優しい田舎で、いつまでもずっと (オースティン作品についてのオマケ付き)

イントロ

貧乏な実家から裕福な親戚の家(マンスフィールドパーク)に引き取られた、主人公ファニー。
環境の激変に戸惑う彼女を支えてくれたのは、従兄のエドマンドだった。

ジェイン・オースティンは『少女漫画』だ、と思う。

『高慢と偏見』、『分別と多感』のようなタイトルや、
純文学にジャンルされている事から、何となく難しそうと敬遠する方もいるかもしれませんが、実にもったいない。
お嬢さま主人公が繰り広げる恋の、人生の一幕。
最後は必ず結婚をして、ハッピーエンド。
結婚の後が大変なのでは?とか、そんなことは言いっこなし。
『主人公たちはいつまでも幸せに暮らしました。めでたし、めでたし』。

のんびりと紅茶でも啜りながら、19世紀イギリスへ思いを馳せる読書の旅は、世知辛い現実を忘れさせてくれる、極上のヒーリング・タイムをお約束します……。

絶賛現実逃避中の私は今、*オースティンの一気読みをしている最中で、本作『マンスフィールドパーク』には、とりわけ癒されました。

主人公ファニーについて

巻末の解説によれば、どうも好き嫌いが分かれるようですが、
個人的には、女主人公のファニーがお気に入りです。
この本の癒しの大部分は、彼女の確固たる『道徳観』によるものでした。

確かに、少しお堅すぎるかなと思う部分はあります(不倫を題材にした演劇への批判など)

しかし、『結果を得るためには手段を選ばない・実用性・数字』ばかりが重視される現代で忘れられがちな、
『人と人との絆、相手を思いやる気持ち、優しい性格』といったものを体現してくれるファニーの存在には、大いに癒されました。
時の止まったような田舎のお館で、大好きな人と結婚し、ゆっくりと過ごしていく……。
捉え方によっては、閉塞感を覚える、ただ老いていくだけの退屈な人生にも思えますが、ファニーはそれで満たされている。
そうしたもので満たされるファニーのような人になりたいと、憧れを抱きながら読みました。

考えてみれば、この作品の内容はそこまで明るいわけではありません。
むしろファニーにとっては、つらいシーンも多かったと思います。
家族以外にロクな友だちもいないし(ミス・クロフォードはぼくの感覚では友だちではない)。

しかし、読んでいる最中からずっと感じていたのは、『居心地の良さ』。
ファニーを中心とした、『マンスフィールド・パーク』に、ずっと滞在していたい、ずっと読み続けていたい。
そんな読書時間を過ごせました。

おまけ 個人的 オースティン作品ランキング(S~E)

A+ 高慢と偏見
 マンスフィールドパーク
A- 説得
B+ 分別と多感
B  ノーサンガーアビー

これから エマ(読み終わったらリストに入れます)

『高慢と偏見』のみ、ずいぶん前に読んだ作品。
初オースティンでもあり、ドラマ版、映画版共に見てかなりハマりました。
ドラマ版のダーシーがめちゃくちゃカッコいい!

残りの作品は全て今年読んだのですが、その中では『マンスフィールドパーク』がトップです。
作品の面白さもさることながら、オースティン作品の場合、『主人公&ヒーロー』の2人をどこまで好きになれるか、で自分の評価が決まっているような気がしますw