1 チェルシー

去年サッリ監督が見せたハイレベルなポゼッションサッカーを解体して、
実績のほとんどないランパード新監督の就任。
開幕戦は良いところなくマンUに惨敗で、
本当にどうしょうもない上層部だなと思っておりましたが、開幕から2か月経って、少し様相が変わってきました。

ランパード監督のサッカーに、去年のサッリのような鮮烈さはありませんが、
エイブラハム、マウント、トモリ、ズマといった自前の若手を積極的に活用するのは、今までのチェルシーにはなかった部分。
特にエイブラハムの活躍は素晴らしいですね。

サッカーの質にはまだまだ拙さが見え、正直去年よりも弱体化しています。
とはいえ今年はライバルになるトッテナムがチェルシー以上に死んでいるので、現時点で4位。
若手をここまで多用しての4位なら、恥じる成績ではありません。
ゆっくり見守っていきたいと思いますが、チェルシー上層部にゆっくり見守る気があるのかが一番の懸念点です。


2 マンチェスター・ユナイテッド

昨シーズン就任してから、ずっと期待していたスールシャール監督でしたが、どうやら僕の見込み違いだったようです。内容も芳しくなく成績も悪く、あまつさえ誤審のおかげで勝ち点1を得た際の「誤審なんてなかった!」という開き直りには、哀れを通り越して泣きたくなりました。
審判に助けられたが、次は実力で勝ってみせる、ぐらい言えないものでしょうか。そこまで言わなくても、さすがに「誤審はなかった」は無理筋すぎです。そんな姿勢じゃ、これから先もロクなサッカーをやってくれそうにないですね。


3 アーセナル

ウナイ・エメリ監督解任要求がアーセナルファンの88%を占めるとか。
戦力的にも5番手クラス、内容的にも5番手クラス、順位も5位。
至って妥当な結果が出ていると思うので、このヒステリックな解任要求は疑問です。

もっと上を目指したいならもっと陣容を拡充しましょうよ。
エメリは劣化リバプールみたいなサッカーをしていて、ハッキリ言って僕の好きなサッカーとは程遠いけど、一応結果は最低限出してますよ。最低限だけど。
20年もの長期政権をベンゲル前監督から引き継いで、見劣りしない結果を残しているんだからもう少し長い目で見ませんか?


4 トッテナム

去年あれだけ強かったのにどうしちゃったの?ってぐらい、今期の悪い意味でのサプライズチームです。どうやら聞けば、ポチェッティーノ監督と主力の間に確執があるとか。
「チームで戦う」「団結力で勝つ」タイプのチームのはずなので、これはあまりにも意外でした。
こういう状態になると、主力を一掃するか監督を切るか。難しい決断ですね。

ソン・フンミンのタックル問題が取りざたされていますが、不幸な事故でしたね。
アンドレ・ゴメスを怪我させてしまったのはソン・フンミンのタックルで間違いなく、
イエローカードが妥当なファウル。まぁ、ファウルですよ。
フェアなぶつかり合いじゃなく、ファウルはファウル。
でも、あの程度のファウルは1試合のうち3回ぐらいは見ます。
あんな大怪我に繋がる事はなかなかないです。
そういう意味で、難しい問題です。

が、とりあえず『日本語コミュニティ』で、ソンが『韓国人』であることを指摘する人のいかに多い事か。あのねぇ。エリック・ラメラがもっと汚いプレイをした時に、あなた方はラメラがアルゼンチン人だったことを強調していましたか?
デレ・アリだってもっと汚いですよ。イングランド人ですが。
ポチェッティーノ・トッテナムはかなり汚いチームで、ソンはその中でかなりマシな方です。
試合を見ているのか見ていないのか知りませんが、人種差別主義者にしか見えませんよ。
逆に日本人として恥ずかしい気持ちになるので、やめてほしいですわ(どこの国にもいるのでしょうが)。

エバートンキャプテン、コールマンのフェアプレー精神を見習えませんか?
とにかくアンドレ・ゴメスの無事を祈りましょう。


5 バルセロナ

ついにここまで堕ちたか、というのが率直な感想です。
ライカールト、グァルディオラと続いたあの時代は幸せでした。
グァルディオラ監督が退き、徐々に衰退し、ルイス・エンリケが衰退を加速させ、バルベルデがとどめを刺しました。
それでもバルベルデ・バルサは去年まで強かったのですが、今年は強さすらない。

ライバルのレアルもアトレティコも全然ダメで、スペインリーグは未曽有の団栗の背比べ状態なので、バルサにも優勝のチャンスはありますが、こんなにつまらないバルサはリケルメがいた頃以来ですね。全くわくわくしません。
かと言って、レアルやアトレティコがバルサより良いサッカーをしているわけでもなく、お寒い状況です。


と、このように今年のサッカー界は、
リバプールとマンチェスター・シティ(とユベントスとパリ。セリエAやフランスリーグにはあまり興味がないが)を除き、メガクラブがこぞって期待を裏切っています。

そのため、よく言えばどこが優勝するかわからない混戦が各国で繰り広げられておりますが、
「強豪もアッサリ格下に負けるかも!」という勝敗の興味は増している一方で、
強豪らしい素晴らしく美しいプレイ、そういった娯楽・芸術性とレベルが大幅に下がっていると感じます。
面白い試合、少ないです。泥仕合は多いけど。


去年はマンチェスター・シティ、チェルシー、バルセロナ、アーセナル、ドルトムントを応援していましたが、
この中で去年と同等のパフォーマンスができているのはシティだけです。
(アーセナルもそうかもしれないが、アーセナルは新監督1年目というフレッシュさがあった)。
バルサは悲惨の一言、チェルシーはランパードの取り組みが気になりますが内容は劣化、
ドルトムントもピリッとしません。

そして、それ以外のチームで去年よりも良くなっているのは、見たところユベントスだけです。
強豪の中では。

もっと中堅チームに目を向けるべきかもしれませんね。優勝は狙えなくても、面白いサッカーをしてくれるチームが隠れているかもしれません。