本来は違うのだが、この記事での「読んだ」という表現は「最後まで一字一句、目を通せた」という意味合いでしかない。

子供時代、「なんか難しそうな作品」を「読め」と言われるままに読んでしまう、従順な自分の霊を沈めるためのレクイエム記事である。

今の僕は無理そうだと思ったら素直にやめることの方が多い。
だからこの記事が更新されることはあまりないであろう。


☆Sランク(全く読めない本。読むのが苦痛すぎた本)

ユリシーズ/ジェイムズ・ジョイス……

1000ページ超の本を読んで、 何が書かれているか1ミリも理解できなかった……。
読書人生で、最も退屈かつ難解かつ無駄に過ごした時間は、ひょっとすると本書かもしれない。
小説手法による『意識の流れ』というのは、僕にとって鬼門であると理解できた。


ソドムの百二十日/マルキ・ド・サド……

SМのS、サド伯爵である。この作品は、何が書かれているかはわかる。
ただひたすらにグロくて気持ち悪い。とりあえずスカトロ大好き人間以外には薦められない。
人生で最も気持ち悪かった本である。
やったことがないからわからないが、嫌悪属性のAvを見続ければこんな気分にもなるだろう。


アンナカレーニナ/トルストイ……

ロシア文学はキツい、とぼくに教えてくれたのはドストエフスキーとトルストイだけれど、
その中でも本作はしんどかった。
内容が1500ページくらいあること、恋愛小説のはずなのに、突然野良仕事のシーンが出てくるなどは朝飯前だが、ヒロインのアンナが全く好きになれなかったことも大きい。
ちなみに、同様の作品(?)であるフローベールの「ボヴァリー夫人」も全く好きになれず、
厳しかったが、ボヴァリー夫人は相対的に短いのでまだ何とか耐えられた。


☆Aランク

失われた時を求めて/プルースト……

内容面ではSランクにあげた作品よりも読みやすく、面白みも感じられる。ただ、ひたすらに長い。
中盤の「ソドムとゴモラ」が鬼門で、ひたすら社交界のどうでもいい話を読まされる。
後半、アルベルチーヌとの恋物語は、ヘタレでどうしょうもない男が右往左往する話で、こちらは案外楽しく読めた。


カラマーゾフの兄弟/ドストエフスキー……

なぜドストエフスキーの作品は、唾を飛ばしながらわめき散らすかのような登場人物が多いのであろうか。この作品もゾシマ長老のあたりが非常にしんどく、読み終えた後も「うーん」という感じだった。

ただ、数年後に読んだ「罪と罰」が面白く、「カラ兄」を朗読で(再読する元気はなかった)流し聞きしたところ、内容がスルスルと頭に入ってきて、案外面白く感じたので、読書時の僕の頭が悪かっただけかもしれない。
ただまぁ、正直「罪と罰」だけでいいや、とも思った。


魔の山/トーマス・マン……ひたすらサナトリウムでのんびり過ごしながら、弁論対決をしていたような記憶がある。毛布にくるまりながらの日光浴が、気持ちよさそうではあった。


神聖喜劇/大西巨人……2500ページというボリュームがまず大難関である。内容は理不尽で妙にハイテンションな軍隊生活の中で、主人公が鬱屈をためていくような話だった気が……朧気にする。


指輪物語/トールキン……ファンタジーの古典であるが、非常に読みにくい。「ロード・オブ・ザ・リング」という映画になっているので、そちらを見るだけで正直十分である。