Euro 2012

個人的 Euro2012 ベスト23選手

3試合以上採点した選手のみ、採点記録を出します(全ての試合を採点したわけではないので)



GK 

イケル・カシージャス(スペイン)(69.1/6試合)……王者スペインの最後の砦。6試合で失点1はお見事で、奇跡的なセーブで何度もピンチを救った。

ジャン・ルイジ・ブッフォン(イタリア)(65/5試合)……決勝での4失点がミソをつけた格好だが、それを除けば5試合で3失点。ノイアー、ハートなど新世代の台頭もあるが、カシージャスに次ぐ世界No2の座を死守した格好だ。


ジョー・ハート(イングランド)(68.3/3試合)……超ディフェンシブなイングランド代表の、最後の砦を守ったのはこのハート。傑出した反射神経は、世界でも屈指だ。


その他……ルイ・パトリーシオ(ポルトガル)、ノイアー(ドイツ)と、上位陣のGKはいずれも安定したパフォーマンスだった。彼らを選んでも良かったのだが、より活躍の機会の多かったハートを選出した。
ロリス(フランス)、アンデルセン(デンマーク)、ギブン(アイルランド)と、知名度の高い・低いに関わらず良質なGKがそろい踏みした大会で、唯一期待はずれに終わったのがツェフ(チェコ)か。2大会連続の致命的なファンブルからの失点は、言い訳ができない。

DF
ジョルディ・アルバ(スペイン)(66.6/6試合)……大会を通じて精力的なオーバーラップを見せた、スペイン期待の新星。とりわけ決勝での得点は、世界へ向けて名刺代わりの一撃となった。

セルヒオ・ラモス(スペイン)(61.6/6試合)……相棒のピケがイマイチ頼りにならない中、彼のフォローに走り回った。今大会ではファウルも少なく、ポルトガル戦ではSBのカバーリングでロナウドを抑えるなど、守備の要として大車輪の活躍。

ファビオ・コエントラン(ポルトガル)(67.5/4試合)……神出鬼没に中盤に出没したその動きは、到底SBの振る舞いではない。パス交換から前線にまで駆け上がる姿も散見された、偉大なるダイナモ。

ペペ(ポルトガル)(65/4試合)……レアル・マドリーではラフプレイで名を馳せるも、今大会ではクリーンなプレイでDF陣を牽引。ムラのあるブルーノ・アウベスをしっかりとリードした。

マッツ・フンメルス(ドイツ)(61/5試合)……確かにイタリア戦ではバロテッリにかわされた。だが、頼りにならない相棒のバドシュトゥバーを必死に盛り立て、確かな足技から正確なロングパスを繰り出したこのCBは、大いなる発見だったと言える。

ゲブレ・セラシエ(チェコ)(62.5/4試合)……傑出した試合はなかったものの、常に安定したパフォーマンスでチェコの右サイドをカバー。人種差別の標的にもされたが、その愚行を跳ね返す活躍ぶりだった。

マテュー・ドゥビュッシー(フランス)(フランスは採点漏れが多いため、採点は割愛)……4バックと3バックの中間のような、変則的な最終ライン。フランスがこのような最終ラインを敷いたのは、正確なビルドアップと、ウイングに匹敵する攻撃センスを併せ持った、ドゥビュッシーを活かすためだった。


その他……王者スペインの右サイドを締めたアルベロアは、その安定した守備力と、機を見た攻め上がりが光った。十分選出に値する活躍だったが、スペインばかりから選ぶのもなんなので、ここはドゥビュッシーに席を譲ってもらった。
また、イングランドの右サイドバック、グレン・ジョンソンはミルナーと連携しての攻撃参加が素晴らしかった。
フランスのメクセスは、相棒のラミが頼りにならない中で奮闘したが、出場停止によりスペイン戦に参加できなかったのが悔やまれる。


MF 

シャビ・エルナンデス(スペイン)(70/6試合)……完璧なポゼッションを誇ったスペイン代表の中心。決勝での2アシストは、『本物』にしか出せない極上のキラーパスだった。

アンドレア・ピルロ(イタリア)(68/5試合)……シャビがスペインの核だとすれば、イタリアの核はこのピルロ。イングランド戦のPKは魔法のように、イングランドに向いていた空気を一変させてしまった。


サミ・ケディラ(ドイツ)(71/5試合)……ベスト4に終わったドイツ代表で、最も輝いた選手。レアル・マドリードで見せていた潰し屋としての顔ではなく、よりダイナミックに走り続け、攻撃センスも抜群であることを披露してくれた。

メスト・エジル(ドイツ)(70/5試合)……大会を通じて輝き続けたが、白眉だったのはギリシャ戦のパフォーマンス。ピッチを優雅に舞い、決定的なスルーパスを供給し続ける姿は、まさにファンタジスタの呼び名に相応しかった。

スティーブン・ジェラード(イングランド)(66.6/3試合)……ゴール前を10人で固める、イングランド流カテナチオでは攻撃に人数を割けないため、必然的に得点チャンスも限られる。そんな彼らのチャンスの大部分を演出したのは、正確無比なロングパスと、セットプレイキッカーを務めたジェラードだった。

ジョアン・モウチーニョ(ポルトガル)(63.75/4試合)……ポルトガルのバランサーであるモウチーニョは、実にクレバーで渋いプレイを見せてくれた。守備に重点を置きながらも、ここぞというシーンではきわどいパスを入れる。

ヨアン・キャバイェ(フランス)……スペインにこそ後れをとったが、イングランドを圧倒したフランスのポゼッションサッカーは、司令塔キャバイェが中心だ。ショート、ロングを蹴り分ける巧みなビルドアップが目立った。


その他……スペインのブスケッツは、堅固な守備を支えながらポゼッションにも貢献したスペインの要の一人。
波が激しかったとはいえ、ギリシャの魂を体現していたカラグーニス、フランスの防波堤となったアリュー・ディアッラ、小回りの利くチェコのテクニシャンコンビ、ピラージュとイラチェク。同じくチェコの守備のキーパーソンとなったヒュブシュマン、ダイレクトパスでイタリアの攻撃にアクセントを与えていたモントリーボらの名前を挙げておきたい。

FW

アントニオ・カッサーノ(イタリア)(63/5試合)……得点こそ1ゴールに終わったものの、持ち前のテクニックでイタリアの前線を引っ張った。

アンドレス・イニエスタ(スペイン)(71.6/6試合)……一度キープ体勢に入ったら、誰も彼からボールを奪うことはできない。世界一のドリブル技術で、サイドを席巻した。

セスク・ファブレガス(スペイン)(65/6試合)……攻撃の生命線であるポゼッションと、得点力を両立させた新システム、『ゼロ・トップ』はセスクの存在なしには完成しなかったに違いない。得点・アシスト、チャンスメイクと攻撃のあらゆる局面で存在感を発揮した。

ダビド・シルバ(スペイン)(64.1/6試合)……針の穴をも通すアイルランド戦の2点目や、決勝戦での先制ゴールなど、2年前には見られたひ弱さが消えたシルバは、レギュラーとして実に頼りになる選手へと成長を遂げた。

ナニ(ポルトガル)(67・5/4試合)……大会随一のサイドアタックを誇ったポルトガル。好不調の波が激しかったロナウドに比べ、波のないパフォーマンスでポルトガルの攻撃を支え続けた。

サルピンギディス(ギリシャ)(63.75/4試合)……開幕戦、彼の投入がギリシャのその後の運命を変えた。DFラインの裏を取る、ラインブレイクの技術は大会屈指で、強豪ドイツを相手にしても十二分に通用した。

 

その他……まず、得点王に輝いた5選手(ゴメス、トーレス、マンジュキッチ、ジャゴエフ、バロテッリ)はいずれも未選出。これは珍しい事態ではなかろうか。だが、彼らはいずれも得点以外での貢献度が高いとも、大会を通じて活躍し続けたとも言いがたい。
ベストプレイヤー選出ともなると、やはりグループリーグで敗退した国からはどうしても選びにくい。その中では、アルシャビン、クローン・デリなどが目を引くプレイを見せた。

フランスの攻撃を担ったリベリー、ルーニーに代わってイングランドを牽引したウェルベック、ギリシャ最前線の核サマラスの活躍にも触れておきたい。


ちなみに、Uefaの公式23選手も発表されました。赤字は、僕のベスト23と共通のプレイヤーです。

GK カシージャス、ブッフォン、ノイアー
DF ピケ、コエントラン、ラーム、セルヒオ・ラモス、アルバ、ペペ
MF  デロッシ、シャビ、イニエスタケディラブスケッツ、エジル、ピルロ、シャビ・アロンソ、ジェラード
FW バロテッリ、イブラヒモビッチ、セスク、シルバ、ロナウド 

イタリア&スペイン代表まとめ


【イタリア代表まとめ】 2勝3分1敗 得点6 失点7 攻撃 A- 守備 A- 面白さ A- 総合 A-

主要選手の平均採点

*アイルランド戦は採点していませんので、5試合の平均採点になります。


GK ジャン・ルイジ・ブッフォン(65)
DF レオナルド・ボヌッチ (50) 
   アンドレア・バルザーリ (50/3試合) 
   フェデリコ・バルザレッティ (61.6/3試合) 
MF  クラウディオ・マルキージオ (61) 
   アンドレア・ピルロ (68) 
   ダニエレ・デロッシ (54) 
   リカルド・モントリーボ (58.3/3試合) 
FW アントニオ・カッサーノ (63) 
   マリオ・バロテッリ (59) 


足元へボールをつなぎ、中盤を大事にするテクニカルなサッカーは、従来のイタリアとは異質だった。
顕著に現れたのが、イングランド戦で記録した64%というボール支配率だろう。
デロッシ―ピルロ―モントリーボ―カッサーノと、縦のラインにテクニシャンを配した効果が出たと言える。
また、足元だけではなく、カッサーノに預ける縦に長いロングパスも効果的で、多彩な攻撃パターンを持っていた。

光ったのは、何と言ってもまずはピルロだろう。
イタリアの攻撃の核となり、セットプレイのキッカーも務めた彼は、今なお世界最高峰の司令塔だった。
とりわけ、イングランド戦で見せたPKは、後々の語り草となるだけのインパクトがあった。
カッサーノは、前線の基準点としてピルロに次ぐ攻撃の要に。
ドイツ戦の2ゴールが印象的なバロテッリともども、記憶に残る悪童2トップとなった。
デロッシは、3バックの真ん中で印象的なプレイを見せたが、大会が進み4バックが導入されると今ひとつ『違い』を作れなかった印象だ。そのぶん、よりゴールに近い位置でモントリーボがワンタッチパスを配給した。
採点では平均61と悪くないものの、個人的にマルキージオの飛び出しがあまり見られなかったのは残念だ。


最終ラインは悪かったとまでは言わないが、クロアチア戦のマークミスと度重なる負傷で好印象を与えられなかったキエッリーニ、ユーべの先輩カンナバーロと比べると2ランクほど落ちるバルザーリやボヌッチと、
思いの外、振るわなかった印象だ。
その中で、最後尾に君臨したブッフォンは、現在でも世界屈指の名手であることを教えてくれた。

ただ、フォリクラッセ(名手)の輝きを見せた選手たちはブッフォン、ピルロ、カッサーノと、いずれも古株たち。
若手選手で継続的に活躍した選手は皆無だっただけに(バロテッリは健闘したが)、
2年後のワールドカップでイタリア代表がどのような活躍を見せるのか、少々不安ではある。



【スペイン代表まとめ】  4勝2分 得点12 失点1 攻撃 A+ 守備 S 面白さ A- 総合 S

平均採点

GK イケル・カシージャス (69.1) 
DF アルバロ・アルベロア  (63.3)
   セルヒオ・ラモス (61.6) 
   ジェラール・ピケ (55.8) 
   ジョルディ・アルバ (66.6) 
MF シャビ・エルナンデス (70) 
   セルヒオ・ブスケッツ (61.6) 
   シャビ・アロンソ (59.1) 
FW アンドレス・イニエスタ (71.6) 
   ダビド・シルバ (64.1) 
   フェルナンド・トーレス (62) 
   セスク・ファブレガス (65)

12得点の数字は立派だが、決勝とアイルランド戦の2試合で8ゴールを奪っており、その他の4試合では4ゴールである。
前述の2試合はスペクタクルでもあったが、逆にフランス戦・ポルトガル戦などはとても退屈で、スペクタクルの面では当たりはずれが激しく、評価が難しい。


スペインのサッカーは、ポゼッションありきのショートパス戦術だ。
だが、このチームが一線を画すのは、テクニックに極めて優れた選手たちをそろえており、ミスが極めて少ない
ことだ。
危ない形でのボールロスト、リズムを崩すようなタッチのぶれがないため、その気になれば半永久的にでもボールを回せてしまう。故に、相手チームがボールをもてる時間が極めて少なく、当然のように相手に与えるチャンスも少ない。
普通は『守備的:守備が堅い』と言えば、引いて守るスタイルをイメージするのだが、スペインの場合はボールポゼッションを、攻守一体の戦術の域にまで昇華している。

後は、どれだけゴールへの意識が高いか、どれだけスペースに選手が走りこめるか、どれだけ利用できるスペースが広がっているかで、スペクタクルな猛攻を見せるか、横パスばかりの退屈な展開になるかが決まる。

ポゼッションの中心は、シャビ・エルナンデス。決勝では、2アシストとMVP級の活躍で、格の違いを見せてくれた。
前線ではシルバとイニエスタの2枚のウイングが躍動。シルバのパス&ゴー、イニエスタの鬼のようなボールキープ力は大会を通して輝いていた。
最前線には、ゼロトップシステムを消化した『偽のCF』セスクが、ゲーム構築に絡みながら2得点。

また、最終ラインでは新星アルバのオーバーラップが目をひいた。
ピケにはやや不安定な守備で、ハラハラさせられたが、ラモス、アルベロアの献身的なフォロー、
そして最後尾のカシージャスの好セーブが失点を1に抑えた。

決勝 スペインVSイタリア

スペイン      4-0               イタリア

試合内容 A
MVP CH シャビ・エルナンデス(85)(スペイン)
主審 A

GK イケル・カシージャス(75)          ジャン・ルイジ・ブッフォン(55)
CB ジェラール・ピケ (55)             アンドレア・バルザーリ(40)
   セルヒオ・ラモス (60)             レオナルド・ボヌッチ (40) 
SB ジョルディ・アルバ (80)            イニャツィオ・アバテ(60)
   アルバロ・アルベロア (60)           ジョルジュ・キエッリーニ (50)  
DH セルヒオ・ブスケッツ (70)       CH ダニエレ・デロッシ (50) 
CH シャビ・エルナンデス (85)          アンドレア・ピルロ (50) 
   シャビ・アロンソ (65)             クラウディオ・マルキージオ (50) 
WG ダビド・シルバ (70)          OH リカルド・モントリーボ (60) 
    アンドレス・イニエスタ (75)     CF アントニオ・カッサーノ (60) 
CF セスク・ファブレガス(80)         マリオ・バロテッリ (55) 
 
監督 ビセンテ・デルボスケ S        チェーザレ・プランデッリ C

交代【ス】

ダビド・シルバ→ペドロ・ロドリゲス(55)
セスク・ファブレガス→フェルナンド・トーレス(70)
アンドレス・イニエスタ→ファン・マヌエル・マタ(55)

【イ】
ジュルジュ・キエッリーニ→フェデリコ・バルザレッティ(60)
アントニオ・カッサーノ→アントニオ・ディ・ナターレ(55)
リカルド・モントリーボ→ティアゴ・モッタ(?)

【試合概要】

今までの、退屈なスペインはなんだったのだろう。
そんな想いでいっぱいだ。

今日のスペインはまさに王者に相応しい戦いを見せた。
横に繋ぐだけの退屈なポゼッションから、ゴールへの意識を感じさせるキラーパスへ。
2点目、アルバのゴールはまさにその意識の表れで、飛び出したアルバ、そこへ絶妙なパスを送ったシャビともども、芸術的と評していい得点だ。
今までのスペインに最も欠けていた縦の意識が、この日は随所に見ることができた。

ただでさえ一方的だった試合を決定付けたのは、プランデッリ監督の迷采配と、モッタの故障という純然たる不運。
後半の早い時間で、最後のカードを切る、それもモントリーボを下げてモッタを投入するという意図不明な采配は、結果的に完全な裏目となる。
モッタが投入後わずか10分足らずで負傷退場。イタリアは10人で戦う羽目になってしまったのだ。
2点差で、1人少ない。そんな状況を覆せというのは、土台無理な話。
モッタの負傷自体は不運の一言に尽きるが、そもそも攻撃力があるわけでもないモッタを最後のカードとして投入した采配には大きな疑問が残る。
不測の事態に備えてカードを温存しておくのが順当なところだし、攻撃のカードを切りたいなら、ジョビンコ、あるいはまだノチェリーノあたりの方が可能性があっただろう。


試合はその後、途中投入されたトーレスが1ゴール1アシストの大暴れ。ここまで出番のなかったマタまでゴールを決めて、メジャー大会3連覇という史上初の偉業に華を添えた。

【イタリア】

はっきり言って、良いところがなかった。
これはスペインが良すぎたとしか言いようがなく、採点は伸びずとも、壊滅的な点数(30点とか)をつける気にはならない。
ただ、足元で繋ぐ意識がさほど高くなく、前半からロングボールを使っていたのは少々イタリアらしくなかったとも言える。
ファウルまがいのプレイを駆使してさえもスペインの攻撃を止めることができなかった、ボヌッチ、バルザーリは40点と低評価。
モッタは惨敗の最大要因ともいえるが、さすがに負傷退場での低採点は非道すぎるので、採点不可の「?」に。
プランデッリ監督のC評価は、上述したとおり。今日の采配だけを見ればE評価でも良いくらいだが、
今大会、ソリッドなイタリアのサッカーを植えつけたのは紛れも無くプランデッリの功績なので、
やや甘めのCとした。
低採点ではないが、今大会ここまでまばゆいばかりの輝きを放っていたピルロが今日は50点というのも痛い。

ただ、どちらにせよ相手が悪すぎた。そうとしか言いようがなかった。 

【スペイン】

いつになく、縦への意識が強い試合だった。
今までのスペインは、二列目からのスペースへの飛び出しが皆無に近く、縦になかなかボールが出なかった。
ところが、今日のスペインは二列目から面白いように選手が飛び出し、そこへセンチメーターパスがピタリと届けられていた。

この試合では、普段ほどポゼッション志向が高くなく、実際ボールを保持している時間は長くなかった。
そのためか、前半はイタリアにも何度かチャンスを与えたが、これはGKカシージャスがセーブ。事なきを得た。
左サイドバックのアルバは2点目に代表されるように、再三オーバーラップを仕掛け、攻撃のアクセントになっていた。
中盤から前は全ての選手に高採点を与えたいところだが、特にキラーパスを何本も供給し続け、2アシストをマークした(アルバの得点と、トーレスの得点)シャビを最高評価とした。
大会を通じてここまで輝いた試合はなかったものの、ほぼ全ての試合で、スペイン代表の中で最も距離を走り、最もパスを出しているのもこのシャビである。
守備の局面で、勘所を心得たインターセプトが光ったブスケッツ、パスの出し手(1点目のアシストなど)、受け手の二役で印象的な働きを見せたセスクなどにも触れておきたい。

ゼロトップという賭けに勝ったデルボスケは、この日も采配が的中。
大会を通じて、意味がわからない采配が多かったが、そのほとんど全てが結果に繋がったのだから文句の言いようがない。
その功績を称えてS評価とした。
ひょっとすると、彼の目には、僕のような素人には見えない要素が見えているのかもしれない。


最後に、トーレスは、全く精彩を欠いていたこの二年間を吹っ切るような、最高の形で大会を終えた。
来シーズン以降、かつての素晴らしかった姿をもう一度、見せてくれることを願う。




準決勝 ドイツVSイタリア

ドイツ        1-2                       イタリア

試合内容 B+
MOM CH アンドレア・ピルロ(75)(イタリア)
主審 B-


GK マヌエル・ノイアー(60)                  ジャン・ルイジ・ブッフォン(75)
CB マッツ・フンメルス (55)                  レオナルド・ボヌッチ(65)
   ホルガー・バドシュトゥバー (40)             アンドレア・バルザーリ (50) 
SB フィリップ・ラーム (40)                   フェデリコ・バルザレッティ (60) 
   イェロメ・ボアテンク (60)                 ジョルジュ・キエッリーニ (60) 
CH サミ・ケディラ (65)                   ダニエレ・デロッシ (50) 
   バスティアン・シュバインシュタイガー (35)     アンドレア・ピルロ (75) 
SH ルーカス・ポドルスキ (35)            CH クラウディオ・マルキージオ (60)   
   トニ・クロース (45)                OH リカルド・モントリーボ (55) 
OH メスト・エジル (65)               CF アントニオ・カッサーノ (70) 
CF マリオ・ゴメス (45)                        マリオ・バロテッリ (70)

監督 ヨアヒム・レーブ C-                チェーザレ・プランデッリ A-

 
交代【ド】

マリオ・ゴメス→ミロスラフ・クローゼ(50)
ルーカス・ポドルスキ→マルコ・ロイス(60)
イェロメ・ボアテンク→トマス・ミュラー(50)

交代【イ】

アントニオ・カッサーノ→アレッサンドロ・ディアマンティ(50)
リカルド・モントリーボ→ティアゴ・モッタ(50)
マリオ・バロテッリ→アントニオ・ディナターレ(55)


【試合概要】

前日のスペインVSポルトガルとは打って変わって、とても楽しい試合となった。
やはりせっかく時間を割いてスポーツを見るのだから、これくらい面白くなくては見る価値がない。
とはいえ、これは裏を返せば、守備が……とくにドイツの守備が、スペインやポルトガルのような緻密さを
持っていなかったためとも言える。
開始からピルロを完全に自由にさせていたが、その結果ドイツはイタリアにいいように蹂躙されてしまった。

ギリシャ戦、あれだけ良かったロイスやクローゼを外し、今大会絶不調のポドルスキ、ゴールこそ決めているが
攻撃を停滞させる主因となっているゴメスを先発起用したレーブ監督の采配にも、大いに不満が残る。
中盤、ケディラやシュバインシュタイガーの位置まではボールも動くが、そこから先の攻撃に工夫を欠き、
イタリアゴール前になかなかボールを送り込めないのは、二列目の動きが少なすぎたから。
ケディラを除いて全体的に良くなかったドイツは、後半からクローゼ、ロイスを投入して前がかりになるも、逆に裏を突かれ、イタリアの鋭利なカウンターに再三脅かされる。
主審のプレゼント的なPKをエジルが決めて、ドイツが1点を返すも、時すでに遅くタイムアップ。
イタリアが決勝に駒を進めた。


【ドイツ】

とにかく、守備が脆すぎたし、攻撃にも動きがなさすぎた。
守備面の第一責任者は、シュバインシュタイガーとケディラのダブルボランチである。
彼らがピルロを自由にさせすぎた結果、チャンスの山をイタリアに提供してしまった。
攻撃面で力を発揮したケディラはまだしも、シュバインシュタイガーは故障の影響もあって、最悪のパフォーマンスだった。
中盤でフィルターがかからなかっただけに、最終ラインの負担が大きくなりすぎた嫌いはあるが、
それでもあれだけ崩されたのは彼らにも責任がある。
特にセンターのバドシュトゥバーはこの日も不安定な守備を露呈。
頼りになる相棒フンメルスもカッサーノにあっさりとかわされ、ラームはオフサイドライン崩れの戦犯ともなった。

攻撃面ではケディラ、エジルのラインまでは繋がるが、そこから先のクロース、ポドルスキ、ゴメスに動きがなく、
停滞した。
ギリシャ戦の立役者、ロイスとクローゼ(シュールレはさほど良くなかったのであれだが、ポドルスキよりは数段良いだろう)をなぜ使わなかったのか。
レーブ監督の采配には大いに疑問が残った。
「先発で使われれば点を決める」と豪語したゴメスも、結局いいところなく、失望の残る準決勝となってしまった。


【ドイツ代表まとめ】 4勝1敗 得点10 失点6 攻撃 A- 守備 B+ 面白さ B+ 総合 A

ここ数年繰り返されているような、『いつもの』ドイツだった。
ポテンシャルが高い一方で勝負弱い姿は、2002年くらいまでのドイツのそれとは真逆。
ダメなサッカーをしていても、勝ちきってしまう勝負強さが失われたのは痛い。
更に後述する攻撃陣の不調により、2年前に比べれば全体的にスケールダウンしていたという印象だ。

今大会で驚かされたのは、ケディラのプレイ。
バラックの代役として遜色ない働きをした2010に続き、今大会では全盛期のバラックを上回るほどのインパクトを残した。
また、レアル・マドリーでもケディラの同僚を勤めるエジルも、とりわけギリシャ戦では輝かしいばかりのプレイ。
最終ラインでは、新顔フンメルスがしっかりと締め、近い将来、世界を代表するセンターバックに成長するだろうと思わせるだけのプレイを見せた。

一方、レーブ監督が考えていた攻撃の軸である、ミュラー、ポドルスキ、ゴメスは揃って不発。
自分ばかりで周囲の見えていないポドルスキや、点は決めても動きが皆無で攻撃を停滞させるゴメスを先発させたイタリア戦の采配は、レーブ監督の評価を大幅に下落させた。
控えのロイス、クローゼがギリシャ戦で素晴らしい活躍を見せていただけに、どうして使わなかったのか大いに疑問である。
また、中盤の軸、シュバインシュタイガーも故障の影響か終始精彩を欠いた。

このように、選手個々で見てみると、実は今大会のドイツはあまり良くなかったという結論に行き着く。


主要選手の平均採点(5試合)

GK マヌエル・ノイアー(60)
CB マッツ・フンメルス(61)
   ホルガー・バドシュトゥバー(50)
SB フィリップ・ラーム (55) 
   イェロメ・ボアテンク (63.75/4試合)
CH サミ・ケディラ(71)  
   バスティアン・シュバインシュタイガー(54) 
SH トマス・ミュラー(58.3/3試合)
   ルーカス・ポドルスキ(43.75/4試合) 
OH  メスト・エジル(70) 
CF  マリオ・ゴメス(58.75/4試合)
 

準決勝 ポルトガルVSスペイン

ポルトガル      0-0           スペイン
PK          2-4
試合内容  D
MOM なし
主審 B


GK ルイ・パトリーシオ(70)         イケル・カシージャス(70)
CB ブルーノ・アウベス (50)         セルヒオ・ラモス (75) 
    ぺぺ  (60)                ジェラール・ピケ (60) 
SB ファビオ・コエントラン (65)        アルバロ・アルベロア (60) 
   ジョアン・ペレイラ (40)          ジョルディ・アルバ (70) 
DH ミゲウ・ヴェローゾ (45)         セルヒオ・ブスケッツ (65) 
CH ラウール・メイレレス (50)        シャビ・アロンソ (35) 
   ジョアン・モウチーニョ (60)       シャビ・エルナンデス (55) 
WG クリスチアーノ・ロナウド (45)     ダビド・シルバ (60) 
    ナニ (65)                アンドレス・イニエスタ (70) 
CF  ウーゴ・アウメイダ(40)        アルバロ・ネグレド (50) 

監督 パウロ・ベント B-            ビセンテ・デルボスケ B

交代

【ポ】
ウーゴ・アウメイダ→ネルソン・オリベイラ(40)
ミゲウ・ヴェローゾ→クストージオ(?)
ラウール・メイレレス→シルベストレ・ヴァレラ(?)

【ス】

アルバロ・ネグレド→セスク・ファブレガス(55)
ダビド・シルバ→ヘスス・ナバス(65)
シャビ・エルナンデス→ペドロ・ロドリゲス(60)


【試合概要】

すみませんが、ここまでつまらない試合だと、書くことがほとんどありません。
割愛させてください。

簡単に言ってしまえば、お互いがイエローカード覚悟で潰しあった、世紀の凡戦でございました。
試合はブツブツ切れ、FKは全くゴールの予感がせず。
ナバス、イニエスタ、アルバを中心にスペインのサイドアタックが、時折光るプレイをしましたが、
結局ゴールは決まらずPKに。という流れです。

120分間も戦って、枠内シュート数スペイン5:ポルトガル2。
セーブ数2:2。ファインセーブと言えるのは、ルイ・パトリシオの1つだけ。
端的に言って、ゴールの予感がしたのは120分間で1回か2回でした。

ポルトガルに関しては、90分も終わる前から時間稼ぎに入り、
交代と言えば、ヴェローゾに代えてクストージオを入れるような終始PK狙いのような采配でございました。



【ポルトガル代表まとめ】 3勝1分1敗 得点6 失点4 攻撃 B 守備 A 面白さ B+ 総合 A-


大会前の予想で、僕はグループBの最下位候補にこのポルトガルを挙げていた。
そんな大ハズレな予想からすると、ポルトガルは想像以上に素晴らしいチームだったと言える。
大会随一のウイング(ナニ、ロナウド)を抱えた彼らの戦術は、サイドアタックを最重視したもの。
ナニ、もしくはロナウドにロングボールを送り、突破。クロスをあげると、CFのポスティガがうまくスペースを空け、逆サイドのウイングが飛び込んでフィニッシュ。

中盤の3枚は皆、攻撃よりは守備寄りで、唯一モウチーニョはロングパスで攻撃を形作る。
故に、華麗なサイドアタックの印象とは裏腹に、Gk+4バック+3センター の8人で守る、守備的スタイルのチームである。
それだけに守備は堅固で、特にレアル・マドリー勢のペペ、コエントランの働きは目立った。
GKのパトリーシオもほぼノーミス。ベスト4のチームに相応しい守護神だった。

だが、チェコ戦、そしてスペイン戦と、頼みのウイングが抑えられると攻撃陣は沈黙。
センターバックがサイドバックのサポートに回り、1対2の状態を作られると、いくらロナウドやナニと言えどもなかなか思うようにはいかない。
2列目の3センターは飛び出しの意識が皆無で(メイレレスなどはリバプール時代、非常に飛び出しの多い選手だったのだが・・・・・・) 、ウイングが抑えられると完全に手詰まりとなった。

また、選手層の薄さも顕著で、CFポスティガの代わりにスペースメイクを担当できるCFはポルトガル代表チームには居なかった。


とはいえ、死のグループを突破してのベスト4、スペインを相手にPKまで粘ったその頑張りは評価できる。
大会前の予想を覆したその大健闘を称えたい。


【主力選手採点:注:オランダ戦が抜けていますので、それ以外の4試合のということになります】
()は平均。ポスティガのみ3試合、あとの選手は4試合。

GK ルイ・パトリーシオ(57.5)
CB ブルーノ・アウベス(53.75) 
   ペペ(65)
SB ファビオ・コエントラン(67.5)
   ジョアン・ペレイラ(53.75)
DH ミゲウ・ヴェローゾ(52.5)
CH ラウール・メイレレス(55)
   ジョアン・モウチーニョ(63.75)
WG ナニ(67.5) 
   クリスチアーノ・ロナウド(60)
CF エルデル・ポスティガ(46.6)
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