※このタイトルを見て、怒ってしまう方は読まないでください
好きだったチームの話だけ読みたい方は、青太字になっているところまでスクロールしてください。
こういうネガティブな記事はあれなんですが、つまらんつまらんと言っても、何が理由なのか、
きちんと掘り下げていかなければなぁと思い、記事を書きます。
リアルタイムで海外サッカーをガッツリ見始めたのはいつぐらいなんだろう?
98-99のカンプノウの奇跡は覚えているからその辺りだと思います。
94年ワールドカップはよくわからないまま見た記憶がありますが、98年はリアルタイムで見られていないので(のちに見たけど)、ガッツリ見始めたのはEURO2000からですね。
過去のワールドカップに関してはYouTubeによく上がっているので、74年以降のワールドカップの試合は大体見てます(EUROは上がらないんだよなぁ)。
海外サッカーと一口で言っても、大きく分けると世界3大リーグ(イングランド・スペイン・イタリア)、もしくは4大リーグ(+ドイツ)と言われます。
ボスマン判決(EU内のサッカー選手は、労働の自由が与えられる。また、契約が切れれば、会社=チームに縛られず自由に移籍ができる)による選手の一極集中化により、
大体この4つのリーグにスターが集まってしまったという事ですね。
ポルトガル、フランス、オランダ、トルコリーグあたりも割と豪華ですが、
やっぱり4大リーグ、もしくは3大リーグに比べると……というのはあります。
そしてそんな各国強豪チームを集めたCL(チャンピオンズ・リーグ)が最大のクラブチーム・イベントです。
これから僕が書くのは、その辺の前提条件で考えてください。
「いや、お前が知らないだけでアルバニアリーグめっちゃ面白いから!」みたいな情報はありがたいといえばありがたいですが、まぁとにかくそんな感じです。
☆スペインリーグの娯楽的没落 ダメージ A(S~E)
僕がサッカーを見始めた頃は、スペインリーグがとても面白かったです。
時、あたかも2000年。バルセロナはリバウドをエースに、クライファート、サビオラらを従えていた頃かな? オランダ人だらけなので批判はありましたが、
当時のオランダ代表自体も凄く面白いチームで、このバルセロナも面白いサッカーをしていました。
(あまりタイトルは取れなかったけどね!)
そのバルセロナを中心に、レアル・マドリー、バレンシア、デポルティボと強豪が4つもあり、切磋琢磨していましたね。
ソシエダの躍進の年、リケルメをエースにしたビジャレアル、セビージャの躍進の年、アルゼンチン人を集めたサラゴサ、思い出すだけで魅力的なチームがたくさんありました。
面白さが最高潮に達するのはライカールト監督が就任し、ロナウジーニョ、エトー、メッシが加わった2004年頃から、伝説のグァルディオラ監督黄金時代の2013年あたりまで。
ライバルのレアル・マドリーは銀河系軍団を作ったり、仇敵モウリーニョが登場するなどある種殺伐とした、エキサイティングな2強が、そのまま世界の2強としても通用するような時代でした。
一方で、バルセロナ、レアルがあまりにもとびぬけてしまい、中堅クラブで面白いチームが減っていることに、後から思い返すと気づかされます。
バルセロナはグァルディオラがいなくなってから娯楽的に没落し、2018年のバルベルデ監督の頃にはもはや往年のパスサッカーは影も形も見られない凡庸な姿に変わってしまいました。
そして、とどめはネグレイラ事件。
以前から、スペインリーグはイタリアなどに比べて『八百長に対して処罰がされない』リーグでした。
毎年のように下位では八百長が横行し、ビジャレアルがスポルティング・ヒホンを助けた八百長や、
オサスナへの度重なる疑惑、とどめにバルセロナが18年間にわたり審判委員会に金銭を送っていたというスキャンダルまで飛び出しましたが、今のところ全ての件において『処罰なし』です。
娯楽性も失い、モラルも失ったリーグに魅力はあるのでしょうか?
その点、イングランド・プレミアリーグは色々と問題がありながらも、面白さを保ち続けています。
☆『3大リーグ以外の、メディアの取り扱いの低さ』 B
メディアではなく、自分の眼で確かめろ、というお叱りはあるかもしれません。
しかし、2010年頃の開幕号と言えば、ロシアリーグやトルコリーグ、スイスリーグやクロアチアリーグの王者まで載せていました(まぁ要はCLに出てるチームですね)
フランスリーグのリヨン・モナコ・マルセイユの3勢力の鍔迫り合いや、
オランダリーグのアヤックスとPSVの争い、
スイスリーグのバーゼルの記事を読んで試合を見たところ、活躍していたのはサラー(現リバプール)だったり、ロシアリーグのゼニトにはアーセナルに来る前のアルシャビンがいましたよね。
雑誌も、詳細な試合レポートに読みごたえがあったワールドサッカーグラフィックが消え、
しょっちゅう過去のレジェンド特集をやるのが『またかよ』感がありつつも、第2のサッカー雑誌として栄えていたワールドサッカーマガジンが消え(雑誌名を変えてからは別物)、
あまりにもしょうもない特集が多すぎるネタ雑誌として、賑やかし担当のワールドサッカーキングも消え(現在は毎号1チームを特集するものになっており、別物)
硬派すぎる読み物として時代に逆行して(?)誕生したフットボリスタもこの度廃刊となり、
今や僕が読んでいるのはワールドサッカーダイジェスト1誌しか残っていません。
ワールドサッカーダイジェスト内でも、3大リーグ以外+バイエルン・パリ以外の扱いは以前に比べて雑ですので、これでは『このチームを見てみるか』という新しい発見にも至りません。
☆過密日程・試合数の増加・大会の拡張 A+
『オカネ』なんだな、というのはわかります。
しかしね、ワールドカップが24か国から32か国になり、次回からは48か国になるんですよね?
48か国も見たいチームねぇよ!!
EUROは16チームから24チームになって、めっきり面白さが減りました。
もう、オランダ・フランス・イタリア・ルーマニアが同居したり、
『本当の意味での死のグループ』などはないんでしょうね。
次回で言えば『スペイン・クロアチア・イタリア・アルバニア』のグループが死の組ですけど、
これは死の組というほどの組み分けでもないですもん。イタリアは凋落してますし。
24か国に枠が増えて、『以前のフォーマットなら落ちていた』国、16か国を独断と偏見でチョイスしました(各国予選リーグ1位・激戦区の2位の計16チーム)が、
結果、見て良かったと感じたのはEuro2016のハンガリーだけ。
後は同じく2016のポーランドがベスト8進出しましたね(内容はつまらんかったけど)。
それ以外の国は、やっぱりあえなく全滅です。
僕が見た頃はトヨタカップだった、欧州VS南米王者の大会なんて、欧州偏重のこのご時世に要りますか?
どう考えても欧州が優勝するじゃありませんか。世界の1位~20位は全部欧州のチームが独占しているという状態ですもん。
代表でバリバリやっている南米の選手はほとんどみんな欧州に(それも4大リーグに)いるんですよ??
で、それを拡大してクラブ・ワールドカップとかいう名前になってからはもう見る気もしませんが、
更にそれを拡大するんでしたっけ? 何を考えているんだか。
スペイン・スーパーカップも2チームの直接対決から4チーム制になったし、拡大すればいいってもんじゃないと思いますけどね。
とてもじゃないけど追いかけきれません。そのせいか疲労の蓄積により選手のパフォーマンスは低下しているように思います。
☆VARによる『神経質ハンド・神経質オフサイド』の過剰な増加 B+
プレミアリーグは現在では世界最高峰であり、未だにエキサイティングな、見て損はないリーグとして僕の中で位置づけられています(本当に面白いのはマンCとリバプールくらいですが。中位も入れればブライトンとか)。
ただ、VARの使い方があまりにも拙い。
今年はそれがいよいよ露骨になり、大炎上していますが、初年度からずっと酷かったです。
ちょっとでも手に当たったら、それが故意でなくてもハンドでPK。
ほんのちょっと肩が前に出ていたらオフサイドでゴール取り消し。
ルール上はそうなのかもしれません。
が、後述の問題もあり、『見ごたえのある得点シーン』が激減している昨今、
せっかく、パスを繋ぎ、スルーパスからの抜けだしでゴールという見ごたえあるゴールが取り消されたり、逆に手を切断しないと防げないようなハンドでPKを与えられたり……見ていて楽しいですか?
☆勝利を求め、効率性を重視するサッカースタイル S
一番の原因はこれかもしれません。
コロンビアの伝説的GKレネ・イギータほどの破天荒な選手はなかなか出てこないでしょうが、
2000年初頭のサッカー選手は『アーティスト』が多かったように思います。
ストイコビッチ(セルビア)、オコチャ(ナイジェリア)、ハジ(ルーマニア)、
ミカエル・ラウドルップ(デンマーク)、ハッジ(モロッコ)、ザホビッチ(スロベニア)、
グティ(スペイン)、リバウド、ロナウジーニョ(ブラジル)。
彼らの繰り出す『奇術』の数々は、試合の勝利に直結しないものもあったでしょうが、次に何をするかわからないワクワク感がありました。
翻って現在、こういった選手は『絶滅』しています。
簡単に言えば、『あなたはカカーが好きか、ロナウジーニョが好きか(同時代のブラジル人司令塔)』ということです。
『バレロンが好きか、ジャウミーニャが好きか(同時代のデポルティボのトップ下)』です。
前者はまず効率性の高いプレイを行ない、切れ味鋭く、その中に仄かなファンタジーを垣間見せることもあります。
後者は全身これファンタジーで、その切れ味は凄まじいですが、チームの勝利に直結するとは限りません。
現代のサッカーに後者の選手はいないと思います。ネイマールからはその香りを感じますが、なんとなく違います。
前者の選手たちは辛うじて生き残りましたが、先日引退したダビド・シルバ、エジル、
デ・ブライネ、メッシなどごく少数です(メッシは凄すぎるので、前者に入れたくなる時もありますが)。
そもそも、現代サッカーにはトップ下というポジションを置き、そこに全権を託すチームはほぼ絶滅しています。その事自体が、ファンタジーの低下と直接的に結びついているように思います。
☆ ポゼッションサッカーの弊害、相手にボールを押し付け合うスタイル A
グァルディオラ監督のバルセロナは世界に革命を起こしました。
そこで起こった弊害は、弱小チームでもきちんとボールを繋いで攻めていこうという意識改革でした。
当然、GKもDFも足元が巧くなければ通用しません、が、お金のない弱小チームにそれは難しいことでした。
結果として、前線からのプレッシングが以前以上に強くなり、相手の最終ラインでのパス回しをかっさらう『ストーミング』が当たり前のように導入されるようになりました。
さて、そうなるとまともにパスを繋いでゴールを目指すよりも、ゴール前でパスを繋いでいる相手からボールを奪って最短距離でゴールを目指す方が、得点効率は高くなります。
必然的にそういうゴールシーンだらけになってしまいました。
かと言って、ボールを大きく蹴りだして逃げるだけでは、
ポゼッション力に溢れるチームに全てボールを支配され、パスを繋ぎ倒されてしまいます。
でなければ最初から引きこもり、10人で守るような『引きこもり・ブロック守備』チームになります。
特に国際大会では、規模が拡大したこともあり、引きこもり・ブロック守備のチームをやたら目にする羽目になりました。
(2018ワールドカップではロシア、スウェーデン、ウルグアイと3チームも引きこもりチームがベスト8に進出……)
技術力に優れたチーム同士の対戦では、とにかくボールを奪われずにパスを繋ぎたい同士が、中盤でボールをひたすら奪い合おうとする、
『鳥かご・ロンボ』(輪になって、真ん中にいる鬼にとられないようにパスを繋ぐ遊び)の試合版をひたすら見る羽目になります。
ゴール前のシーン、スーパーセーブ、そうしたものはどんどん減り、中盤以下、最終ラインでのボール回しとそれを追いかけるプレス合戦、時折起こるパスミスをかっさらってのゴール。
そうした得点シーンばかりで、まともに攻めてもVARでの微妙なオフサイドで取り消される、そんな試合が極端に多くなったように感じます。
☆生活環境の変化(私的) B
以前はサッカー友だちがいたのですが、サッカーを語り合う友達がいなくなったこと。
また、NBAバスケを見るようになり、そちらの方が現状、はるかに楽しい事に気づいてしまったことも付け加えておきます。
☆大好きだったチームたち
クラブチーム
アーセナル 2000?(見始めた頃)~2009
アデバヨール&ファンペルシーの2トップ解散まで。
バルセロナ 2000?(見始めた頃・多分ファンハール監督)~一時中断)
2003~2012 ライカールト→グァルディオラ(黄金時代)
2013~2018 大幅に魅力は下がったが、余熱がまだ残っていた時代。バルベルデ1年目まで)
マンチェスター・シティ 2007~現在(タクシン買収~)
マンチーニ→ペジェグリーニ→グァルディオラと一貫して、ポゼッションサッカーを目指す『リメイク版・バルセロナ』
リバプール 2019頃?~現在
クロップ監督の元、就任当時は強烈カウンターのチームだったが、徐々にポゼッションでも魅せられる万能チームに。その変化が何年なのかが定かではないので2019?とした。
バレンシア 99~00
クラウディオ・ロペス&イリエの強力2トップを活かした、高速カウンター。
バレンシアは成績的には2002年頃まで強豪の一角に名を連ねるが、クラウディオ・ロペスが抜け、カリュウが入った以降は特に魅力を感じず。
セビージャ 2005頃~2010頃
(退屈な)アトレティコが第3勢力になるまで、比較的長く続いたスペイン第3のチームは
カヌーテ&ルイス・ファビアーノの強力2トップ。
ヘスス・ナバス、プエルタ、ディエゴ・カペルなど毎年のように好ウイングも輩出した。
レアル・ソシエダ 2002-2003
ニハト&コバチェビッチのでこぼこ2トップを、ウイングのデ・ペドロ、中盤からはシャビ・アロンソが援護射撃する圧巻のチーム。
惜しくも2位に終わったが、これぞ最高の敗者(グッド・ルーザー)だった。
ビジャレアル 2005-2007
稀代の天才司令塔リケルメを中心に、ペジェグリーニ監督が作ったクラブ史上最高傑作。
今では絶対に見ることのできない、『最後の恐竜』。
ニューカッスル 2001ぐらい~2004ぐらい
シアラー&ベラミー、ウイングのロベールやダイアーらがボビー・ロブソン監督のもと、超攻撃的サッカーを繰り出したニューカッスル。オーウェンやクライファートをとった頃から沈没。
モナコ 2002~2004
新鋭デシャン監督率いるモナコは、モリエンテスにプルソ、ジュリーにロテンと魅力的なタレントを引っ提げ、CLではレアル、チェルシーを破るなど快進撃を見せた。
ボルシア・ドルトムント 2010~2013
新進気鋭のクロップ監督率いるドルトムントは、香川、ゲッツェが中心にブワシュチコフスキ、グロスクロイツ、シャヒンと中盤が強力。
翌年にはバリオスを失うもレバンドフスキを獲得し、一気にドイツの盟主へと躍り出、
シャヒンが抜けた後もギュンドアン、ロイスなど魅力あるタレントを揃えていた。
他チームのエースをまとめて引き抜くのが趣味のバイエルンにより、レバンドフスキ、ゲッツェ、フンメルスを奪われ停滞。
その後、現在に至るまでドイツNO2の地位を保ち続けるも、当時のような魅力的なサッカーはしていない。
ナポリ 2015~2018・2022~2023
サッリ監督の元、インシーニエ、メルテンス、イグアインが縦横無尽にポジションチェンジをする3トップをハムシクが支えたナポリは、分厚いユベントスの壁を崩せずも、常に魅力的なチームであり続けた。
2022~2023は新生クバラツヘリアと、スピードスターのオシメーンによる魅力あふれるチームが突如出現したが、スパレッティ監督退任で1シーズンで終焉した。
アヤックス 2018~2020
テン・ハーフ監督が作り上げた、『黄金時代のバルセロナ』イズムを感じさせてくれたチーム。
タディッチ、ジイェフの両ワイドに、前線は大ベテランのフンテラール。
中盤司令塔にフレンキー・デヨングを擁し、GKオナナ、DFマズラウィ、デ・リフトなど
その後3大リーグ+バイエルンの強豪に買われていった選手たちを多く擁するこのチームは、
メッシ・ネイマール・スアレスといった超スーパースターを揃えながらも華麗なサッカーのできないバルセロナとの対比で、見るものを驚かせた。
2019-2020は結果こそCLグループステージ敗退だったものの、誤審さえなければチェルシーではなくアヤックスがベスト16に進出していた。
そのテン・ハーフ監督もマンUに引き抜かれたものの、アヤックス時代のかけらも良いサッカーができておらず、残念な事になっている。
代表チーム編は加筆する、かも? ここまで書いて疲れましたw
好きだったチームの話だけ読みたい方は、青太字になっているところまでスクロールしてください。
こういうネガティブな記事はあれなんですが、つまらんつまらんと言っても、何が理由なのか、
きちんと掘り下げていかなければなぁと思い、記事を書きます。
リアルタイムで海外サッカーをガッツリ見始めたのはいつぐらいなんだろう?
98-99のカンプノウの奇跡は覚えているからその辺りだと思います。
94年ワールドカップはよくわからないまま見た記憶がありますが、98年はリアルタイムで見られていないので(のちに見たけど)、ガッツリ見始めたのはEURO2000からですね。
過去のワールドカップに関してはYouTubeによく上がっているので、74年以降のワールドカップの試合は大体見てます(EUROは上がらないんだよなぁ)。
海外サッカーと一口で言っても、大きく分けると世界3大リーグ(イングランド・スペイン・イタリア)、もしくは4大リーグ(+ドイツ)と言われます。
ボスマン判決(EU内のサッカー選手は、労働の自由が与えられる。また、契約が切れれば、会社=チームに縛られず自由に移籍ができる)による選手の一極集中化により、
大体この4つのリーグにスターが集まってしまったという事ですね。
ポルトガル、フランス、オランダ、トルコリーグあたりも割と豪華ですが、
やっぱり4大リーグ、もしくは3大リーグに比べると……というのはあります。
そしてそんな各国強豪チームを集めたCL(チャンピオンズ・リーグ)が最大のクラブチーム・イベントです。
これから僕が書くのは、その辺の前提条件で考えてください。
「いや、お前が知らないだけでアルバニアリーグめっちゃ面白いから!」みたいな情報はありがたいといえばありがたいですが、まぁとにかくそんな感じです。
☆スペインリーグの娯楽的没落 ダメージ A(S~E)
僕がサッカーを見始めた頃は、スペインリーグがとても面白かったです。
時、あたかも2000年。バルセロナはリバウドをエースに、クライファート、サビオラらを従えていた頃かな? オランダ人だらけなので批判はありましたが、
当時のオランダ代表自体も凄く面白いチームで、このバルセロナも面白いサッカーをしていました。
(あまりタイトルは取れなかったけどね!)
そのバルセロナを中心に、レアル・マドリー、バレンシア、デポルティボと強豪が4つもあり、切磋琢磨していましたね。
ソシエダの躍進の年、リケルメをエースにしたビジャレアル、セビージャの躍進の年、アルゼンチン人を集めたサラゴサ、思い出すだけで魅力的なチームがたくさんありました。
面白さが最高潮に達するのはライカールト監督が就任し、ロナウジーニョ、エトー、メッシが加わった2004年頃から、伝説のグァルディオラ監督黄金時代の2013年あたりまで。
ライバルのレアル・マドリーは銀河系軍団を作ったり、仇敵モウリーニョが登場するなどある種殺伐とした、エキサイティングな2強が、そのまま世界の2強としても通用するような時代でした。
一方で、バルセロナ、レアルがあまりにもとびぬけてしまい、中堅クラブで面白いチームが減っていることに、後から思い返すと気づかされます。
バルセロナはグァルディオラがいなくなってから娯楽的に没落し、2018年のバルベルデ監督の頃にはもはや往年のパスサッカーは影も形も見られない凡庸な姿に変わってしまいました。
そして、とどめはネグレイラ事件。
以前から、スペインリーグはイタリアなどに比べて『八百長に対して処罰がされない』リーグでした。
毎年のように下位では八百長が横行し、ビジャレアルがスポルティング・ヒホンを助けた八百長や、
オサスナへの度重なる疑惑、とどめにバルセロナが18年間にわたり審判委員会に金銭を送っていたというスキャンダルまで飛び出しましたが、今のところ全ての件において『処罰なし』です。
娯楽性も失い、モラルも失ったリーグに魅力はあるのでしょうか?
その点、イングランド・プレミアリーグは色々と問題がありながらも、面白さを保ち続けています。
☆『3大リーグ以外の、メディアの取り扱いの低さ』 B
メディアではなく、自分の眼で確かめろ、というお叱りはあるかもしれません。
しかし、2010年頃の開幕号と言えば、ロシアリーグやトルコリーグ、スイスリーグやクロアチアリーグの王者まで載せていました(まぁ要はCLに出てるチームですね)
フランスリーグのリヨン・モナコ・マルセイユの3勢力の鍔迫り合いや、
オランダリーグのアヤックスとPSVの争い、
スイスリーグのバーゼルの記事を読んで試合を見たところ、活躍していたのはサラー(現リバプール)だったり、ロシアリーグのゼニトにはアーセナルに来る前のアルシャビンがいましたよね。
雑誌も、詳細な試合レポートに読みごたえがあったワールドサッカーグラフィックが消え、
しょっちゅう過去のレジェンド特集をやるのが『またかよ』感がありつつも、第2のサッカー雑誌として栄えていたワールドサッカーマガジンが消え(雑誌名を変えてからは別物)、
あまりにもしょうもない特集が多すぎるネタ雑誌として、賑やかし担当のワールドサッカーキングも消え(現在は毎号1チームを特集するものになっており、別物)
硬派すぎる読み物として時代に逆行して(?)誕生したフットボリスタもこの度廃刊となり、
今や僕が読んでいるのはワールドサッカーダイジェスト1誌しか残っていません。
ワールドサッカーダイジェスト内でも、3大リーグ以外+バイエルン・パリ以外の扱いは以前に比べて雑ですので、これでは『このチームを見てみるか』という新しい発見にも至りません。
☆過密日程・試合数の増加・大会の拡張 A+
『オカネ』なんだな、というのはわかります。
しかしね、ワールドカップが24か国から32か国になり、次回からは48か国になるんですよね?
48か国も見たいチームねぇよ!!
EUROは16チームから24チームになって、めっきり面白さが減りました。
もう、オランダ・フランス・イタリア・ルーマニアが同居したり、
『本当の意味での死のグループ』などはないんでしょうね。
次回で言えば『スペイン・クロアチア・イタリア・アルバニア』のグループが死の組ですけど、
これは死の組というほどの組み分けでもないですもん。イタリアは凋落してますし。
24か国に枠が増えて、『以前のフォーマットなら落ちていた』国、16か国を独断と偏見でチョイスしました(各国予選リーグ1位・激戦区の2位の計16チーム)が、
結果、見て良かったと感じたのはEuro2016のハンガリーだけ。
後は同じく2016のポーランドがベスト8進出しましたね(内容はつまらんかったけど)。
それ以外の国は、やっぱりあえなく全滅です。
僕が見た頃はトヨタカップだった、欧州VS南米王者の大会なんて、欧州偏重のこのご時世に要りますか?
どう考えても欧州が優勝するじゃありませんか。世界の1位~20位は全部欧州のチームが独占しているという状態ですもん。
代表でバリバリやっている南米の選手はほとんどみんな欧州に(それも4大リーグに)いるんですよ??
で、それを拡大してクラブ・ワールドカップとかいう名前になってからはもう見る気もしませんが、
更にそれを拡大するんでしたっけ? 何を考えているんだか。
スペイン・スーパーカップも2チームの直接対決から4チーム制になったし、拡大すればいいってもんじゃないと思いますけどね。
とてもじゃないけど追いかけきれません。そのせいか疲労の蓄積により選手のパフォーマンスは低下しているように思います。
☆VARによる『神経質ハンド・神経質オフサイド』の過剰な増加 B+
プレミアリーグは現在では世界最高峰であり、未だにエキサイティングな、見て損はないリーグとして僕の中で位置づけられています(本当に面白いのはマンCとリバプールくらいですが。中位も入れればブライトンとか)。
ただ、VARの使い方があまりにも拙い。
今年はそれがいよいよ露骨になり、大炎上していますが、初年度からずっと酷かったです。
ちょっとでも手に当たったら、それが故意でなくてもハンドでPK。
ほんのちょっと肩が前に出ていたらオフサイドでゴール取り消し。
ルール上はそうなのかもしれません。
が、後述の問題もあり、『見ごたえのある得点シーン』が激減している昨今、
せっかく、パスを繋ぎ、スルーパスからの抜けだしでゴールという見ごたえあるゴールが取り消されたり、逆に手を切断しないと防げないようなハンドでPKを与えられたり……見ていて楽しいですか?
☆勝利を求め、効率性を重視するサッカースタイル S
一番の原因はこれかもしれません。
コロンビアの伝説的GKレネ・イギータほどの破天荒な選手はなかなか出てこないでしょうが、
2000年初頭のサッカー選手は『アーティスト』が多かったように思います。
ストイコビッチ(セルビア)、オコチャ(ナイジェリア)、ハジ(ルーマニア)、
ミカエル・ラウドルップ(デンマーク)、ハッジ(モロッコ)、ザホビッチ(スロベニア)、
グティ(スペイン)、リバウド、ロナウジーニョ(ブラジル)。
彼らの繰り出す『奇術』の数々は、試合の勝利に直結しないものもあったでしょうが、次に何をするかわからないワクワク感がありました。
翻って現在、こういった選手は『絶滅』しています。
簡単に言えば、『あなたはカカーが好きか、ロナウジーニョが好きか(同時代のブラジル人司令塔)』ということです。
『バレロンが好きか、ジャウミーニャが好きか(同時代のデポルティボのトップ下)』です。
前者はまず効率性の高いプレイを行ない、切れ味鋭く、その中に仄かなファンタジーを垣間見せることもあります。
後者は全身これファンタジーで、その切れ味は凄まじいですが、チームの勝利に直結するとは限りません。
現代のサッカーに後者の選手はいないと思います。ネイマールからはその香りを感じますが、なんとなく違います。
前者の選手たちは辛うじて生き残りましたが、先日引退したダビド・シルバ、エジル、
デ・ブライネ、メッシなどごく少数です(メッシは凄すぎるので、前者に入れたくなる時もありますが)。
そもそも、現代サッカーにはトップ下というポジションを置き、そこに全権を託すチームはほぼ絶滅しています。その事自体が、ファンタジーの低下と直接的に結びついているように思います。
☆ ポゼッションサッカーの弊害、相手にボールを押し付け合うスタイル A
グァルディオラ監督のバルセロナは世界に革命を起こしました。
そこで起こった弊害は、弱小チームでもきちんとボールを繋いで攻めていこうという意識改革でした。
当然、GKもDFも足元が巧くなければ通用しません、が、お金のない弱小チームにそれは難しいことでした。
結果として、前線からのプレッシングが以前以上に強くなり、相手の最終ラインでのパス回しをかっさらう『ストーミング』が当たり前のように導入されるようになりました。
さて、そうなるとまともにパスを繋いでゴールを目指すよりも、ゴール前でパスを繋いでいる相手からボールを奪って最短距離でゴールを目指す方が、得点効率は高くなります。
必然的にそういうゴールシーンだらけになってしまいました。
かと言って、ボールを大きく蹴りだして逃げるだけでは、
ポゼッション力に溢れるチームに全てボールを支配され、パスを繋ぎ倒されてしまいます。
でなければ最初から引きこもり、10人で守るような『引きこもり・ブロック守備』チームになります。
特に国際大会では、規模が拡大したこともあり、引きこもり・ブロック守備のチームをやたら目にする羽目になりました。
(2018ワールドカップではロシア、スウェーデン、ウルグアイと3チームも引きこもりチームがベスト8に進出……)
技術力に優れたチーム同士の対戦では、とにかくボールを奪われずにパスを繋ぎたい同士が、中盤でボールをひたすら奪い合おうとする、
『鳥かご・ロンボ』(輪になって、真ん中にいる鬼にとられないようにパスを繋ぐ遊び)の試合版をひたすら見る羽目になります。
ゴール前のシーン、スーパーセーブ、そうしたものはどんどん減り、中盤以下、最終ラインでのボール回しとそれを追いかけるプレス合戦、時折起こるパスミスをかっさらってのゴール。
そうした得点シーンばかりで、まともに攻めてもVARでの微妙なオフサイドで取り消される、そんな試合が極端に多くなったように感じます。
☆生活環境の変化(私的) B
以前はサッカー友だちがいたのですが、サッカーを語り合う友達がいなくなったこと。
また、NBAバスケを見るようになり、そちらの方が現状、はるかに楽しい事に気づいてしまったことも付け加えておきます。
☆大好きだったチームたち
クラブチーム
アーセナル 2000?(見始めた頃)~2009
アデバヨール&ファンペルシーの2トップ解散まで。
バルセロナ 2000?(見始めた頃・多分ファンハール監督)~一時中断)
2003~2012 ライカールト→グァルディオラ(黄金時代)
2013~2018 大幅に魅力は下がったが、余熱がまだ残っていた時代。バルベルデ1年目まで)
マンチェスター・シティ 2007~現在(タクシン買収~)
マンチーニ→ペジェグリーニ→グァルディオラと一貫して、ポゼッションサッカーを目指す『リメイク版・バルセロナ』
リバプール 2019頃?~現在
クロップ監督の元、就任当時は強烈カウンターのチームだったが、徐々にポゼッションでも魅せられる万能チームに。その変化が何年なのかが定かではないので2019?とした。
バレンシア 99~00
クラウディオ・ロペス&イリエの強力2トップを活かした、高速カウンター。
バレンシアは成績的には2002年頃まで強豪の一角に名を連ねるが、クラウディオ・ロペスが抜け、カリュウが入った以降は特に魅力を感じず。
セビージャ 2005頃~2010頃
(退屈な)アトレティコが第3勢力になるまで、比較的長く続いたスペイン第3のチームは
カヌーテ&ルイス・ファビアーノの強力2トップ。
ヘスス・ナバス、プエルタ、ディエゴ・カペルなど毎年のように好ウイングも輩出した。
レアル・ソシエダ 2002-2003
ニハト&コバチェビッチのでこぼこ2トップを、ウイングのデ・ペドロ、中盤からはシャビ・アロンソが援護射撃する圧巻のチーム。
惜しくも2位に終わったが、これぞ最高の敗者(グッド・ルーザー)だった。
ビジャレアル 2005-2007
稀代の天才司令塔リケルメを中心に、ペジェグリーニ監督が作ったクラブ史上最高傑作。
今では絶対に見ることのできない、『最後の恐竜』。
ニューカッスル 2001ぐらい~2004ぐらい
シアラー&ベラミー、ウイングのロベールやダイアーらがボビー・ロブソン監督のもと、超攻撃的サッカーを繰り出したニューカッスル。オーウェンやクライファートをとった頃から沈没。
モナコ 2002~2004
新鋭デシャン監督率いるモナコは、モリエンテスにプルソ、ジュリーにロテンと魅力的なタレントを引っ提げ、CLではレアル、チェルシーを破るなど快進撃を見せた。
ボルシア・ドルトムント 2010~2013
新進気鋭のクロップ監督率いるドルトムントは、香川、ゲッツェが中心にブワシュチコフスキ、グロスクロイツ、シャヒンと中盤が強力。
翌年にはバリオスを失うもレバンドフスキを獲得し、一気にドイツの盟主へと躍り出、
シャヒンが抜けた後もギュンドアン、ロイスなど魅力あるタレントを揃えていた。
他チームのエースをまとめて引き抜くのが趣味のバイエルンにより、レバンドフスキ、ゲッツェ、フンメルスを奪われ停滞。
その後、現在に至るまでドイツNO2の地位を保ち続けるも、当時のような魅力的なサッカーはしていない。
ナポリ 2015~2018・2022~2023
サッリ監督の元、インシーニエ、メルテンス、イグアインが縦横無尽にポジションチェンジをする3トップをハムシクが支えたナポリは、分厚いユベントスの壁を崩せずも、常に魅力的なチームであり続けた。
2022~2023は新生クバラツヘリアと、スピードスターのオシメーンによる魅力あふれるチームが突如出現したが、スパレッティ監督退任で1シーズンで終焉した。
アヤックス 2018~2020
テン・ハーフ監督が作り上げた、『黄金時代のバルセロナ』イズムを感じさせてくれたチーム。
タディッチ、ジイェフの両ワイドに、前線は大ベテランのフンテラール。
中盤司令塔にフレンキー・デヨングを擁し、GKオナナ、DFマズラウィ、デ・リフトなど
その後3大リーグ+バイエルンの強豪に買われていった選手たちを多く擁するこのチームは、
メッシ・ネイマール・スアレスといった超スーパースターを揃えながらも華麗なサッカーのできないバルセロナとの対比で、見るものを驚かせた。
2019-2020は結果こそCLグループステージ敗退だったものの、誤審さえなければチェルシーではなくアヤックスがベスト16に進出していた。
そのテン・ハーフ監督もマンUに引き抜かれたものの、アヤックス時代のかけらも良いサッカーができておらず、残念な事になっている。
代表チーム編は加筆する、かも? ここまで書いて疲れましたw