面白かったです!

調子を崩していた(と思っていた)ドルトムントが、僕が見ていない2~3試合のうちに見事に復調していました。
特に前線のジェイドン・サンチョマルコ・ロイスを軸にした連携は実に美しく、昨シーズンの良かったドルトムントが戻ってきました。
前半はドルトムントの攻撃が猛威を振るい、2ゴールを奪取。
ドルトムントがボールを支配する流れとなりましたが、これは想定の範囲内。
というのも、ライプツィヒは「ボールを支配などしたくない」チームだからです。

最終ラインからボールを繋ぐのは、ボールを保持するという意味で実に理に適っています。
最終ラインからアバウトなロングボールを蹴れば、それだけボールの支配権を失う率も高いからです。
しかし、最終ラインでのボールの繋ぎは、奪われれば即大ピンチに繋がります。
ライプツィヒのようなチームはそれを狙っている。

自分たちで最終ラインからボールを丁寧にミスなく繋ぐ技術が足りなければ、
アバウトに相手陣に蹴り込み、
相手のパスを奪ってそのままゴールに突進した方がゴールを取れる率が高い。
という考え方です。

個人的にはこのサッカーは実につまらない代物だと思っています。
というのもこの日のドルトムントのようなボールを繋ぐチームとの試合ならばいいのですが、
ボール奪回を主目的としたチーム同士の対戦になると、
壮絶な譲り合い、『ボールの押し付け合い』になってしまうからです。

とはいえ、ライプツィヒはさすが先駆者。
ドルトムントの最終ラインのビルドアップは全て狙っているような、息詰まるプレスを前半から見せていました。
それが実を結んだのは後半になってから。
ドルトムントGKロマン・ビュルキの目を疑うようなパスミスと、ユリアン・ブラントの同じく酷いバックパスミスはありましたが、それを狙っているのがライプツィヒ。
2ゴールを挙げたティモ・ヴェルナーとその相棒、ユスフ・ポウルセンの前線はさすがの迫力でした。

ミス自体はドルトムント側の問題ですが、前半にも2~3本ほどピンチに繋がりかねないドルトムントのパスミスがありました。
これはボールポゼッションをするチームにしてはミスが多いとも言えますが、サッカーにミスは付き物。それをライプツィヒが狙っているのは前半から見て取れ、NHKの実況氏が言うほど一方的な展開には見えませんでした。

その後も試合は動き、結果3-3のドロー。実力伯仲の好試合は、ファウルも少なく、久しぶりに「面白い試合を見たなぁ」という気持ちになりました。

それにしてもGKとは因果なポジションですね。
ロマン・ビュルキは3~4本のスーパーセーブでチームを救ったにもかかわらず、致命的なパスミスで失点の原因を作り、試合の主導権を明け渡すきっかけになってしまいました。
同じく素晴らしいゴールを決めたにも関わらず、パスミスで2失点目の原因になったユリアン・ブラントはさほど悪印象はないのですが、GKともなるとミスしないのが当たり前のような目で見られてしまう。
気の毒な事ですが、最後尾を守る選手に信頼が置けなければチーム全体が浮足立ってしまうもの。
個人的にはあれだけセーブもしたのだから、±0と評価したいところですが、やはり叩かれてしまうのかなぁと思いました。