5(勝手に命名。ファンの方すみません)』サンズ、ブルズ、ニックス、ホークス、キャバリアーズとの対戦を既にほぼ全て済ませてしまっているのだ(あと2試合のみ)。
これが、たとえばユタ・ジャズはこの5チームとの対戦を9試合も残していたりする。
現在の順位は、弱い相手に恵まれた結果かもしれないのだ。


レイカーズは結局レブロン次第だろう。
故障欠場のほぼないレブロンがいる限り、最後のところでPOにきっちり滑り込んでくるはずだ。
ロンドのゲームメイクや、タイソン・チャンドラ―マギーのセンター。
クーズマ、ボール、イングラムの若手たちに曲者スティーブンソンなど、
多士済々の個性派集団が繰り出すアップテンポで攻撃的なバスケは、観ていて楽しく、好きなチームの1つだ。

昨シーズン、王者ウォリアーズを土俵際まで追い詰め、『事実上のファイナル』を演じたロケッツは
移籍マーケットでの動きに失敗し、戦力は確実にダウンした。
故障がちのエース、クリス・ポールに高年俸を払った結果しわ寄せが来ており、
既存戦力でもジェラルド・グリーンあたりからは去年の輝きを感じられない。
そんな逆境を、1月現在、1人で勝たせているのが髭の悪魔ジェームズ・ハーデンだ。
しかし、いくらハーデンが凄くとも、ハーデン1人(+カペラ)のワンマンチームでは、せいぜいのところ去年のサンダー止まり。高年俸に見合ったクリス・ポールの活躍や、ゴードンあたりの更なる奮起も期待したい。

ジノビリ、パーカーと一時代を築いた名選手たちと袂を分かち、新時代を担うはずだったレナードも喧嘩別れのように放出したスパーズ。
それでも、新エースのデローザンオルドリッジを中心に、ベルターンスパートルといった若手たちを活躍させる名将ポポビッチの類まれなる手腕には脱帽させられる。
このチームの真の強みは監督だろう。
レブロンが何とかしてくれるレイカーズ、ハーデンが何とかしてくれるロケッツ、ポポビッチが何とかしてくれるスパーズ。この3チームは結局、何とかPOには入るものと思われる。


☆プレーオフギリギリライン(上位)

ポートランド・トレイルブレイザーズ
ロサンゼルス・クリッパーズ
ユタ・ジャズ


開幕前の高い評価は何だったのか。
9位に低迷するジャズと、ほぼノーマークから突如として5位に躍り出ているクリッパーズ。

昨シーズンと戦力は変わらないものの、ルビオやミッチェル、ゴベアからイマイチ『躍動感』が感じられないジャズは、ここまで9位と苦戦中。とはいえ、腐っても『開幕前No2候補』。
スケジュール的に厳しかったのは事実で、ここから巻き返す可能性はある。

昨シーズン10位のクリッパーズは、表のエースハリスとセカンドユニットのエース、ルー・ウィリアムズが存在する異色のチーム。
長距離砲のガリナーリやハッスルプレイが魅力のハレルなどが驚きを演出し、超スーパースターがいない代わりに、ベンチメンバーが出ても戦力が落ちない面白いチームとなっている。
そんなチームが5位ということでてっきりスケジュールに恵まれたのか?と日程を見ても、案外そうでもない。前述した『弱小5チーム』との試合を8試合も残しているし、意外とこのままPOに入ってきそうな予感も。

期待外れのジャズと期待以上のクリッパーズ。そして、『期待どおり』なのがブレイザーズだ。
戦力も変わらず、成績も、やっているバスケもおおよそ変わらない印象のブレイザーズは、
POの常連チームでもある。
だとするならば今年も例年通りPOに進出するという予想も成り立つが、いやいや待っていただきたい。

ウォリアーズ、ナゲッツ、サンダー、ロケッツ、スパーズ、レイカーズの6チームを当確とするならば、
ジャズ、クリッパーズ、ブレイザーズのうち1チームはPOに出られないのである。
となると……?? 
やはり、今年の西地区は大激戦区。全く予想がつかず、これからの展開が非常に楽しみだ。


☆プレーオフギリギリライン(下位)

ダラス・マーベリックス
サクラメント・キングス
メンフィス・グリズリーズ
ニューオーリンズ・ペリカンズ
ミネソタ・ティンバーウルブズ

現在14位のマーベリックスですら19勝22敗。
8位のレイカーズ23勝19敗とはわずか負け数が3つで、数字上は全くどこが来てもおかしくない。
それでも敢えてこの5チームを下に選んだのは、
『戦力面での不安』・『去年までの実績』・『現在の順位』の3つを重ね合わせた結果だ。

10位キングス、11位ウルブス(21敗。9位のジャズも21敗で同じ)、
12位ペリカンズ、13位グリズリーズ、14位マーベリックスが22敗。
このような混戦では『現在の順位』にさほど意味はないのだが、戦力を見れば(クリッパーズを除き)やっぱり10~14位はこのチーム達だよな、という顔ぶれなのである。
とはいえ、この5チームに対する印象はやはり大きく異なる。


ペリカンズは去年の西地区ベスト4。
期待されていたはずのシーズンだったが、司令塔ロンドやカズンズの放出など、どうもフロントにやる気があるように見えない。
怪物アンソニー・デイビスを擁しているのだから、もっとやる気を見せても良いと思うのだが。
そして何より(?)rakutenTVで全く放送がないw 
データを見る限り西地区最高の得点力を擁しており、失点もガバガバである。
去年は副官ホリデーやシューターのミロティッチが補佐していたが、今年はどうなっているのだろうか?

キングスのスタイル変更には驚かされた。
去年までのキングスといったら、グリズリーズOBの会のようなメンバーで、グリズリーズのようなスローテンポなバスケをやっていたような気がする。
ところが今年は若手主体のラン&ガンで凄まじい爆発力を発揮。
フォックスコーリー・スタインらが活き活きと躍動する楽しいバスケを展開している。
ただ、このチームは本当に若い。
その上、チーム自体は10年以上PO進出ナシと、『勝ちの味を知らない』チームである。
勢いのあるうちは良いが、勢いが止まったら案外脆そうだと予想。とはいえ、好きなチームの1つだ。

オフの補強に成功したのがマーベリックスだ。
去年まではハリソン・バーンズが1人で頑張っているようなイメージを持っていたが、
そこに今年の最優秀若手選手ほぼ確定のドンチッチと、屈指のセンター、デアンドレ・ジョーダンを加え、確固たる3本の柱ができた。
ベテラン、バレアのゲームメイクも良い。
しかしこのチームはあまりにもアウェイで弱すぎるし、序盤の日程にも恵まれ、『弱小5』との試合は4試合しか残していない(そもそも弱小5との試合だって、アウェイでは勝てない気がする)。
そうは言っても、開幕前全く期待していなかったチームだけに、彼らのここまでの活躍はリーグを面白くしてくれている。

ジミー・バトラーのトレードでゴタゴタしていたウルブズは、
シーズンが始まっても突如シボドーHCを解雇するなど迷走が止まらない感じ。
涙の50ゴール復活のローズや、ウィギンズ&タウンズ、ティーグなど戦力はむしろキングスやブレイザーズあたりにも引けを取らない気がするが、どうもチームとしての一体感に欠ける印象だ。

最後に、日本人プレイヤー渡邊効果でrakutenTVで全試合放送(ただし英語実況)のグリズリーズ。
渡邊選手は大いに応援したいところだが、チーム自体の魅力は?というと難しいところ。
スローテンポなバスケで、得点29位、失点(の少なさ)は1位と、
まさにロースコアの粘りがウリのチームで、玄人ファンには良いかもしれないが、
ミーハーニワカファンの僕から観るとアクビが出てしまう。
司令塔コンリーとセンターのマルク・ガソルのベテラン2人に頼りがちで、3ポイントも打てるルーキーのジャクソンJrも好印象だが、いかんせん攻撃の駒が足りなすぎる。
むしろよく13位(19勝22敗)にいるなという印象だが、ここから上昇気流に乗る材料は乏しい。
僕が購読している『ダンクシュート』誌(2月号)では妙に高評価されているようなのだけど、どうなんだろ(さすがに、コンリー&マックのコンビが、カリー&リビングストンより高評価なのはおかしいと思うが、そういうおかしさを楽しむのも好き)。


☆プレーオフ絶望ライン

フェニックス・サンズ

普段なら一緒にドアマットを担ってくれるお仲間が他に何チームもいるのに、底辺仲間だったキングスやマーベリックスが健闘している中、一人取り残されたサンズについては触れるのも可哀そうな感じである……。来シーズンの躍進に期待したい。